特典でドラクエ魔法貰ったけど回復しか出来ません 作:アナタ
だってかっちゃんとずっと修行してるし、オールマイトもいるし、オリ主は攫われるしね。
フルカウル20%が現状では上限です。
春が来た。
それまで主に出久とかっちゃんがボロボロになるまで修行をするから、それを回復してを繰り返していたらいつの間にかこの日がやって来た。
にしても遠慮なくかっちゃんは出久をボコるし、出久は出久で個性で自爆するし。
でももう前ほど一方的な展開にもなっていない、あの天才的なかっちゃんとずっと戦闘訓練をしていた出久はもうそこら辺の有象無象のチンピラヴィラン程度なら一方的に鎮圧出来るぐらいの強さはある。
いい意味で互いに高め合ってるって感じでライバルの存在っていいなぁって。
「やっぱ慣れねぇ.......」
この足がすーすーする感覚やっぱいつまで経っても慣れそうにない。
鏡の前に立って自分を見る。
ふむ、今日も超絶美少女だな!
もし前世の俺ならば一目惚れして即告白しちゃうレベル。
後はこうして髪の毛をサイドで括ってサイドアップテールにして完璧だ。
イメチェンってほどじゃないが、これから高校生になる訳だし気持ちを入れ替えるという意味でもある。
ふっ、相変わらずの美少女ぶりに惚れちまいそうだぜ。
にっ、と鏡の中の自分の笑顔チェックも欠かさない。
「じゃ、行ってきます」
誰もいないがこれは気分の問題でもある、やっぱり寂しいなって思う事もあるがこうやって言葉にしないのとするのとでは違う。
「よっ、出久っ!」
「わっ!?束紗ちゃん、いきなり後ろから.......」
「ん?どした?」
見慣れた緑のモジャ頭を見付けて俺は背中に突撃した。
文句を言いながらこっちを向いた出久だが、俺を見た瞬間ぴくりとも動かなくなった。
食い入るように俺を下から上と忙しなく見てくる出久。
もしかして何処か変なとこでもあったのだろうか。
服は雄英の女生徒用の制服に膝上まではニーソックス、髪はいつもと違って結んではいるが出る前に見た時は可笑しい所なんてなかったと思う。
「その、流石にそんなにじろじろ見られると恥ずいって言うか、なんと言うか.......」
「ご、ごごごごめんっ!?そんなつもりじゃ」
「そんなに変、だったか?それとも何処か可笑しい所でも.......」
「いや違うんだ!単純に驚いたっていうか、前々から思ってたけど今も可愛いというか.......うんっ!凄く似合っててびっくりしたんだ!」
「お、おう」
な、何だか食い気味だな。
そうか、変じゃなくて似合ってたか。
うん.......うん。
安心して変に緊張して固まっていた身体の荷が降りた感覚。
よ、良かったぁ〜。
別に変ではなくて似合っていたという事実に心の中で安堵しつつ、けれども妙な雰囲気になってしまって気まずい。
ど、どうしよう。
何このむず痒い雰囲気。
「この死ねぇ!デクぅぅぅ!」
「か、かっちゃ!?」
突如出久に飛びかかる影、というかかっちゃんだった。
何だか朝っぱらから俺たち3人集合したな。
妙に見慣れた光景にちゃんと俺たち同じ高校に行けたんだなという実感が湧いてくる。
うん、俺たち遂に高校生になったんだな。
俺からすれば2回目の高校生活になるが、ガラッと自分の取り巻く環境が変わって世界が変わって、色々なものが新鮮で新しい。
楽しいな、こういうの。
「お前ぇ.......朝っぱら何やってんですかァ?俺のことナメてんのか、あぁ?」
「かっちゃん、一方通行みたいになってるよ」
「うるせぇ!お前は死んでろ!」
一方通行よりも酷いんだよなぁ、かっちゃんの言葉遣い。
「まぁなんだ、雰囲気変わったじゃねぇか」
「ん。変じゃない?」
「悪くねぇな、それだけだ」
ぷいっと顔を背けながら早歩きになるかっちゃん。
待てよ、と追い掛ける俺の顔はきっと笑顔だったんじゃないかと思う。
――――――
雄英のヒーロー科は毎年倍率がものすっごい高い。
脅威の300越えで今更ながら試験に合格出来たのが不思議なぐらい。
そう思うとやっぱり俺の個性「ドラクエ魔法」は破格なんだなと思う。
まぁ回復しか出来ないけどね!
それっぽく修行はしていたし、個性を上手く使いこなせるようにとリミッターも外せるようにもした。
でもそれぐらい雄英を本気で志す人ならやっていて当然だろう、そう思うと俺が受かったのは俗に言う強個性であったのが大きかったのだと思う。
まぁ回復しか出来ないけどね!
回復だけでこの扱いだ、きっと他の系統の魔法が使えていたら俺TUEEEEまっしぐらだったに違いない。
まぁ多分これから先も回復しか出来ないんだけどね!
未だにメラとか出ねぇかなとか、未練がましく思ってる訳だが感覚的な部分で無理だろって納得しちゃってる自分がいる。
悲しい。
「にしても扉デカイな」
「だね.......」
いや色々な個性に合わせてのバリアフリーってやつだろうが、こういうのを目の辺りにすると雄英に来たんだなぁと実感し、ごくりと唾を飲む。
「何やってんだ、俺ァ先行くぞ」
バァン!とかっちゃんが扉を勢いよく蹴り開けた。
チンピラかよ。
てかスライド式なのに足で器用に開けやがったな、こんな所でも無駄に発揮されるかっちゃんのポテンシャルの高さ。
そんな派手な開け方だったからか扉から見える同級生達は皆揃って俺たちの方を見る。
その視線に思わず俺は出久を壁にする様に隠れた。
視線は苦手だ、この女の子の身体になってから自分に向く視線に敏感になったと思う。
男だった時に比べてこっちに向く視線が増えたのもあるが、何より視線に晒される事に苦手意識を覚えてしまった。
あぁ、くそ。
そんなあれじゃないって分かってんのにぶるってんじゃねぇぞ俺。
チラつく過去に意志とは別に縮こまる身体。
思わず咄嗟に出久の制服の裾をキュッと掴む。
そんな情けない俺を見てかっちゃんは「ちっ」と心底イラついてますと言いたげな舌打ちをして、教室全体を威圧するように言い放った。
「ウザってぇ視線飛ばしてんじゃねぇぞ!これ以上コイツにちょっかい出したら俺が殺す!」
いやまだ別にちょっかい出されてないから。
普通に視線飛ばされただけだから。
でもかっちゃんのツンデレ気味の気遣いにホッコリ。
さんきゅー、お前とダチで良かったわ。
「あぁ!そのモサモサ頭は!」
突然背後から声が聞こえて背筋が伸びる。
咄嗟にまた隠れる。
あれ、この人どっかで見た事あるような。
そう言えばこの人、出久が巨大ロボットから守った人じゃん。
同じクラスだったのか。
あの時の事を嬉しそうに語り、「受かったんだ良かったね」「直談判してくれたから.......」と顔を赤くしながらデレデレする出久。
むぅ、俺と言う超絶美少女の幼なじみ兼親友がいるというのにデレデレしやがって。
はっ!これが寝取りというやつなのか!
なんかイラッとしたので出久の腕を抓ってやる。
「いたっ!?束紗ちゃん?」
「すーぐ鼻の下伸ばしちゃってさ。出久は女の子なら誰でも良いんだな」
「ててて、照れてないよ!」
「あっ!傷を治してくれためっちゃ可愛い子!」
「ぴゃいっ!?」
突然出久を押しのけて俺の手を掴んできた為に変な声が出た。
や、やべぇ。この人なんか目がキラキラしてんだけど。
「怪我治してくれてありがとう!まさか同じクラスだったなんて、私嬉しいな。これから宜しくね!」
「う、うん。よろしく.......」
「手ぇ離せや、いつまで握ってやがるっ!」
「あ、ごめんごめん。つい勢い余っちゃって」
そうやってかっちゃんが混乱の極みにある俺を奪還してくれた。
やだかっちゃんがイケメンすぐる.......
「なんかアイツおかんみたいだな」
「アァ?」
そんなつぶやきに反応したかっちゃんが教室で暴れて、それは先生がくるまで続いた。