△◎月○□日
あざになってるぜというマリちゃんに軟膏を渡していると、
酔うと説教魔になるのよねとスキマさんが現れる。
いっつも背後から話しかけてくるので心臓に悪い奴だ。
しかも宴会の片付け中だというのにスキマさんが酒を持ってくるものだから
寝起きにも関わらず宴会を再開する連中が出てきた。
巫女さんが起きて怒る前に退散するとしよう。
△◎月○☆日
里では百花繚乱とばかりに咲き乱れる花たちが散る前に、
春祭りを実施しようと急ピッチで準備が行われている。
俺は催し物に参加してもらう為にある人物を口説き落としている。
ああ、そうだ河童にも頼みごとがあったんだった。
何か交換条件になりそうなのはあるだろうか。
△◎月○●日
河童から尻子玉を要求されたがお断りだ。
代わりに興味をそそるような本を渡した。
「胡瓜遣?・・・きゅうり関係ないじゃないか!せめてここに書いてある窮理図解もってきなよ!」
ぱらぱらと本を捲った後にそんな抗議をしてきたので、
そうかそうか窮理図解が欲しいのかともう一冊の本を手渡す。
ぐぅと小さく河童が唸った。
△◎月×★日
予行演習は上手くいった。
△◎月×△日
春祭り当日。
祭りの本番といえば夜だ。
ずらりと出店と提灯が並ぶ光景は非日常で心を沸かせるが、
いかんせん薄暗く行えることが限られてしまう。
そこで河童に協力をお願いした。
河童のライトは行灯や提灯よりも光量が多く、夜でもまばゆく見え、
祭りの中でもアリスさんの人形劇が映える。
演目は大結界異変。
里の人が花見をしている裏で繰り広げられた一連の騒動を、
人形で再現するという試みは中々に上手くいった。
一部の聴衆が私の出番が少ないなどと野次を飛ばしていたが、
もういっぺん閻魔様にしばかれたらいいのに。
妹ちゃんの屋台で公演関係者の打ち上げを行う。
参加者はアリスさんと河童のこじんまりとしたものだ。
いわずもがなアリスさんが人形使いで、河童が照明、
俺が語り部兼小道具兼脚本を担当した。
各々が公演の反省をしながら舌鼓を打つ。
あそこは上手くいっただの、ここでとちっただの思い思いに話していると、
通りがかりの人達から声援を貰う。
アリスさんも河童も喜んでいる。
△◎月×☆日
神社でまた花見をしていたので参加した。
今年は例年よりも桜の見ごろが長く、
何回も花見が行われている。
最初は小鬼が何かしているんじゃないかと疑っていたが、
ただ巫女さん達が花見が好きなだけだった。
花見をしながら次の花見の話をするほどの花見ジャンキーである巫女さん曰く、
そろそろ古道具屋裏の桜が見ごろだそうだ。
△◎月×●日
釣りをしていたらなんか川の中から河童がこちらを見ている。
魚が逃げちまうからさっさと上がって来いと言うと、
黙って川から上がって来る河童。
なんかソワソワしているので、どうかしたのかと聞くと、
人形劇の次回公演について聞かれた。
予定なんかないというと露骨にがっかりする。
えっ、そんなやるきなの?
△◎月×★日
古道具屋の花見があるとマリちゃんから聞いた。
白い桜が満開であり、連日花見をしている巫女さんから見ても見事だそうだ。
神社の桜は赤っぽいもんな。
なんでスキマさんが小さいのか気にしていると、
アリスさんが近づいてきてとある人形を見せてきた。
吸血鬼姉妹の人形だ。
言外に準備できているというメッセージをありありと感じる。
そういえば妖怪というのは自己顕示欲が強いものだと聞いたことがある。
秋祭りという言葉を飲み込んで、今度河童と話をしましょうと言うと喜んでいた。
△◎月△×日
日課を終え、里をブラつきながら俺の替わりに、
人形劇に参加する人材を探す。
魔女と河童に気後れしない暇な文化人はいるだろうか。
・・・ダメもとで頼んでみようかな。
△◎月△△日
あっさりOKが貰えたので引き合わせて相性を確認すべく、
三者には神社に集まってもらった。
もろもろの事情を話して簡単に自己紹介してもらう。
そういえばアリスさんと河童もほぼ初対面だったな。
人形使いアリスさん、照明兼小道具河童、語り部をもう一人でやってもらう。
「盟友より上手い!」
「ええ、引き込まれるわね。」
想定以上に話すのが上手い。
俺は脚本に専念するからと、三者の稽古をそのまま見る事にした。
△◎月△□日
巫女さんに神社を追い出された。
今日からはアリスさん宅で稽古を開始する。
巫女さんもネタバレなしで劇が見たいそうだ。
しかし河童ももう一人もアリスさんところの人形の量には驚いていたな。
△◎月□○日
祭り以来の公演は紅魔館のダンスホールで行うことに、
瓦版で周知していたお陰か里の人も多い。
横には女医さんがおり、劇が始まるのを今か今かと待っている。
ホールが暗くなり、語り部の声が聞こえ劇が始まる。
演目は吸血鬼異変、公演場所に相応しいものだ。
「結界の成立から100余年、突如外来の妖怪による進攻が始まった!」
語り部の声を聞いていると隣から姫様・・・と言っているのが聞こえる。
女医さんが姫さんの晴れ姿に感動しているようだ。
女医さんのさらに向こうの席にいる玉兎さんは女医さんを見て、
微妙な顔をしている。
△★月○○日
最近はちょっと働きすぎたので、
のんびりと神社の花壇の手入れをする。
といっても妹ちゃんがちょくちょく世話をしているのか、
雑草もほとんど無い。
今度なんの花の種を植えるか相談しないとな。
△★月×△日
「ねえ、化石って大きくなるとおもう?」
神社の石畳のスキマから雑草を抜いていると、
巫女さんが訳の分からないこと言っていた。
なんの話かと聞くと、どうも化石を見つけたので古道具屋の店に行ったら、
名前のついていない生物の骨は化石になるのを拒んで成長を続けると言うのだ。
とりあえず問題の化石を預かる。
手のひらほどの大きさがある背骨の一部と思われる化石は、
大型の恐竜のもののように思える。
しかし骨の一部を見たところでそれが何の骨か分かるはずもなく、
巫女さんに返そうとしたら、いらないからあげるわと言われた。
常識的に考えて成長するわけないが、あいにくここは非常識がまかりとおる場所なので、
その話を信じる人が増えればそういう風になるんじゃないかと言葉を返しておいた。
巫女さんは納得いっていないようだったが、
妖怪やら神様がいる世界で骨が成長したところでなんだというのか。
たまに現れるがしゃどくろの方が意味分からんと思うがな。
「じゃあ貝の化石があったんだけど、あれはどういうことなのかしら?」
里で使っている山塩の話を引き合いに出して、
ここが昔海の底だったと答える。
この話には得心がいったのか、
また境内の掃除に戻っていった。
そういえば前に化石を掘り出したな。
△★月×□日
神様に化石の話をしたら面白そうだから持ってきてくれと頼まれた。
記憶を頼りに探すも見つからない。
諦めて降りようと思ったがふとやたら大きい岩があるのに気づく、
自分よりちょっと大きいくらいの化石を探していたが、
もしかしてこれかもしれない。
まったく微動だにできないので籠に押し付けたら、なんとか入った。
どうやら化石だったようなので、神社に持っていった。
神様から背骨の骨だけでいいと言われたので、小さい方を木像の方に、
大きいのは神社の裏の森に転がしておいた。
もっとでっかくなるかもしれないしな。
△★月×☆日
巫女さんと遊覧飛行していたら、
七色に輝く毛玉が飛んでいた。
「何かこの前里に出てからたまーに見るようになったのよ。」
色違いかー。
△★月×●日
アフロの件を反省して丸坊主にした。
ご近所さんに何かあったのと聞かれたが、
聞かないでくれと返した。
△★月△△日
最近、里に髪切りという妖怪が現れたそうだ。
△★月△□日
虹毛玉が里の上空を飛んでいるのが見える。