△○月×★日
揺り篭のように優しく揺られて起きてと言われて起きる人間はいない。
いつまでも聴いていたくなるような優しい声色でまどろんでいると、
突然腹に鈍痛が襲い掛かる。
唸りながら身を起こすとマリちゃんがドヤ顔で妹ちゃんに、
ほら起きた、なんて言っている。
教育に悪い奴だ。
頭と腹の鈍痛を体調を整える能力で誤魔化すと、
周りの様子見ると、夜はすっかり明けているようだ。
ところどころ包帯の巻かれたマリちゃんが、
巫女さんの肩を借りている。
吸血鬼のお姉さんが妹ちゃんやメイドさん、紫魔女を連れて仁王立ちしている。
満面の笑みの妖怪を見ると背筋がぞぞっとするな。
「このレミリア=スカーレットの異変解決話を聞く栄誉を与えるわ!」
「私もよ!お姉さま!」
「そうねフランもとっても頑張ったわね。咲夜、貴方もよ。」
「勿体無いお言葉です。」
「・・・わたしは?」
「パチェも頑張った!」
目の前の茶番はなにかと思えば、
俺に語らせる異変解決話の情報提供らしい。
お姉さんが喋るたびに周りの人からツッコミが入っているが、
大体の流れは理解した。
異変に最初に気づいたのは毎月満月を見ながら茶を飲んでいる紅魔組で、
紫魔女に夜の進行を止めさせて異変解決に乗り出した。
メンバーは吸血鬼姉妹にメイドさんだ。
異変の原因が分からずウロウロしていると、
同じく異変に感づいた白玉楼組と遭遇したが異変とは関係なさそうだったので、
消耗を避けるためお互い先を急ぐことに。
人里に向かうとマリちゃんが慧音先生と弾幕勝負を行っているので、
のんびりと観戦し、勝利したマリちゃんを追跡した。
マリちゃんが神社で巫女さんに勝負を申し込んでいるのを目撃する。
その後もマリちゃんを追跡し、消耗を避けていると遠目から弾幕が近づいているの察知する。
怒涛の勢いで猛追してきた巫女さんとそれを引き離すべく速度を上げたマリちゃんのデッドヒートを追いかける。
巫女さんとマリちゃんの前に白玉楼組が現れた。
妖夢ちゃんは交戦を避けようとしたが、結局弾幕勝負をすることに。
勝負は竹林の上で決着し、怪しげな屋敷を見つけた二人は何となく突入。
奇しくも黒幕がいるところだったらしい。
二人が屋敷の中で暴れているのを見て同情していると、
変な服の人が偽の月だの偽の通路だの言って二人と弾幕勝負を開始した。
変な服の人が余裕たっぷりにしているのを見て、
お姉さんが妹ちゃんに指示を出して幻術を破壊する。
変な服の人の顔が歪んだのを見て満足したお姉さんは、
その場を二人に任せて奥に進む。
奥には暇を持て余していた女性が待っており盛大に歓迎されて、一頻り弾幕を楽しんだ後、
巫女さん達の所に戻るとまだ弾幕を打ち合っていたので、女性と観戦したそうだ。
変な服の人が手を振る女性を見て肩を落とした所で降伏し、異変は終了。
今回異変を解決したのは漁夫の利をした紅魔館組になったとのこと。
とりあえずお姉さんをいやあ策士ですね!と持ち上げて、
全員の労をねぎらって解散した。
△○月△○日
神社で里の人らによる異変解決の宴会があった。
主役は紅魔館組なのだが里の人達の宴会に参加して騒動にならないか心配したが、
お姉さんと妹ちゃんが神様の信徒だといった後に、
水芸を披露したらなんか盛り上がって受け入れられた。
それでいいのかと里長に聞いたら、
同じ神様を信仰していて、神社の巫女さんが何も言わないなら大丈夫だって?
細かいことを気にしていたら幻想郷では生きていけない?
それもそうだ。
△○月△×日
神社で宴会の片づけをしていると妖怪側の宴会は紅魔館で行うことを知らされた。
妖怪の宴会は荒れるから助かるわと巫女さんが言っていた。
△○月△□日
里を歩いていたら稗田の嬢ちゃんに引き止められた。
お姉さんと妹ちゃんが本当に信仰しているのか聞かれる。
そうだよって言ったら悩み始めた。
「妖怪が神を信仰する・・・そんなことあるんでしょうか?」
さあ?でも祈りたくなることはあるんじゃないかな。
△○月△☆日
日課を行っていると神様から呼び出しがあった。
神社ではなく紅魔館に行くと奥まった部屋に通される。
中には丸いテーブルが置かれ、お姉さんと長い黒髪が美しい女性と配色がおかしいナース服の女性が座っていた。
お姉さんの横には神様の像が立っており、どうやら話し合いの最中だったようだ。
『我が信徒よ。海釣りやってみたいと思わんか?』
神様にそう言われて思わずやりたいです!と言ってしまった。
重苦しい沈黙が痛い。
『そういうことじゃよ。』
どういうことじゃ?
「いいんじゃないの。」
「姫様!」
「別に借りるだけなんだし、貸す判断はあっちに任せちゃえば。」
ナース服の女性は少し悩んだ後に手紙を書き始めた。
話に全くついて行けず入り口でぼんやりしていると、
お姉さんと目が合う、親指を立てられた。
よく分からんが上手くいったらしい。
首を捻っていると今度は髪の長い女性と目が合う、
とりあえず会釈すると、懐かしい感じねと言われた。
はて、懐かしいとはどういうことだろう?
ナース服の女性が書き終えた手紙をお姉さんに渡すと、
神様が神社に祀られる気は無いかと尋ねた。
ナース服の女性がにべもなく断ると、
話し合いは終了らしく、俺は宴会の準備に借り出された。
△○月△◎日
紅魔館での宴会は自由参加なのか、
異変に係わりのない妖精や妖怪が紛れ込んで騒いでいる。
子供くらいの身長の妖精と妖怪が鬼ごっこに興じたり、
魔法使いがたむろって異変について話していたり、
天狗と河童が小鬼に絡まれている。
俺は定番となった異変解決語りを終えてフリーになり、
料理と酒に舌鼓を打っていると、声を掛けられた。
最初は何匹も参加しているただの妖怪兎だと思って接していたのだが、
どうも大国様の話をしたり、近くにした妖怪兎を顎で使っていたりと、
ただものではない雰囲気を醸し出している。
酒に酔った頭でよくよく見てみると、人参のペンダントをしていた。
こいつ、いっつも俺を脅かしていた妖怪だわ。
顔に出さないで満足するまで喋らせてたらどっかにいった。
なんとかやり過ごしたと思ったら後ろから、わっと驚かされて尻餅をついてしまった。
けらけら笑ってこれからもよろしくと言われたが、よろしくしたくないな。
飲みなおしているとまた声を掛けられる。
警戒して振り向くと慧音先生と竹の子の女の子だった。
先生は兎も角女の子は何で参加しているのかと聞いてみると、
ただで美味い物が食えることと、ある人間をからかいに来たそうだ。
女の子はお目当ての相手を見つけたのか、そのまま去っていった。
先生はため息を吐いて追いかけていった。
忙しないな。
「こんばんは。少しよろしいかしら?」
弾幕勝負の乱痴気騒ぎをBGMにスキマさんから声を掛けられた。
スキマさんも吸血鬼姉妹が神様を信仰していることについて聞いてきた。
俺は稗田の嬢ちゃんのときと同じように返した。
次に昨日の密室での出来事を聞かれた。
といってもよく分からないことだらけだったので、
合祀の話をしたらなにやら考え込んだ。
ありがとう参考になったわと言ってスキマさんは消えていった。
なんだったのだろうか?
弾幕勝負は巫女さんが参加者全員を伸して優勝したらしい。
△○月△★日
異変解決の宴会は二度としないとお姉さんが宣言したため、
巫女さんがガッカリしている。
まあしょうがないんじゃないかな。
屋敷が穴だらけになっていたし。
△○月□○日
貸本屋で幻想郷縁起が加筆されたそうなので、
確認してみると今回の異変の話と永遠亭についての記述が加筆されており、
紅魔館の人間友好度が低から普通に上がっていた。
文々。新聞も新しいのが置かれていたので見てみると、
珍品ハンターなる人物が現れたそうだ。
珍品といえば古道具屋の店主だが?
△×月○○日
稲穂が頭を垂れて収穫の時期がやって来た。
金色に色づいた景色を眺めていると、
さぼってんじゃねえべと尻を叩かれる。
ちょっとくらいひたらせて欲しいもんだ。