【黒雷】
その名前を聞くのは何年ぶりだろうか
俺は周りを見る
新しく見る顔
懐かしい顔
嫌いだった奴
大好きだった奴
友だった奴
関わりを殆ど持ってない奴
そして
愛しい奴
俺はゆっくり見回すと
ブチブチ!
縄を引きちぎり傘の下に片膝で座ると輝哉を見る
ざっ!
俺の周りには、しのぶ、杏寿郎、蜜璃以外の柱が日輪刀を俺に向けるが俺は輝哉をまっすぐ見る
輝哉の周りには二人の少女
でかくなったな
そして
カナエが控えている
顔が少し大人びて美しさは増していた、そして羽織は黒の布地に黄色い雷のようなストライプの入った羽織
そしてなにより生きていて良かった
「御館様、今までの不通平に謝罪致す」
「・・・・君がその口調になるのは早急にしなければならない真面目な話しがあるのかい」
「竈門禰豆子と竈門炭治郎の処遇についてですが、竈門禰豆子はいかに」
「無事だよ」
俺はゆっくりと安堵の息を吐く
「しからば!二人の助命嘆願を致す所存!」
「雷蔵さん!?」
「ふふっ、このやりとり懐かしいね・・・・でもね」
輝哉はゆっくりと言葉を吐き出す
「君は本当に黒雷なのかい?」
「・・・・・・血鬼術による変化もしくは吸収により姿記憶をうばった、はたまた鬼に寝返ったとお考えと?」
「僕は今のやりとりで君だと感じているんだけどね」
「柱達など今は些末なこと・・・・御館様」
「てめぇ!」
「ならこうするのはどうだい?きみと昔酔った勢いで決めた合言葉」
あれか
俺はゆっくりと息を吸うと
「鬼舞辻無惨のチ○コ!」
「ミミズ・・・・・・無惨の陰嚢」
「碁石以下!」
俺と輝哉の合言葉に柱と炭治郎はポカンとする
「プッ!!!・・・・・・ごめんなさい」
そして笑いを堪える蜜璃
「えっと雷蔵さん見たことあるんですか?」
「ない!が酔った席の事だ深く考えるな」
炭治郎はポカーンとしたままである
「ふふっ、たしかに黒雷だね。炭治郎と禰豆子は僕の意思で容認し、皆にも認めて貰えたらと思っていたけれど・・・・柱の皆はどうだろうか」
『!?』
ほう・・・・まぁ珠世を容認していたことは知っていたが禰豆子まで容認していたのか
それよりこれはばれているか
「嗚呼、如何に御館様のお願いとは言え承服しかねます」
「俺は派手に反対するぜ」
「僕はどちらでも・・・・・・どうせすぐ忘れるし」
「私は全て御館様の望むままに♥️」
「・・・・・・」
「信用しない、信用しない、それに鬼は嫌いだ」
「心より尊敬する御館様であるが理解できないお考えだ!!全力で反対する!!」
「鬼を滅殺してこその鬼殺隊、竈門、富岡、桑島三名の処刑を要求します。」
俺が鬼になっているのも筒抜け・・・・いや、鬼の部分を見らればれたのか
「カナエ・・・・・・君はどうだい?」
そして今まで黙っていたカナエがゆっくり目を開き口が動き始める
「私は鬼と仲良くなれるのならなりたいですが」
「・・・・・・カナエ」
「もし人を食らうのなら滅する他ないかと・・・・・・黒雷君あなたは、人を食べた?」
そして俺を真っ直ぐみるカナエの瞳
変わらず美しい
「・・・・・・キレイになったなカナエ」
「っ!?・・・・・・ふざけずに答えなさい!桑島黒雷!」
「・・・・・・食ってないと言って信じるか?」
俺はヘラリと笑う
「私は信じます」
そこにはどこまでも真っ直ぐな瞳だ
「信用しない信用しない!鬼になったのなら殺すべきだ!」
「南無・・・・・・如何に仲間であったものであっても鬼となった今、殺してあげるが情けかと」
「俺はド派手に殺したほうがいいと思う!」
「僕はどっちでもいいかなぁ・・・・知らない人だし」
そして今だ語らないものも
「君たちはどうだい?義勇、杏寿郎、しのぶ、蜜璃」
「俺は御館様のご意見に従うまでです」
「俺は!黒雷を真の友であると思っている!!しかし!鬼になったのであれば!!人を食う前にこの手で人としてころしてやりたい!!母を救い父を立ち直らせてくれた恩人であり友である黒雷を人喰いの鬼になどしたくわない!!!」
杏寿郎
「私は本当に黒雷さんなら殺せません」
しのぶ
「わ、私も黒雷さんならころしたくないです」
「なるほどね・・・・・・手紙を」
輝哉が言うと近くに控えるおかっぱの少女が手紙を読みだす
「これは元水柱、鱗滝左近次様からの書状です」
そして読みあげられたのは
禰豆子は人を二年以上食わず
食った場合は鱗滝左近次、富岡義勇、竈門炭治郎の三名は腹を斬って詫びるとのことだ
「腹を斬ったから何になると言うんだ、死にたいなら勝手にしにくされよ。何の保証になりません」
そこに物申すのは白髪で傷だらけの男
風柱、不死川である
「そうだね、確かに人を襲わないという保証はできない証明できない」
ただしと付け加える
「人を襲うとの証明もできない」
輝哉は一息つきさらに言葉を重ねようとする
さすがだ・・・・まさに上に立つ者の風格
論で相手を征する
「禰豆子は二年以上も人を食わずにいた事実と禰豆子の為に三名の命が掛けられ、柱一人の嘆願がある。
これを否定するには否定する側もそれ以上の物を差し出さなければならない」
俺をまだ柱と思ってくれているのか
胸から熱いものが流れてくる
「御館様!失礼ながら!桑島黒雷にあっては死人とされております!それに、確かめたのは失礼ながら戯れ言の言葉交わしのみにあらば何の証明にもなりません!」
不死川は声をあらげるが
「鬼舞辻無惨の作った鬼はね、一部を除き鬼舞辻無惨の名前を言うと死ぬように細工がされているらしい」
「!?」
「つまり!!黒雷は鬼舞辻の鬼ではないと言うことか!!!」
「それについてどうだい?黒雷」
「俺の情報が欲しいならよぅ、こちらの嘆願も聞いて欲しいものだな輝哉」
「やれやれ・・・・・・そうだね君の情報と、無惨もしくは十二鬼月の情報ならどうだい?君の事だ持っているから嘆願しているんだろ?黒雷」
ちっ相変わらずお見通しかよ
『っ!!!?』ざわっ
「どこで!」
「どんな能力だ!」
周りは騒がしくなる
「それに鬼舞辻に遭遇しているのは炭治郎もだ」
『なんだとっ!?』
「そして、鬼舞辻は炭治郎に向けて追っ手を放っているこれは奴が初めて見せた尻尾を私は話したくないんだよ。それに恐らく禰豆子にも、さらに黒雷には興味を持ち初めている。きっと鬼舞辻にとって予想外の何かが起きている・・・・わかってくれるね」
「わかりませぬ、御館様。人なら生かしておいてもいいが鬼はだめです。承知できない」
そう言うと不死川は刀を抜き自信の腕を斬る
血の匂いが鼻を擽る
「ぐっ!!??」ビキビキビキビキ
鬼の部分が疼く!?
何だ?この芳醇な香りわ
「御館様!証明してみますよ!俺が鬼というものの醜さを!」
そう言うと腕を伸ばす
「さぁ鬼!飯の時間だ!」
血が滴り落ちる先には
禰豆子の箱!?
「不死川・・・・日なたではダメだ。日陰でなければ鬼は出てこない」
「御館様、失礼つかまつる」
ドンッ
不死川は屋敷の中に入る
その手には禰豆子の入った木箱があった
そして、刃を突き刺そうと振り上げる
そして俺の脳裏に次の行動がよぎる
「くそがっ!!」
体の中の鬼が暴れる感覚を感じながら屋敷へと踏み出す
一瞬ではあるが
ジュッ!と肉の焦げる感覚と痛みを感じながら俺は箱に手を伸ばす
ブシャッ!!
刃は俺の手を貫き箱を無情にも突き刺す
ブチブチっ!
頭のどこかで何かが切れるのを感じた