念獣をもふもふするよ!   作:ここへんて

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2. 系統別修行と個別能力が発現した幼児

 水見式を終えてから、ノンはベッドへ体を仰向けに倒し、発によるノン自身の個別能力の方針を考えていた。放出系念能力者となってしまった今、具現化系は最も苦手とする系統になってしまった。念獣を生み出すには系統を踏まえて考える必要がある。

 

・念獣はどのような能力を持つのか(全系統)

・念獣はどのような見た目なのか(具現化系)

・念獣は非念能力者に見えるのかどうか(具現化系)

・念獣は自動型か遠隔操作型かどうか(操作系)

・念獣の生み出せる数に制限はあるのかどうか(放出系)

・念獣はどこまで能力者から離せるか(放出系)

・念獣をいつまで顕現させられるか(放出系)

・念獣は寄生型かどうか(具現化系?放出系?)

 

 とまあ様々なことを考える必要があるのだが、ノンにとってはもふみが重要なのである。そして、ノンは謎の思考に陥る。放出系念能力者の生み出す具現化系のもふみは、40%のクオリティーになってしまう。一方で、放出系念能力者だからこそ、念獣の滞在時間や数や距離を高めることができる。つまりは、粗悪な品質のもふもふのたくさんの念獣が彼方此方に長く滞在するということになる。

 

 そんなのたまったものではないとノンは自身に警鐘を鳴らす。高級な品質のもふもふの念獣が近くに存在する方が、極めて良い。これが理想であるとノンは思う。しかし、これは、放出系念能力者であるが故にできない。もし、理想の念獣ができたとしてもメモリを全て食うだろう。

 

 ノンは、ここに2択を突きつけられた。粗悪もふもふ実利念獣か、高級もふもふ無害念獣の2択である。究極の2択である。例えると、年収1億円の不美人と年収0円の美人のどちらと結婚するかである。

 

 ノンには、どちらが良いか決めることが即答できなかった。翌朝、ノンはゴンが目覚めた瞬間に聞いてみる。ゴンに分かるような例えでどちらが良いか聞いてみる。

 

 ゴンは、寝起きに急激に押し寄せて話してきたノンに対して、言葉を聞き取れず、また、思考がまとまらなかったので、寝ぼけ眼で聞き返すことになった。ノンは、ゴンのぼんやりした様子を見て、少し短慮だったことを反省しながら、もう一度聞いてみる。

 

「ねぇ、ゴン。普通な料理がたくさん食べられるのと、とっても豪華な料理が一品だけ食べられるのとどっちがいい?」

 

 ノンの問いに対して、意識が覚醒しつつあるゴンは腕を組んで逡巡した後、口を開けた。

 

「ふぅ〜〜〜、だめ。分かんない。どっちもはダメなの?」

「そっかー。そうだよね。分からな……えっ。今、どっちもって言った?」

「うん。そうだよ。どっちも食べてみたいから」

 

 少し困ったような表情をしながらゴンはノンに答えてくれた。このとき、ノンに天啓が訪れる。複数のもふもふ念獣を合わせて1つのもふもふ念獣にすることができれば、2択問題を解消できるのではないか。そう、レイザーの14人の悪魔という念能力みたいな。この考えがノンに訪れると、他の考えがまとまらず、もうこの方法がベストな選択だとしか思えないようになった。

 

「ゴン、ありがとう!そうね、どっちも選べばいいだよね!」

 

 ノンは破顔してゴンに感謝した。唐突に感謝されたゴンは、はにかみながらノンに聞いてくる。

 

「でも、どっちもってできるの?」

「ゴン、フィーリングが大事なの。“自分に合っている”っていう認識がね」

 

 という訳のわからない返答をゴンにして、ノンは浮き足立って家から出て、高揚した気分を体現するかのように、ニコニコしながら家の周りを何十周もした。

 

 ゴンは、そんなノンの様子を見て、今までもよく分からなかった双子の片割れが、もっと遠くへと行き、さらに分からなくなった気がした。

 

 一走りした後のノンは個別能力の方針が決まったので、次に、放出系念能力者となったノンは系統別修行を開始することにした。系統別修行を行ってからの方が、系統別修行をする前よりも、発による個別能力を出現させやすいのではないかとノンは考えていたからのことである。

 

 だが、系統別修行をどうしたものかとノンは悩む。放出系の修行は、オーラを飛ばす修行と、片手で逆立ちしてオーラを飛ばし宙に浮く修行がある。強化系は、周で強化した石で他の石を割る修行がある。変化形は、オーラの形を数字に変える修行がある。ノンは、操作系と具現化系の修行が分からない。さらには、ノンが知っている系統別修行はレベルが低いものであって、高いレベルの修行方法が分からない。

 

 椅子に座り、テーブルの上に両肘を立てて乗せ、両手の指を組み合わせ、その上に頭を寄かけてノンはどうしたら良いか考える。

 

 考えに考え抜いた。その考えをノンは紙に書く。

 

・放出系は、オーラを体の至る所から飛ばし自由自在に飛び回る修行。

・強化系は、周で木の枝を強化し木の丸太を千切りにする修行。

・操作系は、オーラの任意の場所を任意の速度、回転、向き、大きさで操作する修行。

・変化形は、オーラの任意の場所から任意の形を一瞬で再現する修行。

・具現化系、ひたらすらふわふわの動物人形をもふもふし具現化する修行。

 

 ノンは、自身が紙に書き出した修行方法を眺める。そして思ったことが、実現できるのだろうか?ノンはそう思った。しかし、やらねばもふみライフへの道は開けぬともノンは思う。

 

 やるか、やらぬかだ。ためしなどいらん。

 

 ノンが前世で見た映画の中の名言が頭をよぎる。緑のしわくちゃのおじいちゃんが言っていた言葉である。ノンはこの言葉のもと修行を開始することに決めた。

 

 3年後、ノンが6歳になる頃には、それぞれの系統別修行が完璧とはいわずともできるようになっていた。常人の念能力者には、到底できそうにない念の技術も、才能があったのか、それとも、もふみへの執念がなせる技なのか、定かではないが、ノンは圧倒的な念の技術を手に入れていた。

 

 この3年間でノンの修行が、ミト達にばれてしまったが、“宇宙の心はもふみだったんです”という意味の分からない弁明をミト達に行い、ノンは誰がなんと言おうとも修行に専念し続けた。この悪びれないノンの様子にミト達は、たいへん頭を悩ませ悪戦苦闘することになった。しかし結局のところ、ジンの娘だから仕方ないという形に落ち着いた。

 

 そして、修行の末にノンは、念獣を生み出すに至った。それは、ある日のこと。ノンは、ハンター×ハンターの世界に生まれたのならハンター試験を受けたいと考えていた。ノンの部屋には、様々な動物の人形もあるのだが、その日はカンガルーの人形をもふもふする日だった。そのため、カンガルーの人形をもふもふしながらノンはベッドの上でハンター試験について想像していた。

 

 ハンター試験は、1週間から1ヶ月ぐらいの期間で、試験教官毎の課題をクリアする必要がある。ノンは、ハンター試験について夢想しながら、ふとあることについて疑問が浮かんだ。ハンター試験中の衣服やその他の荷物はどうするのだろうかと。鞄を持参すればある程度は問題ないだろうが、サバイバルで1週間で過ごすとなると、鞄のサイズはそれなりに大きいものでないかとノンは思う。前世では極めて開明的な環境で過ごしていたノンにとっては、サバイバルは厳しいものになるだろう。

 

 ノンは、頭を絞りながら人形に目の焦点をあてる。人形をもふもふし、サバイバルに思いを馳せていると、ノンは前方の高い位置から見られているような感覚に襲われた。ミトなのかと思いノンは視線を人形からあげる。そこにはノンを見下ろしていたどでかい白いカンガルーがいた。

 

ーーー

【生存活動に便利な有袋生物/ハンガルー】

 ノンがサバイバルに考えを巡らしていたら発現した能力。見た目はデフォルメされたカンガルー。自動型の念獣。ノンがお願いすると自動的に動く。念獣のお腹には袋が備わっている。白い体毛、黒い目を持つ。体長は2m。食材や料理や空中に放り出した無害なオーラなどをハンガルーは食べることができる。餌をあげすぎると太る。

 

能力1:格納袋

 ハンガルーの袋は、謎の念空間になっており、生き物と液体以外は何でも入る(ペットボトルみたいな密封した状態なら液体も入る)。入れたものを取り出したい場合には、ハンガルーに頼んで出してもらう必要がある。なお、食材や料理を入れるとハンガルーにつまみ食いされることがある。

 

能力2:空間跳躍

 ハンガルーの袋に、袋の縁を両手で掴んで頭を出した状態で入る。その後に移動したい場所にいる小型ハンガルーのことを思い浮かべると、ハンガルーがジャンプし小型ハンガルーの位置に瞬間移動する。小型ハンガルーは、ハンガルーに頼むことで出現する。小型ハンガルーを増やす度に、ハンガルー自体の身体能力や毛並みが大幅に悪くなる。小型ハンガルーは体長30cm。

 

能力3:?

 

制約と誓約

・ハンガルーは血や汗以外の液体を口以外の体のどこかに浴びると消える。一旦消えると24時間は出すことはできない。

ーーー

 

 




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