アラン・アダムス、三代目メイジン・カワグチことユウキ・タツヤの盟友でもあったガンプラ
ビルダー、「~トライ」ではガンダム学園の教師にしてチームの監督だった。
彼が「僕の(たちが)考えたモビルスーツ」を発表するメンバーなのか。
アダムスは自己紹介すると前世はシンガポール人でガンプラ世界大会で入賞したことも
あった、と少しはにかみながら語った。リアルでもガンプラビルダーだったか。
そして、ホロ・プレゼンアプリを立ち上げると「ゴップ閣下が仰るとおり、母艦の戦力を
左右するのは艦載機です。我々はRX計画と並行する形で現状2種類のモビルスーツと
新型攻撃機を開発しております」と話し始めた。
RX計画を推進するんじゃなくて並行してMSを開発するのかぁ…
もしかするとRX計画より前から進められてるプロジェクトかもしれない。
「こちらをご覧ください」アダムスがホロ動画を流し始める。
モビルスーツらしき人型の機械が宇宙空間を飛んでいる。
なんか各所にジオンっぽ意匠が認められる。もしかして…
「これ、ジオンのモビルスーツをコピーしたの?」
アダムスは悪びれる様子もなく、「その通りです。基本はジオニック内部の同志より入手した
YMS-03ヴァッフの設計データをコピーした機体です。形式番号をBM-01といいます、
BMはBattle Manipulator の略で、作業用の機体にとりあえず武装を施した、とジオン側に
誤認させるのがねらいです」
ヴァッフのコピーかぁ。でも、ところどころ違うところがあるようだ。
「動力パイプがあちこちからはみ出してるね」
ここでアダムスがにかっと歯を見せ「よくお気づきになられましたね。BM-01はジオンが
未だ開発中のMS-04のデータも反映されているのです。
流体パルスシステムもMS-04とほぼ同じ物です。動力パイプが外装されているのもMS-04の
設計を模倣したからです。さらにはMS-06で採用されるであろう構造材に反応炉の排熱を流す
システムを採用し、稼働時間はMS-05以前のジオンMSを上回ると思われます」
堂々と他人の仕事をパクったと胸を張るアラン君、私がちょっとジト目になったのを気が
ついたのか「我々には『人類の半数を救う』という大義があります。BM-01は79年の1月3日
までに1機でも多くMSを用意するために最も効率的なソリューションです」と、
営業さんみたいなことを言った。
そういや、「ジョニー・ライデンの帰還」でアナハイムの次長さんがMSの部品の検証には数ヶ月
かかる、と言ってったっけ。ジオニックの検証データも併せて手に入れていれているのだろう、
カンニングができる訳だ。なにせ私たちにとって時間がなにより貴重だ。とにかく手っ取り早く
MSを手に入れる手段として模倣はベストだろう。
「しかしBM-01はただのMS-03クローンではありません。特に装甲の面では実戦型MS-04に勝る
とさえ言えます。連邦には複合装甲のノウハウが蓄積されていますから」
複合装甲っていうのは鉄板なりチタンの板でセラミックスとか樹脂をサンドイッチにした
装甲板だね。高い強度をほこり、現実の戦車でも鉄板に換算すると厚さ1メートルを
越える装甲強度を持つそうで。こっちには旧世紀からのノウハウがあるっていうのは大きい。
「さらに、使用する火器についても我が方が優位です」動画ではBM-01が銃を撃っている。
大きさはともかく形は連邦軍が採用しているアサルトライフル、色々とオプションを
付けられるレールとかいうのが付いてる、に似ている。
「ヤシマ重工のYS-77アサルトライフルです。艦艇の100mmCIWSと弾薬を共用化しており、
特にAPFSDS弾頭は侵徹体に劣化ウラニウムを採用し、ジオンの同規模の火砲と貫徹力に
大きな差がある、と考えています」
APFSDSっていうのは金属製のダーツみたいなの(侵徹体)をぶつけて敵の装甲を撃ち抜く
砲弾だ。そらこっちには旧世紀から貯めに貯めた劣化ウランが売るほどあるしねぇ、
売らないけど。
「また、YS-77のレーザーサイトは艦艇の対MSミサイルの誘導にも使えます。
火力はジオンMSに数倍する、と言っても過言ではありません」
拳銃型のレーザー照準器が最強の銃って聞いたことあるなぁ。目標に向けると空から爆弾
落ちてくる、とか。
動画が切り替わり、こんどは大砲らしき物を抱えて撃ってる。
「155mmロングライフルCSV-77です。155mm口径ですが、61式戦車とは弾薬の
互換性はありません。セミオートマチックライフルで、敵指揮官機や敵艦のブリッジを
狙撃する用途に用いられます。その他、対艦装備として各種ロケットランチャーや
ミサイルランチャーを装備が可能です」
仁王立ちするBM-01の前に兵装がズラっとならんでるホロ画像で一旦プレゼンは終了したようだ。
「さっきの動画はCGじゃなくて実機を撮影したものに見えたが、既に試作機があるのだね?」
と、アダムスに尋ねると
BM-01は既に増加試作機が9機存在し、ルナツーと月面で評価試験が行われ今年の夏には制式化の
見込みです。閣下にお願いしたいのは…」
「この機体の量産の根回しと生産に必要な物資の手当て、あとは人の手配ってところだろうか、
MSパイロットはガンキャノンからの転換組だけじゃとても間に合わないし」
他人の「ぼくが考えたモビルスーツ」の量産と戦力化に必要なあれこれを調達する、とか一番
面倒で面白くないとこを任せるって訳だねぇ。しょうがないね、名目上とはいえリーダー
だもんね。でも、もっと早く前世思い出してたら仕様決定とかにも参加できたんだろうか。
「それと閣下にはこの機体のペットネームの命名をお願いしたいのですが…」と佐藤さん。
ペットネームっていうのは愛称で、RX-78のペットネームがガンダムってとこです。
「バムでいいんじゃないだろうか。B,A,Mでバム。Battle Armored Manipulatorの略で」
バム、量産機っぽい。量産MSはカタカナ二文字だよねぇ、アルファベットだと三文字
だけど。
佐藤さんも手を叩いて「いいですな!」と言ってる。おそらく内輪でもこんな感じで
呼ばれてた気がする。
私が名付け親っておそらく彼の気遣いだろう。伊達に3回目の人生送ってる訳ではなさそうだ。
するとアダムスが別のプレゼンデータを開いて「続いてBM-01の後継機BM-02をご覧に
いれます」ああ、そういや2種類開発してるって最初に言ってたね。
すると、今度は明らかにCGなホロ画像が現れた。これって…
「ハイ・モック?」アダムスが出演してたビルドファイターズトライのNPC MSに似ている。
相違点といえば、機体各所のジャバラ部分が無くなり、頭にモノアイレール(上下左右)が存在し、
動力パイプを外装してるところだろうか。
「この機体もまた、79年1月3日 D-dayに間に合わせなければなりませんので、外装は極力
単純化を図っています。また、チタン・セラミック複合装甲は加工に手間がかかるため
装甲材はハイパースチールです。形状の単純化で強度の向上と軽量化を実現しました」
だよねぇ、まさしく人の命がかかってる機体だからカッコよさとか二の次だよね。
それにチタンは加工大変だしねぇ、この辺りは前世で経験してた。
「この機体最大の特長はその武装にあります」アダムスが続ける、すると今度は実写と思しき
動画が流れた。資源惑星、ルナツーだろうか、の表面に大砲が据えてある。
次の瞬間、砲口からまばゆい閃光が溢れ、光の奔流が標的として置かれたガンタンクを貫く!
これは!?
「そうです、我々はついにビームライフルを実用化したのです!」とアダムスが胸を張る。
「ただし、出力の面ではRX-78計画で開発中のボーワ社製のものにくらべるとだいぶ劣ります。
しかしながら想定されるMS-06の装甲を貫徹するには十分な出力を実現しています」
ザクを2機まとめて撃ち抜いちゃうような威力はないけど、1機撃破するには十分ってことか。
ビーム兵器はいいね、狙いがつけば命中するし、宇宙でも拡散して減衰してくれるから実弾
みたいなデブリ事故もなさそうだし。
「ビームサーベルについては未だ技術的な課題が多く、本機はヒートマチェットを装備します。
電熱部がヒートナタより大きくなっています。反応炉の改良で使用が可能となりました」
動画ではモックが山刀みたいなのを振り回してる。うん、雑魚っぽい。
「これら以外にもYS-77をはじめとするバム用の装備が使用可能です。衛星要塞戦などでは
至近距離での撃ち合いが多発しますから発射速度の早い実弾兵器が威力を発揮するでしょう」
「待望のビーム兵器装備機だけど、開発の進み具合はどうなのかな?」
すると佐藤さんが「やはりエネルギーCAPの実用化に手間取っていまして、ロールアウトは
来年の春になるかと」う~ん、残り半年ちょっとで正規艦隊の艦載機全部を02にするのは
難しいかもしれんなぁ。
「02の開発スケジュールに支障がない範囲でバムの改良をしてほしい。
たとえば、ザク・スナイパーみたいなジェネレータ外装式のビーム兵器の搭載とか。
必要なヒト・モノ・カネはなんとかしよう」前世で一度は言ってみたかったけど、
一度も言わずじまいの「ヒト・モノ・カネはなんとかしよう」を言ってしまった。
「お任せください、バムの改良についてはいくつかプランがございます」と、佐藤さん。
アダムスがまた新しいプレゼンデータを開く、新型攻撃機と言ってたなぁ、コア
ブースターっぽい宇宙戦闘機だろうか?
しかし、部屋中央に浮かび上がったホログラムは…銀英伝のワルキューレ?
旧OVA版銀英伝の帝国軍宇宙戦闘機そっくりの姿だった。
「ウッディ中尉のプレゼンで触れた新型攻撃機がこれです。
GW-01ワルキューレ、と仮称されています。
実はこの機体、AMBAC機動はできません。開発当初は機体に積める容積でAMBAC可能な
出力のアクチュエーターもモーターもありませんでしたので…
ただし、元ネタ通りにスラスターは可動しますので推進ベクトルの変更は可能です。
これによって現行のセイバーフィッシュ、トマホークに比べ格段に高い運動性能を実現
しています」
プレゼン画像によると可動スラスターが正位置だと全長25m、スラスターを前に回すと
40mだそうだ。まさにモビルアーマーサイズだ。
「武装は機体下部のウェポンターミナルにエネルギーCAP式のメガ粒子砲を搭載しています。
機体が大きいのでサイズの制限がゆるく、また反応炉を2発積んでますので出力に余裕があり、
ビームライフルより先に実用化できました。また、機体中央上下のユニットをハードポイント
として運用が可能です」双発機か、そうすると調達や維持に金がかかるんだろうなぁ。
「また、GW-01はその推力を生かしてMSのSFSとしても運用可能です。外付けの推進剤タンクも
使えますので。機体中央上下に2機ドッキングするか、牽引であれば4機1個小隊を運べます」
MSの航続距離を伸ばせるのはありがたい。実戦ではザクの行動半径の外から長駆して敵艦隊を
襲撃するのが可能なら現場の指揮官にできることが増える。
「さらに、高出力を生かし大型のセンサーを搭載していますので偵察能力も非常に高い機体です」
偵察の重要性は言うまでもないが、実戦では何より先に毒ガス部隊を発見、撃滅することが
求められる。アシが長く大推力で敵の迎撃を振り切れる偵察機は必須といえるかもしれない。
「我に追いつくザクはなし」とかカッコいいよね。
すると佐藤さんが「GW-01は調達コストはともかく、技術的にはハードルが低いので、既に
増加試作機が16機存在し、現在ルナツーでトマホーク艦攻から転換訓練を行っております。
MSより転換は楽なようで同志以外のパイロットも乗りこなせているようですな」と
プロジェクトの進捗を語ってくれた。
脚とか腕とか生えてるのよりスラスターが動くくらいの方が乗り易いのかな。
他派閥の人に一番売り込みやすいのがワルキューレなのかもしれないなぁ。
なにせ宇宙船のカッコしてるし、メガ粒子砲積んだ攻撃機、というのは旧世紀の対艦ミサイル艇の
ような補助戦力として有効、と考えてくれるかも。
とりあえず、自分の派閥のメンバーで試してみよう。
アダムス大尉(今、階級章に気がついた)のプレゼンが終わると私は佐藤さんにこう聞いた。
「ところで、RX計画に対するV作戦のようなプロジェクト全体の呼称はあるんですか?」と。
彼はまたサムズアップしながらこう答えた「レスキューからとってR作戦と我々は呼称しております」
R作戦、いいじゃないですか。さて、これからしばらくはアポ取りと膝突き合わせての
ネゴだなぁ。
ウッディやアダムスのプレゼンをまとめて他派閥の将軍や提督にネゴする時に使える
プロモーション動画を作ってもらおう。
相談する相手に合わせて細部を少しづつ変えたものを。
ジオン迎撃の準備は整った!(整ってない)
ガンダム二次創作の華、オリジナルMSが2機種、オリジナルMAが登場しました。
模造品と、かんたんMS、元ネタほぼそのまま、のラインナップですが。
大本命のRX-78以外は間に合わせの機体でD day:UC.0079 1/3をしのぐ、
というのが秘密結社ガンダム・センチュリーの方針です。
バムのオリジナルがYMS-03ヴァッフなのは物語の舞台がUC.0077だからです。
「THE ORIGIN」だと、連邦軍がMS-04の動画見るのがUC.0078でした。
おそらく物語の時点(0077 5月)だとMS-04の実機は完成してないかもしれません。
まぁ、ゴップがジャブローに引っ越そう、と言うのも0078なんですけど。
あんな大要塞に引っ越すのが数ヶ月では終わらないだろうと思い0077時点で
ジャブロー移転を果たしてる設定にしました。