マインクラフトの世界に転生した主人公は何を想う 作:夜刀神 闇
第1話 マイクラの世界にやってきた主人公 -マイクラの世界はハイテクだった-
そよそよと聞こえる風の音。肌に感じる草の感触。
……顔をつつかれている感覚で僕は意識を取り戻した。
「なんだよぉ……ん?うわぁっ?!何お前!」
目を開けた途端、視界に飛び込んできたのはカクカクした白い物体……いや、よく見てみると羊だった。
羊「めぇぇ」
「わぁ……」
体を起こすと、羊はどこかへ行ってしまった。
こんなカクカクした羊初めて見た……って!
「そーいえば僕、マイクラの世界に転生させて貰ったんだっけ……そーいやそうだったなぁ」
僕は、急いで自分の体を確認した。
手、そのまま…足、そのまま…胴体、そのまま…
よし、何も変わったところはない!強いていえば、なんか見覚えのない腕時計のようなものを付けていることだろうか。
「ん〜インベントリみたいなものかな?うわ、ホログラム式になってるのか。ふぅ〜ん……既に何か入ってる……あ、松明だ!」
僕は、インベントリの中の''松明''をタップした。
「わ、本当に松明が出てきた…浮かんでる!」
松明は、僕の手の中に浮かんできた。
マインクラフトをプレイしている人なら分かるかもしれないが、インベントリから取り出したアイテムを捨てると、小さく浮かぶのだ。
ゲーム内では手が資格だったので細かい所はよく分からなかったが、現実の世界になると手の中でも浮かんでいるようだ。
「そういえば周りを見てなかったな……うわぁ、見事に四角い。凸凹し過ぎでしょ。でも、初期スポーン位置が草原で良かった。森も近いね」
生き残るためには、まずは木を切らないといけない。
後は、羊を狩って羊毛集め……現代出身の僕には少し酷だが、仕方ないな。
生き残る為なんだから。
「ごめんね……羊さんっ!」
僕は、先程去っていった羊を猛ダッシュで追いかけた。
ゲーム内でもそうだが、友好的MOBは、プレイヤーが近づいても基本的には逃げない。不思議だ。
この羊も、一切逃げないので狩りやすい。
羊「メ"ェェー」
1発殴ると、羊は驚いて逃げようとする。
しかし、僕はそれを許さなかった。生存競争に勝つ為だ!
ごめんね!
何回も殴っていると、羊は少量の経験値と共に、倒れた。
すると、そこには''生の羊肉''と''羊毛''が落ちてあった。
「おぉ。経験値はこの腕時計に吸い込まれていくのか。凄いなぁ……この羊肉、食ってみようかなぁ」
生の肉を食すのは、かなりの抵抗があった。
しかし、自分の空腹度を腕時計で見てみても、少し減っていたので我慢して食べることにした。
「んん〜硬いなぁ。あんまり美味しくない(A;;´・д`)」
ごくりと飲み込んだ時点で、腕時計に表示されていた空腹度が1つ回復した。
これで、僕の空腹ゲージは満タンになった。
「そういや、木を切らなきゃ。マインクラフトの世界では、これをしないと生き残れないから……運良く、森も近い。羊も、チラホラ見かけられる」
これは、僕がこの世界で生き抜くことが出来るという事実だった。
正味、同じ色の羊毛×3と木材幾つかさえあれば、この世界で半永久的に生き残れるのだ。
「よし、まず木を伐採することから始めよう!そして、幾つか手に入れたら羊を狩る!これでいいね!」
僕は、そう宣言し、木の伐採を始めるのだった……
❁❀✿✾
数分後
「ふぅ〜木材はこんなもんで良いかなぁ。いやぁ、樫と樺の森が近くにあって良かったぁ。羊毛も、既に5つ位あるし。こりゃあ楽勝だな」
インベントリを確認すると、
種×2、樺の丸太×20、樫の丸太×22、白の羊毛×5、生の羊肉×3があった。
切った木なんかも腕時計に吸い込まれてくんだから、不思議な現象だよね。
「実は、作業台でもう木の斧とかも作っちゃってるんだよね〜だから作業が少し早くなったんだなぁ」
後は、ベッドを作ったら完璧なんだが、もう少し散策しよう。
もしかしたら、村を見つけるかもしれないし、新しいバイオームが現れるかもしれない。
ちなみに、僕が見つけたMOBは、羊、牛、ニワトリだ。
ニワトリがまぁ、小さくて可愛かったので倒しづらかった。
牛は、うん、デカいし怖かったんだよ(震え声)
「ん〜かまどが欲しいよねぇ。生肉だって、今は全然美味しくなくても、焼いたら美味しくなるかもだし。まぁそれには燃料が必要etc…」
僕は、作業台にもたれかかって、ひたすら考え事をしていた。
村人は、ちゃんと話せるのか……こちら側と意思疎通が出来なければ、物凄くつまらない冒険になるが……
「いやはや、どうなるのかなぁ……」
僕は、起き上がって作業台に向かい、木のツルハシを作り始めた。
作業台の上には、9つのマスがあった。しかも、作業台は自分の腕時計と連動しているらしく、今持っているアイテムで作れる物が、全て表示されている。
どうやら、ここは''統合版''のワールドらしい。
「なんか、意外とハイテクな世界だねぇ。木のツルハシを作ったら、勝手に腕時計に転送されてきた……」
そんなことなら、村に行くのが凄く楽しみになってきた。
今の僕の服装では、この世界では多分珍しい服装だろう。多分驚かれる。
パーカーに黒い長ズボンなんて、この世界の人に作る技術があるのだろうか。
「さて、そろそろ行きますか!」
僕は、作業台をインベントリに直し、歩き出した。