めちゃくちゃ美化した作者が行く改造IS街道 作:ネジが外れた作者
「……ん、ここは……どこだ?」
目を開けると、真っ黒で何もない、「無」という言葉をそのまま形にしたような空間に俺はいた。ここは……一体どこなんだ。
「ここは転生の間、新たな生が与えられる場所さ」
「っ、誰だっ!」
状況把握のため周りを見渡していた俺の耳に声が響く。思わず声を荒げながら振り向くと、そこには顔立ちの整った小、年……だろうか、そいつはいた。髪は綺麗な銀色で、肌もつやつやしている。だが、どこか薄気味悪い感じもしやがる……人間、じゃなさそうだ。
「ふふ、正解。勘がいいねと言うべきかな?」
「なっ、俺は喋ってねぇぞ!」
「ははは!やっぱり、面白い反応するね、君」
そいつは俺は喋ってないにも関わらず、俺の思考を読みやがった。笑い声が無駄に響きやがる……何だこいつは。
「……僕は、そうだなぁ……カオス。そうだ、僕のことはカオスと呼んでくれ。僕は君に新たな生を与える者さ」
「……新しい生、だぁ?」
カオスと名乗ったこいつは、俺に新たな生を与える者だの抜かしやがる。何だこいつ、末期の中二病患者か?それに、その言い方だとまるで俺が死んだみてぇな物言いなんだが……
「その通り、君は死んだ……いや、僕が招いたと言うべきかな」
「……はぁ?訳が分からねぇ、一から説明してくれ」
「しょうがないにゃあ……」
面倒くさそうにため息をつき、カオスは話し始める。簡単に言うと、カオスはある理由から人間を選別しており、俺はその選考基準に合ったらしい。だからここに連れてこられたと。うん、訳が分からん。
「とりあえず帰しやがれこのド畜生」
「君シンプルに口が悪いね、僕神様みたいなものだよ?」
「知らん、帰せ。お前が勝手に人間選別してるのは分かったから俺を巻き込むな」
「……いいの?」
「あ?」
何だこいつ。何だか思わせ振りな口調につい耳を傾けちまった。
「……君が元の世界に戻ってもコーラ飲めないようにするよ?」
「やめてくださいカオス様!それだけは、それだけは!どうか御慈悲を!」
「うわすごい変わり身、恥ずかしくないの?」
うるさい!コーラが飲めなくなるなんて嫌だ!?俺、死んじゃう!ショック死しちまう!くそっ、これを人質にとるなんて!
「ま、いいや。従順な方が僕も話しやすいし」
「……で、カオス様はいったいどんな御用で私めをお呼びになられたのでしょう……?」
「……君、コーラが絡むとここまでなるの?」
「うるさいコーラが飲めなくなるなんて俺は絶ぇっ対に嫌だ!」
恥を知れ?知らん、それよりコーラだ。俺はジーク・コーラの精神で生きてきたんだ。俺の半身にも等しいんだ!
「ジーク・コーラって……そこまでかい。ま、いい。僕は君にある依頼をしたくて呼んだのさ」
「……依頼?それは、いったい……」
「……コーラ云々は嘘だから。もう口調戻していいから」
「……本当ですか?」
「僕嘘つかない。聞かれないなら言わなかったりするけど嘘は言わない」
「どっかの白いマスコットみてぇなこと言うのな……てか嘘つかないって、さっきコーラのあれ……」
「……飲めなく」
「やめてください!」
く、くそう。こいつにいいように振り回されてるなんてぇ……!俺に呆れるように苦笑したカオスは改めて口を開く。
「さて、依頼というのは……僕の目と刃になってほしいのさ」
「……目と刃?」
話がさっぱり見えてこない。目とはいったい何なんだ?刃とは?
「はいはい、話すから自分一人で考えないの。目っていうのは、体に付いてる方じゃなくて、ある世界に行ってそこの状況を報告。刃は、その世界にいる邪魔者の始末さ」
「……読めた、チート持ち転生者を送りすぎたとかで世界が管理できなくなったんだろ」
「不正解」
「えぇ……」
違うのか。こういうのはてっきりチート持ちの送りすぎかと。
「正解は、送ったチート持ちが君を送る世界に結界を張っちゃったのさ。お陰で、こちらから干渉できなくなったんだよねぇ」
「……はぁ、なるほど。世界が見れないから俺に目になって報告してもらうと。で邪魔者の始末とは?」
「さっき言ったように、結界を張った転生者がいるからそいつの始末だね、あと僕を殺そうとか目論んでる連中」
「……は?お前を殺そうとする奴?」
こいつを殺そうとする奴がいるのか。おかしな奴もいるもんだ。
「そう、僕を殺して世界の管理者になりかわろうとする奴、いるんだよねぇ。ま、そんな危険分子を排除してほしいのさ」
「……ふぅーむ、ありきたりだな。ちなみに、俺がそれを引き受けるメリットは?」
「チートで俺ツエーできる……かな?」
ふぅむ、チートで俺ツエーねぇ……確かに、弱い自分からおさらばして俺ツエーはさぞ楽しいだろうが……
「悪いが親への恩返しとかも済んでないんだ、帰してくれ」
「無理だよ?」
……おい、こいつ今なんつった?無理っつった?
「うん、無理。もう君のご両親から君の記憶は消去したし、君の精神もいじくって望郷の念も親への愛もなくしたもん」
「……えぇ、冗談だろお前」
「言わなかったっけ?僕は嘘つかないって」
「……なるほど、本気でそうらしい。でなきゃ、今俺はお前に食いかかってるだろうからな」
理解が早くて助かるよなんて抜かしやがるカオス。だが不思議と殴りたいとは思わなかった。普通親と永遠に別れるなんて言われて、その原因が目の前にいるならぶん殴ってるはずだ。
「……はぁ~、なんてことしやがる……」
「ふふ、さ、説明を続けるよ」
「……勝手にしやがれ」
「ほいほーい、で、だ。さっき言ったと思うけど、チートで俺ツエーって言ったでしょ?だけどねぇ……」
「相手もチート持ちだろ分かってる。それを利用して主人公ぼこしてヒロインゲッチュって寸法だ」
「そ。だけどだ。君が僕の協力者になってくれるって言うなら……」
「言うなら……何だ?」
「……君が望むものなんでもあげちゃう!」
「……ありきたりだな」
どうしよう、全く魅力を感じない。やっぱりこの話、蹴るべきだったか……
「……コーラいくら飲んでも糖尿病にならない、太らない、虫歯にもならない、ニキビもできない体もあげれるよ?」
「やりまひゅ!」
「この変わり身である」
「さぁ!さぁ!やるからその便利ボデーをくれ!くれよぉぉぉぉぉ!」
「わ、分かった!分かったから!まずこの書類にサインをだね!」
「うおぉぉぉぉぉ!コォォォォォラァァァァァ!」
「ちょ、雑!もっとちゃんと書いてよ!?」
「うるさい!ほら!書いたぞ!寄越せぇ!コーラ飲んでもデメリットないボディを寄越せぇ!」
ははははは!これでコーラをたっぷり飲める!やったぞぉ!
「……はぁ、もう君に何言っても意味なさそうだから、もう、一回世界に送るね」
「うぅし!待ってろ俺の便利ボディィィィィ!」
「……はぁ、じゃ、いってらっしゃーい……人選ミスったかもしれない……」
いってらっしゃいの合図と共に、俺の視界は真っ白に染まった……!
作者の化身です、が自分でもやり過ぎたとは思っています。でも後悔も反省もしません。