ダーウィンズゲーム 堕天不死者   作:KEI (~ ̄³ ̄)~

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Game#02

 

 

 

 イベント・宝探しゲームが開始され1時間が経過しようとしている。

 あるビルの屋上でニット帽をかぶった長身の男がひれ伏しライフル──H&K PSG1を構えている。

 

 

【H&K PSG1】

 

ドイツのH&K社が対テロ特殊部隊向けにH&K社のG3をベースに開発した、セミオートマチック、自動式狙撃銃である。

いくつかのデメリットがあるが複数の標的に対する対応が素早いというメリットのある狙撃銃。今回の敵が多数であるバトルロイヤルでは十分に機能する銃である。

 

 

 

「クヒヒ、いくら1位であっても遠距離、そのうえ死角からの狙撃は避けれねえーよなー!」

 

「風はほぼ無し、距離670、いや660か」

 

 ニット帽の男は、1位 【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】に標準を合わせ、にやけた表情をする。「俺の異能(シギル)と技術な合わさればこの条件で外すわけがない」という自信の現れだった。

 

 

 そして──

 

ダァン!!

 

 引き金を引いた。

 

 

 

ニット帽の男は確信した────命中したと

 

 

 

 

しかし、スコープを覗くと"紫がかった透明なバリア"が展開されており、【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】は涼しい顔をしていた。

 

ニット帽はスコープ越しに聞こえた────ような気がした

殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】の言った言葉が。

 

 

 

『そこか』と。

 

 

 

 

目が合ったような気がした、思わずターゲットが視線を外す。

 

(つられた!!)

 

呼吸が止まった、ような気がした。

 

 

 

スコープ越しに再度確認すると、【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】は漆黒に染まった3対6枚の翼を展開していた。

 次の瞬間には【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】は、このビルの屋上目がけ飛び出していた。

 

「ヒィッ!」

 

思わず、情けない声が出る。

 

しかし、ニット帽の男は片膝立ちし、愛銃のH&K PSG1を構え直す。もう一度、1位に標準を合わせ、迎撃の意を示す。

 

 

 

 

 そして───

 

 

 

 

ダァン!!   

 

ダァン!!  

 

ダァン!!

 

ダァン!!   

 

ダァン!!  

 

 

 

 

引き金を引いた。

 

 

しかし、"紫がかった透明な障壁"を撃ち破ることはできない。

 

「クッ」

 

しかし、ニット帽の男は慄くが諦めることはしなかった。

ニット帽の男は、ギリギリまで溜めることにした。

 

ニット帽の男は短く息を吸う、そして、吐く。もう一度吸う、そして吐く。

そして、もう一度狙う。

 

`連射した5発、それらが当たった同一点を´

 

(距離、40、30、20......ここだ!!)

 

 

引き金を引く────ことはなかった。

 

 

気づいたら胸元を大きく斬られていて、ニット帽の男の後ろには【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】が立っていた。

その手にはいつの間にか漆黒の(つるぎ)が握られていた。

 

 

「がっあぁぁ、み、見えなかった」

 

 

「あの速度がオレの全速の訳ないだろ」

 

「なっ、ま、さか」

 

 ニット帽の男が【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】を補足できなかったのは、残り20メートルを切った際に【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】がいままでとは比べ物にならないほど加速したからだった。

 

 

「物事を冷静に捉える目を持ってたらもう少し長く生き残れただろうな」

 

 

そう告げ、【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】は生成した漆黒の剣でニット帽の人生を終わらせる。

 

 

 

「所持リング1個か、これで計5個。これ以上釣れるスナイパーはいないみたいだな。───まあ、一応射線を切って行動するか」

 

 

殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】は今後の方針を決め、目的地〈シブヤセントラルタワー〉に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻 クラブ「トリニティ」〜

 

 

 トリニティの主、テミスの付き人のコンドウが観客を盛り上げるよう実況していた。

 

「さすがランキング1位【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】!!【狙撃師】の二つ名を持つスナイパー「イイダ」を容易く葬ったァ!!」

 

「さあ、ここで早くもイベント開始から1時間が経過!今の順位を見てみよう!」

 

「現在の賞金獲得1位は【無敗の女王】「シュカ」!! 獲得リングは6個!早くも1900Pゲットしている!驚異の不敗記録は49でストップしたがその実力は圧倒的!!」

 

「そして、2位は二人いるぞ!!一人目はイベント舞台、シブヤを縄張りとするクラン『エイス』の束ねるリーダー「 王 」、獲得リングは5個、しかし、クラン全体では18個と圧倒的だ!!」

 

「そして、もう一人同率2位はDゲームプレイヤーなら誰もが知ってる日本サーバーランキング1位【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】の異名を持つ「リョウタ」だぁ!!こちらも獲得リングは5個、彼はまっすぐ〈シブヤセントラルタワー〉を目指しているようだ!!」

 

「しかし、ランキング1位【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】が目指す先に待ち構えているのは、獲得リング4個、4位につけている【花屋】ことヒイラギイチロウ!シブヤセントラルタワーを異能(シギル)で完全封鎖、内からは監獄、外からは要塞となっている!これをランキング1位【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】ことリョウタがどう攻略するのか見物だぁ!!……………

 

 

 

 

 

 

 

クラブ「トリニティ」では、イベント時間が経過するために観客の波は湧き上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 そして、さらに時間は経過し、カナメとヒイラギイチロウの死闘が繰り広げられている頃

 

〈シブヤセントラルタワーホテル入り口〉

 

 ジャングルの中に何十年も放置されたような外見になったホテルを前で一人の少年が言った。

 

「なかなか面白いことにやってそうじゃねえーか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一階ホールでは【花屋】ことヒイラギイチロウが床に伏していた。

 

 

「私は生まれつき心臓が悪くてね。どのみち長生きはできん。出来れば止めは一発で決めて欲しいね…」

 

「なるほど…だけど今アンタに死んで貰ったら困る。この宝探しイベントはこれから────」

 

 スドウカナメは異能(シギル)の使用に疲労で座り込む。

少年の心配し声をかけるヒイラギイチロウ、そこに第三者【解析屋】レインが狙撃銃を構え現れる。

 

「【花屋】さん、変な動きはしないでください。カナメさんは休んでてください。

 見たところ異能(シギル)は打ち止めのようですがしばらく休めば回復できるんじゃないですか?」

 

「それは 休めばね......」

 

その問いにヒイラギイチロウは少し笑って答える。

 

「それは良かった。では取り引きです。【花屋】───いえ、ヒイラギイチロウさん」

 

突然の提案にヒイラギイチロウは首を傾げる。

 

「ヒイラギさんはイベントの現状をどの程度把握していますか?例えば、このホテルにあるリングの総数とか」

 

「24個の筈だが?それがどうかしたかね?」

 

 

「では、このイベントに『エイス』のリーダー、殺人狂の「 王 」、そして、ランキング1位【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】が参加していることは?」

 

 

ヒイラギイチロウの表情が変わる。

 

「確かな話かね?」

 

 

「私は【解析屋】と呼ばれる情報屋です。このイベントにも私に情報を流してくれるプレイヤーが何人か参加しています。彼らからは手当たり次第に参加プレイヤー情報を買い集めました」

 

結構な散財になりましたが、と【解析屋】レインは付け加え、説明を続ける。

 

「ここからは"有力プレイヤー同士の潰し合いになる"クランに所属しない我々はお互い消耗し過ぎました。エイスの連中にこのホテルにある24個のリングを狙われた時立ち向かう余力はもはやない。生き残る道があるとすれば───」

 

 

 

「"『エイス』や『殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)』に対抗できる即席クランを作る"」

 

レインの言葉にカナメが続く。

 

 

「"バラバラに死ぬか"それとも"協力して生き残るか"だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カツン

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレに対抗出来る即席クランかー。面白いことにやろうとしてるな」

 

 

 

 

 

 三人が声をした方を向くとそこには男にしてはやや長めの黒髪の整った顔をした、日本サーバーランキング1位【殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】の二つ名をもつ少年が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 
殺戮の堕天使(アンジュ・デシュ)】の読みですが、堕天使のフランス語を用いています。


そして、この作品での鍵カッコですが

【】←二つ名、異名

『』←クラン名

「」←プレイヤー名


〈〉←場所とか?臨機応変に


その他、てきとー、で書いていこうと思います。変わるときあるかも!





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