香霖堂でそぼくなDIY作業台を購入した。
素材 [雑草、木の枝、蜂の巣] GET!
DIY [はっぱの傘、おくすり、釣竿、虫網] 作成!
慧音先生に抱き着いた。
#2
○×月△△日
作業台を手に入れてから一週間経つが、まだあたらしい素材を得ることができていない。
次の素材といえば石や木材なのだが、石を得るには、スコップか斧で岩を叩く必要が、木材を得るには、斧で木を叩く必要がある。
だがしかしスコップか斧を作成するには木材か石が必要だ。
つまり作るための素材を手に入れることが出来ないということだ。
これは詰んだか?
○×月△●日
ブラックバスは里の人たちに実に好評だ。
大きいからかなり食いでがあるうえに、身が美味しい。
ただイワナやヤマメを好む人もいるから、そちらは普通の釣竿で釣る必要がある。
しょぼい釣竿だと、ブラックバス、フナ、ウグイ、ブルーギルくらいしか釣れないからだ。
たしかゲームだと、崖の上じゃないとイワナやヤマメは釣れなかった気がする。
崖の上かあ・・・。
妖怪の山は流石に入りたくないな。
○×月△□日
やっぱり作業台製のスコップか、斧がないと岩を叩いても無駄みたいだ。
手で叩いたり、足で蹴っても、近所の人から借りたスコップや斧で叩いてもダメだった。
近所の人に頭の心配されるし、散々な一日だった。
○×月×○日
考えが行き詰まってしまったので、魚篭を新しくすることにした。
魚篭を新しくするには竹が必要なので、人里から離れて竹林に向かうことにした。
この竹林、迷いの竹林とも言うらしく素人が入ると帰ってこれないと言われており、
妖怪の山や魔法の森に次いで里のものは近寄らない危険地帯となっている。
この竹林には上質な青竹があるのだが、一部の業者の独占産業になっていて、
非常にお高い代物だ。
俺も何度が入った事があるが、出口が全く分からないので上質な竹を持ち帰ったことは無い。
じゃあ何で来たのかというと、別に竹林に入らずともその周りにある竹を持って帰ればいいだけのことだ。
勿論ろくな竹を取ることはできないが、魚篭を作るだけならほっそい竹でも問題なし。
ということで竹をとっていたら、竹林から人影が現れた。
「そんな細っこい竹じゃなくて竹林には立派な竹があるよ?」
垂れ下がったウサギの耳の付いた少女だ。
ピンク色のワンピースを着ており、胸元には人参のペンダント、裸足の可愛らしい少女だ。
少女は色々な誘い文句で、竹林に誘ったが、俺はそのことごとくを断りじわじわと後ずさる。
その様子を見て可愛らしい少女は諦めたのか、竹林に戻っていった。
俺を冷や汗を拭うことなく足早に里に逃げ帰った。
顔のいいやつは大体危険。
これは里の人間の共通認識である。
○×月×☆日
いっつも足早に逃げ帰ってるなと思いながら、新しい大きな魚篭を持って川釣りへ。
さて今日のしょぼい釣竿の第一投は小さめの魚影へ、ブルーギルかな?
よし!ヒット!さて何が釣れたかと思ったら、ただの石ころである。
ちぇっ、いしころかよっと、舌打ちをして川に投げ込む。
全くなんでいしころなんか釣れるんだろうかとブツブツ言ってると、はたと気づく。
石やんけ!
慌てて川に飛び込んだが、投げた石は見つからず全身ぐしょ濡れになっただけだった。
しかもしょぼい釣竿も流されていった。
なんてこったい。
石は川で釣れるのか・・・。
○×月×△日
昨日はずぶ濡れで帰ったので、ご近所さんに心配されてしまった。
川で遊んでいたら河童に尻子玉をとられるぞと言われたので、
河童にズボンを脱がされて気絶した話をしたら笑われた。
今日はご近所さんと一緒に神社のある小山で、山菜とりに出かけることにした。
途中神社の巫女さんと出会ったので、今度魚を奉納することになってしまった。
山菜も半分取られたし、がめつい巫女もいたものだとご近所さんと笑いあった。
○×月□○日
ブラックバス、ウグイ、ドジョウ、ドジョウ、ウグイ、フナ、フナ、ウグイ、空き缶、ブルーギル
あれから毎日魚釣りに行っているが、石が全然釣れない。
しかし空き缶か・・・多肉植物にでもするか。
○×月□△日
ウグイ、フナ、ウグイ、ドンコ、ドジョウ、長靴、空き缶、ブラックバス、ブラックバス、フナ
今日の新顔は長靴だな、もう一つあればリサイクル長靴にできるな。
○×月□□日
ドンコ、ドジョウ、ウグイ、ドジョウ、ウグイ、フナ、ブルーギル、ドンコ、ブラックバス、タイヤ
タイヤ!釣り上げるまではそんなに重くなかったけど、くっそおめえな。
流石に持ち帰る気がしないので、乾かしてここで椅子として使うか。
○×月□×日
空き缶、ドジョウ、ブルーギル、長靴、ウグイ、ドンコ、ドンコ、ウグイ、フナ、ウグイ
お、長靴が揃ったな。これでリサイクル長靴が作れるな。
それにしても魚以外が釣れると荷物が嵩張るな。
ゲームみたいに20~40の枠にスタックして持ち運べると楽なんだがな。
家にも収納の機能も無いし、やっぱり長屋なのがダメなんだろうか?
でもゲーム序盤の家くらいの広さはあると思うんだ。
あれかな、自分で作るか、たぬきちに作って貰わないとダメなんかね。
リサイクル長靴を作ったはいいが、靴下がないと履き心地いまいちだな。
バラしてゴム底を再利用して、草履の裏に縫いこんでゴム草履にしたろ。
○×月□☆日
ドジョウ、石
石!
こぶし大の丸みを帯びた石!
すぐさま荷物を持って家に帰宅し、作業台の上に転がす。
すると材料として認識される。
喜び勇んで直ぐにしょぼい石斧を作成する。
できあがった石斧を天にかざして、喜びの舞を踊る。
よよいのよいっと景気良く踊っていたら、ご近所さんがやってきて強烈なリバーブローを打ち込んできた。
一瞬で気を失い、家の外にリスポーンする俺。
落ち着いた俺を見て、ため息を吐いて帰っていくご近所さんに平謝りをして、家の中へ。
作業台付近に落ちていた石斧を拾い上げて、里の外へ向かう。
野原を見て回り、等身大のそこそこ大きな岩を見つける。
これが良いかな?
コンコンと、軽く叩いても何も出てこない。
カンカンと、少し強く叩いても何も出てこない。
ガイーンと、腰を入れて思いっきり叩き込むと、その反動で俺の体は大きくのけぞり、岩から拳大の石がぽろりと落ちる。
続けて2,3,4,5,6,7と叩けば、ぽろぽろと石がこぼれる。
8回目は何も落ちずに、ただ手がしびれるだけだった。
落ちたのは石6個に、粘土1個。
鉄鉱石は無く、手の痺れは酷いものだったが、俺は満足感に包まれていた。
石の形は川で釣ったのと同じで、間違いなく材料として使えるだろうと確信した。
続いて木を探して、石斧を叩き込む。
ゴーンと、先ほどと同じく腰を入れて、手がしびれるほど強く叩くと、薪のような木材が落ちた。
2,3と叩き、一応4回目も叩いてみたものの、3回目までしか木材は落ちず、
落ちた木材も柔らかいパイン材のようなものや、硬い樫のようなもの、杉のようなものなどが落ちた。
多分柔らかい木材に、堅い木材、普通の木材なのだろう。
しかし結構この木材大きいな。
一種類の木材で一抱えあるので、背負子が必要だな。
今日のところは上着を使って運ぶことにする。
ホクホク顔で石と木材を持ち帰ることができた。
○×月□●日
今日は気分がいいので、干したブラックバスを持って神社にいってみることにした。
しかし神社に行ったことがなかったので、ご近所さんに聞いてみると、
神社まで案内してくれることになった。
いつもお世話になってますとお礼を言うと、構わんさと返される。
相変わらず男前なひとだな。
ご近所さんの誘導にしたがって、山を登る。
この神社のある山には山菜を獲るために良く入っていたが、
神社を目指すのは初めてだなと山道を歩く、一向に参道は見当たらない。
するすると斜面を登っていくご近所さんを必死に追いかける。
はあはあと息を切らせていると、どうやらもう直ぐ付くらしい。
獣道を駆け上ると、開けた場所に出た。
どうやら神社の裏手に出たらしい。
後ろを振り返ると人里が見渡せる。
どうやら神社は東向きで、西にある人里に背を向けるように建っているらしい。
神社の正面に歩いていくと、そちらには参道らしきものがあったが途中で切れている様だ。
その先は森が続いているようで良く見えない。
とりあえず参拝してから巫女さんを探しますかと、ご近所さんと話しながら御手洗で手を洗う。
ご近所さんに作法を聞きながら、参拝する。
やっぱり亀の甲より年の功ですなと、ご近所さんをからかうと、
しなやかで強烈なローキックをお見舞いされた。
危うく気絶するところだったぜ。
「あら本当に来たのね。折角だからお賽銭入れていきなさいよ。」
脛を抱えて悶えていると、空から巫女さんが降ってきた。
俺とご近所さんは巫女さんに挨拶する。
賽銭を強請る巫女さんに圧されて予定よりも多く賽銭を入れたが、
あまり金に困った生活は送っていないのでよしとしよう。
巫女さんもガッツポーズしてるしな。
巫女さんにこの神社の神様や由来を聞いてみたが、よく分からないとのこと。
それでいいのかと思ったが、当の巫女さんが気にしていないようなのでほっておく事にした。
魚を巫女さんに渡すと、思っていたよりも大きかったようで、少々驚かれた。
巫女さんは細くてちっこいから俺が持っているよりも魚が大きく見える。
あ、ご近所さんも野菜を渡していた。
多目の賽銭と大きな魚に気を良くした巫女さんはなんと、
人里まで空を飛んで送ってくれるとのこと。
思わぬ提案に喜んで飛びつき、巫女さんに抱えられて空へ。
既に小さく見えるご近所さんに手を振ると、手を振り返してくれる。
空から見る幻想郷は新鮮で、何処に何があるか目を凝らしてみる。
神社は東にあり、西にちょっと行けば人間の多くが住む人里がある
人里の周りには小さな農村が点在し、農村を囲うように畑や田んぼが広がっている。
幻想郷は盆地になっていて、山々に囲まれているが北にひと際大きい山があり、妖怪の山と呼ばれている。
人里から北にちょいと行けば林があり、そこから川が人里の西側を沿うように南に流れていく、下流を挟むように南西に竹林、南に小高い丘あって、丘の向こうが黄色に染まっていた。
北西に魔法の森があり、その手前に豆粒のような古道具屋、西には湖があり、湖畔に赤い屋敷が建っている。
もっと眺めていたかったが、あっという間に人里についてしまった。
巫女さんに家の場所を聞かれて、里の東側のぼろい長屋だといったところで、ちょっと違和感を覚える。
なんだろうかと思っていると、地面に下ろされてまた参拝に来なさいといって巫女さんは帰っていった。
そこで気づいた。
家の場所を覚えられたと。