プロフィールとかボイス聞いてたらこう普段あっぱらぱーというかパーティーパーティーうるさい騒がしいエクシアがふとした瞬間に見せる静かな表情とか超良いじゃんとか信心深いんだからお祈りはしてるだろうしそれも絶対なんかこう触れちゃいけないぐらい厳かな雰囲気なんだろうなって思ったら普段の姿とのギャップでやべぇだろとかいう妄想が捗ったので書きました。
ー書類にペンを走らせる硬質な音や、データの入った端末を叩く音が静かな執務室に響く
新たなオペレーターの履歴書の確認や、訓練用のシミュレーションの調整、戦闘指揮の際の使用するシステムの管理に製薬会社としての対外的な書類の仕分けと確認とさらに感染者の治療に関する報告書の作成等々多種多様な大量の仕事を無心で進めていく。
ある程度の量を終わらせ、ひと段落着いたところで軽く背筋を伸ばしてみればゴキゴキとなかなかの音が身体の内側から響き、溜まっていた疲労と残っている仕事の量に思わず溜息が漏れる。
「…コーヒーでも淹れるか。」
椅子から立ち上がり、給湯室に向かおうとしたところでふと、部屋の端で祈りを捧げるエクシアの姿が目に止まった。
酷く楽観的でポジティブを絵に描いたようないつもの様子は今は形を潜め、薄ぼんやりと光る光翼に乳白色の柔らかな光を湛える光輪を携え、両の手を胸の前で組んだその姿は普段とは打って変わってどこか凪いだ湖面を思わせるような静けさに満ちている。
綺麗なその立ち姿を少し眺めてぼんやりと立ち止まったところで当初の目的を思い出し、エクシアの肩を軽く叩き声を掛ける。
「エクシア、君もコーヒーは要るか?」
「…あれ、リーダー。あたしどのくらいお祈りしてた?」
ぱちりと開いた朝焼けのようなオレンジ色の眼差しはしっかりとして、分かってはいたが寝ていた訳ではないらしい。
普段の様子を知っているだけに、こんなにも信心深いところを目のあたりにすると何やら不思議な気分になる。
「今が大体午後4時だから…2時間と少しぐらいか?」
「え…うっそぉ!?ちょっとリーダー、言えばあたしお仕事したしコーヒーだって声かけてくれればそんなのいくらでも持ってきたげるのに!」
大袈裟なほどに目を丸くして驚き、私に何故自分に仕事を振らなかったのかを尋ねる姿はいつも通りの彼女の姿で、先程の静かな様子は影も形も無い。
「そうは言ってもな…別に私一人でも十分な量しか無かったぞ。まだ残っているとは言え、大した量でもない。」
「もー…折角あたしのこと秘書にしたんだから、ちゃんとあたしにも仕事回して自分の負担減らさなきゃ意味無いよ?何のための秘書だと思ってるのさー」
少し拗ねた様子で文句を言う姿は大体の時において楽観的な彼女にしては珍しくまるで小さな子供のようでいて、思わずくつくつと小さな笑い声が漏れてしまう。
「まぁまぁ、取り敢えず今は軽く休憩だ。エクシアはコーヒーにミルクと砂糖は入れるか?」
「笑い事じゃ無いでしょー?もー…どっちも入れるー」
給湯室に着き、コポコポとコーヒーのためのお湯を沸かす音の響く部屋の中、待っている間に彼女がふと思い出した様に口を開く。
「…リーダーってさ、記憶、無いんだよね?チェルノボーグ出る前の。」
「ああ、そうだが…それがどうかしたのか?」
コンコンと指先でポットをつつきながら聞いてきた彼女にそう答えながら、数ヶ月前の事のはずが、ずいぶんと昔に感じる
「んー…もしかしたら何回も聞かれてるかもしれないけどさ、それって怖くなかったの?そんなふうにいきなり自分が誰かもわからないのに連れ出されて、お前がこの戦闘の指揮するんだーって戦場ほっぽりだされてさ。」
「…最初は、まあ、戸惑いはしたがな。やらなきゃ目の前で人が死んでたかもしれなかったんだ。そら必死になってやるさ。記憶は無くなってたが、幸か不幸か倫理観と戦闘指揮の技能は残っていたみたいでな。」
あの時は他のことを考える余裕など無かった所為で気にも留めていなかったが、改めて考えてみると以前の記憶が一切無いにもかかわらず、戦闘の指揮に少しの衰えも見られなかったらしいというのも…些か怖くはあるが、詮無きことだ。
「ふーん…そんなもんなんだ。…まあそこでリーダーが生き残ってくれたお陰であたしたちペンギン急便も新しい取引先が出来たって考えると、まあ良かったのかなぁ。あ、お湯沸いたね、コーヒーコーヒーっと。」
「ま、そういうことだな。これからもよろしく頼むよ、ポーターさん。」
初めから深くまで聞くつもりは無かったのであろう。さっさと話を切り上げた彼女に合わせ沈みかけていた思考を元に戻し、冗談めかしたセリフを口にする。
「おっ、お仕事ならまっかせてー?ペンギン急便の運び屋さんは何でも運ぶよー?誠実な取引はビジネスマンの基本ですから。っと、はいこれ、リーダーの分のコーヒー、ミルクと砂糖は入れてないけど、大丈夫?」
「ん、ああ、ありがとう。コーヒーはブラックが好きでね。眠気がよく覚める。さて、仕事の続きだ。」
手渡されたマグを片手に執務室へと足を進める。製薬会社ではあるがそれ以外にも手を出しているロドスではそれ相応に仕事も多く、遅くまで業務をしなければならないことも珍しく無い。そんな中眠気覚ましに飲んでいれば、自然とコーヒーもブラックが多くなる。
「今度こそちゃんとお仕事するからあたしにもなんか回してよー?流石にお祈りはもうじゅーーーーぶんしたんだから。…にしても、なんで2時間もあたしのお祈り放置してたの?流石にずっとしてたの見てたら声掛けると思ったんだけど…」
「あー…まあ、別に良いじゃないか?大した理由じゃ無いし、別に仕事に支障はなかったんだ。そこは気にしないでくれ。」
…何処か静謐な雰囲気に、声を掛けるのを戸惑った、というか悪いことをしているようで気が咎めた、というのをわざわざ本人に言う必要もないだろう。
「んー?…なーんか怪しいなー。もしかして、見惚れちゃったとか?」
「…あまり詮索するな。ほら、さっさと執務室に戻って仕事の再開だ。大した量は無いと言ったが、それでもそれなりの量は残ってるんだ。わざわざ遅らせて残業じみたことをするのもバカバカしい。」
ニヤニヤと悪戯げな笑みを浮かべながらこちらを伺う彼女に少し気恥ずかしさを覚えながら、スタスタと歩く速度を上げた。
「あ!ちょっと待ってよー!もー、そういうのよくないとあたしは思うなー?」
「しつこいぞ。ほら、今度はお前に回す仕事もあるから早く終わらせてくれ、優秀なんだろ?」
追求を逃れる口実代わりに纏めてあった残りの書類の分別と整理を押し付けながら、さっさと自分がやらなければいけない承認や報告書の作成を進めることにする。
「さてはリーダー、図星だったでしょ?…ふふ、ちょーっと恥ずかしいけど、悪い気はしないよ!」
「だから見惚れていたわけじゃ無いと…まぁ、綺麗だったのは認めるが。」
てきぱきと作業を進めながら、はにかんだようにそう話す彼女の言葉につい声を漏らしてしまったが別に問題は無いだろう。隠さなきゃいけない訳でも無いのだから。
そう考えていると、ふと急に彼女の返答が無くなったことに気づき、そちらに目を向けてみると薄らと朱く染まった頬にピタリと動きの止まった彼女が居た。
「…どうした?手の動きが止まってるが。」
「え?ああ、なんでもない!大丈夫!すぐにお仕事終わらせるから!」
…なんだ、綺麗と言っただけで照れているのだろうか?確かにあまりそう言ったことは口にしないが、そう珍しいものでもないだろうに。
「まったくもう、あんまりそういうふうにさらっと言ってると勘違いする子増えちゃうんじゃないの?」
「何か言ったか?」
「んーん?なんでもないよ。リーダーは苦労するかもねってこと。」
小さな声で何事かを呟く彼女にそう声をかけてみても、容量を得ない返答が返ってくるだけであった。
…何かしたのだろうか?
ーーーつづく?
正直最後の良い締め方が思い浮かばなかったから修正するかもしれない