ベルがひみつ道具を使うのは多分間違ってる   作:逢奇流

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探索の途中で

 ピキリッ、小さな音が響く。

 テーブルに置かれた白いマグカップに突然ひびが入った。

 黒い稲妻のような割れ目が、汚れ一つなかった容器を汚す。

 

「わっ、ちょっ!? どうしたの皆?」

 

 それを見て押し黙ったヘスティアはじっとベルを見た。

 ペットペンキによってベルが作ったという鳥、蛇、飛蝗といった石たちが、ベルの周りを飛び跳ねている。

 一見すれば主人にじゃれつくペットたちと言った場面だが、石たちには何処か焦っているかのような様子が見受けられた。それを感じ取るベルは対応に困っているようだ。

 

 ヘスティアはもう一度マグカップに視線を落とす。

 何かにぶつけたわけではない。急激な温度変化もなく、気温はいつも通りのはずだ。

 貯蓄に余裕が出来てから購入した物だから経年劣化と言うワケでもないだろう。

 粗雑品を掴まされた、と考えるのが自然なのだろうが女神にはそれが凶兆のように思えた。

 

(今日は初めて中層に潜る日、ベル君が心配で神経質になっているのか……?)

 

 ヘスティアも知識でしか知らないが、上層と中層は違う。

 上層までは問題なく適応できていた冒険者が、中層に挑戦した途端に環境の変化に戸惑い、瓦解するという事は珍しいことではないらしい。

 今日まで十分に準備を重ねたベルならば大丈夫だと信じているが、万が一を考えてしまうのも仕方ないだろう。この胸騒ぎはそんなヘスティアの不安、と考えるのが妥当だ。

 

(アドバイザー君によって18階層までの知識は叩き込まれているらしいし、ヴェルフ君が作った装備のおかげで中層への備えも万全。ステイタスだって……)

 

ベル・クラネル

Lv.2

力:D501 耐久:E429 器用:D533 敏捷:D598 魔力:F387 幸運:I

《魔法》【ファイアボルト】

     ・速攻魔法

 

《スキル》【四次元衣嚢(フォース・ディメンション・ポーチ)

     ・ひみつ道具を具現化できる。

     ・使用可能な道具は一日三つ。

     ・一日ごとに内容は変化する。

     ・現在使用可能なひみつ道具。

      【武器よさらば灯】【カミナリだいこ】【ライトニングボルトサーベル】

 

     【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)

     ・早熟する。

     ・懸想(おもい)が続く限り効果持続。

     ・懸想の丈により効果向上。

 

 これがランクアップをして一週間ちょっとの人間のステイタスだと誰が信じるのか。

 間違いなく同期の冒険者の中では飛びぬけている……どころかレベル2の中堅層にも迫る勢いだ。更に、【ガネーシャ・ファミリア】からは引き続きハシャーナが護衛に当たっている。普段はその力を宛てにはできないが、何かが起きれば助けてくれるだろう。

 はっきり言って中層の始め程度ならば、十二分な安全マージンの確保が出来ていると言える。

 

 ひみつ道具も有用そうなものばかり。

 これ以上望むべくもないほどに盤石の備えをもって、中層への初チャレンジに挑むのだ。

 ヘスティアの予感など杞憂。その筈だ。

 

(それでも……)

 

 これだけの好条件で尚、収まらぬ胸騒ぎは何だ。

 ヘスティアの中で囁く、警告の声が鳴りやんでくれない。

 自分でもどう処理すればいいか分からない予感に、少し迷った後、ベルに声をかけた。

 

「ベル君。その子たちも連れていくといい」

「ええっと……?」

「ボクは心配性だからね! 初挑戦した階層で、ま~た君がやらかすんじゃないかと考えると夜も眠れないよ。頼りになるストーンアニマルたちを連れて行ってもらえれば、安心して昼寝が出来るって寸法さ!」

 

 ヘスティアの言葉に石たちがよく言った! とばかりにぴょんぴょん飛び跳ねた。

 「そんなに信頼ないですか?」と落ち込むベルを尻目に、石たちはベルが背負った兎袋(ぴょんぴょん)の中に飛び込んでいく。

 あの石たちもヘスティアが感じていたような不安を持っていたのだろうか。

 

(ペットペンキで絵が塗られた石は頑丈だし、ベル君に忠実だ。きっと助けになってくれるはず)

 

 これから起きるかもしれない厄介事に、石たちが何処まで対処できるかは分からないが後は信じるしかない。装備を装着し終えたベルは、いよいよ迎える冒険者生活のターニングポイントに気合十分と言った様子。

 ここで「嫌な予感がするから今日はナシにしよう」なんて言っても、当然聞きはしないだろう。

 

「ベル君」

「はい。神様」

「……必ず帰ってきておくれよ」

 

 だから、ヘスティアは約束することにした。

 ベルなら約束を守るために全力で戦ってくれると信じているから。

 

 ヘスティアの言葉をどう捉えたのか。

 ベルは力強く「はい!」と返事を返し、【アイアム・ガネーシャ】を後にするのだった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「ベル。これが例の装備だ」

 

 中層に向かう途中、ヴェルフがそう言って見せたのは方位磁針のような腕飾りだ。

 否、腕飾りと言う表現は適切ではないかもしれない。手のひらサイズの方位磁針はちょっと大きい。

 

「例のあいつから採取した枝の破片を使った方位磁針にパーティーメンバーの血を吸わせると、そのメンバーの魔力に反応して、針がその方向を指し示すっつう仕組みだ」

 

 突貫で作った装備だったから一つしかできなかった、と悔しそうに呟くヴェルフだが、ベルはその仕事の早さに感嘆した。

 中層の異常事態(イレギュラー)でパーティーメンバーがバラバラになるというのが、このパーティーで考えられる最悪の展開だ。それをリカバリーできるのは大きい。

 

「もっと小さくは出来なかったのですか?」

「魔力に反応させるにはこの大きさの針じゃないと意味がなくてな……要改良だな」

「それでもあるだけ心強いし、ありがたいよ」

「おう。尋探木(タエ子)をよろしくな」

「う、うん」

「やっぱりその名前はないです」

 

 ワイワイとダンジョンを進むパーティー一同はやがて霧が立ち込める10階層に到着した。

 既に見慣れ始めた風景。上層最下部の階層域にいよいよ中層も近づいてきたと実感する。

 

「そう言やあ、今日はひみつ道具の試用をしてなくないか?」

 

 その時、護衛役のハシャーナがふと思いついたように声を出した。

 いつもならば1階層辺りでゴブリン相手に試し打ちをしているのだが、今日はあっさりと素通りしている。

 

「今日のひみつ道具の中に【武器よさらば灯】と言うモノがあるのですが、名前的に武器を持った相手じゃないと意味がなさそうですから。リリたちに使って武器を損失(ロスト)したら悲惨ですし」

「それで自然武器(ネイチャーウェポン)持ちが出てくる10階層まで一気に来たのか」

 

 武器よさらば灯がどのような効果はあるのかは不明。

 ひみつ道具の名前からは想像もつかない能力の可能性もある。

 

「後は【カミナリだいこ】と【ライトニングボルトサーベル】か」

「ライトニングボルトサーベルって何だかかっこよさそうですよね!」

「そうか? 俺なら雷鼠剣(ビリピッカ)にするけどなぁ」

「お、おう……」

 

 ヴェルフの独特すぎるネーミングにどう返答を返せばいいのか戸惑うハシャーナ。

 「ヴェルフ様の妄言は置いておいて、いい加減一階層ばかりで試すのも人目が気になってきましたからねぇ」とリリは周囲を見渡した。

 

(霧で隠れられるここなら至近距離にいない限り人目は気にしなくていいってことか)

 

 無論、無警戒ではいられられないだろうが。

 

「まあ、使ってみろ」

「はい、

 

 光によって構成されたのはビッグライトのようなライト系のひみつ道具のようだ。

 ライト系のひみつ道具は光によって効果を発揮する傾向がある。今回も『灯』という光に関する名前が付いていることから、今後は光に関係するひみつ道具はライト系と予想できるかもしれない。

 

「後は武器を持ったオークがいてくれればいいんだけど」

「問題ありません。今、ヴェルフ様が探しに行ってます」

「霧の中で別行動は合流できない可能性が……あっ、例の装備か」

「はい。ヴェルフ様にリリの魔力に反応する針を設置した尋探木(タエ子)を持たせてます。迷うことは無いでしょう」

 

 やがて、霧の中からヴェルフとオークが現れた。

 しっかりと自然武器(ネイチャーウェポン)の棍棒を装備している。

 

「ちゃんとリリを探知できましたか。一安心です」

「おいリリ助。さては俺を実験台にしやがったな?」

「当然です」

 

 二人の会話を聞きながら、ベルは武器よさらば灯を構える。

 使い方は他のライト系と変わらないだろう。気になるのは効果がどの程度の距離まで有効なのかだ。

 

「まずは零距離から!」

 

 草原を蹴り、霧を割いてオークに接近する。

 右手に構えた武器よさらば灯を至近距離で使用すると、薄暗い10階層に慣れたオークは突然現れた光源にうめき声をあげて目を覆った。

 

 武器よさらば、と言う名前から相手の武器を無力化するのは確実。

 武器が吹き飛ぶのか、消滅するのか。

 それを見極めようと光に怯まずにオークの棍棒を凝視する。

 

「……ん?」

 

 そして思わず目を点にした。

 10階層に生えている枯れ木を元にした棍棒は、酷く原始的なもの。

 太い木を粗雑なナイフで棍棒の形にしたような、ゴツゴツとした見た目だ。

 でっぷりと横幅の広いオークに似合う武器なのだが……細い。

 茶色なのは変わらないが、兎に角細い。

 まるで子供が振り回すような枝にすり替えられてしまったのではないか、と思ってしまうほどに。

 

(いや、枝と言うか……付着している土からして根っこ?)

「……」

 

 え、なにこれ? 

 と言わんばかりに変わり果てた棍棒(?)を凝視するオーク。

 先ほどまで冒険者たちに向けていた殺気は霧散してしまっている。

 思わず互いを見つめ合ってしまうベルとオーク。

 

「え~と……【ファイアボルト】」

「ガアアアアアッ!?」

 

 取り敢えず速攻魔法でカタをつける。

 思ったよりも凄い形で武器よさらばしてしまった。

 

「……どういうひみつ道具だ、これ?」

「棍棒が根っこに……?」

 

 ヴェルフやリリも戸惑いの声を上げる中、ベルは棍棒が変わった姿に見覚えがあることに気が付く。

 貧乏ファミリアである【ヘスティア・ファミリア】は安い食物ならばなんでも買って食べる。

 たしか、極東出身のファミリアの主神と神友(しんゆう)であるヘスティアが持ってきた食べ物がこんな見た目だったはずだ。

 

「確か……ゴボウ、だったけ」

 

 極東は木の根を食べる習慣があるのかと、ヘスティアと共に戦慄した記憶がある。

 ファイアボルトによって炙られたゴボウの香ばしい匂いが辺りに充満していた。

 

「……食べる?」

「遠慮しておきます」

「流石に自然武器(ネイチャーウェポン)を食う勇気はないな」

「後で食ったゴボウが棍棒に戻ったら洒落になんねぇ」

 

 どうやらパーティーの誰も食べる気はないらしい。

 ちょっと悩んだ後、焼けたゴボウは放置することにした。

 そのうちモンスター辺りが食べるだろう。多分。

 

「これ作った奴頭おかしいだろう」

「相手を無力化するのは分かります。なんで武器を野菜に変える必要があるのですか……」

 

 ひみつ道具ではよくあることだが、何のために作ったのかよく分からない物だ。

 異世界のジョークグッズなのだろうか。

 しかし、中層は自然武器(ネイチャーウェポン)を装備するモンスターも多い筈。

 きっと役に立つに違いない。

 そう考えなおして、ベルは次のひみつ道具を試すのだった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 ベル・クラネルの行動は逐一【フレイヤ・ファミリア】に把握されている。

 彼が中層への挑戦のために力を蓄えていることも、当然監視している団員は理解していた。

 ベルがこの日に中層に挑戦することも。

 

 ミノタウロスの調教を終えたオッタルは、ミノタウロスを物資搬送用の大型カーゴに押し込めて13階層に向かっていた。

 現在のベル・クラネルの手札までは分からないが、機が熟したと判断したのだ。

 

「さて、そのカーゴの中身を見せてくれないかい? オッタル」

 

 しかし、それは目の前の小人族(パルゥム)にはお見通しだった。

 彼を中心に固められたパーティーは少人数。だが彼らが精鋭であることはよく知っている。

 

(【剣姫】【凶狼(ヴァナルガンド)】【大切断(アマゾン)】それに……【千の妖精(サウザンドエルフ)】もいるのか)

 

 接近戦では【ロキ・ファミリア】有数の幹部たち。

 その背後に控えているのは魔導士たちの中でも随一の火力持ち。

 レベル上ではオッタルに迫る者がいないとはいえ、ここにフィンと言う指揮官がいればオッタルに勝ち目はないだろう。

 

「……」

「既に君の目的は分かっている。悪戯好きの女神の娯楽に彼を巻き込むのは止めてもらおうか」

「随分とベル・クラネルを買っているな。……否、買っているのはひみつ道具か」

 

 ここにきて、オッタルも【ロキ・ファミリア】が他派閥の冒険者のために動く理由を察する。

 アイズやレフィーヤはともかく、フィンが動いているのは十中八九ひみつ道具と言う強力なマジックアイテム狙いだ。

 ダンジョン攻略の最前線を行く彼らからすれば、喉から手が出るほど欲しいものもあるだろう。

 

 同じ冒険者だ。備えの必要性はよく分かる。

 いわば【ロキ・ファミリア】は鍛冶系ファミリアや薬剤系ファミリアにするのと同じように、自分たちがマジックアイテムの恩恵を受けることを目的に行動している。

 

「……お前はそう見るか」

「……?」

 

 オッタルの反応にフィンもピクリと眉を動かす。

 妙な話だが、ベル・クラネルと言う少年を見て大成しない、将来性を感じないと評する者は多いらしい。

 オッタルとしては少々腑に落ちない意見だが。

 フィン・ディムナの目には彼の少年がどう映っているのか。興味はあるが今はそれを論じる場面ではないだろう。

 

(ベル・クラネルへの試練は俺に一任されている……が、【ロキ・ファミリア】と事を構えて行うほどのことではない)

 

 ここで団長同士がぶつかり合えば、抗争に発展しかねない。

 ここまで鍛えたミノタウロスは惜しいが、ここは退くべきだろう。

 【ロキ・ファミリア】が遠征に向かった後にでも改めて動けばいい。

 

「お前たちが徒党を組めば俺に勝ち目はない。ここは退こう」

「ありがとう。……そのカーゴの中身を見せてくれないかな」

「それはできん」

「やましいことが無ければ、見せてくれても構わないんじゃないかい」

「できんと言っている」

 

 ピリピリと肌を刺すような緊迫。

 しかし、それは予定調和だ。両派閥はにらみ合った後、互いに退く。

 それがオッタルとフィンの考え。

 

 両派閥がぶつかり合えばただでは済まない。

 今日はもう予定を完遂できないオッタルは勿論、フィンも遠征前に余計な疲労は望まないはず。

 

「「……」」

 

 それでも互いに不用意な隙は見せれない。

 隙を見せれば、何をされるか分からない相手なのだから。

 深く、深く、その一挙一動に集中する。

 

 それが、女の狙った隙。

 ゴトンッ、とオッタルの後方から響いた音にその場の冒険者たちが一斉に注目する。

 オッタルの背後に置かれていたカーゴが奪われていた。褐色の肌の女冒険者……ティオナの同族のアマゾネスによって。

 

(【イシュタル・ファミリア】か!?)

 

 ここまで盤上に上がってこなかった派閥の登場に目を見開く二人。

 怒号と共にその後を追おうとするが。

 

「……キヒッ」

 

 白装束に身を固めた狂信者たちが冒険者たちを取り囲む。

 まるで両派閥の道を塞ぐように。

 

闇派閥(イヴィルス)!?」

「なんで!? いままでずっと出てきてなかったじゃん!?」

 

 レフィーヤとティオナが応戦すると、瞬く間に蹴散らされる。

 都市最強派閥の冒険者に狂信者が叶うはずがない。

 だが……

 

「カーゴが……っ」

 

 足止めには十分だった。

 迷宮の闇に溶け込んだカーゴは、完全に冒険者たちの視界から消えた。

 

(やられた……っ。闇派閥(イヴィルス)は【イシュタル・ファミリア】を利用したか!)

 

 神イシュタルとフレイヤの確執……と言うよりは嫉妬は有名だ。

 フレイヤの眷属が一人でダンジョンに潜っていると知られれば、直ぐに襲ってくるほどには。

 

 17階層付近でオッタルが籠りきりになっているという情報は、すでにオラリオの冒険者たちが知るところではあった。だからイシュタルの耳にもすぐに入っただろう。

 当然、オッタルの襲撃が用意されたわけだが、そこに闇派閥(イヴィルス)が干渉したのだ。

 【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】が衝突する瞬間を狙うように。

 

「嫉妬に狂った女神なんざ簡単にコントロールできるさ。テメェも女の情念までは予想外だったかよぉフィ~ン~?」

 

 両派閥の混乱を嘲笑うヴァレッタは、止めとばかりに指を鳴らす。

 やがて迷宮中からモンスターの鳴き声が響いた。

 

 これで両派閥はしばらく足止めされる。

 あのフィンのことならば、この計画の背後にレベル5(ヴァレッタ)がいることくらい直ぐに行き着くだろう。それでいい。計画通りだ。

 自分の襲撃を警戒して動きが鈍った間にベル・クラネルにあのカーゴの中身をぶつける。

 

「【ロキ・ファミリア】は大慌てで中身を狩らなきゃなァ~? 【猛者(おうじゃ)】は試練を台無しにする勇者どもを妨害しないとなァ~?」

 

 大人らしく退却など許さない。

 お前たちはここで争っていろと女は嗤った。




 武器よさらば灯は尚識様からのリクエストです。
 コメントありがとうございます。
 現在も活動報告でリクエストを募集していますので、気軽にコメントしてください。

 オッタルがここで退けなくなったのは、この後どう考えてもミノタウロスの一件が【フレイヤ・ファミリア】のよって仕組まれたものだとバレるからです。
 神々のお遊びと思われたら、茶番なんだなとベルが全力で相手をしなくなる恐れがあります。どんなにオッタルが殺意満点で仕掛けても。

 それは、魂が輝く瞬間を見たいフレイヤの望みに反するから、オッタルは失敗してもまたやりなおせばいい、という今までの考えが封じられました。
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