時は2030年。
ついに実現した異次元との交流によって世界は大きく進化した。
人々は各世界のあらゆる場所に開通した異次元へと繋がるゲート、ポータルによって世界を行き交うようになり、
あらゆる夢が、ファンタジーが、幻想が現実のモノと化した。
そんな数多くある世界の中の一つ、ネオ・テクノシティ。
全域が未来とした化したかつて、地球と呼ばれた場所である。
そんなネオ・テクノシティにあらゆる世界の人々が集まる。
そう、彼らは自分の足とそれに履いた転移脚三式に命をかけ、異次元を疾走するランナー……
その競技の名を、疾走型異次元決走、「パラレルソニック」と呼ぶ!

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ハイスピード・バトルが書きたかった。
気が向いたら続く。


第一話 音速の世界へ

 時は2030年。

 ついに実現した異次元との交流によって世界は大きく進化した。

 人々は各世界のあらゆる場所に開通した異次元へと繋がるゲート、ポータルによって世界を行き交うようになり、

 あらゆる夢が、ファンタジーが、幻想が現実のモノと化した。

 そんな数多くある世界の中の一つ、ネオ・テクノシティ。

 全域が未来とした化したかつて、地球と呼ばれた場所である。

 そんなネオ・テクノシティにあらゆる世界の人々が集まる。

 そう、彼らは自分の足とそれに履いた特殊なシューズ、『転移脚三式』に命をかけ、異次元を疾走するランナー……

 その競技の名を、疾走型異次元決走、「パラレルソニック」と呼ぶ! 

 


 

 煌びやかな街並みに、突如次元の穴が開く。小型だが、世界を繋ぐためのゲートであるポータルと同じモノだ。

「ぐわぁっ!」そこから勢いよく飛び出し、倒れ込む男が一人。それを追うようにもう一つの人影がその次元の穴から出現する。それに気付いた周りの人混みが、先ほどまで行っていた自分の用事をやめそちらに注目する。

「この辺にはパラレルソニック初心者しかいねえのか……? 物足りねえな」

 追ってきた方の男がパンパンと二回ほど手を払いあたりを見渡す。金属製のアクセサリーが大量に付いたハデなジャケットを着こなすその男は、どうやら周りの群衆にとっても見覚えがあるようだ。

「あいつまさか……異次元暴走族のタケフミ・ゼンヤ!?」

 戦慄する群衆。タケフミと呼ばれた男はざわつく周囲の様子を聞きニヤリと笑う。

「俺も有名になったもんだな……俺とやる奴はもういねえのか? いねえならさっさと道を開けな」

 萎縮し後ずさる人々。しかし一人だけ、真逆にタケフミに向かって歩く人間が一人いた。黒のはねた髪に銀髪が混じった特徴的な髪形をしており、茶色のジャケットを基調とした地味なファッションをした一人の少年。

「……お前……もしかして俺の相手をしてえのか?」話しかけるタケフミ。しかし、当の話しかけられた方は全くの無言を貫く。

「黙ってるって言うことはそうって事だな」「やるなら早くしろ」お互い腕に装着されたスタートアップボタンを押し、履いていた近未来的なシューズ……『転移脚』を起動する。

「お前の名前は?」「オリガ。オリガ・アガレス」「妙な名前だな」タケフミに名を聞かれ答える特徴的な髪形の少年、オリガ。

「ルールは速度無制限、ギア4個、転移先指定なしのスタンダードルールでいいよな?」「構わない」

 ではここでパラレルソニックとは何か説明しておかねばなるまい。パラレルソニックとは、特殊なシューズ『転移脚三式』のパワーにより、無作為、または意図的に選ばれた異世界につながるポータルを開き、そこで自らの足で疾走しながら戦う新時代スポーツである! ルールは簡単、相手を戦闘不能にするか、速度で置いていくこと。相手にあまりにも置いていかれれば敗北となる。そして、戦闘に不慣れな世界の人間、身体能力が低いという人々も公平に戦う為転移脚の機能で身体能力がある向上するほか、その戦いをサポートする要素として、ソニックギア、縮めてギアというものが存在する。これを転移脚三式のくるぶしあたりにあるスロットに挿すことによって様々な効果を発揮するのだ! スタンダードルールというのは、最大速度上限がなく、ギアが四つまで使えるルールのことを指す。ギアは普段はカギのような形で保管できるが、スロットに挿すと武具やアイテムとして実体化したり、さまざまな特殊能力をプレイヤーに与える形で機能する! 

「準備はいいな、オリガとやら」「いつでも」

 お互いが転移脚から生み出されたポータルに向かってクラウチングスタートの構えを取る。この瞬間転移脚には疾走エネルギーが生み出され、プレイヤーの走力を圧倒的なモノへと変える。

「パラレルソニック」「アクセラレート!」

 その掛け声と共に二人は走り出す。ポータルを通り抜け、その先の世界で疾走をスタートするのだ! ……と、ここまで解説させていただきましたのはこの私、パラレルソニックの伝道師Mr.イジゲン! これから私が彼ら二人の戦いについて実況させていただきます! 

「オリガとか言ったな! その顔をすぐに崩させてやるぜ」

 意気揚々と明るい森の中を疾走するタケフミ、このような開けてはいるが障害物がないわけでもない土地はパラレルソニックにおいてもっともベストな土地。その分プレイヤーのテクニックが問われることになる! そしてこの世界は地球的な言葉で言えばファンタジー世界、世界ジャンル『W』の世界の一つ、名前はフェアーラ! パラレルソニックとしてはスタンダードな世界となっている。もちろん、世界ジャンル『W』のため、魔法が使えるのだ! 

「これでもくらえってんだ!」タケフミが走りながら掌に炎を作り出しそれをオリガに投げつけた! これはギアの一つ『スキルマスター』の効力であり、転移後の世界に存在する固有技術などを高いレベルで習得可能な汎用性の高いギア! それを足を早めることで回避するオリガ、転移脚の力により走力が大きく向上しているため少し足を早めるだけで大きく加速することが可能なのである! 

「弾速が遅いと基本性能だけで避けられるか……だったらこれでどうだ!?」指先から大量に光の矢を放ち前方を走るオリガを攻撃するタケフミ、密度の高い上に背後からの攻撃ならば走行中に回避することは不可能に近い! しかしその光の矢は全てオリガに届く前に弾かれた! 

「これは……インビンシブルバリアか!?」

 これもギアの一つ『インビンシブルバリア』! 一定以下のエネルギーの攻撃を全て跳ね返すこれまた汎用性の高いギアである上、上手く使えば攻撃にも使用可能である! が、一定以上の強さの攻撃には無力であるところが弱点だ! あいも変わらず森の中を走り続ける二人、しかしここでタケフミが光を放ちながら突然加速する! 

「エネルギーブースト……」『エネルギーブースト』! 疾走中に溜まったエネルギーを全放出することで一気に加速するギア、もっとも標準的な加速系ギアだ! それに対し自力で走りを速め加速することで追いつこうとするオリガ、しかし追いついた先には……

「かかったな! これが俺様のブーストテイム戦法よ!」

 なんとドラゴンを従えたタケフミが……! 『ワイルドテイミング』、現地生物を懐柔することができるギア! この場合タケフミは世界ジャンル『W』の代表的な生物ドラゴンを懐柔したのだ! オリガの前に立ちはだかるドラゴン、そのうちに逃げるタケフミ。襲いくるドラゴンを……

「……マッチョボディ」

 筋力を増強し一発で殴り飛ばす! 『マッチョボディ』は一時的にプレイヤーにムキムキマッチョな身体を授けるパワフルなギアだ。場合によってはどんな特殊能力より強力である! 

 さあそうこう言っているうちにタケフミへと追いついたオリガ。タケフミの手札は既に三つ割れた、オリガはまだ二つ。情報のアドバンテージはオリガにありますが、果たして! 

「チッ……じゃあ切り札を切らせてもらうぜ」オリガに追いつかれたことを確認したタケフミが最後のギアを発動する! 現れ出る二本の剣、それを掴み取るタケフミ、そのまま着地しオリガに斬りかかる! 

「エクストリームソード・ダブル! 最高にカッコいい二刀流を実現できる俺の切り札だ!」オリガはその斬撃をかわすも、相手はそのままの勢いで空中で回転、地面を踏みしめながら猛スピードでオリガを追う! 

「……避けるのにも……限界が……!」空中を飛び交いながら猛攻を浴びせてくるタケフミ、その攻撃を避けるのに限界を感じたオリガは拳銃を取り出しタケフミに銃撃する。『ファイアワークス』。火薬などを使う道具を種類問わず取り出すことが可能になるギアだ! 

 しかしエクストリームソード・ダブルの効力で敏捷性も大幅に向上した相手に走りながら当てられるはずもなく、逆に斬撃で盛り上がった土につまずき勢いよく転んでしまう。

「勝った! 転んだな? この戦いで転ぶということは敗北を意味する……スピード勝ちで俺の勝ちだ!」一度転べば速度を立て直すことは難しい……そうなってしまえば、スピードで突き放されれば敗北となるルールで負けるのは当然のこと。しかし……

「な、なんだこいつは……減速してない! 転んだのに、全く同じスピードで進み続けている!」そう、なんとオリガは転び地面を滑り、転がりながらも速度が走っている時とほとんど同一なのだ! 

「ど……ドントストップ……ミー」とてつもないスピードで転がり、ボロボロになりながらも態勢を立て直し、再び走り出すオリガ。

「ま、まさか……それも、ギアの一つなのか!?」「……ああ。名前はドントストップ・ミー。効果は……絶対止まらないこと」

 聞いたことすらないギアの名前を口走るオリガ……これが、彼の切り札だというのか? 「そうか……ドントストップ・ミー……! 最高速を保てるのもその効果だな?」「ああ……ちとキツいがよ……」

 呆気に取られるタケフミに対して銃撃するオリガ、それ自体はかわすタケフミだが……「……『マッチョ』……」

 それに対し飛びかかるオリガ自体には反応できなかった。そのままタケフミをマッチョボディの効果で殴り飛ばし……「ぐえっ……」

 勝負は決した! 

 勢いよく地面を転がりながら吹き飛んでいくタケフミ、それを回収するかのようにポータルが現れ……元の世界、ネオ・テクノシティへと帰還させた。それに少し遅れ、オリガも元の場所へと帰還した。

「……あ……ああ……」その光景を配信で見ていた群衆たちは帰還した二人の戦士に大興奮。最初は静かな声のみだったが……

「うおおおおおおっ!」次第に大きな歓声へと変わっていった。その中心にあるのは、倒されたタケフミとオリガ。

「なかなかの勝負だった」平然と起き上がったタケフミに手を差し出したオリガ、しかしその手を払われる

「……次はこうはいかねえぞ、覚えとけ!」「悪いな、俺は忘れっぽいんで」

 捨て台詞を吐き去っていくタケフミ、同じく去ろうとするオリガ。その背中は大量の視線に注目を浴びていた。

 ……そしてその視線の中の一つに、怪しい少女が一人。

「……オリガ・アガレス。彼が……」




次 回 予 告
ネオ・テクノシティで開催されるパラレルソニックの一大大会がスタートする
厳重なる予選を突破した者しか先へは進めない!
予選の内容は……大勢の選手で一斉に走るレーシング!
そしてオリガを追う一人の少女の正体とは?
いよいよ本格的に物語がスタートする……
次回「バトルロイヤル・レース」

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