「やれやれ、担当地区が広いと面倒なもんだなぁ。ここら辺はカナエの担当地区の近くか」
「カァー!花柱!上弦の弐と交戦中!交戦中!」
「あれは!カナエの鎹カラス!案内しろ!」
「カァー」
カラスが飛んで行く方に黒雷は駆けていく
「千鳥!!!輝哉に救援要請だ!」
「カァー!!!!」
黒雷は駆ける!
「もう諦めなよ」
「はぁ、はぁ」
「君の肺はさっき吸った血鬼術で壊死しかけてるんじゃないのかい?」
カナエの前には美しい容姿の鬼が対の鉄扇を持ち鉄扇を振り上げると
「ごふっ(最後は黒雷君の顔を見ながら死にたかったな)」
「今楽にしてあげるよ」
鉄扇は無情にも振り下ろされる
カナエは刀で防ごうとするが刀は折られ肉を鉄扇が裂こうとする
ドンッ!!!
「あれ?」
鉄扇の鬼童磨の前には折れた刀の刃のみが落ちていた
「こ、黒雷君?」
「待たせたな」
「良かった。黒雷君に会えた」
黒雷はカナエに羽織を掛けると壁にもたれ掛からせる
「困るなぁ、食事のじゃましちゃあ。折角可愛い女の子を食べれると思ったのに」
「言い残す言葉はそれでいいのか?」シィィィィィ
「ちょっと待っててよ。いまか」
「霹靂一閃!」
ドンッ!
「っ!?」
ギャリン!
「いい鉄扇だ。麒麟!!!!」
どがああぁん!!!!
「へぇ!君強いねぇ!血鬼術!?」
童磨は下がるが
「霹靂一閃十八連」
ドドドドドドドドドドドドドン
「やらせねぇよ。俺の女傷つけたんだ無様にしね」
童磨はバラバラになる
「スゴいね僕と同じ強さを一瞬で」
「ちっ」ギロリ
「なら、本気で行かなくちゃ。血鬼術【結晶の御子】」
氷でできた小さい童磨が5体あらわれる
「僕は上弦の弐、童磨っていうんだ宜しくね」
童磨は笑顔で笑いかけてくる
「うるせぇんだよ。虫酸が走る話し掛けんじゃねぇよ。蛆虫風情がよう」
童磨は悲しそうな顔をすると
「何でそんな意地悪をいうんだい」
「気持ち悪いからだよ。その薄ら寒い面がよう」
「凄く意地悪!?」
ガンっ!
「今話してっ」
「聚文成雷!」
童磨やミニ童磨の周りを駆け周りながら斬りつける
「弐の型!稲魂!!」
「ぐはっ!!!」
ミニ童磨はバラバラになり童磨は四肢を切り落とされ袈裟斬りをうける
「止めだ!」
「霧氷・水蓮菩薩!」
どおんっ!
「ぐはっ!!!」
巨大な氷の菩薩がでてくると黒雷は吹き飛ばされる
「ガハッ!」
血反吐を吐きながら立ち上がる
ベンッ
「てこずっているのか?童磨」
「い、いえ」
「こいつか?アカザ貴様が言っていた人間は」
「はい、こいつならば上弦に入ってもおかしくありません」
「おい、お前」
黒雷の前にはアカザと青白い顔に赤い瞳の黒髪の男が現れる
「(アカザが敬語ということは)霹靂一閃!」
ガギンッ!!
「くっ」
「貴様私に刃を向けるとは」
「生憎、誰かしらんが鬼なんだろ?」
「ふん」
男は腕を伸ばすと
ドドド
肉塊が黒雷を襲う
「ぐおっ!?」
刀で身を守りながら吹き飛ばされる
「私は鬼舞辻無惨だ」
「がはっ!(今のであばら骨が数本いったか)」
「いたぞ!こっちだ!!!」
そこに隊士十人程が集まる。その中にはしのぶの姿もある
「しのぶ!カナエはまだ息はある!早く連れ帰れば間に合う!他の隊士はカナエ離脱の援護をしろ!殿は俺が勤める!行け!」
『了解!!!』
「姉さん!」
「しのぶ・・・・逃げて」
隊士の1人としのぶがカナエを担ぎ走る。他の隊士はジリジリ後退していく
「逃がすな」
「はっ」
アカザはカナエに蹴りを入れようとするが
「霹靂一閃!!」
「っ!」
「血鬼術【寒列の白姫】」
黒雷は飛び退き
「霹靂一閃!」
ギャリン!!
「弐式燕雷!」
ガン!
ブシャッ!
神速のつばめ返しが童磨に決まる
「・・・・羽虫が」
無惨の腕から肉塊がでるが
「麒麟!」
肉塊が真っ二つ裂ける
「霹靂一閃」
そして、カナエ達を追おうとするアカザに牽制をいれる
「はぁ、はぁ、」
脈うつ心臓が黒雷の耳に響く
「もっとだ!もっと速く!」
黒雷の呼吸はより多くの空気を吸い込み血流を早める
「まったく上弦が二人もいて柱1人に、もう良い殺せ」
「「はっ」」
「まだだ!(もっと時間を稼げ!)」
「「血鬼舞!」」
「雷の呼吸」
構える黒雷の顔には額から目を通り頬に掛けて、斜めに三本の雷の模様をした黒い痣が浮き出ていた
何時間たったであろうか
「はぁ、はぁ、」
朝日がまもなくのぼりそうになり空が白み始める
「諦めて鬼になれ」
「寝言は寝てからいいやがれ、ゴボッ」
黒雷の体はあらゆるところから血を流していた。立っているだけで奇跡のような姿である
「血鬼術!破壊殺 滅式!!」
バギンッ!
スボッ!
「がはっ!」
がしゃん!
黒雷の腹をアカザの拳が刀をへし折りながら突き刺す、ついに刀を落とす
「ゲボッ!カナエ」
周りを見ると数人の死体が転がっているがカナエとしのぶの死体はない
「諦めて鬼になれ!」
「しつけぇんだよ」
グググ
「腕が抜けん!」
「せめて貴様をまる焼きにしてやるよ」
朝日がのぼり太陽が徐々にアカザと黒雷に当たろうとしている
ベンッ
音と共に障子が現れ開かれる
「戻るぞアカザ。何を遊んでいる」
ジリジリ黒雷はゆっくり下がる。腹筋でアカザの腕を固定しながら
「くそがぁ」
「童磨!」
鉄扇が頭に振り下ろされるが黒雷はかわすがアカザの腕が斬られる
「ぐあぁっ!」
「しつこい人間め!」
無惨から爪のついた触手が伸び、黒雷の右目を刺す
「ふん!死の間際まで苦しめ。運が良ければ使ってやろう」
「がぁぁぁぁぁ!!!」
黒雷は激痛にもがきながらも黒雷は落ちている死んだ隊士の刀を手にとると
障子の中に消える三人を追う
「千鳥!俺はもう助からん!だから輝哉とみんなに伝えろ!今まで楽しかったぜ!ってな!」
黒雷はそう言うと障子の奥へと消える
「無惨!!!童磨!!!」
「「!?」」
「なっ!」
「シィィィィィ!」
不意を突かれたアカザを踏み台にし
「霹靂一閃!!」
そして、黒雷の振る刀を見る無惨
「その刀は!?」
ザンッ!
「己!お前も赫刀を持つ痣の剣士だと!?」
無惨は首だけになりながら叫ぶ
しかし、肉体の崩壊は欠片も黒雷の瞳にうつらない
「次は童磨!貴様だ!!!!」
「鳴目!!!!!」
ベンッ
黒雷はどこかへと消える
「真っ暗だ」
「当たり前だ」
黒雷の前に鎖に繋がれた角と鬼の目と牙を持つ黒雷が現れる
「なぁ、この鎖外してくれよ。人として充分生きたろ。お前が特典で貰った鬼の血に抗う力がなければ自由だ!力を切って鬼の人生を生きさせてくれよ。もう楽しんだろ?主人公気分は」
「まだだ」
「おいおい、強欲すぎるぜ?鬼の俺が生まれちまったんだ生きさせてくれよ!」
「俺は俺だ」
「なら、ゆっくりと頂くよ」
鬼の黒雷が近づくと二人は混ざり始める
「ああああああああ!!!!」
「アハハハハハハハハハ!!!」
「母さんあそこに人が倒れてるよ!」
「どこ?」
とある親子は雪の山の中で男を発見する。
美しい白髪を持つ右目に痣のある美丈夫を
親子は連れ帰るとその男を看病する
数日後男が目覚めると
「気づかれましたか?」
「俺は何を?」
「山に倒れていたんですよ?着物もボロボロでしたが幸い熱だけでしたので」
「倒れて」
「何があったか覚えていないのですか?お名前は?」
「名前・・・・・・わからない」
男は記憶を失っていた
産屋敷家
「かぁー!鳴柱、桑島黒雷が上弦の弐、上弦の惨、鬼舞辻無惨と戦闘!助からぬ重傷を受けながら追撃!行方不明!最後の言葉として、今まで楽しかったぜ!」
その言葉を聞き輝哉は膝から崩れ落ちる
「天音」
「はい」
「友が唯一無二の友が死んでしまった」
輝哉の目は既に光を失っていたがその目からはとめどなく涙が溢れている
「はい」
「君も泣いてくれているのかい?」
「はい」
「待っていておくれ黒雷!私もすぐに行くから」
彼らは黒雷との懐かしき日々を思いだす。柱達を彼が無理やり集め輝哉の家で宴会をして何度も大騒ぎしたこと、彼の作る料理の味、娘を必死に口説こうとする彼の姿、知らないことを楽しそうに教えてくれる彼の姿
炎柱屋敷
ガシャン!!!
「嘘!嘘!嘘!黒雷さんが死んじゃったなんて嘘よ~!!うえぇぇぇ!黒雷さんが一緒じゃないとご飯が美味しくないよう!音楽も!胸もキュンキュンしなくなっちゃうよ~!!」
「黒雷、俺も楽しかったぞ!黒雷!後は任せろ!」
蝶屋敷
知らせを受け蝶屋敷は泣き声が響いていた
「黒雷君!何で!何で!おいて行っちゃうの!いつも私の先を駆け抜けて!少しくらい待っててよ!」
「そんな!黒雷さん・・・・・・殺す!絶対に鬼は許さない!」
「・・・・・・(泣けない、泣かないと、でも泣けない)」
「もう、あの音楽が聞けないんですね」
「料理もイタズラも」
「あの笑い声や悲鳴も」
「あの笑顔がもう二度と」
「カァー、黒雷の刀、黒雷ハココガイイトオモウ」
千鳥と数羽の鎹カラスは折れた刀と刃を蝶屋敷へと運んでいた。
蝶屋敷から暫く鳴き声が止むことはなかった
桑島家
「そんな!兄ちゃん!兄ちゃん!!兄ちゃんが死んじゃうなんて!鬼殺隊なんて俺には無理だよ~爺ちゃん」
「泣くな善免!・・・・・・親より先に逝きよって、この馬鹿もんがぁ!グスッ」
他の柱の所へもすぐさま広がり各々が心に死を刻む