リストラおじさん、ゴップになる   作:寒原光雪

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『カンプグルッペ・キマイラ』のお披露目と13独戦のメンバー勢揃い回です。
2021/4/5 チベ改級のクラスを修正。


最後のピース

現在はジャブロー時間の午前9時過ぎ、私が緊急警報に叩き起こされてから7時間が経過していた。

「午前8時現在での各地の非戦闘員の死者の合計は約2万名、重傷者は7万を超えます」

「各宇宙港の上空では空軍がCAP(戦闘空中哨戒)を実施中」

「海軍の機動部隊がジブラルタル沖ならびに南シナ海、マイアミ沖、ダカール沖に展開中」

「空軍と海軍の展開状況を報道機が撮影中、全地球圏に実況中継されています」

司令室には報道番組を流すホロがいくつも投影されている。

戦時下のガイドラインに沿ってキャスターは極力冷静な口調でジオンの奇襲とそれに

対する連邦軍の展開を報じている。

 

私はその様子を朝食代わりの軽食を何杯目かの濃いコーヒーで流し込みながら

眺めていた。朝食とコーヒーを持ってきたシロッコに「少尉、君なら次にどんな

方法で攻撃する?」と戦略に関する論文も書いている彼に尋ねてみた。

「地球を再度攻撃するのは兵站が重すぎ、また基本片道特攻になるため実施は難しい、と

考えます。なれば、次は帰還の見込みがある宇宙を攻撃するでしょう。それも孤立した

場所を」とシロッコ。彼のことだからあらかじめ答えを用意しておいたのだろう。

「ソロモン攻略の橋頭堡であるサイド1や4ではなく?」と私。

「はい、警戒レベルが上がっている現状で艦隊が集結している場所に強襲をかける愚は

敵も侵さないでしょう。ですが、例えばサイド7のV作戦開発センターをMSで奇襲し、

新型機の奪取と開発拠点を破壊する、というのはどうでしょう。コロニーを直接攻撃する

のは条約違反ですが、MSでコロニー内部の建造物を攻撃するのは条約に抵触しませんから」

「RX-78などの試作機を奪取ないし破壊できなくともネットワークに侵入し、データを抜き

取られるだけでも大損害だな。そちらの方が目に見えない分厄介だ」

(それにレヴもそろそろあっちに着く頃だし…)私は途端に心配になった。

 

私の顔色を見てかオクスナーがルナ2のワッケイン少将に連絡してくれ、私は彼にサイド7への

パトロール体勢の見直しを指令した。ルナ2でも同様の想定はしていたようで、ワッケインは

追加の艦を派遣するという。

これまで航路から外れているために監視用の無人機を設置していなかった箇所にも無人機を

設置するという。

これで、原作のように無警戒で奇襲を受けるということはなさそうで一安心したが、

あの「赤い彗星」ならば、なにかあっと驚く手段で奇襲をかけてくるかもしれない…

もっともシャアのようなアクの強い思念ならレヴが察知しやすいかも。

それを願うことにしよう。

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== サイド7 、7バンチ 13独戦司令部

レヴァン・フウ、ダグザ・マックール、フレッド・リーバーの3名は第13独立戦闘団司令部に

着任を報告していた。

「君が噂のレヴァン・フウ大尉か。13独戦にようこそ」チャーリー・ベッカーズ少佐はレヴァンの

手を握って微笑んだ。レヴァンは彼に手を握られた瞬間、目を見開いたが同じく微笑んで

「レヴァン・フウです。航空幕僚として赴任いたしました。よろしくお願いします」と礼儀正しく

挨拶した。

 

「ダグザ・マックール少尉であります」ぴしっと敬礼するダグザに「君とは初対面だったな少尉。

だがゴップ閣下からのメールに度々登場するので初めてな気がしないな。

少尉には警備小隊の指揮を任せたい」とにこやかに握手するチャーリー。

ダグザはチャーリーかレヴァンの副官をやるだと思っていたので少し驚いた。

「自分は部隊を指揮した経験がありませんが、やってみせます」とダグザ。

チャーリーは「既にサイド6で特殊作戦の経験があるそうだな。スパイ映画さながらの経験を

してきた君には警備部隊はいささか退屈かもしれんが、ここの警備小隊はあらゆるリスクから

MS中隊の少年達を守るのが任務だ。いわば連邦の未来を守る任務だと心得て欲しい」と

真剣な眼差しでダグザに語りかけた。

「はっ!任務に邁進します」と背を伸ばし敬礼するダグザ。あくまで生真面目な男であった。

 

「フレッド・リーパー軍曹、着いて早々だが辞令だ。君は曹長に昇進する。配属はMS中隊

本部小隊だ。よろしく頼む」とチャーリーは辞令と階級章を渡し、握手するとMS中隊へ

出頭するよう促した。リーパーは古参兵らしい敬礼をすると足早に去っていった。

 

「ウモン君が来なくなったと思ったら今度は中尉ですか…」ミユ・タキザワ軍曹は呆れ声でミライ

の隣の席に座り世間話をしているブライト・ノア中尉に嫌味を言った。

「いや、自分の任務は連絡将校で、コミュニケーションは任務のうちだから」

と弁解するブライト。彼もだいぶ13独戦と馴染んで軽口を言い合う仲になった。

もっとも、ブライト自身の戦術目標であるミライ・ヤシマ少尉と個人的に親しくなる、というのは

芳しくなかったが。「だったら、チャーリー少佐のオフィスに行って今日赴任する士官に

挨拶してきたらいかがです?」とノエル伍長に冷静にツッコまれるブライト。いや、だからと

弁解にもならないことをブライトが言っているとオフィスのドアが開きチャーリー少佐が

2人の士官を連れて入ってきた。

 

「紹介しよう。レヴァン・フウ大尉とダグザ・マックール少尉だ。フウ大尉は私の航空幕僚として

MS中隊と近々新設されるGW中隊の戦術運用について私をサポートしてくれる。マックール少尉は

警備小隊を指揮し、司令部とMS中隊の警護を担当して貰う。みんなよろしく頼む」

指揮官の紹介で敬礼するミライ、ミユ、ノエルの3人、慌てて敬礼するブライト。

レヴァンは答礼しながら「レヴァン・フウです。軍人としての経験はあまりなく、皆さんにご迷惑

をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」と頭を下げた。

ブライトはその様子に(この男、もしかしてSNSに一切情報が上がらない「謎の人物」

なのでは?)と思い、少し背筋が寒くなった。

彼にはレヴァンが信管むき出しの機雷に見えたからだ。

 

ダグザは「警備小隊を預かることとなったダグザ・マックール少尉です。よろしく願います」と

軍人らしい挨拶をしたが、ブライトは(確かこの男はゴップ大将の副官だった筈だ。

ここがゴップ大将の私兵集団っていう噂は本当かもな。しかし、強面だな)と表面上にこやかに

レヴァンとダグザに自己紹介し握手を求めながらも、内心では別のことを考えていた。

 

「フレッド・リーバー、階級はさっき曹長になった。よろしく」そっけない態度で挨拶する

リーパー。MS中隊の指揮官ウィリー・ケンプ大尉は微笑みながら「我が中隊もようやく12機編成

になれた。歓迎するよ、リーパー曹長。ところでウチはファーストネームかアダ名で呼び合う

習わしでね、なんて呼んだらいいかな。フレッドでいいか?」とリーパーに尋ねると

「前の部隊じゃ素行が悪かったせいか、『リッパー(切り裂き魔)』なんて呼ばれてましたがね」

にやりと笑うリーパー。カイが「おお、こわ」というポーズを取るとちょっと笑いが起きた。

「ここは未成年が多くてね、そんな猟奇殺人犯みたいなアダ名は却下だな。フレッドでいこう」

とウィリー。「俺は構いませんがね。本部小隊に配属だそうでよろしく願います」といかにも

素行の悪い古参兵な態度のリーパー。

「官舎に荷物を置いてきたら30分後にジムに来てくれ。君の格闘スキルってやつをちょっと

見たくてね」とウィリー。

「どうやら俺の悪い評判が届いてるみたいですね。いいですよ」と不敵に笑う

フレッド・リーパーだった。

 

フレッドがジムに着くとウィリー大尉はボクシングのリングでアップを終えて待っていた。

「スパーリングですかい。拳だけで大尉とやるのは少々骨ですなぁ、ウェイト差もあるし」

細身のフレッドに対しウィリーは筋骨隆々で背丈も高い。ボクシングでいえば精々ライト級

(61.23kg以下)のフレッドに対しライトヘビー級(79.38kg以下)のウィリーといえた。

「足を使って構わんよ。体格差のハンデって訳じゃないがね」とウィリー。例のごとくドヤ顔を

している。「KO.されても恨みっこナシですぜ」とリングに上がりアップを行うフレッド。

 

MS中隊の全員が見つめる中、両者がリング中央に進むとゴングが鳴らされた。

フレッドは脚のリーチを活かし、ボクサーの足を殺すためローキックを放つ。だが、ウィリーは

素早く後ろに下がりキックの射程から逃れた。その後はキックの間合いに細かく出たり入ったり

しながら、何回かフレッドにキックを出させる。だが、間合いを外され躱されるかガードされ

有効打を出せないでいた。

フレッドが苛立つ様子を見せるといきなり距離を詰めて鋭くジャブを連打するウィリー。

それをガードするフレッドだったが、(図体は伊達じゃねぇ。重いジャブだぜ)と体格差を思い

知らされた。

こうして1ラウンドが終わると「いやぁ、大したモンだね!曹長の実力が分かったところで

次は実戦に即したスパーをやろう。MS戦じゃパンチやキックなんて稀だからな。なにせ

拳も足も精密機器の塊だからさ」といきなり対戦の終了を告げるウィリー。

フレッドはいささか拍子抜けしながら「まぁ、いいですがね。演習場に移動ですか?」と

尋ねると「いや、君のはウチの隊員と()()をやってもらう」とウェリー。

指差す先には搭乗員用ヘルメットとパイロットスーツ、ウレタン製の棒が置いてあった。

 

(なんなんだ、これ?)パイロットスーツ一式を着用し、ウレタンの棒を手に持ったフレッドは

合点がいかない。対戦相手はハヤト・コバヤシ軍曹という少年兵で、フレッドと比べても

小柄な少年だ。ただ、格闘技経験があるようで足運びが素人のそれではなかった。

「MS戦を想定した訓練さ。手に持ったそいつでチャンバラしてもらう。体のどこかを打たれるか

突かれるかしたら1ポイント、曹長は初めてだから3ポイント先取で勝ちとしようか」と

ウィリー。対戦相手の少年は「曹長、面白い持ち方しますね」とフレッドに話しかけてきた。

ナイフを持つ癖でウレタン棒を逆手に持っていたのが珍しいようだ。

「ああ、こっちのほうが慣れてるんでな!」いきなり距離を詰めハヤトの首筋を狙い棒を振る

フレッド。だが、ハヤトはそれを予期していたかのようにフレッドの足元に滑り込み、右足首を

棒で薙いだ。足首を叩かれた感触にフレッドが(しまった!舐めたつもりは無かったが…)と

眉をしかめるとウィリーが「ハヤト軍曹1ポイント!」と宣言すると、フレッドの横から金髪の

下士官、たしかジョブ曹長といった、が出てきてフレッドの右足にウェイトを巻いた。

「何なんです?これは?」と呆れ顔で尋ねるフレッドに「チャンバラさ。最初はレクリエーション

のつもりで始めたんだが、ビームサーベルを使うMS戦に意外と近いのが分かっていろいろと

ルールを作ってるところでね。サイド7の警備部隊やGMの開発部隊でも取り入れてる訓練メニュー

だよ。曹長の足首にウェイトは機体の損傷に見立ててるってわうけさ」とまたしてもドヤ顔で

解説する中隊長であった。

 

「曹長、さっき僕の首を狩るつもりで振ってきましたけど、ビームサーベルは当てるだけで

いいんですから、そんな力を入れて振る必要は無いですよ。それとその持ち方はリーチが短くて

不利です」とハヤト軍曹がアドバイスする。

「ああ、ありがとうよ!」棒を持ち替えたフレッドは再び奇襲をかける。今度は体勢を低くして

下半身、内腿を狙った。大きな血管がある急所を狙ったのだ。ハヤトは横っ飛びでこれを躱すと

すれ違いざまに左手に持った棒でフレッドの手首を叩く。

「これで2ポイント目だな。そろそろこのゲームのルールが分かったかい?」とウィリー。

自ら右手に重りを巻きながらフレッドは「まぁ、大体は。それと軍曹が強いのも…」と不敵に

答える。既に対戦相手がこのゲームの熟練者なのを悟ったのだ。

(今までのところ、俺が先に動いたらカウンターを合わせきてる。ならこっちもカウンター狙い

で…)とフレッドが仕掛けずに間合いを取っていると、ステップを踏みながら上体をゆらゆら

動かしていたハヤトが突然、視界から消えた。

(な!?)次の瞬間、フレッドは脇腹に衝撃を感じた。「勝負あり!」中隊長が宣言する。

 

「驚いた…。まるで催眠術ってのにかかったみたいだ」フレッドは対戦相手の少年に握手を

求めながら素直に感心していた。見かけとはかけ離れた戦闘スキルに驚いた様子だ。

「いやぁ、僕だって同級生のアムロ軍曹にせめてこれでは勝ちたくって色々と工夫してたんで…。

でも、勝てないんですよねぇ」と背後に立つ癖毛の少年に視線を向けて苦笑するハヤト。

(これより強いってどんだけだよ…)とフレッドが癖毛の顔を見た瞬間、また光の帯が

断続的に飛ぶ宇宙のビジョンが見えた。癖毛、アムロ軍曹の強さが理解ではなく感じ取れた

気がした。

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クリストバル・ラザフォード少尉は『ディアーナの矢』作戦に参加していた巡洋艦

『カラカル』から『カンプグルッペ・キマイラ』に転属することとなった。

できれば愛機リック・ザクと共に転属したかったが、先方では既に新型機MS-09を用意している

とのことで、身一つで移動することになった。

 

「ウチからキマイラに選抜されたのはクリス、お前一人だ。いわば代表選手だからな、

ソロモンでの活躍に期待してるぞ」と中隊長ロイ・グリンウッド少佐から激励され、

クリス、クリストバルは面映ゆかったが「足を引っ張らないだけの働きはしてみせたいですがね」

とキャップを被った頭をかきながら答えた。

アイパッチを付けた少佐は「敵は俺の左目を取っていったジムとかいう新型をソロモンに大量投入

するだろう。ドムといえど舐めてかかるな、クリス。生きて帰ってこいよ」

「生きて帰ってきたら国で隊長のお嬢さん達と一度お茶でも…」とクリス

「嫁にはやらんからな」と大真面目な顔で返すグリンウッド少佐。

「知らない奴よりいいと思うんですがねぇ…」とクリス。

 

ジーメンス・ウィルヘッド大尉は連絡艇の隣席に座るエメ・ディプロム中尉が腕を絡めてきたり、

耳に息を吹きかけてきたりするのに辟易した顔で「エメ、少し遠慮してくれないか。移動中も

軍務なんだから」と恋人に抗議するが、彼女は「だって、MSのコックピットにいたらこんなこと

出来ないじゃない」と耳を貸す気は無いようであった。

「俺達はこれから突撃機動軍を代表してソロモンへ援軍として向かうんだ。君は攻撃軍の連中に

『機動軍はたるんでる』と言われても平気なのか?」とジーメンス。

「あ~、そういうこと言いそうよね、ガトー大尉とか。言わせとけばいいじゃない?

一度模擬戦でもやれば黙るわよ」とエメ。キマイラに選抜された腕は伊達ではない。中尉は

自らと恋人の技量に絶大な自信を持っていた。

「実戦じゃ私も小隊を任されるんでしょう?あなたの側にいられないからせめて移動の時ぐらい

ベタベタしてもいいじゃない…」と恋人に潤んだ瞳で言われるとジーメンスも弱い。

「分かった。『キマイラ』に着いたらわきまえてくれよ」と言うしかなかった。

(中隊を一つ任せてくれるそうだが、09への転換訓練やら、フォーメーションやらどこまで

練れるものか…)と実戦までに慣熟訓練が終わるのか心配になった。

 

機動巡洋艦『キマイラ』は第1中隊を編成するMS-09 ドム9機と直掩機のこちらもドム3機、

MA-05ビグロ3機を搭載し、暗礁宙域での演習を行っていた。

そのドムの1機、赤と黒、ワンポイントに黄色という塗装で頭に指揮官機を示すブレード

アンテナを立てたMS-09が三つ目のMS-09の肩に腕を置いている。

「重MSドムはどんな具合だジャコ?」三つ目のドムは狙撃仕様としてビームバズーカの砲身が

長く、口径が小さい物を装備している。

「このビームバズーカはなかなか具合がいいぜ。取り回しは連邦の光線銃の方がいいだろうが、

機体のセンサーと上手くリンクしてるんで、連邦の狙撃機と撃ち合いになっても負ける気は

しねぇな。そっちの方はどうなんだよ、ジョニー?」

「おうよ。ビームバズーカは取り回しが悪いが、それでもビームが撃てるってのはでかい。

突撃銃もどこから手に入れたか、弾が劣化ウランになってるしな」とジョニー、新型機の火力

に満足しているようだ。

「なんでもビルのバラストに使ってたのを徴発してきたらしいぜ」と事情通のジャコ。

コロニーのビルは地下にバラストを設置している。これなしでは、自転による横向きの力で

最悪倒れてしまう。

 

「あと、背中のスラスターが強化されてるがいい。あっちこっち飛び回って味方をカバーする

仕様って訳だな」ライデン機は背中に小型のランドセルを背負っている。このランドセルは可動式

でスラスターの噴射角を変えることができた。プロトタイプYMS-09に装備されていたが、量産型

では省かれていたのをライデンが乗る指揮官型MS-09Sでは再び取り付けたのだ。

スラスター合計推力は量産型の80トンに対し88トンを実現している。

 

「あとは、ビームサーベルさえあればなぁ。連邦のジムのとか鹵獲できないのかね」とジョニー。

ドムは劇中同様棒状のヒートサーベルを白兵戦兵装として装備している。

ジャコは「そうだな。背中に長い棒背負ってるとジャマなんで、俺のは取っ払っちまってヒート

ホーク腰に付けてるが。なんでもビームライフルよりビームサーベルの方が技術的なハードル

は高いらしい。連邦だって実用化したのはつい最近だしな。それより、話は変わるがビグロに

乗ってるガキ二人の仲が悪いのは支障が出かねんぞ。あいつらお前の言うことなら聞くんだから

なんとかしろよ」と第3小隊長。

青いビグロに乗るユーマ・ライトニング軍曹と赤と黄色のビグロに乗るイングリッド・ゼロ伍長

がことあるごとに衝突し、諍いを起こしているのを危惧しているのだ。

MA小隊長ブル中尉がその度制止しようとするが、自身も男子のいる父親であるせいか子供には

甘くあまり強く出れないでいた。二人の諍いはジョニーの取り合いから始まっているから

原因の方がなんとかしろ、と言っているのだ。

 

「あいつらのはじゃれ合いじゃないのか?」ジョニーはあまり深刻には考えていないようだが、

ジャコは「お前なぁ、ニュータイプのメンタリティとか知れたもんじゃないぞ。アイツら本当に

憎しみ合ってるかもしれんだろうが。俺はとばっちりでビグロに撃たれるのは御免こうむるぜ」

と相棒に異を唱えた。「心配性だなぁ。フェロー少佐に言わせるとイングリッドもユーマも精神

強化措置を受けてないからいきなり味方撃ちするようなことは無いそうだぜ」とジョニー。

「あの医官さんか。お前あの手のタイプ好きだよな」とジャコ。彼は強化人間と共に総帥府から

赴任してきた医官、エイシア・フェロー少佐を総帥府から送られてきたスパイと思っていた。

エイシアが知的でグラマラスな女性好みの相棒の性癖にマッチしているのもハニートラップ

てやつだろう、と思わせる原因だった。

「何言ってんだジャコてめえ、俺が色香にとち狂ってるとでも?」と冗談交じりにジョニーが

返すと「そうじゃないことを祈ってるよ」とジャコ。

「アタシの進路ふさぐんじゃないわよ!バカユーマ!」

「テメエが勝手に俺のケツについてるんじゃねぇか!バカ女!」

2機のコックピットにはビグロに乗る二人の怒鳴り合いが流れていた。

「ブルに言って、せめてオープン回線で怒鳴り合うのは止めさせねぇとなぁ」

ジョニー・ライデンは肩を竦めた。

 

機動巡『マダガスカル』を母艦とするガイア、マッシュ、オルテガの特務小隊『黒い三連星』

も別の宙域でで演習を行っていた。MS第三中隊ドム9機に彼らの編み出した新戦術

『JSA(ジェットストリームアタック)Ver.2』をレクチャーしていたのだ。

ガイア少佐の「いいか。新しいJSAは3機で敵を囲うように飛ぶんだ。まずはビームバズーカを

拡散モードにして敵の目を潰す」次いでマッシュ大尉が「目を潰された敵を狙い撃つ」最後にオ

ルテガ大尉が「それでも生きたら、叩いて潰す!」とロケット大ナタを振り回した。

「この一連の動きを0.5秒以内に出来るようにする」とガイア。

まぁ、ロケット大鉈は俺にしか扱えんからお前らは棒きれで頑張れや」とオルテガ。

 

チェスター大尉が指揮する第3中隊のドム9機が3つのトリオを組んでJSAを試みるが、

特務小隊のようにはいかない。シミュレーションで再現できても新型機MS-09は日々細かい

仕様変更がなされており、実機では勝手が違った。

「やり直しだ。第3小隊2番機、動きが遅いぞ。3番機のカバーはいい」ガイアは熱心に

コーチしている。彼らの宿願を果たすには「弾除け」たる第3中隊の技量を練る必要があった。

 

マダガスカルに帰投し、演習の講評をガイアがした後、第3中隊長チェスター大尉は黒い三連星

の面々に「実際のところ、ウチは実戦で使い物になりますかね?」と不躾に尋ねてきた。

MS搭乗員一期生である大尉は3人とは古くからの馴染みであり、ガイアの指名で第3中隊長に

就任した経緯があり、気楽に話せる間柄だった。

「JSAは間に合わんだろうな」とガイア。「実戦でJSA使わんでも自分らには奥の手がある、

と思うだけでも随分と違うもんだよ」とマッシュ。「俺たちだって血がにじむような苦労して

磨いてきたからな」とオルテガ。

 

「MA隊ですが、どうです?注文通り弾幕の中に突っ込める命知らず共を揃えましたが」

チェスターはガイア達の要望でMAの搭乗員に勇敢というより頭のネジが外れたような者を

選抜していた。彼らは「黒い三連星」を敵艦隊を指揮するであろうレビルの旗艦まで最短距離で

運ぶ役割を与えられた。当然敵の対空砲火を避けてはいられない。

「中々にぶっとんだ連中でいいぜ。指揮するヴィスコンティもいい感じにネジが外れてる」

ガイアはにやりと笑う。「しかし、ビグロの加速は凄いな。不意を突かれると首を痛める」

とマッシュが苦笑いする。「ドムを吊り下げるアームの強度が保つか心配でな。他人の操縦

で運ばれるのはヒヤヒヤするぜ」とオルテガ。ドム3機を運ぶビグロは接合部として機体底部に

アームを取り付けていた。実戦では当然に回避機動を取りながら飛行するのでオルテガは回避機動

のGでそのアームがへし折れないか心配だったのだ。

「正直整備部の連中もグラナダ重工の言うことを信じちゃいないようで、最悪放り出されるのも

覚悟してください、とのことです」チェスターは肩を竦めて言う。

「全部間に合わせなのだな。連邦は万全の準備で攻めてくるだろうに」マッシュは泥縄で

準備された『カンプグルッペ・キマイラ』に対して愚痴を言うと、ガイアは「なんであれ、

俺達のやる事は決まってる。レビルの旗艦を沈める、これだけだ」彼ら3人を含むマダガスカル隊

はただレビル将軍の乗艦を撃沈する、という戦術目標を達成する為に組織された部隊であった。

 

ハーディ・シュタイナー大尉は指揮する『ゲイラヴォル』中隊9機の機種転換訓練を行っていた。

第2小隊長のカミンスキー中尉、第3小隊長のストロース少尉、本部小隊のガルシア軍曹が乗る

ドムがシュタイナー機に接近し、近距離回線を開くとカミンスキーが「中々の仕上がりでしょ?

だいぶシゴキましたからな」と訓練の成果が上がっているのを指揮官に報告する。

シュタイナーは「実戦に出せるレベルではある。皆、『ディアーナの矢』作戦でスコアを挙げて

来た連中だからな。ただ、我々は敵の精鋭部隊に当てられる事を考えると訓練は出来るだけして

おかんとな」と訓練を続行する意向を示した。

「女衒野郎に功名を献上するのはシャクですがね」とストロース。「女衒野郎」とは母艦の

ムサイ級『ゲイラヴォル』艦長キリング中佐のことだ。グラナダでNT能力を持った売春婦を

捕獲した功績で巡洋艦を与えられたキリングを配下の兵たちは「女衒野郎」とアダ名して

見下していた。本人は旗艦キマイラの随伴艦を任されたことで張り切っていたが。

 

「指揮官としては少々嫌味が多いくらいでおかしなことも言わんし、まぁマシな艦長だな」

とカミンスキー。ガルシアは「なんか月で捕まえた若い女を囲ってるそうですぜ。

艦橋務めやってる奴から聞きました」と艦長のゴシップを公開する。

「貴様ら、指揮官批判も大概にしておけ」とシュタイナーは釘を刺した。

彼自身もキリングが『カンプグルッペ・キマイラ』の参謀長ケルビン大佐に心酔しているのを

危惧してはいたのだが。

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== サイド7 、7バンチ 13独戦司令部

 

「クロエ・クローチェです…」13独戦の13人目のパイロットはそう自分を紹介した。

ゲーツ・キャパは少女を見るなり「お前、クロエか?生きたのか…」と驚いていた。

ウィリー・ケンプは(この子の境遇はチャーリー少佐から聞いていたが、かなり酷い実験を

されてきたようだな。にも関わらず実戦部隊に配属されるってことはここが一番安全、後方だと

かえって危険ってことか)と考えていた。警備部隊を率いるダグザとはさらなる打ち合わせが

必要になりそうだ。

 

「リリー・シェリーナです」「イース・シェリーナ」新任のオペレーターが自己紹介すると

レヴァン・フウは心底驚いた顔で「なぜ、お前達がここにいるのだ…」と妹達に問うた。

「連邦軍の制服可愛いじゃない。着たかったんだ」とリリー、「私達が志願してジャブロー

にいる子達はおやつが一品増えた」とイース。

レヴァンは「お前達を戦火から遠ざける為に私は軍人になったのに、なぜ分かってくれないのか」

と妹達をさらに詰問するが、チャーリー少佐が割って入った。

 

「彼女たちも君を守りたいんだよ。君が彼女たちを守りたいように」少佐は統合参謀本部から来た

二人の准尉から志願理由を聞いていたので、リリーとイースを弁護した。

「私達はいつまでも守られる子供じゃないのよ」とリリー。

「私が起きてればレヴァンの役に立てる。治療して貰って起きてられる時間増えたし」とイース。

「お陰で能力はだいぶ落ちちゃったけど、アステロイド要塞の中覗くくらい訳ないわよ」

とリリー。「ゴップ閣下は私の気持ちをご存知の筈、なぜ二人を寄越したのか…」とレヴァン。

 

「ゴップ大将にお願いしに行ったらオランウータンみたいな軍人さんが口を利いてくれたのよ」

とリリー。「クリフ准将か…。あの方は我々を兵器として見ている。とんでもない人物に

口利きを頼んだものだ」とレヴァン。

「確かにクリフ准将はニュータイプ能力をそう捉えているようだが、ゴップ閣下は如何に准将の

弁舌を持ってしても言いくるめられはしない。それよりオーガスタの被検者であった

クロエ・クローチェ同様能力が明確化している彼女たちをここで守るために寄越したと思うのだ」

とチャーリー。「ジャブローより安全な場所があるのでしょうか?」と不審げなレヴァンに

「君は知らなくていけない。危険なのはジオンだけではないんだ。むしろ連邦軍の中にこそ

君たちにとっての『敵』がいる」とチャーリー。

 

 

「で、『グレイヴ』の正体は掴めたのかね?」私は目の前の男、トラヴィス・カークランドに

聞いてみた。男は肩を竦めながら「まだ分かってませんが、幽霊の輪郭程度は見えてきましたよ」

と答えた。「頼むよ。君を救うためにいろんな所に頭を下げたんだから」ジオンへ内通の疑いを

かけられたカークランドを私は救い出し、新しいIDを用意してグレイヴ、連邦軍でなおも強化人間

プロジェクトを極秘裏に進めている人物ないし組織の内偵を行わせている。ドリス・ブラント と

マーヴィン・ヘリオットも同様に救い出し捜査チームに加えた。

「やっこさん、実験機材やら薬剤やらを手に入れるのにだいぶ無理してましてね。ダークウェブに

店を出してるサイトのお得意さんらしくてそこからボンヤリとですが、輪郭が見えてきました」

これはダイバーことブラントの成果だろうな。

 

「そこで、閣下にお願いがあるんですがね…」とカークランドが切り出してきたので

「モーゼス博士だね?」と私。クルスト・モーゼスを餌にグレイヴを釣ろうというのだ。

「ええ、既に軍内SNSに複数のIDで閣下から伺ったモーゼス博士の『業績』について書き込んで

まして、やっこさんが食いつくのも時間の問題かと」とカークランド。

「君、よくも連邦軍大将の前でSNSをハッキングした話をできるね」と呆れ顔の私に

「俺だって普通の、いや凡百の将軍の目の前じゃ言いませんよ。閣下には感謝してるし、

尊敬だってしてるんですよ」とカークランド。危険なクラッカーであるブラントや反連邦勢力に

手製爆弾を売りつけていたヘリオットに恩赦を出した私を評価してくれたようだ。

「分かった。クルスト・モーゼス博士の警備を緩めて奴が接触しやすくする。監視については

続行する。これでいいかね?」とカークランドに「これでグレイヴの正体を掴めるんだろうな?」

と念を押した。

「任せてください!ご期待に沿ってみせますよ」とインチキ商品を売りつける詐欺師のような

いい笑顔のカークランドに(この表情でだいぶ損してる男だな…)と思った。紆余曲折を経てきた

せいかとにかく胡散臭い。堅気でない感満載だ。

「で、息子さんの行方は分かったのかね?」と私は世間話のつもりで聞いてみた。

一転、カークランドは真剣な表情になり「月で従軍してるのは分かったんですがね…」

と呟く。ヴィンセント・グライスナーはこの世界でも突撃機動軍にいるようだ。

「見つかるといいな」と私、父親の気持ちは分かるつもりだ。

「俺に似て生き汚いといいんですがね…」とカークランド。

 

 

クロエ・クローチェ伍長はクレア中尉の指揮する第2小隊に加わることになり、RX-78試作8号機

に搭乗することになった。第2小隊にいたウモン・サモンは第3小隊でRX-79Lに搭乗することに

なった。あまり射撃が上手くなく狙撃型では戦果を挙げられない、とボヤいていたウモンは

高機動型を与えられ張り切っていた。

 

クロエ伍長は如何なる理由かリリーとイース、シェリーナ姉妹と容易に感応することができ、

彼女を通じてリリーの透視能力を発揮することができた。

おそらくクロエを強化したオーガスタ研の残党はシェリーナ姉妹の研究データを流用していたの

では、というのがアルヴィースとバルトの見立てだった。二人はレヴァン達強化人間の健康管理

のために派遣されているのだが、ナイン・バルトはレヴァンの能力に驚愕すると同時に大喜びして

アルヴィースの顔をしかめさせた。なお、ローレン・ナカモトはアルヴィースの赴任を知ると

転属願いを出した。前職のニュータイプ研究所での人間関係が最悪だったらしい。

転属願いは受理され、現在は統合参謀本部に所属している。

 

「まいったな。14の小娘にも勝てやしないのか…」フレッド・リーバーは乗機であるRX-79軽量型

RX-79Pピクシーのコックピットで独りごちた。演習で真っ先に8号機に撃墜されたのだった。

「NTの凄さが分かったか?曹長」近距離通信が繋がっていたのか指揮官機RX-78FAから通信が

入った。クロエは主治医でもあるアルヴィースからMSの搭乗時間が制限を加えられており、

恒例の模擬戦ができず今日の演習で初めてその実力を示したのだった。

 

「嫌と言うほど分かりましたよ。いきなりビームが飛んできて撃墜判定ですからね…」

今日の演習はクロエとシェリーナ姉妹との連携の検証も兼ねており、リリーの指示でクロエは

射撃を行っていた。

その威力は凄まじく、演習相手の本部小隊、第3小隊ともアムロ以外全機が撃墜されていた。

RX-78の索敵範囲の遥か先からの狙撃にカイなど「ずっけーよ!」と思わず叫んだ程だ。

ただ、アムロには観測射撃が上手くいかずリリーは(レヴァンが介入した?いや、あの子の

能力だ。私達の透視をジャミングしてる?)と戦慄を覚えた。

クロエは強化の結果か、勝っても負けても感情を表に出さない。

ナイン・バルトはNT戦を観測できてほくほく顔になり、アルヴィースの顔をしかめさせた。

 

「クロエ!体、痛いとこないか?頭は痛くないか?」ゲーツ・キャパは帰投すると真っ先にRX-78

8号機の前に飛んでいきコックピットから出てきたクロエを気遣った。

クロエは顔見知りのゲーツに「うん、大丈夫だよ」と返すが、かなり消耗した様子だ。

すると同僚のアリシア軍曹が寄ってきて「クロエ、水分取って」とボトルを渡した。

そしてゲーツに「アンタねぇ、心配する素振りするなら何か持ってきなさいよ。ホント、男って

気がきかないんだから!」と責めた。

「うるせよよAA(マイナーリーガー)!」「マイナーリーガー言うな!」と口喧嘩を始める部下達を

眺めながら(なんだか保母になった気分だわ…)と思うクレア・キルマー中尉だった。

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「アイスラ少尉だったか?伝令ご苦労。シャア少佐はどんな指令を受けている?」

フーバー・アイスラ少尉は将官、コンスコン少将と対面しても不思議と落ち着いていた。

シャア少佐の圧に対してコンスコンは労うような物言いでずっと話しやすい、と感じたからだ。

「少佐は閣下の艦隊を支援せよ、との指令を受けております。支援の具体的な内容に関しては

閣下の指示を仰ぐように、とのことです」と、ファルメル戦隊に下された指令を述べた。

コンスコン艦隊はソロモンを出発して以来通信管制が引かれており、事情が分からなかったのだ。

 

「要するに丸投げ、ということか…。黙って見ておけ、と言える程こちらも戦力に余裕がある訳

ではないしな。巡洋艦3隻と『赤い彗星』、アテにさせて貰う」とコンスコン。

実際のところ、彼自身はドズル肝いりで実施されたこの作戦に批判的だった。

(新型とはいえ。精々が中隊規模のMSで何ができる)と思っている。翻ってこちらは巡戦チベ改

と軽巡5隻の艦隊、MSも旗艦である『レッドバイカウントⅡ』にはMS-09を12機積んでいる。

軽巡5隻の艦載機を含めればこちらはMS大隊規模の戦力であり負けるはずがなかった。

とはいえ、連邦も新型機の研究施設に警備艦艇を配備していない訳もなく、艦隊戦になるだろう。

その際にシャアのファルメル戦隊が敵の横腹を突いてくれればさらに勝率が上がるだろう。

 

(しかし、問題は敵の艦艇を破った後だな。月面条約でコロニーは砲撃できぬし、MSの火器で

直接コロニーを攻撃もできん。陸戦隊を侵入させMSを奪取する、という作戦が必要になるな)

コンスコン、というよりジオン軍は月面条約の「コロニーを攻撃してはならない」という条文の

解釈が厳格であった。コロニー国家としてはそう解釈せざるを得なかった。

(しかし、これほどの戦力を遠征に出す程の戦果が見込めるものか…)

コンスコンはあくまで負ける気がしなかった。




なんとか3月中に投稿できました。
今日は競馬場がメンテ中なので、一気に仕上げてしましました。

『カンプグルッペ・キマイラ』ですが、突撃機動軍のオールスターという布陣に
なっております。

サブタイである、13独戦最後のメンバーはクロエ・クローチェとリリーとイーリスの
シェリーナ姉妹でした。
果たしてゲーツ君の初恋は行方はどうなるのでしょう。

最後に登場しフラグを着々と建設するコンスコン少将ですが、果たしてどうなる
でしょうか、ご期待ください。
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