特典でドラクエ魔法貰ったけど回復しか出来ません 作:アナタ
ドラクエ同様MP方式。
もちろんMPが切れれば魔法は使えない。
MPの残量は感覚的に分かる。
5時間以上寝れば全快、睡眠時間が短ければその分回復量は減る。
エナドリ等でも多少は回復。
使えるのは回復系の魔法のみ。
射程は15m。
部位欠損等身体の機能が損なう怪我は身体が損傷している間のみ再生可能。
※1度完治した、塞がった部位等、身体が正常と認識している場合は復元出来ない。
回復量は熟練度と魔法の種類による
※回復魔力
主人公のMP総量は現状200程度。
死にかけたりレベルアップ的なのをしたら増えていく、ふわっとした感じな仕組み。
多分転生させた奴が頭がふわっとしてるからね、仕方がないね。
「え、詰んでない?」
どうもこんばんは、転生者の束紗です。
あれから数ヶ月が経ち受験当日を迎えた俺達。
お互い受験生、友であり仲間だが試験に向けて俺達は殆ど会うことはなかった。
まぁアイツらなら大丈夫だろう。
突然だが俺の「個性」であるドラクエ魔法について説明しよう。
ドラクエ魔法と言っても俺は回復系の魔法しか使えず、MPという概念も存在してそれが尽きると発動出来なくなる。
回復魔法だから当然攻撃能力は皆無だし、生命ある生き物、正確には俺が生き物だと認識すれば効果はあるが機械だとか無機物にも効果はない。
何が言いたいかと言うとだな。
「ピーガガガ.......」
雄英の実技試験なんだけど仮想敵の機械ぶっ壊せだって。
俺回復しか出来ないんだけど?しかも相手機械だし。
人間ならともかく機械は流石に素手じゃ倒せない。
だから俺はせっせと受験者達の治療をして回っている。
せっかくの回復個性で怪我してる人を見て見ぬふりってのもな、それにこんな時アイツ、出久なら絶対に同じ事すると思うから。
にしてもかっちゃんと出久、「束紗ちゃんは言葉遣いさえしっかりすれば.......いや意外と需要があるのか?」「ちびクソ男女!テメェはぜってぇ喋んじゃねぇぞ!ぜってぇだぞ!」なんて言うかなぁ。
俺ってそんなに言葉遣い酷いか?
だから適当に笑顔浮かべてホイミ、場合によってはベホイミ唱えまくった訳だが何か男は皆顔が赤かったような。
女の子もなんか目がキラキラしてたし。
閑話休題
実技試験の内容だが単純で、機械をぶっ壊した数だけポイントが加算されていき、そのポイント数を競い合うらしいのだがこれじゃ俺落ちたかなぁ。
「ま、俺別枠で推薦受けてるんだけどね」
そう実は俺、雄英から推薦を受けているのだ。
前に回復個性は珍しくないとかなんとか言ったが、この個性社会でも俺のドラクエ魔法による回復は有用性がかなり高いらしい。
即効性があって効果もかなり高く、使用制限はあるがデメリットらしいデメリットも存在しない。
そんな訳で意外と俺って色々な所から推薦を受けていて引っ張りだこだったという訳だ。
もう一時期ヴィランにまで人気者で大変だったんだから。
お陰様で個性登録の内容は嘘だらけになっている、仕方がないだって正直に登録しちゃうとまたアイドル状態になっちゃうからね。
そのせいか親は俺を捨てるし。
でもそれはしょうがないと思っている、それにこれでも中身はもうおっさんだ。
悲しくなんてない。
きっと雄英は俺が普通にヒーロー科を受ければ落ちるのが分かっていたのかも知れない。
じゃあ一般入試受けなくて良くね?と思うかもしれない。
でもやっぱり俺は出久やかっちゃんと同じがいいから。
やだ俺ってば健気過ぎない?
「でもこのまま行けば落ちちまうんだよなぁ」
流石の超美少女束紗ちゃんでも機械のロボを素手じゃぶっ壊せない。
ほんのばかし身長が足りてないのがたまにキズだがそれ以外はちょーかんぺきのパーフェクトガールなのである。
でもそのパーフェクトガールにも不可能なものはあるし、それを可能にする事も出来ない。
まぁこの程度のロボなら無茶したらいけなくも無いかもしれないが、あまり無茶すると心配する友達がいるからホイホイとするもんじゃないしな。
出来る事と出来ない事、無茶と無謀、勇気と蛮勇を履き違えてはいけない。
俺は俺の出来ることをやる。
「に、にげろぉ!」
「巨大ロボが来るぞ!」
え、あれなに?
ちょっとデカ過ぎない?
声がした方を見てみると、俺の1000倍ぐらいの大きさがある巨大ロボがいた。
じゃあポイントもやべぇのか、と言われるとそうではなく0ポイントだ。
ゲーム風で言うならお邪魔キャラという事。
まず並の物理攻撃は効かないし何よりあの大きさだ、質量が半端じゃない。
戦うのは時間の無駄。
現に大量の受験者が波をなすように巨大ロボから逃げている。
じゃあ俺も逃げますかねぇ。
さっさと俺も逃げようと思い走ろうとした。
その時にチラッと視界の端に見えたのは見慣れた緑のもじゃもじゃ頭。
ってやっぱり出久じゃんか!
早く逃げろ、そう言う前に出久は真っ直ぐと巨大ロボに向かって走って行く。
「あの馬鹿っ!」
何考えてやがるんだアイツ。
並の個性、ましてや無個性が真正面から挑んでどうにかなる相手じゃない。
人の波に逆らうように逆走するが距離がありすぎる。
本当に何考えて.......
そうやって逆走している時、出久のもっと先巨大ロボの足元の近く。
「くっそ、そりゃ出久なら飛び出さずには居られないよなぁ!」
足を瓦礫に挟まれて動けない女の子がそこにいた。
どうにか這い出ようとしているが、何処か顔色が悪い女の子はもがくだけで瓦礫をどかし逃げれるようにはとても見えない。
回復してやりたいが俺のホイミ系魔法の最大射程は15m、とてもじゃないが女の子まで届きそうにない。
「やるっきゃないか、『リホイミ』」
リホイミは自分に継続的に回復効果、通称リジェネ状態をもたらす呪文だ。
普段ならならホイミやベホイミで充分過ぎるのだが、俺がこうして本気で動くには都合がいい。
さぁ、切り替えるんだ。
カチリ、とスイッチが入る。
普段人間は筋肉を本来の20~30%の力しか使っておらず、最大で使ったとしても70%だと言われている。
それは何故かと言うと、100%の力に身体が耐えられないから、それを出させないように普段からリミッターが掛けられているという訳だ。
もし100%以上の力を発揮させたのなら筋肉の筋繊維はズタズタになり、暫くは身体を動かす事が出来なくなる。
だがそんなものは俺には関係がない。
損傷した手前から治してしまえば良いのだから。
回復系の魔法しか使えない俺がどう戦えば良いのか考えた時に思い付いたのがこの方法。
我ながら天才かな?
ならば後はいつでもリミッターを解除出来るようにしてしまえばいい。
まぁそれが割と簡単じゃなくて、身体を限界まで追い込んでみたり、何度も自分に回復魔法使いまくったりと色々やってみて、今みたいに自由に切り替えられるようになるのに丸1年掛かっちまった。
決め手はおちょくったかっちゃんから死にものぐるいで逃げてて限界超えた事かな!
リミッターを解除してリジェネ状態の俺ならば100%以上の力が出せる。
この状態が長く続くと危険とかそういうのも全くない。
俺の回復魔法は細胞を活性化させて回復を促しているとかではなく、正に魔法のように瞬時に正常な状態へと回復させるのだ。
まぁ魔法なんだけどね。
風のように速くなった俺は人を縫うように避け、一気に走り抜ける。
「出久!」
「え、束紗ちゃん!?」
「話は後だ、何か考えがあるんだろ?なら俺が背中を押してやる!『リホイミ』!」
「うん!行ってくるね!」
「おう、行って.......ってはやっ!」
突然目の前から出久が消えた、いや違う物凄い勢いで跳んで行ったんだ。
そして空中に跳んでいった出久はあろう事か巨大ロボを拳1つでぶっ飛ばした。
ズガドーン、と豪快にぶっ飛びながら壊れていく巨大ロボに俺は目が点になっていたと思う。
だって出久は無個性で.......
どうなってんだ?
その後落ちてくる出久をどうしようかとあたふたしたり、瓦礫に挟まれてた子が助けてくれたり、『リホイミ』じゃ回復しきれなかった出久を回復させたりと何とか無事に試験は終わった。