金と言うものは力だ。
世の中のありとあらゆるものを歪める資格。
金があるからこそ、恐竜標本と言う法に触れる趣味すらやっていける。
例え逮捕されたとしても、金持ちの自分がいなくなって困るのは政府の人間だ。
少し多めに積み立てておけば、世間に波並を立てることなく
「ヒーローごっこに一生懸命だったお子様諸君には悪いが、これも大人の知恵だ」
そう嘯いた男……ドルマンスタインだったが、何もかも思い通りと言うワケではない。
一度逮捕されたことによって多くの恐竜コレクションは押収され、自慢だった屋敷は見事なまでにスッカラカンだ。
早急にコレクションを集め直さなければならない。しかし自分の馴染みのハンターは既にすべて捕まっている。釈放される前にドルマンスタインがあっさりと情報を吐いたからだ。
そしてあちこちの恐竜ハンターに恨みを買い、最早自分の依頼など受けてもらえないだろう。
あの時、一緒に捕まった恐竜ハンター以外は。
そこで恐竜ハンターを再び雇うことにしたのだ。
(外の情報をまるで知れない奴ならば、今のわしの悪評は知るまい)
とは言え恐竜ハンターを釈放するのは難しい。
さてどうしたものかと悩んでいた時に、殺し屋ジャックがタイムパトロールへの攻撃を企ててると情報が入ったのだ。
これ幸いと資金や販売停止のひみつ道具を支援し、まんまと恐竜ハンターを脱獄させたドルマンスタイン。
ついでに妙なロボットも拾っていたようだが、ようやく過去の子どもたちによって台無しにされた絶滅動物ライフを再開できるという時だった。
過去の世界に逃げ込んでいた殺し屋ジャックと恐竜ハンターがやられたと情報が入ったのは。
「役立たず共め!」
報告した部下をタイムテレビ越しに怒鳴りつけて委縮させながら、ドルマンスタインは再び自分の娯楽に水を差した子どもと猫型ロボットに敵意を燃やした。
「どうしてくれようか、こうなれば時間犯罪者どもを片っ端から雇って……」
恐ろしい企てを口走るドルマンスタインだったが、その計画が実行されることは無かった。
突然、明かりに照らされる屋敷。
何事かと顔に浴びせられる光を手で遮りながら、驚くドルマンスタインの耳に拡声器による大きな声が入ってきた。
「富豪ドルマンスタイン‼ 貴方にはタイムパトロール襲撃犯、殺し屋ジャックへの販売停止ひみつ道具等の支援、及びその件で脱走した恐竜ハンターの逃亡を手助けした罪で逮捕状がある!」
「で、出鱈目だ! なにか証拠は!?」
「ここに殺し屋ジャック・恐竜ハンターの両名との通信記録がある! 言い逃れは出来んぞ!」
(馬鹿な、何故……?)
決定的な証拠を突き付けられたドルマンスタインはガクリと膝をついた。
こうして24世紀の大富豪の罪は、とある本の世界とは無関係な場所で解決されたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……ル……起きてっ、ベル!」
「う……?」
闇に落ちていた意識が再び浮上する。
目を開けると、必死に肩を揺らすのび太と自分にタイムふろしきをかけるドラえもん。
【
「ノエルちゃんが……っ」
「──」
のび太の言葉に目を見開く。
ノエルは長い時の中で徐々にその存在を摩耗し、力を失った存在だ。
そんな彼女が、穢れた精霊なんてものを打倒する武器を生み出せばどうなるのか。
「ノエル……!」
タイムふろしきを振り払い、ベルは雪原を駆け抜けた。
穢れた精霊による流星群染みた攻撃によって、雪原は荒れ放題。
焦げ臭いクレーターを足場に進めば溶解液もない。
いや、仮に足場が無かったとしても。溶解液にまみれていたとしても。
ベルはノエルの下に向かっただろう。
冷たい空気が痛いほど喉の奥で擦れるのを感じながら、ベルは必至になって走る。
「……ぁ」
「ベルさん……」
やがて、シルに抱かれるノエルの姿を見て絶句する。
ベルはノエルから精霊の気配など感じたことは無かった。『氷の槍』を形成する瞬間でさえ。
それは彼女が残り滓程度の力しか持たなかったからだ。
だから皆、ノエルのことをヒューマンの子どもだと誤解した。
しかし、今のノエルからはヒューマンとも感じ取れない。
「おと……さん?」
それは無だった。
確かにそこにいるはずなのに、気配が感じ取れない。
もう、ノエルはヒューマン並の力すら持っていないのだと理解させられる。
それが嫌で、ベルは伸ばされたノエルの手を取った。大切な少女の存在を少しでも確かめたくて。
「うん。ちゃんと……戻ってきたよ」
「あのこを、ありがとぅ」
どこか夢心地な様子でノエルはベルにお礼を言う。
そんな姿にベルは唇を嚙み締めた。
(助けたいって思っても……結局、僕にはなんの力も)
ノエルを治すことは出来ない。
オラリオの医術では勿論、何でもありなひみつ道具でさえ。
それらが妙な力場を作り、完治を妨げている。
そんなことはドラえもんたちからとうに説明を受けている。
それでも、何か方法は無いのかと必死に頭を回した。
不可能であるという堂々巡りの結論が分かっていながら。
「わたし、かなしくないよ……?」
「えっ……」
「おかーさんがいて、おとーさんがいて……アーニャも、クロエも、ルノアも、リューも、ミアも、ひでおも、のびたも、ドラえもんも」
ぼんやりとノエルは周囲を見渡す。
【豊穣の女主人】の面々も、数日の間に出来た異世界の友達も、全てがノエルの宝。
「……こんなにいっぱい、わたしをしってくれている。すごい、しあわせなんだぁ」
ノエルの言葉は優しさだ。
今も、無力感に苛まれるベルに握られた手を赤子のような力で握り返し、慰めようとしている。
「……そっか」
だからベルも笑う。
一度、涙に滲む視界を手で覆い、口元に笑みを作って。
悲しい顔なんてきっとノエルは見たくないから。
不格好な笑みを浮かべるベルに、ノエルを抱くシルは微笑んだ。
その表情はこれまで見たこともないほど張りつめていて、いつも心の内が読みづらいシルが必死に悲しさを押し殺していることが伝わった。
シルはノエルの頬を優しく撫で、子守唄を謳うように囁いた。
「よく頑張ったねノエル。私たちの、自慢の娘」
ノエルはその言葉に溶けるような笑みを浮かべる。
「わたし、ずっとそとでみてるだけだった」
神々が降臨し、その役目を終えることになった大精霊。
希薄な自我しか持たない筈だった彼女はいつしか、街並みに灯る団欒の明かりに焦がれるようになっていた。
ノエルがヒューマンだと誤解されていたのは、精霊としての力が薄まっていたからだけではないのかもしれない。彼女の皆と同じように生きてみたい、そんな蓄積された願望の発露だったのかもしれない。
「でも、もうさむくないよ」
ノエルの名を与えられて、【豊穣の女主人】に行きつき、様々な人と交流したのは彼女の長い生から見ればほんの僅かな時間の話だ。
しかし、ノエルに人生があるとすれば、その一週間にも満たない生活のことを言うのだろう。
ノエルは自分の満足をこれ以上なく誇りに思っていた。
「ありがとう」
最期の力を出し終えたように目を瞑る。
その存在はいよいよ希薄になっていき、ノエルの輪郭に淡い光が零れだす。
精霊が最期を迎えようとしている。
誰に説明されたわけでもなく、そう理解した一同はそれぞれの反応を示した。
ベルとシルはより一層にノエルを感じようと抱く力を強めた。
アーニャは目の端に涙を溜め、悲嘆に暮れる。
ルノアはノエルの儚い笑みから目を逸らし、クロエは瞑目し言葉を発しない。
リューは沈痛な面持ちで3人の親子に何か声をかけようとして、結局何も言わなかった。
ミアはそんな面々を静かに見守っていた。
「……」
そして、出木杉は何もできなかった。
例え出会って少しであってもノエルは友達だ。その死が悲しくないはずがない。
だが、年不相応に聡明な少年はここで悲嘆に暮れることがノエルの意志に反することも理解していた。ならば、他の人たちと同じように笑みを纏えばいい。
彼女が心置きなく旅立てるように。安心して目を閉じていられるように。
(無理だ、出来ない……)
しかし、どれだけ聡明であろうと出木杉英才と言う少年はまだ子供だった。
自分の感情を完璧に抑え、偽ること等、出来はしない。
彼には親しい者を失った経験などない。平和な国の人間なのだから。
感情と理性の板挟み。
石像になってしまったような自分に失望する出木杉の耳に、もう一人の少年の声が入ったのはそんな時だった。
「ノエルちゃんっ!」
タケコプターで空からやって来たのび太が、傍にいたドラえもんを突き飛ばすように一目散に降りてきた。
大粒の涙をボロボロと眼鏡の端から溢しながら、その声はみっともなく震えている。
「死んじゃダメだ! もっと、もっと生きてなきゃダメなんだ!」
「のび、た……? でも、もうわたしはまんぞくだよ……?」
「そんなわけない‼」
誰もがノエルの死を受け入れていた中で、のび太だけは受け入れることが出来なかった。
「ずっと一人ぼっちでっ、ちょっと会っただけの僕たちと一緒だった日だけがノエルちゃんの思い出なんて間違っている! もっと楽しいことしようよ! もっと美味しいものを食べようよ! もっとっ、もっともっと、もっと……」
それは、その場にいたノエル以外全員の本音だっただろう。
ノエルが一体何をしたというのだ。彼女にはもっと幸せになる権利がある。
この結末に誰が納得すると言うのか。
けれど、それは言ってはならない心の内だ。
ノエルの望む結末に、その言葉は雑音にしかなり得ないのだから。
この時、のび太の感情的な言葉を聞いて出木杉が思ったことは2つ。
『なんてことを』と『羨ましい』だ。
自分には言えなかったノエルの想いを台無しにするその言葉を。
(本当に狡い。そんなの、僕だって……)
のび太の喚きたてる声に引きずられる様に、目頭に熱いものが溜まり始める。
偽りの笑顔は次々と砕け、悲しみが
「……ぃ」
「おかー、さん……?」
「別れたくない……」
もっと一緒に居たいよ、と。
決して大きくはない。しかし、無かったことにはできない彼女の本音。
母の様に慕う彼女の言葉に、遂にノエルはその表情をくしゃりと歪めた。
「あっ……ぅ、うぅ……うわああぁぁぁ……っ」
必死に声を抑えながら涙を流し始めるノエル。
そんな少女の姿を見て、ああ、死にたくないのだなと出木杉は当たり前のことを悟った。
もっともっと、やりたいことがあるはずだ。
もっともっと、みんなと居たいはずだ。
だけど、諦めるしかないから。だから物分かりが良くなったふりをしていたのだ。
「……っ」
出木杉は神も悪魔も、運命だって信じない。
世界は計算によって紐解けるもので、奇跡と呼ばれる事象にも必ず理屈があると疑わない。
だが、この時だけ、この瞬間だけ彼は祈った。
(誰か、この娘を……っ)
「ノエルをっ、救ってよ!」
のび太の叫びと出木杉の心がリンクする。
だが、時間が巻き戻ることは無い。
力を失った精霊が限界以上に力を使えば消滅するのは避けられないことなのだ。
ひみつ道具が無い限り。
(タイムふろしきが使えれば……)
ベルの体力と
あれならば、ノエルが精霊の力を使う前の状態に戻せるはずなのだ。
ノエルの治療を邪魔する呪いの傷を睨もうとした出木杉は、そこであることに気が付いた。
「……え?」
「出木杉君?」
「ノエルちゃんの……足の傷が消えている」
「な、なんだって!?」
出木杉の言葉にその場の全員の視線が、傷があった場所に向けられた。
ドラえもんのいかなる治療でも治せなかった傷が、夢幻の様に消えてしまっていたのだ。
「あれ、ノエルちゃんの足元に落ちているのって」
「タイムふろしき? さっきのび太君がドラえもんさんにぶつかった拍子に落ちた?」
ベルが拾ったのは、ドラえもんがベルを目覚めさせるために使ったタイムふろしき。
急いでノエルの下へ向かうために四次元ポケットに入れる手間すら惜しんだのだろう。
素直に考えれば、のび太がぶつかったことでタイムふろしきがドラえもんの手から離れ、ノエルの足に被さって治療できたという事だろう。
だが、これまで
困惑するベルの懐からはらりとカードが落ちた。
それは、ベルがこの短時間で嫌と言うほどに見慣れてしまったカードだった。
「しあわせトランプが……」
不幸をこれでもかと浴びせてきた
アベコンベによって不運ではなく、幸運を誘うようになっていたそれがベルから離れた。
今までは何が何でもついてきたのに。
それが意味することは一つ。効果切れだ。
(今、最後の幸運が与えられたってこと? それは多分ノエルの足が治ったことに気が付けたことだろうけど……まさか、
思い浮かんだのはこの戦場に来る直前の光景。
その舌に直結した槍は
更にその先端には黒い汚れが付いていた。もしも、それが【豊穣の女主人】に来る前のノエルを傷付けたものだとしたら。
異形のコボルトヴィオラスに相対した時、ベルは槍を断ち切った。
(僕は、知らないうちにノエルの
思わず落ちた
それがおかしくて、ベルはクスリと笑った。
「ありがとう」
「ベル……?」
「のび太君もありがとう。おかげで、諦めずに済んだ」
タイムふろしきを掴み、ベルはノエルの手を握った。
そこから先は語るまでもないだろう。
時は巻き戻り、精霊は運命から脱した。
そして、ダンジョンでありながらモンスターがいないその領域に子どもの泣き声が響き続けたのだ。ありがとう、ごめんねと。全員でその
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
騒がしくも温かい光景。
死に別れるはずだった子供と血のつながらない家族の奇跡の再会。
まさにハッピーエンド。英雄譚に相応しい光景だろう。
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな
「なんなのですかこの茶番は!? 何故雪原が血に濡れていない!? 悲嘆に暮れる慟哭は!? 泥沼の中の様な息苦しい絶望は何処に行ったのですっ!?」
雪に五体を預けながら、ヴィトーは血を吐き出すように怒った。
似非紳士の仮面を脱ぎ捨て、内に隠してきた凶暴性を発散させながら。
惨劇が起こるはずだった。
見るも無残な怪物によって、多くの命が捧げられ、世界是正は為されるはずだったのだ。
そして、ヴィトーはそれを高みの見物で味わえるようにこれまで立ち回ってきたのに。
「これでは台無しだ。数年がかりの計画が水の泡!」
しかし、それはまだ良い。
痛手だが、化け物染みた冒険者たちが跋扈するオラリオではよくある話だ。
飲み込んでいいだろう。だが、ヴィトーにはどうしても許せないことがあった。
「しかし、嗚呼ベル・クラネル‼ やはりなのですか!? 貴方は私のこと等、その背に刻む価値すらないと! そう仰るのですね!?」
ヴィトーは見ていた。ひみつ道具で巻き戻る
見間違うはずがない、あれはタイムふろしきだ。ヴィトーは先日、正にそのひみつ道具である派閥と取引したのだから。
「タイムふろしきは時間を逆行させる。つまり、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!?」
体の時間が巻き戻るという事は、体に刻まれた
つまり、
この戦いがベルの成長に寄与することはない。
「何という傲慢‼ 世界の中心に私の様な歪みは必要ないと!」
断っておくが全て偶然である。
そもそもタイムふろしきはドラえもんのひみつ道具で、使用したのはベルの意志ではない。
もっと言うならベルはこの副作用に気が付いていない。
この後、もしかしたらレベルアップしてるかも! と意気揚々とステイタス更新を行い、アビリティ上昇値オール0と言う悲しい結果にいじけて布団に包まる運命だ。
「そちらがその気ならば、こちらにも考えがあります」
しかし、ヴィトーの中で結論は固定されている。
「捻じ曲げますとも、こんな物語など。喜劇を悲劇に変え、その先に世界是正を……っ」
戦いは終わった。
誰一人として欠けることなく、少女は無事助けられた。
だが悪意は未だ健在。
闇の奥で、光を引きずり込もうと今も牙を研いでいる。
切り札が倒される。
ノエル死なない=誰も絶望しない。
この戦いがベルのステイタスに反映されない。
(ヴィトーにとって)望まぬ結末。
因みにドルマンスタインをとんとん拍子で捕えられた証拠はデンジャによるものです。
放置してたら一番やばいやつを優先的に潰していたみたいですね。
神会開催! ベルの二つ名!
-
秘奥の少年《ワンダー・ルーキー》
-
千の小道具《サウザンド・ガジェット》
-
狂乱野兎《フレイジー・ヘイヤ》
-
魅成年《ネバー・ボーイ》
-
不思議玩具箱《ワンダーボックス》
-
超耳兎《エスパル》
-
奇妙な兎兄《ストレンジ・ラビッツ》
-
開封兎《エルピス》
-
幼女好兎《ロリコン・アナウサギ》