マインクラフトの世界に転生した主人公は何を想う 作:夜刀神 闇
「……やった!鉄見つけちゃった、ラッキー!」
初期スポーン位置から移動し始めた僕は、石炭集めをしていた。何故なら、かまどの燃料や松明を作るのに結構必要だからだ……だが、途中で鉄を見つけた僕の気分は、かなり高揚していた。
「これ位あれば鉄のツルハシと剣、どっちも作れるかも!」
僕は、作業台を置いた。
うーん、やっぱり手に浮かんでる状態から地面に叩きつけるだけで、ものを実体化させることが出来るなんて......
慣れないなぁ。シュールすぎてさ、はは......
「作業台とか、まんまだからね......前世のマイクラで見た時の作業台そっくり」
高さは僕の腰程度。
初め、草ブロックを見たときは、大きいなと感じた位だ。(僕の身長が低いだけ?)
「手も、リアルだし......いや、自分の体も他のMOB同様にカクカクしてたら、多分発狂してたよ。女神様、アリガトウ......」
僕は、胸の前で手を合わせ、女神様にお祈りをした。
僕の願いを聞いてくれ、僕のワガママを通してくれて......マジ感謝!
「そういえば......他の
じゃあ、ラヴェジャーはどうなるんだろう。
あのサイみたいな敵MOBは、邪悪な村人系の顔をしている。ひょっとして、ちょっとは喋れるんじゃないか?それだったら、この世界で生きる楽しさはかなり大きいものなのではないか?
ただ、難易度もかなり上がりそうだな。どうしよう......
「ハードコアモードじゃなくてただのハードモードだから、まだマシだよねぇ。僕は、元々マインクラフターであったからマイクラ内の要素もある程度は知ってるし、どうすれば生き残れるのかということも知ってるし……」
勝ち組いぇーい!と心の中で叫んだ。
だって、普通の人が何も知らないまま、マイクラの世界に転生したとしたら、ソッコーで死んでたよね。
やっぱり女神様はetc......
「石ブロックの手触りは普通の石を触ってるみたい。形をそのまま四角くしたような感じか。草ブロックも普通の芝生触ってるみたいだったしなぁ......石炭は、石炭の部分だけを触ったら、ポロポロと黒い粉みたいのが落ちてきたから、ほんとに細かい所までリアルに作られている。この世界は」
僕は、石を撫でながらそう言った。
僕はまだ、マインクラフトの世界の中で出会ったことがあるMOBは、動物系MOBだけだ。
いずれは、村人にも出会ってみたい。何分、この世界で独り言しか呟いたことがないからだ。
「そろそろ家を建てなきゃな......とりあえず、簡易的な小屋みたいなので良いかなぁ。最初の家づくりでそんなに時間はかけられないからなぁ......」
僕は、見つけた石炭を全部採取し終えたので、野原に向かうことにした。
僕の最初の小さな目標は、【第一拠点を完成させる】こと!
それを終えたなら、次はどうしようかな。まだまだやることが沢山あるからなぁ......
「村見つけチャレンジかな、これは」
まぁ、近くに村なかったら終わりなんだけどね!と心の中で思う。
でも、どうしても自分以外の人に会いたくなった場合は、物凄く遠くに行って探すか......僕のやるべきことが全て終わった後でね。
「そうとなると、まずは木材を集めなきゃだな。って、いつの間にこんなに暗くなり始めてたの?とりあえず、ベッドを作らなきゃ」
僕は、作業台を開き、ベッドのマークをタップする。
そしたら、ベッドを作るのに必要なアイテムが表示された。僕が転生した世界が統合版でよかったぁ。
Java版のマイクラに転生していたら、もうちょっと困難な道のりになっていたかもね。
なにぶん、Java版だと、自分でアイテムを配置しなければならないからだ。
「Java版の人からしたら、統合版なんてゆるゲーなのかもしれないね......っと、まずは囲いを簡単に作ろう。この世界では、もしかしたら寝てる時間も普通に時が流れるのかもしれないからなぁ」
ハードコアじゃないにしても、やはり死ぬのは怖いもの。
......現代で殺害された身からしたらね。しかも無差別に。女神様曰く、僕はまだ死ぬべき人間じゃなかったらしいし。
数分後......
「よし、こんなもんでいいかなぁ」
僕は、さっき採掘してきた丸石でかまどを作り、木材で壁と屋根を建てた。床には丸石を敷いた。
ついでに、かまどに石炭を入れ、羊を倒して手に入れた生の羊肉を焼き、食べてみた。
「うっまぁぁぁぁぁい!!!これに塩コショウとかをふればもっと美味しいんだろうけど......今度、作業台とかインベントリを介さずに作れるものがないか、試してみよーっと」
僕は、樫の木材から作った
マイクラをプレイしている頃は、階段に座ることなんて出来なかったものの、この世界では出来るようだ。高さは凄くピッタリだし、余った羊毛で絨毯を作成し、その絨毯を階段に敷くことも出来た。
ただ、ハサミで絨毯を切ってみても、小さく切れた方はパッと消えて無くなってしまったのだ。
「アイテム化すら出来ないってことかな。まぁ、どーでもいいけど」
僕は、羊肉を食べ終えたので、ベッドに向かった。
ベッドのフカフカ度は......まぁ、悪くない。現代の僕のベッドみたいなものかも。
寝心地も、まぁ気持ちよく寝れる。
「あぁ......眠い。寝よう」
僕は、明日からの生活を考えながら、眠りに落ちていったのだった......