あつもり日記   作:syumasyuma

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△×月○×日

 

畑で収穫の手伝いをしていたらやたらでかいスイカを見かけた。

隣でかぼちゃを取っている梅吉にスイカのことを聞くと、

でかいだろと自慢された。

 

どうやら何処まで大きくなるか収穫せずに試しているらしい。

すでに腰ほどの大きさまで育っているがどこまで大きくなるのやら。

 

 

△×月○☆日

 

冬でもスイカを成長させるべく、

河童にビニールハウスを作って貰おうとしたら、

なぜか驚かれた。

 

「盟友!どこでその話を聞いたんだい!?」

 

河童の話を聞いていると、秘密裏にハウス栽培を計画しているらしい。

しかしビニールが手に入らないので、木造ハウスで試す予定だそうだ。

 

ビニールが無いなら人里では無理そうだな。

秘密にしてくれと言われたので、はいはいと生返事を返す。

 

 

△×月○◎日

 

収穫も粗方終わり一息ついていると、

一瞬スイカが動いた気がする。

気のせいだろうか?

 

△×月○★日

 

夢の中で神様と話しているとあることに気づいたので、

ちょっと神様に横を向いて貰う。

 

やっぱりだ。いつの間にか口が開いていて、中に歯と舌が見える。

・・・歯というには鋭く尖っていて牙のように見えるし、

舌も細長くてチロチロしているな。

 

『我が信徒は鈍いのう、夏には口が開いておったぞ』

 

これみよがしに口をぱくぱくする神様に、

これからは我のことをもっと見ておくんじゃぞと言われる。

夢の中で無茶をいう。

 

『そうそう此度の異変の首謀者、永遠亭の者たちの人里への繋がりを任せるぞ。』

 

何か丸投げされたので詳しい話を聞くと、

前に永遠亭との話し合いの中で人里との橋渡しを約束していたらしいが、

形だけで大丈夫だという。

 

例え上手くいかなくても橋渡しをやったという結果が大事と言われる。

 

あちらもそれほど期待しておるまいと神様は言っていたが、

仕事を任された以上は全うしたいところだ。

 

 

△×月○●日

 

永遠亭に行く前に里をブラブラしていると、あることに気づいた。

これはいけるかもと思い、里長にある提案をする。

里長は自慢のヒゲをわしゃわしゃと触って考えていたが、

最後には受け入れてくれた。

 

早速作業を進めて貰うことにした。

作業を進めて貰う間、永遠亭に向かうことにした。

 

したのだが永遠亭が何処にあるのか分からず、竹林で迷ったので帰ってきてしまった。

これは不味いと先生に相談すると道案内を用意してくれることになった。

 

道案内はたまに会う気風のいい女性、

長い白髪にもんぺ姿のこの人は腕のいい退治屋であり、

よく竹林で竹の子を取っているそうで、永遠亭にも良く行くそうだ。

 

もんぺさんに案内されて永遠亭に辿り着くと、

妖怪兎があちらこちらにいて遂には囲まれてしまった。

 

口々にまた襲撃に来たのかと言っていたが、

もんぺさんが今日は道案内さというと妖怪兎の一体が家屋の中に入っていった。

 

すると制服姿の珍妙な兎が出てきて中に入れてくれることに、

もんぺさんは門の所で待っているといって引き返していった。

 

奥の座敷に着くとお茶を出されたのでお礼を言って口を付ける。

一息ついていると白髪に変な配色のナース服を着た女医さんが応対してくれた。

早速橋渡しの件の話をすると、女医さんは薬売りをする予定だというので、

里に下ろす薬を見せてもらうことにする。

 

目録と実物を出されたので目録と見比べて過不足ないことを確認し、

その薬を飲んでみると、女医さんが何をしているのかと聞いてきた。

 

里の人が飲んでも大丈夫か治験ですよと、返してちょっと時間を置きながら薬を飲んでいく。

薬の副作用なんかを聞きつつ、塗り薬も試してみる。

とはいっても痛いのは嫌なので肌に塗って異常がでないか位だが、

ちょっと態度が軟化した女医さんと話していると。

 

黒の長髪が綺麗な女性と人参のペンダントをした妖怪兎が現れる。

 

「永遠亭の今後の話なら私も参加するわよ・・・あら病人なの?」

 

「違う違うああやって毒じゃないか調べているのさ。まああんなに色んな薬飲んでも平気かは知らないけど。」

 

永琳の薬なら平気よ!という姫さんに、師匠が止めないならそうなんだろうねという白兎さん。

一気に姦しくなったな。あっ白兎さんはこちらに来ないでね、怖いから。

 

橋渡しの件を再開すると、姫さんから月に係わるものを展示する月都万象展を開こうと思っていると知らされる。

興味があったので何時頃に開くのか聞くと、来年ねと言われる。

そうか来年か、楽しみだ。

 

こちらも近々人里で秋祭りがあるから来て欲しいとお願いする。

どんなことをしているのかと聞かれたので、飲んで騒いで来年の豊穣を祈願する祭りだと教える。

 

妖怪兎も参加していいのかと聞かれ、

バレないように変装して問題を起こさなければ大丈夫だと答える。

いい加減ねと女医さんが言うので、幻想郷はそんな所ですよと返す。

 

 

△×月××日

 

今年の秋祭りも中々の賑わいだ。

今回は色々と忙しかったので見物客として参加だ。

ぶらりと露天を見て廻っていると、人だかりを発見した。

なんだなんだと人ごみに入ると、紅魔館組の屋台だった。

 

「いらっしゃいませー!新発売のソーセージはいかがですかー!」

 

妹ちゃんにそう言われたら買うしかねえな。

串に刺さったこんがりと焼けた腸詰の肉を食べると、

口の中で肉汁が弾ける!こりゃ美味い。

材料は何を使っているのか聞くと、山で取った猪だそうだ。

 

さらに当然ピザもあるが、今回はカプリチョーザだそうだ。

いやあ完全に屋台を物にしてますね、と近くのテーブルに座っているお姉さんに聞いてみる。

 

「当然ね。フランは天才なのよ。」

 

お姉さんも切り分けたソーセージを食べているが、そのソーセージはやけにドス黒い。

なんのソーセージですかと聞いてみると、血の腸詰だそうだ。

一口貰うとレバーみたいな味がする。

妖精メイドさんからワインもいただき、肉系には赤だよなと思っていると、

お姉さんから畑にあるスイカを早く取ったほうがいいと忠告される。

 

スイカのことを気に留めつつ、次の屋台へフラフラ歩いていると、焼き鳥屋があった。

姫さんの後姿が見えたので寄ってみると、もんぺさんが屋台をやっていた。

姫さんはもんぺさんの屋台を冷やかしているようで、

もんぺさんが無視しようと一方的に話しかけている。

 

姫さんに声を掛けてよけて貰って、もんぺさんに何本か焼いて貰う。

火の扱いは手馴れているようで、中々堂に入っている。

美味い美味いと食べていると、姫さんが食べたそうにしているので分けてあげる。

焼き鳥を食べて黙り込んだ姫さんを見て、今度はもんぺさんがからかい始める。

 

悔しそうにしている姫さんを見ていると、女医さんと玉兎さんと白兎さんが、

食べ物を持って現れた。

姫さんがもんぺさんの店を冷やかしている間に色々買い込んでいたようで、

祭りで見られる食べ物を大体網羅していた。

 

玉兎さんと白兎さんは耳を隠すように頭巾と前見たときとは違い着物を着ていたが、

姫さんと女医さんはいつもの装いだった。

聞いてみると二人は妖怪だから変装させたといっている。

 

女医さん浮いてますよという言葉を飲み込んで、

4人をあるところに案内する。

 

祭りの喧騒から離れてちょっとばかし奥まったところに新築の建物がある。

そこに案内するとここはなんだと聞かれるので、新しい診療所だと答える。

突貫で造ってもらった割には丁寧に作られているな。

 

女医さんから疑念の篭った目で見られたので、

祭りの時に何か気づかなかったか尋ねる。

四人とも考え込んでいるが分からなかったようだ。

 

里の女性というヒントを出したら女医さんは直ぐに感づいて室内を確認する。

室内に並べられたベッドとストーブ、奥の部屋にある分娩台を見たところで、

答えに辿り着いたようだ。

 

「他火小屋ね。今年はお産が多いのかしら。」

 

「他火小屋?」

 

姫さんはまだ良く分かっていないようなので、簡単に他火小屋について説明し、

今年は冬が長かった影響か身篭った女性が多く、

そろそろ臨月を迎える人が出てくるのだが、今の産婆さんだけじゃ手が足りないことを伝えて、

手伝って貰えないか聞いてみると、ちょっと考えた後に了解を得られた。

 

永遠亭の橋渡しの件とちょっとしたベビーブームの対策も取れたので、

ガッツポーズをして祭りに戻ると丁度神輿に乗った秋神様達が里にやって来た。

 

永遠亭組はそちらに行くようなので別れて、

露天を冷やかしていると、河童がいた。

 

どうやら風船ヨーヨーの屋台のようだ。

景気はどうよと聞くと、ぼちぼちですなと返ってくる。

何個かヨーヨーを取って近くでうろついていた妖精達に渡すと、

喜んでどっかに飛んでった。

 

河童にいい屋台のアイデアが無いか聞かれたので、

考えておくといってその場を去る。

 

お面屋でひょっとこの面があったので一つ買って、

祭りの中心に行くと丁度巫女さんが神楽舞を魅せていた。

 

次に里長が骨カクカクダンスを踊ろうとしていたのを、

手で制して俺がひょっとこクネクネダンスを披露した。

 

今回もやや受けだったな。

 

 

△×月×☆日

 

秋祭りが終わって直ぐ、お産が相次ぎ、産婆さんの手伝いをするようになった。

妊婦を担架で診療所に運んだり、お湯を沸かしたり、シーツの洗濯をしたり、

汚れた分娩台を掃除した後にアルコール除菌したりと忙しい。

 

 

△×月×◎日

 

永遠亭の人たちも常駐はしないとか言っていたが、

連日診療所に来て産婆の真似事をしている。

 

 

△×月×★日

 

女医さんが逆子の妊婦を見つけたらしい。

 

あとなぜか俺の血液を採取してる。

薬の影響がないか調べている?

へー、俺ってO型なんだ。

 

 

△×月×●日

 

逆子の妊婦は帝王切開して胎児を取り出すらしい。

 

俺は輸血役らしく結構な量を取られてしまった。

能力で無理やり体調を整えつつ手伝いを続ける。

 

 

△×月△○日

 

逆子の妊婦は永遠亭に運ばれていった。

何とかなるといいが・・・。

 

 

△×月△×日

 

何とかなったらしい。

かなり出血があったが、俺の輸血分で賄えたそうだ。

 

 

△×月△△日

 

ぐったりとした様子の永遠亭組みが来たので、

能力で体調を整えてあげると驚かれた。

 

医者要らずねと言われたが、そんなことは無いと返す。

 

 

△×月△□日

 

お産が落ち着いてきたので、産婆さんの手伝いは必要なくなった。

今後は産婆さんと永遠亭組で回すそうだ。

 

久しぶりに神社へ行くと、巫女さんとマリちゃんが木の冬囲いをしていた。

二人とも飛んでいるので梯子を使う必要がなく、

中々のコンビネーションで次々にゴザを巻いていく。

 

感心してみていると手伝いなさいと怒られてしまう。

こりゃ参ったな。

急いで梯子を持ってこないとな。

 

 

△×月△☆日

 

診療所に行くと産婆さん達と話す女医さんと姫さんの姿があった。

大分馴染んできているようだ。

 

 

△×月△◎日

 

橋渡しの件を神様に報告すると、

神様がまさか月人にお産を手伝わせるとはのうと言っていた。

 

なんで唸っているのか聞いてみると、

神様が言うには、出産は穢れが多いため月人は忌み嫌っているそうだ。

 

なるほど永遠亭の人たちは変わり者ってことか。

 

 

△×月△★日

 

日に日に診療所の設備が充実していく。

永遠亭からあれもこれもと持って来ているようで、

当人たちが常駐する気はないといっているが、

毎日誰かしら診療所にいるのを確認している。

 

 

△×月△●日

 

先生が機嫌良さそうに歩いているのを見つける。

機嫌よさそうですねと聞くと、そうかな?とちょっと頬を赤らめている。

 

話を聞くと、どうやらもんぺさんが里によく来るようになったそうだ。

もんぺさんは里にいる永遠亭組が悪さしないか監視しているらしい。

 

なんとなくスカートを捲ってみたが、注意だけで済まされた。

めちゃくちゃ機嫌良いな。

 

 

△×月□○日

 

診療所の様子を見に行ったらもうすっかり落ち着いているようで、

産婆さんの姿が見えず、女医さんと里の薬師の人が意見交換していた。

 

丁度いいから新薬の治験をしないか聞かれて思わず断った。

何度もお願いされてしょうがないからその薬を飲むことになった。

 

胡蝶夢丸という良い夢が見られる薬らしいが・・・。

 

薬を飲んで横になる俺を見て、口々に話している声が聞こえる。

このお人よしっぷりはお爺さんみたいねという姫さんに、

このお人よしっぷりは大国様みたい、大国様のほうがもっと美形だけどねという白兎さん、

お人よしって損よねという玉兎さん。

 

夢は特に見なかったが、起きた時にすごいすっきりした気分になった。

 

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