あれから数ヶ月が経ち、今は6月。
当然というか当たり前というか、彼らは俺の知っている奉仕部へと戻ったようだ。
どうやら、奉仕部は取り戻せたらしい。
本格的に受験シーズンに入ってくるこの時期でも彼らは、奉仕部に集まっている。
いや、本当に良かった。俺が動いたところで....とか、思ってたが、意外に動いてみるものである。
ともあれ、これで万事解決。後は彼らが、自分たちで自分たちを導いていくのだろう。
そして今日もまた、何もなく1日が過ぎていく。
さぁ、今日も代わり映えなく、コンビニ弁当が我が家の晩御飯。この2ヶ月で5~6回程度しか自炊をしていない俺からしたら、もうあのコンビニは庭と言っても過言ではない。もう俺の庭過ぎて、すれ違う人は俺を避けるし、女性店員は俺を見るとバックヤードに引っ込んでしまう。あれ?俺避けられてる?
そんなどうでもいいことを考えつつ家のドアを開け、リビングに向かうと、そこに居たのである。
俺をこの世界に転生させた張本人が。
「ん?なんでここに居んの?」
そう、率直な感想が出てきてしまう。いや、でも本当に理解できないからしょうがない。
その声を聞くと俺に気づいたのか、すぐさま話しかけてくる。
「お。やっと帰ってきたか。2時間近くまっておったぞ」
「え?本当にあの時の神様?....ですか?」
「何を言っておる。正真正銘あの時の神様にきまっておろう。お前に託した手紙では、もう会わないだろうという節のことを書いたが、ちょっと今日はどうしてもお前に伝えなければ行けたいことがあってだな」
まだ全然話を飲み込めてないのだが、じいさんこと神様は、勝手に話を進めそうなのでとりあえず一番大きい疑問をぶつける。
「えー、その伝えなければいけないことっていうのは....?」
「まぁ、実はそんなに大したことではない。あの手紙に書いてあった、「ミス」についてのことだ」
あぁ、その事かと少し安堵する。実際、ミスはもう見つけて来たので今さら驚くことはないだろう。そう思いながら話を促す。
「え、じゃあ、そのミスって何ですか?」
「ああ、いくつかあるのだが....まずはクラス分けのことだ。お前の言っていた本とは少し違っていただろう?そのことと、あとは....そう!教諭のことだ!平塚?とかいう教諭を移動させるのを忘れておった。....まぁ、こんなところだな。じゃあ、私はこれを伝えにきただけだから。ここで」
いやいや一番大きいの言ってないでしょー、とか思いながら神を呼び止める。
「あ、待ってください。あと、奉仕部っていう部活のこととかあるんじゃないですか?」
しかし、返ってきた答えは意に反するものだった。
「は?奉仕部?なんだそれ?私がこの世界で、したミスはあの2つだけだぞ?」
「え?いやいや何を言ってんすか。現に、原作にあった奉仕部がなくてですね....」
すると神は、少し考えるようなそぶりをしたかと思うとすぐに口を開く。
「....ならば、それは私のミスじゃないんじゃないのか?例えば世界を作っていく際に作中の人物だけでその奉仕部?が消えたとかな」
「それに私は、原作の根幹を揺るがすようなミスは、せんしな。....じゃあ、私も忙しいから。また、いつか」
そう言って去っていく神様を呼び止めることは、出来なかった。
そしてその場には、疑問だけが残る。
本当に神様のミスがあの2つだけだったとしたら....
奉仕部がなくなっていたのは、神様のせいじゃない。
そしてそれは、つまり....