・徐庶居たのかよ!?
・恋姫無双を割りとマジで無双ゲーで出して欲しい
・細かい事は気にしないでください(弱気
「敵将討ち取ったぜ!」
孫策と劉ヨウの軍勢が激突する戦場。
仮にも総大将であるはずの孫伯符は、今日もいつも通りに見た目トンファーみたいだがトンファーじゃない武器を振り回して最前線を突破していた。
相手はモブばかり。加えて孫策側は謎の双子出産ブームの影響で無双な武将が分裂している。
もはや戦いは一方的な蹂躙というか殺戮というか、いじめカッコ悪い状態になっていた。
「あれが孫策殿……なるほど噂に違わぬお人のようだ」
そして劉ヨウ側の数少ない無双な武将である太史慈は、圧倒的不利な中でなお勝機を求め足掻いていた。
「我が名は太史慈! 孫策殿に一騎討ちを申し込む!」
そして混迷の戦場の中で高らかにそれを告げた。
普通に考えれば乗ってこない。圧倒的に有利なのは孫策軍であり、総大将を危険に晒す意味もない。
だがあの男ならば断らない。太史慈は敵である伯符をそう信頼した。
「太史慈か。面白いやつだな。よし、おまえが勝ったら兵は退いてやる」
(やはり)
期待通りに応えた伯符に、太史慈は意識せず笑みを浮かべていた。
勝機を見出だしたからではない。この面白い男と戦える。それが嬉しかったのだ。
「……参る!」
気が昂る。体の調子は万全だ。今ならば最高の戦いができるだろう。
逸る意識を抑えながら、太史慈は決闘の場へと向かう。
そして現れたのは――
「はーい、お待たせー!」
――魅惑の肢体を際どい衣装で包んだ褐色美人だった。
「……孫策殿?」
「何?」
「いえ、貴女ではなく」
紛らわしい。というか何故に女の方の孫策(雪蓮)が来ているのか。
自分は確かに男(伯符)に決闘を申し込んだはずだがと、太史慈は半ば現実逃避しながら考える。
「だって伯符ばっかりずるいじゃない。だからちょーっと話し合いをして……ね」
嘘だ。顔を付き合わせたばかりの太史慈でもそう思った。
よく見てみれば、雪蓮の剣には真新しい血がついている上に、体温が上がっているのか汗ばんでいる。
まさか決闘の前に身内で一戦やらかしたのだろうか。どんだけ血の気が多いのだろうか孫家は。
「まあ良いじゃないの。あなたが勝ったら兵を退くって約束は守るんだから」
「いや……まあ……良いのだろうか?」
そして始まる一騎討ち。
調子を狂わされた太史慈は最初フルボッコされたが、吹っ飛ばされた先にあった肉まんをダイナミック喫食して何とか引き分けに持ち込むのだった。
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「伝国の玉璽か」
国を左右する重要アイテムなはずなのに、井戸からホイホイ出てきちゃったそれを見て、孫呉の面々はどうしたものかと頭を悩ませた。
「……私は袁術に渡すべきだと思う」
「ええ!? ちょっとそりゃ勿体なくねぇか公瑾?」
公瑾の提案に、伯符が驚いて聞き返す。
すると兄の思惑を読んだのか、冥琳が「なるほど」と呟く。
「ちょっと、兄妹で納得しないで説明してよ冥琳」
「なに、あの袁術の事だ。玉璽を得れば増長し、間違いなく皇帝を自称するだろう。そうなれば我々も動きやすくなるという話だ」
「おお、流石だな公瑾」
冥琳の説明を聞き、素直に称賛する伯符。しかし一方冥琳は、何やら難しい顔で考え込んでいる。
「しかしだ公瑾。袁術ごときに玉璽を使うのはどうかと想うぞ」
「確かに袁術は愚物だが、袁家の力は馬鹿にできな……」
「やつには蜂蜜だけ与えれば十分だ」
「なるほ……いや待て冥琳。いくら袁術でも、嗜好品のために下手をうつとは考えられん」
一瞬納得したが、常識的に考えてありえないと否定する公瑾。それに冥琳はニヤリと笑って返す。
「ならやるだけやってみせよう」
「……やるだけやってみるがいい」
実際にやってみた。
「袁術殿。蜂蜜を献上に参った!」
「おおっ!? 蜂蜜がいっぱいなのじゃ!?」
「しかしながら蜂蜜を集めるにも運ぶにも人手が足りず……もう少し手勢を集める許しがあれば、もっと蜂蜜を献上できるのだが……」
「ならば集めよ! この世の蜂蜜全てをかき集めるのじゃ!」
「とまあそういうわけで、袁術から独立するための兵は集まっ……どうした公瑾?」
「……冥琳。私は己の知謀に自信が無くなってきた」
「考えたら負けだ」
自身の常識を疑う公瑾に対して、冥琳はあくまでクールに対応するのだった。(何かを諦めたとも言う
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「……ねえ仲謀」
「……何だ蓮華」
「この世界は間違ってると思うのは私だけかしら?」
「……兄上はまだマシなのだが」
「……兄様はまだマシなのよね」
孫権兄妹。仲謀と蓮華は、濃すぎる身内に日々精神を磨耗させていた。
「逆に兄様や姉様くらいじゃないと、うちの人間はまとまらないと思うの」
「確かに……真面目一辺倒な私たちでは、あの集団は抑えきれまい」
「ねえ仲謀」
「何だ蓮華」
「尚香の代わりに玄徳殿に嫁ぎたいのだけど」
「……逃がさんぞ! 私にアレを押し付ける気か!?」
「良いじゃない! 貴方は姉様顔負けな巨乳美人とイチャコラしながら呉を治めなさい!?」
「止めないのか幼平?」
「……俺は孫権様を信じる」
「……まああれも息抜きか」
仲良く喧嘩する孫権兄妹を、お守り役である周泰(兄)と甘寧(妹)は生暖かく見守っていた。
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「玄徳様と結婚?」
孫家の末姫孫尚香は、姉である蓮華の言葉に呆気にとられたように目を瞬かせた。
「嫌なの? 嫌なら代わりにわた……」
「嫌なわけないじゃない! ありがとう権姉様!」
「……そう。良かったわね」
政略結婚を持ち込んだのに何故か大喜びされ、野望を挫かれた蓮華は対称的にテンションが下がった。
まあ玄徳は誠実な男であるし、周囲の人間も妹の桃香を初めとして善良な者ばかりだ。
既に子息が居るのは気になるが、大丈夫だ。問題ない。
「大丈夫じゃない。問題よ!」
しかし話がまとまった所に、長女雪蓮乱入。
「生きていたのですか姉様」
「蓮華酷い!?」
「策姉様生きてたの!?」
「尚香まで!?」
そんな雪蓮に冷たい視線を向ける蓮華と、本気で驚いている尚香。
妹たちからの扱いの悪さに雪蓮ちょっと涙目である。
「え? で、でも策兄様は呪いで……」
「大丈夫よ尚香。フラグ次第で生き残るから」
「フラグって何!?」
「それで、何が問題なのですか姉様?」
メタ発言をしといて尚香の問いはスルーな蓮華(やさぐれ気味)
そんな蓮華に若干引きながら雪蓮は言う。
「玄徳と尚香の結婚よ。幾らなんでも歳が離れすぎじゃない」
「成人していれば大した問題ではないでしょう。むしろ公瑾と小喬の方が見た目問題です」
「それは私も思ったけど……」
何故か槍玉にあげられた男周公瑾。妹の冥琳や主の雪蓮といった女傑の相手に疲れ、ロリに走ったとか周囲で囁かれているが真実は定かでない。
「と、とにかく玄徳と尚香では歳が離れすぎよ!」
「ではどうしろと」
「簡単よ」
胡乱な目を向ける蓮華に、雪蓮は揺れる胸を張り言った。
「私の方が玄徳と歳が近いわ!」
近いと言っても、実際には十以上離れているの気にしない方向らしい。
ついでに玄徳と尚香だと何歳差になるのかとかは気にしてはいけない。こまけぇこたぁいいんだよ!
「見なさい尚香。女とは婚期を逃すとあれほど醜くなるものなのよ」
「ええ。権姉様も早く好い人見つけてね」
「酷!?」
妹たちからの扱いの悪さに雪蓮再び涙目。そしてやさぐれている時の蓮華は容赦がないという新事実に戦慄するのであった。