あつもり日記   作:syumasyuma

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●●月○★日

 

巫女さんから神社の境内に山の神の分社を、

作って欲しいとお願いされた。

何回も小さいのでいいからね、と言われたが何だったんだろうか?

 

神様の像と分社と宴会の幹事は流石にこなすのは厳しいので、分社は里の大工に、宴会は巫女さんと里の婦人会に投げた。

 

大工からは気合いの入ったいい返事を貰ったが、婦人会は山の神様たちに興味があるらしく、仲介して欲しいと頼まれた。

 

仕方ないので巫女さんと山の巫女さんを呼んで交流させることにした。

なんか自機組が揃っていたが気にしない、里に馴染むのはいいことだ。

 

 

●●月××日

 

ここ数日日課を休んで神様の像を掘ることに、集中していたが、頼んでいた作業はどうなっているのだろうか。

気になったので神社に行ってみると、宴会というか出店が並ぶ縁日みたいになっていた。

 

どういうことかと、近くで屋台を組み立てていた妖夢ちゃんに聞いてみると。

 

どうも参加予定者がかなり多く、誰かが祭りみたいだなと

言ったことが切っ掛けで、じゃあ祭りにしようとなったらしい。

その誰かはすぐそこでドヤ顔になっているマリちゃんなのだろうな。

 

分社に関しては形は既に出来ており、後は装飾を施せばだいたい出来上がりだとか。

細かいところは今後も細々とやっていくが、完成日と祭りの日を合わせたいので、一旦完成ということにするらしい。

 

まあ大工だって祭りに参加したいよな。

 

分社を作っていたり、山の巫女さんが良く里に来て交流しているため、里では山の神社が話題になっているらしい。

妖怪の山の上にあるため、まだ参拝しにいった猛者はいないが、それがまた想像を掻き立てられるのだろう

そのせいか巫女さんも危機感を煽られたのか、婦人会を通して里との交流を深めようとしていると、ご近所さんに聞いた。

 

これまで博麗の巫女はあまり積極的に里に関わろうとしていなかったためか、

互いにぎこちない交流をしていたが、巫女さんは人妖を惹きつけるものを持っているので、

そのうち仲良くなると思う。

 

 

●●月×△日

 

中々の出来だ。

 

夢に出てくる神様はぼんやりうねうねしていて輪郭くらいしか理解できず、

大部分が想像によるものだが、これは神様だと何故か認識できる。

 

不思議な感覚だ。

 

出来上がった像の出来の余韻に浸るのもそこそこに、

布とむしろを巻いて保護して、背負子に載せて神社に急ぐ。

 

そう既に神社での祭りは始まっているのだ。

 

神社に着くと境内は人でごった返しており、

正面から行くのは難しそうだ。

 

裏から本殿に回ると中には山の神が座っていた。

どうやら山の神社の面々の顔見せはもうすんでおり、

ご高齢の方々に拝まれている最中のようだ。

 

端っこでマリちゃんがお金を数えていたので、タクシーでもやっていたのだろう。

 

本殿の奥の神様のところに行くと、外の喧騒とは違いとても静かな空気が流れていた。

黒く変色してしまった像を新しいものと交換する。

 

こうして見比べると腕の上達が顕著に現れていると、

冗談交じりに何かしたでしょと神様に聴いてみたら。

 

『おや感づいたかのう?』

 

そう返された。何かされていたようだ。

今度は何をしてんですかと問うと。

 

『我が信徒の精神に保護をかけたのじゃよ。日常生活では集中力が増す程度じゃが、その真価は別にある。』

 

「無作法に覗き見されんようになるのじゃ。」

 

目の前の像の口が動く、声帯なんて無いのに声が聞こえる。

 

神様が言うには他者の心の覗き見する能力や技術、精神を汚染する何かから守ることが出来るそうだ。

保護が完全になれば、今までのように夢枕にも立てなくなるとか。

しかしそれでは不便だと言うことであるものを別の信徒に用意させたらしい。

 

「それがこの高機能通信携帯魔道具よ・・・。これは前身となった高機能魔道具の戦闘機能を取り除き、

新たに通信機能を強化したもので・・・。」

 

神様のセリフに合わせたように、紅魔館組が現れ、紫魔女さんが色々説明してくれる。

半分以上聞き流しつつ、スマートフォンっぽいなという感想を抱いた。

 

「通称はマジカルさくやちゃんスターSEよ」

 

「・・・その名前は採用しないって言ったでしょ?」

 

「私の通信機の中にも入っているのよ!ほら見て!」

 

妹ちゃんがそう言いながら何時か見た黒電話のカバーを取ると、

中から星のマークが入った球状の物体が現れた。

お姉さんと紫魔女さんの言い争いをみていると、

メイドさんからマジカルさくやちゃんスターSEを手渡された。

 

携帯しやすいようにネックレスタイプになっており、

神様の像にも掛けられた。

 

【どうじゃ聞こえるかの?】

 

マジカルさくやちゃんスターSEから神様の声が聞こえてくる。

小声で言っているつもりのようだが、直接耳に届いている。

 

そのことは指摘せずに、聞こえてますと言うと神様は喜んでいた。

 

本殿の奥の騒がしさに気づいたのか、

縁日を楽しんでいた酔っ払い達がガヤガヤと近づいてくる。

 

 

●●月×□日

 

山の巫女さんは酒に非常に弱いらしい。

高々一杯の酒で酔ってしまい、一番二日酔いが酷い。

二日酔いに慣れた馬鹿は生きてることを一番実感できることらしいが、

山の巫女さんもそうなのだろうか。

 

ゾンビのような呻き声を上げる山の巫女さんに体調を整える能力を使ってやり、

縁日の後片付けをする。

 

「早苗が世話になったようだね。」

 

落ちているゴミを拾っていると、カエルっぽい帽子を被った女の子に声掛けられる。

山の神の片割れのようだ。

第一印象を良くしようと、おはようございます!と元気良く挨拶したが、

引かれてしまった。何故だ?

 

「ああ、おはよう。君がこの神社の管理人なんだって?」

 

何故か管理人扱いされたが、否定する。

ただの参拝客で、ごく一般的な里の住人だと。

 

「あれー?里の大工に分社の建設指示と今回の祭りの開催指示したんだよね?」

 

全部巫女さんの指示で責任者も巫女さんだと教えると、

カエルの神様は首を捻りながら去っていった。

 

いや山の巫女さん持って帰ってくれよ。

 

 

●●月×☆日

 

神社に見に行ったら山の巫女さんが境内の掃除をしていた。

巫女さんはどこかと聞いたら母屋にいるらしい。

 

母屋に行くと巫女さんと小鬼が茶をしばいていた。

なんで山の巫女さんが掃除をしているのかと聞くと、

神社に二泊させて貰ったお礼なんだとか。

 

「一杯で潰れちゃうとはねー、あたしならいっぱい飲めるのに!」

 

それはお前だけだろと突っ込みつつ、

巫女さんに山の巫女さんを借りていくぞと言う。

 

「ちゃんと返してよね」

 

俺が言うことじゃないが、山の巫女さんは物じゃないんだがな。

 

 

ということで嫌がる山の巫女さんを連れてこの前の続き、

里外の神様巡礼を兼ねて、幻想郷に点在するお地蔵様の掃除に行くことにした。

 

 

秋神様達、厄神様、貧乏神様、疫病神様、なんか良く分からん神様のところを案内した。

特に厄神様、貧乏神様、疫病神様の三柱には直接話しかけると、

取り付かれるのでそっと貢物を渡して厄除け祈願するといいと教えた。

 

途中で貧乏神様に気づかれたが慌てず、ガン無視してから落ち込んで去っていくところで、

さり気なく貢物を渡すテクニックを実演して見せた。

 

良く分からん神様とは遭遇できなかったので、出会うことが多い場所だけ教えた。

何の神様なんですか?と聞かれたが、良く分からんと答えた。

ただねっとりとした雰囲気があるので納豆の神様だと予想していることだけは教えておいた。

 

帰り際に視線を感じたのでうっかり落っことした感じで団子の入った包みを置いておく。

山の巫女さんが落とした包みに気づいたが、気にしないで進むように言い包める。

 

「さっきのは一体?」

 

何かやらないと面倒くさいことしてくる割に、素直に物を受け取らない面倒臭い奴がいたと伝える。

 

「貴方以上に面倒臭い人がいるんですか?」

 

幻想郷はそういう奴のたまり場だと伝えると凄い顔をしていた。

君もその類だとは言えなかった。

 

 

●●月×●日

 

通りの団子屋で一服していると誰かしらに遭遇し、

たかられるものだが、今日は昨日に引き続き山の巫女さんこと、さっちんに出会った。

 

幻想郷に来て日も浅いというのに、持ち前の明るさと人当たりの良さと駆使してすっかり溶け込んでいる。

 

勝手に団子を頼んで緑茶を啜るさっちんに、暮らしに不便は無いか聞くと、

山から里まで距離はあるが、外とは違い空を飛んでも何も言われないし、

毎日驚きが満ちていて新鮮で、楽しいですよと外面の良さを見せた。

 

化けの皮をいたく気に入った店員からサービスのお汁粉を食べるさっちん。

 

まあ大丈夫そうなので安心した。

神社にお参りに行こうとしたら、さっちんも分社の掃除に行くというので、同行することにした。

 

境内と分社を掃除するさっちん。

参拝客に愛想よく挨拶するさっちん。

山の神社をアピールするさっちん。

 

なんか乗っ取られてるな。

 

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