黒雷が鬼殺隊の元に帰り一週間がたった頃
黒雷は無言の天音と冷や汗を垂らす輝哉の前に正座させられていた
冷えきった空気
襖から覗く隠と輝哉の子供達
ここに至るまでなにがあったのか
黒雷は会議が終わってから産屋敷家に居候していた
「あの、桑島様・・・・蝶屋敷に帰らなくてよろしいのでしょうか?」
「ん~?」
「掃除しますので散歩されてきたらいかがですか?」
「ん~」
横になりながら本を読む黒雷を天音はコメカミをヒクヒクさせながら優しい笑みで見ていた
「桑島様?」
「・・・・」ぶっ!
しまいには屁で返事をする始末である
桑島黒雷は帰ってきてからずっと産屋敷家で過ごしていた
輝哉の子供達と遊び飯をくらい日頃1日酒を飲みながらゴロゴロしたり宴会をする生活を送っていた
そして近くにある酒を寝ながら飲む
「黒雷・・・・将棋でも」
「御館様・・・・・・お話がございます」
「・・・・はい」
そして入ってきた輝哉は天音と共に出ていく
そして輝哉により呼ばれ部屋を移した黒雷が正座をさせられている現在の黒雷である
「こ、黒雷どうだろう?そろそろ二人の顔を見に行ったら柱合会議依頼会ってないだろ?
ほら積もる話もあるだろうし」
「・・・・・・」
「ほら、また遊びにくればいいだろう?」
「・・・・・・」
「こ、黒雷?」
バンッ!!
「「っ!?」」ビクッ
下を見続ける黒雷と冷や汗を流しながら話していた輝哉の二人がビクリと震える
「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人とも下を向いてしまう
「桑島様」
「はい」
「御三方とはお話はされましたか?」
「いえ」
「・・・・何故でしょうか」
「・・・・」
「桑島様の悲報が届いた後、胡蝶姉妹や甘露寺様といろいろお話をさせていただきました。
何故でしょうか」
「・・・・・・」
黒雷は何も話さない
すると
輝哉は黒雷の耳元で囁く
「こ、黒雷・・・・すまない何か言っておくれ、君が帰ってきて天音も喜んでいたけど宴会四日目あたりから雰囲気が怖くなってきてね、昨日の夜は口調がすごく冷たかったんだよ。
天音がこんなに怒ってるのは初めてでね」ヒソヒソ
「馬鹿野郎、輝哉・・・・きっと女の子の日だからに決まってんだろ?
とりあえず怒りが通り過ぎるのを黙して待てばいいんだよ」
「いや、君が泊まるようになって6日6晩宴会で騒ぎまくったからじゃないだろうか」
「馬鹿めそんなことで怒るかよ。天音さんに迷惑はそんなに掛けてないだろ?女の子の日・・・・通称ブラッディデイなんだよ」
「いや、片付けと準備は天音だし、多分天音の下着を全部二人で被ったりそれを全部布団代わりに寝たことだったり、一緒に謝ろうか」
「それを言ったら輝哉だって出来なかった青春をって言って俺と喧嘩した日に3日目だったか?仲直りでのみ直したあと天音さんの箪笥の服にくるまれて一緒に匂い嗅ぎまくろとかいって部屋をぐしゃぐしゃにしたせいだろあれはお前が言い出しっぺだからな?」
「君だって、天音の女の子の日で一番履いてる下着を当てる対決とかいって下着を二人でかいだ時の言い出しっぺは黒雷だろ」
「ふざけんな、どっちがチンコデカイか対決で子供達に俺たちのチンコ眺めさせる対決はお前だろ輝哉」
「それも君だったと記憶してるけど?黒雷」
「なぁ、天音さんがここまで機嫌が悪くなることなにかあったか?」
「・・・・・・もしかするとアレか?いやあれかも」
「何か思い当たるのか?」
「僕が思いあたるのはあと十四個くらいかな」
「・・・・俺は20個くらいかな?」
二人がヒソヒソと話していると
「桑島様・・・・それでしたら御自身の屋敷に帰られてはいかがでしょか?」
底冷えする声が聞こえる
「俺、家あるの?」
「君が柱に就任したときに言ったよ。まぁ、蝶屋敷に入り浸っていたから着工を後回しでいいって言ってたら君が死んだ後に完成したんだけどね?」
「今は?」
「新築のまま誰も住んでないよ。縁起が悪そうだからってね、まぁ、これから君に使って貰えるなら作ったかいがあったもんだね・・・・・・あ、手入れはしっかりしてるよ」
「そらまた、もったいねぇな。ありがたく貰おうか」
「それは良かった。場所は蝶屋敷の隣で気合い入れて作らせたんだ。管理はカナエがしてくれてるよ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・なぁ、輝哉」
「・・・・・・・・なんだい?黒雷」
「気まずいし、なんて言ってかえったらいいかな?しかも、現地妻つくってんだよってどういえばいいんだよ」
「まぁ、正直に真摯に話すしかないんじゃないかい?カナエもしのぶもわかってくれるさ」
「やっぱりもう少しまってくんね?」
「・・・・・・桑島さま?」ギロリ
「わかったよ!でてけばいんだろ!出てけば!明日でてくよ!」
「天音、明日出ていくといってるし、僕も悪ふざけし過ぎたよ。今日は大人しくさせるから最後のお泊りを許しておくれ」
「・・・・・・・そういわれるのでしたら、ただし桑島様にお一つ」
「・・・・・・・」ぶっ!
「やっぱり追い出しましょう!」
「黒雷」
「はい、すんませんした!まじで調子こきました!屁もこきました!」
天音は深い深いため息をつくと
「女がいつまでも男を待っていられると思わないことです。彼女達は充分待ちました、そして良い出会いがあった子達もおります。輝哉が皆を子供と思うならば私からしても彼女達は娘の様なもの、娘達の笑顔が早く見たい親心はおかしいでしょうか」
「・・・・・・・いや、おかしくねぇよ」
「わかっていただけるのでしたらこれ以上は何も申しません。さぁ昼食にしましょう」
「いや、ちょっと用事できたから少し出てくる。夕食までには戻るよ」
「かしこまりました。」
黒雷は傘を持つと何処かへと行ってしまう
「すまないね、天音」
「・・・・・・・・」
「怒っているかい?」
「いえ、アナタの楽しそうな姿を久しぶりに見ましたので少し思う所はありすが、これも彼なりの貴方へのただいまなのですよね?」
「さて、どうだろうね。もしかしたら君へのただいまのつもりで甘えているのかもしれないね」
「それは困ります。彼は限度をしりませんので、それに彼が甘えるべき相手は他にいるはずでしょうに」
「そこはね、ほら黒雷も男の子だから」
「殿方であるのが何故」
「男はいつも好きな子の前で弱音を見せたくないものさ、夫婦になればさらけ出し支え合う事にも愛おしさをもてるだろう。でも彼らはまだ夫婦じゃない・・・・・・彼は彼女らの前で弱みを見せたくないだけさいつも通りひょうひょうと悪ふざけをしたりかっこつけたり、間抜けな事をしたりできるようにここで準備していたのさ」
「殿方とは難儀なものですね」
「そうだね」
「アナタの呪いが進んだから今まで入れなかった時間を補おうとしていたのかと思いました」
「それも、入っていたら嬉しいね。まぁ、もしそうだとしても彼は絶対にそう言わないだろうからね」
「本当に殿方とは難儀な生き物ですね」
「ふふふ、彼ほど難儀なのは珍しいと思うけどね」
そしてその日の夜黒雷が帰ってくると皆で食事をとる
そしてその日は今までの喧騒が嘘のような静寂がつつむ夜になっていた
黒雷は縁側に座り月を眺めていると
「隣いいかい?」
「お前の屋敷だろ?」
「ふふ、なら勝手に座らせてもらうとしようか」
そう言い輝哉は黒雷の隣にすわる
「お前はもう戻って寝なさい」
「はい」
そう言い輝哉を支えていた子は奥へと下がる
「今の柱達とは仲良くできそうかい?カナエ、しのぶ、蜜璃を抜いた面子との宴会も中々楽しかったよ」
「いわゆる男子会みたいな感じだったが楽しかったか?殺伐としてたろ、行冥は泣き続けて哀れとかいいながら念仏唱えてるし、白髪傷まみれと蛇野郎は睨んでくるし冨岡と時透は無言でボーッとしながら飯食ってるだけだし」
「だけど天元と杏寿郎と引退したけど来てくれた愼寿郎とは盛り上がってたじゃないか、私も子供達と騒げてたのしかったよ、今度は娘達も交えよじゃないか、天音も女人だけで楽しんでたみたいだからね」
「それもいいな」
「こうして騒ぐと申し訳なくも思うんだ、先に死んでいった子達に」
「・・・・・・・」
「できることなら私の代で終わらせたいものだ」
「終わらせたいじゃねぇ、終わらせるんだ。それにテメェも命尽きるその時まで泥水すすろうがいきづづけろ必死に生にしがみつけ」
「随分と酷な事をいうね、戦えもしないこのみに鞭をうてと?」
「そうだ、鞭打って、泥水すすって、意地汚くいきて、そして笑え」
「・・・・・・・」
「もし、お前が生きてるうちに倒せたら呪いも消えっかも死んねぇだろ?そしたらよお前の代で戦ってきた奴らをお前だけは覚えていられて、お前だけが褒めてやりつづけられるだろ?」
「たしかにそうだね」
「命かけるだけが戦いじゃねぇ、命かけさせる方がよっぽどきつい戦いだと俺は思うけどねぇ、俺が賭けられる命はテメェのもんだけだだけどお前の賭ける命は他人の大量の命だ・・・・重さがちげぇよ」
「・・・・・・・・」
「胸はれ、オメェが文字通り館としてあり続けるから鬼殺隊があり続けるんだ。命かけるだけが戦いじゃねんだよ。人が居続けるには衣食住のどれかが抜けても定住したり外敵から身を守り続けることはできやしねぇのさ」
「そうだね」
「それに、もし楽しくすることが心に引っかってるなら聞くが、お前は仲間が死んだ隊士らにお前も死んでこいよとか思ったりするか?ずっと泣き続けろ、恨み続けその身を憎しみで焦がせって思うか?また、お前の死んだガキ達は生き残った奴らにお前らも死ねば良かったのに、何でお前らも笑ってるんだって思うような奴らなのか?」
「ちがうよ、僕の子供達はそんな子じゃないよ」
「だろ?だったら笑え!楽しめ!お前らの護ってる世界はこんなに楽しんだぞってあの世に届くまで!次世代の笑顔の為と戦えるように!」
「ふふ、本当に君にはかなわないね黒雷、君が戻って本当によかった。僕がこんな話しをできるのは君だけだから」
「はっ、嫁にでも愚痴っとけリア充野郎」
「そうするよ、また君と温泉に行ったり、美味しい地方料理を食べに行ったり、絶景を見に行ったりしたいものだね」
「元気になったら嫁といけ、俺も女といくから」
「君とがいいんだ」
「え?口説いてんの?俺同性愛はちょっと」
「ふふ、親友と行きたいといってるんだよ。こんな時くらい照れずにまともに返しておくれ」
「・・・・・・ちっ、こっちもお手上げだよお前には簡単に見透かされちまうんだからな」
そう言い黒雷は頭をかく
「ふふ、そうだね、もし生まれ変わったのなら黒雷、君と夫婦になるのもありかもね」
「まぁ、俺は転生信じてる系男子だからあるだろうけど、夫婦になるならお前が女に転生しろよ?」
「それは困ったな、君が男だと浮気されそうだ。僕は浮気は許さないよ?ここは君が女に転生したらどうだい?」
「おいおい、そしたらとんだクソビッチが誕生しちまうじゃねぇか世界中の男が手玉になっちまって社会問題が起きるぜ?」
「自分でそれをいうのかい?」
一瞬の沈黙が訪れ
「「くくく・・・・・・くははははは」」
どちらからともなく笑う
「ふぅ、少し疲れたよ」
「なら、寝ちまえよ。布団には運んで置いてやる」
「襲わないでくれよ?」
「喧嘩うってんのか!女になって出直せ」
「ふふふ、君と一緒なら来世で女になるのも悪くない、でも君とはどの時代でも親友で・・・・いたい・・・・もの・・・・だ。」
黒雷の肩にトサリと重さが加わる
そしてゆっくりと呼吸音が耳に届く