プロジェクト材木座with相模   作:もよぶ

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相模覚醒の回です。
ちょっと気になったのは原作に書いていた2-Cの本来の出し物の材木座脚本の演劇、一体どんな惨状になったやら・・・


第三話

材木座は啖呵を切って保健室を出たのいいが、

「むう、忘れ物をしてしまった・・・これも奴らの罠か・・・」

と無駄な独り言を言うと一旦教室に戻ってから帰ることになってしまう、途中ちょっと気になったので会議室の近くまで行ってみることにした。

 

会議室の前には相模と雪ノ下、比企谷がいた。

「サボっててごめんなさい!ウチ足りない事ばかりだから何をしたらいいかわからないの、改めてウチのサポートお願いします!」

 

どうやら相模は早速謝罪しているようだった。

 

「それは大丈夫よ、それに私もサポートとという立場を超えていたという自覚はあったわ、こちらこそごめんなさい」

「謝るのは勝手だがなんで俺まで?」

「とある人から言われたんだけど雪ノ下さん以外に比企谷にも手伝わせるといいって、比企谷って頭いいんだって?その人すごくほめてたよ、ウチに協力してくれないかな?君の力が必要なの、お願いします」

深々と頭を下げる相模

 

「・・・いやいいけどよ、それ言った奴だれよ?」

比企谷は照れているのか頭をぼりぼりをかいている

 

「相模殿は早速『おだてる』コマンドを使っておるようだな?あやつは女子には弱いからのう」

ニヤニヤしながら様子を伺う材木座

 

「盟友だって、泣いて喜ぶって言ってた」

と相模が言うと比企谷は呆れたように叫ぶ

「あの野郎!・・・」

それをすかさずニコニコとしながら雪ノ下が突っ込みを入れてくる

 

「あら比企谷くん?人望があってうらやましいわ」

「うるせぇ、なんにも嬉しくねぇよ」

といつもの言い合いが始まろうとしたところで相模が強引に割って入る

 

「ごめんなさい、そういうのは後にしてもらえませんか?早速今の細かいスケジュールとか決済の書類の整理がしたいから手伝いお願いします」

 

そう言うと比企谷も雪ノ下も顔を真っ赤にして相模の後ろを追うように黙って会議室へ入っていった。

 

「フム、本当にやるとは恐れ入った、しかし八幡は社畜の道を進んでいるようだのう、働いたら負け!これすなわち正義よ!おおっと我にもアニメを見るという仕事があったな!急がねば!」

 

それから耳にする文化祭実行委員会はちょっと変わったものになった。

なんでも委員長は常に雪ノ下を従わせ、それはまるで社長と秘書のようだと、さらに背後にはやばい目つきのヒットマンを抱えており、従わないものや反抗する者には影で制裁を加えられるという話や、有志団体のOGが来て遅刻した人を肯定する発言をした時にはOGに迷惑だから出ていけと言っていたとか、その様相はまるで恐怖政治だとかいう話だ。

 

ただこれは一部のサボりたい連中が流している噂らしく真面目に委員会に取り組んでいる者にとってはいつまで何をどのくらいと具体的に明瞭な指示を出してくれるので評判はすこぶるよかった。

 

「人間変わるものだのう、まるでカリスマだな、カリスマ委員長?・・・うーん委員長と言うとメガネにおさげであろう、あんな耳にピアスのリア充では断じてない」

そこからは文化祭が始まるまで材木座は相模の姿を見ることはなかった。

 

次に彼女の姿を見たのは文化祭当日

生徒会長の挨拶が終わり委員長の挨拶の時だった。

相模がマイクを持つとキーンとしたハウリング、それとともにどっと笑いが起きる、しかし相模はそれをものともせず

「えー失礼しました、音響にはあとでしっかり言っておきます、本日は

・・・」

何もなかったように挨拶が開始された。

 

「はぁー我だったら緊張でぶっ倒れてるな、委員長ともなれば肝も図太くないと行かんのか」

オープニングセレモニーが終わると文化祭初日がスタートされる。

 

「ふん!リア充共が」

一緒に回ろうと比企谷を誘ったのだが

「貴様のせいで余計な仕事が激増だ、絶対許さん」

と追い返されたので一人で回る羽目になった、はずなのだが現在自分のクラスの催し物の呼び込みである。

妙な帽子と手作りの変な看板をぶら下げいわゆるサンドイッチマンの形で客の呼び込みと宣伝である。

「材木座くん?って暇っしょ、呼び込みやっといて、あと注文とかも手伝ってあげて、俺ら忙しくて無理なんだわ、青春の思い出作りにいいっしょ?」

とクラスの陽キャに仕事を押し付けられている状態なのだ。

 

「クソ!打ち合わせの時は我をハブってた癖に!しかも名前を疑問形で呼ぶとはどういうことだ?」

と半ばやる気もなく教室前をうろうろしている状態

 

「おなか痛くなったといって帰ろうかな」

と思っていたが中心になっていた陽キャ連中がクラスの大半の女子や取り巻きを連れていなくなっているため回すのも大変な状態なのだ、一人抜けただけで結構な痛手だ。

「我も社畜の才能がありそうだな」

と外で呼び込み、客が入ったら注文取りとまあまあ忙しい。

 

窓の外ではキャーといった歓声が聞こえる、文科系の部活が外で催し物をしているらしい

「いいなぁ・・・我も見に行きたいなぁ・・・」

「ごめんね材木座君、みんな遊びに行っちゃって・・・」

残されたのはクラスではあまり発言権のない底辺カーストの多少は真面目にやろうと思っている人しかない、実質的な準備の大半もこの人たちがやった模様

 

「まー我はこういう時ぐらいしか役に立たぬのでなぁ」

気を取り直して呼び込みをしようと廊下に出ると

「ふーん、ここ材木座君のクラスだっけ?ってかその恰好はなによ」

腕に『委員長』の腕章をつけた相模が立っていた。

 

「こ、これはこれは委員長殿、我らがクラスの喫茶店『自分探し』へようこそ」

「自分探しって・・・あんたのその恰好こそ自分見失ってんじゃないの?」

 

クリスマスで使われるようなとんがり帽子の先には風船、看板には『自分探し』の店名とその場の勢いで書いたポエムが書かれている。

正直この格好は罰ゲームといってもいい。

 

「致し方なかろう、青春といえば自分を探すだの、恋だの愛だの自由だの盗んだバイクで走り出して校舎のガラス窓割りまくって支配からの卒業だのが大好きだからな!」

「そんな強く力説しなくても・・・なんかあんたも比企谷みたいにひねくれてるね」

 

「ふむ、それは誉め言葉と受け取っておく、それで入るのか入らないのか?」

「入るよ」

「はーいおひとり様・・・ってあれおぬし前見た時二人ほど仲良さげな連れがいたであろう」

「これも見回りの仕事だから別行動なんだ、委員長ってほんとめんどくさい」

と嫌そうな表情になる相模、これ以上突っ込むと愚痴が始まりそうだったので案内しそのまま注文を取る

 

「あれ?材木座君が注文を取るの?」

「ウム、喫茶自分探しの店員は現在ほとんどが行方不明でな、自分を探す前に店員を探さないといけない具合よ、なんなら我が客を呼び込み、我が注文を取って我が食い物を提供することもあるな、まさにワンオペ」

 

「ちょっとそれってどういうことよ・・・」

 

「我らに押し付けて行った奴らが言うにはこれが『青春の思い出作り』なんだと、そのような理由で面倒なものは御免であるな、今ならミネラルウォーターがお勧めであるぞ」

 

「思い出作りって・・・代表者は?」

「おらぬ」

「連絡先は?」

「しらぬ」

 

そこまで聞くと相模はおもむろに携帯を取り出すと

「もしもし?あんたの出番・・・はぁ?いいから名簿から2-Cの代表者探して捕まえてクラスに連れてきて・・・今忙しい?・・・ん?そこに結衣がいるの?ちょっと変わって・・・ゴメン結衣ちょっと協力して・・・」

 

なにやら電話をしている。

 

「しばらくウチ手伝うから、材木座君は外で呼び込みと案内だけやっといて」

と相模は喫茶店の手伝いを勝手に始めた。

 

材木座が外に立っているとしばらくして比企谷と雪ノ下が2-Cの陽キャたちを連れてきた。

「ったく由比ヶ浜の奴電話するだけ誰がどこにいるか分かるとか異常だろ」

「あなたと違って顔が広いものね、ごめんなさいあなたの顔の皮膚は他の人より厚かったわね」

「誰の面の皮が厚いって?どの口が言っているのやら」

いつもの口論を交わし2-Cの目の前まで来る。

 

「はっ!おい雪ノ下、この喫茶店『自分探し』だって」

「あら?本当ね、この人たちにとって自分を探してもらえたから本望じゃないかしら?」

 

二人はそう言うとぞろぞろと陽キャ達を教室に押し込んで行き最後に雪ノ下と比企谷が入る。

教室の中からは

「すみませーん一時閉店にしますのでお客さんは退店願いまーす、お代は結構でーす」

と聞こえてお客と仕事をしていたクラスメイトがぞろぞろ出てくる。

最後に相模が顔を出すと

「材木座君、すぐ終わるからちょっとまっててね」

そして教室の扉が閉まった。

 

しばらくクラスメイトと扉を見つめていると扉が開き相模が顔を出す

「終わったよ、彼達は反省して文化祭中は言い出しっぺの自分たちだけで回すって言ってくれた」

後ろから雪ノ下と比企谷が出てくる。

「売り上げはきちんと全額学校側に寄付してくれるそうね」

「すげぇよなぁ今のご時世こんなにボランティア精神にあふれる連中がいるなんてなぁ」

 

「途中で閉店もしないんだよね?『青春の思い出作り』楽しんでね?委員会できっちり監視するから」

 

二人の背後を見ると陽キャ達の顔が青ざめているのが見える

 

「さて比企谷くん、由比ヶ浜さんはどこかしら?」

「あーこっちだ」

「なんでも『はにとー』というものを一緒に食べたそうね?何故私を誘わなかったのかしら?」

「俺に言うなよ・・・」

そう言いながら二人は後ろを振り返ることなく校舎の奥へと消えていった。

 

「あの二人は相変わらずのようだが中で一体なにが?」

「まー材木座君は知らない方がいいと思うよ?それにしても比企谷はほんとだよね、結衣のことどうすんだろ?」

「何気に怖いなおぬし、あと結衣って由比ヶ浜殿のことか?なんかあったのか?」

 

「ん?気にしなくていいよ、んじゃ材木座君いこうか?他のみんなも遊びに行っていいよ、お店は彼らが責任をもってやってくれるから、そうだよね?」

「は、はい!」

いつもイキリ倒している陽キャたちは借りてきた猫状態だ。

 

「んじゃいこっか」

 

材木座は妙な帽子と思い付きポエムが書かれた看板を陽キャに渡すと相模と一緒に見回りという名目で文化祭を回ることになったのである。

 

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