私の兄者がこんなに強いはずがない   作:ガタガタ震えて立向う

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・今更ですが、この作品のタイトルは無双5で初めて劉備を使ったときの作者の感想です
・転載話なので最後の加筆部分以外は一刀さんは未登場
・未登場が美登場と変換されて美しい人が頭をよぎった
・こまけぇこたぁいいんだよ!




虎牢関に張角が居て「!?」てなった

 

 黄巾の乱。太平道の教祖である張角が、自らの信徒を率い起こした反乱。

 最初民を救うために始まったはずのその乱は、次第に統制を失い救うはずの民を苦しめる暴虐へと姿を変えていた。

 故に漢王室及び大将軍何進は黄巾の討伐を宣言。多くの群雄がこれに従い、黄巾党討伐へと乗り出した。

 そしてその中には劉玄徳と劉桃香。そして二人の義弟妹たちも加わっていた。

 

「お、お助けくだせえ!」

「むっ! 待っていろ、今助ける!」

 

 黄巾討伐の最中、民が襲われているのを見つけると、玄徳は躊躇う事無く彼らを助けるために奔走を始めた。

 

「お兄ちゃーん! こっちにも襲われてる人が!」

「拙者が参ります。姉者! あまり一人で動かれますな!」

「もう、雲長くんは心配しすぎだよ。翼徳くんや鈴鈴ちゃんの方が一人でつっこみすぎてて危ないよ?」

「あの二人は賊程度に遅れは取りますまい」

 

 当然妹の桃香や義弟妹の関羽兄妹と張飛兄妹もこれを支援し、無事民たちは守られるのだった。

 

「よし、では黄巾の本陣へ突入するぞ!」

 

 そして民を守り抜きながらも黄巾の本陣へと一番乗りを果たす劉備兄妹。しかしそこで彼らが見たものは、信じられない光景だった。

 

「みんなー! 来てくれてありがとう!」

「数え役満☆姉妹のライブが始まるよー!」

 

 謎の大舞台の上で、これまた謎の光を浴びながら歌い始める張三姉妹。周囲に集まっている黄巾たちは快哉をあげ、さながらアイドルに夢中になるファンと言うか、まんまアイドルとファン集団だった。

 

「……何だこれは」

「あ、数え役満☆姉妹だ」

「知っているのか桃香!?」

 

 ライブというかコンサートと言うか、ともかく時代設定を間違えてるとしか思えない光景に、玄徳は驚愕するが桃香は何故か知っていたらしい。

 歌が始まると結構ノリノリで聞き入ってしまった。張飛兄妹は最初からノリノリで聞いていたが。

 

「張宝よ!『さび』に向けての準備は万端か!?」

「お任せください兄上!」

 

 そして張三兄妹は、妖術を駆使して光を出したり煙を出したり火花を出したりして、全力でライブの演出を行っていた。

 

「……そなたが張角か?」

「いかにも。あいや、待たれよお客人。まもなく『くらいまっくす』に入るため、我ら力を尽くして――」

「あ、兄上! わ、私の力及ばず、このままでは『ふぃなーれ』の花火を上げられませぬ!」

「なんと!? 張梁よ! 死力を振絞るのだ! 天和たちの、妹たちのため! 何としてもこの『らいぶ』を成功させねば!」

 

「……何だこれは」

「うーん、裏方も大変なんだね」

「いや、そうではなくてだな」

 

 もう何が何だか分からない玄徳と、何故か普通に感心している桃香。

 結局ライブが終わるまで待つ辺り、お人好しな人間だった。

 

 

 劉備らの活躍により黄巾の乱は収束。しかし劉備は張角を斬らなかった。

 ――暴威を捨て、心をもって民を支えよ。

 劉備が告げた言葉。それに深く感銘した張角は、劉備の志を支える決意をしたのだった。

 

「なんと!? 反董卓連合とな!?」

 

 暴政を敷く董卓。大陸に吹き荒れる新たな暴威を排すため、袁紹及び曹操が立役者となり発せられた檄文。

 その檄文は、劉備の言に従い大陸を流浪していた張角の耳にも入っていた。

 

「何を驚いてるの? 私たちには、もうそういうの関係ないでしょ?」

「何を言う人和!? 世を乱す悪逆、許しておけるわけがなかろう!?」

「だから、劉備さんたちに暴を捨てろと言われた私たちには何も……」

「その劉備である!」

 

 一人ヒートアップする長兄に呆れながら付き合っていた人和だったが、何がきっかけだったのかさらに盛り上がる張角。

 悪い人では無い、むしろ本質的には良い人なのだが、この暴走癖は治らないだろうか。そう人和は遠い目をしながら思う。

 

「民を思い憂うあの男の事。董卓などという蒼天の獣を放置できようはずがない!」

「なるほど、すると劉備らは間違いなく反董卓連合に参加するでしょう」

「しかし彼らは小勢。そこで我々の出番となるのですね!」

 

 張角の意を汲み取り、何やら盛り上がり始める張宝と張梁。民を慰撫しているときより明らかに生き生きしている。

 何でうちの男共は、こう変な方向にノリがいいのだろうか。そのノリの良さを、もっと平和的な方向に向けられないのだろうかと、人和は溜息をはく。

 

「うーん、つまりまた人を集めればいいんだよね♪」

「よーし、ちぃもがんばっちゃうよ!」

 

 そしてこっちもノリノリだった姉二人。

 ごめん玄徳さん。桃香さん。こいつら絶対迷惑かける。

 そう遠くないであろう未来を予見した人和は、ここには居ない恩人に向かって合掌した。

 

 

「というわけで援軍に来たよ!」

「……何が『というわけ』なのかは分からぬが、助力感謝する」

 

 突如反董卓連合に参加してきた黄巾軍。というか数え役満☆姉妹のファン集団。

 アイドルおっかけ集団と侮る無かれ。彼らは元は民であり装備も貧弱だが、既に実戦を経験し、しかも士気がわけわからんくらい高いという中々優秀な戦闘集団なのだ。

 しかもそんな連中が、天和、地和(消極的ながらも人和)姉妹たちがはりきったせいで、全盛期の黄巾党もかくやというレベルで集まっている。

 

「あれは……劉備殿指揮下の兵か」

「何という大軍だ。義勇軍と聞いたが、兵力は袁紹殿や袁術殿の軍に匹敵するのでは無いか?」

「流石は劉氏の末裔ということか」

「……」

 

 そしてその黄巾たちを見て、内実を知らない諸侯は自称漢王室の末裔でしかない劉備をえらい過大評価し始めていた。

 戦いは数だよアニキ!

 

 ――桃香。このままだと次の戦場辺りでIFルートに突入しそうなのだが。

 ――アハハ。お兄ちゃんそれちょっとメタ発言だよ。

 

 糧食とかどうすんだ。そんなつっこみすらできず、劉備兄妹は虚ろな目で笑うしかなかった。

 

 

「ここが劉備の陣か」

 

 諸侯の顔合わせも終わり今後の方針も決まり各人が己が陣地に戻った頃。劉備たちは何故か曹操兄妹たちの訪問を受けていた。

 

「これは、曹操殿。このような所に如何なご用でしょうか?」

「そう慌てるものじゃ無いわよ玄徳。でもそうね、用件は単刀直入に言わせてもらおうかしら」

 

 言いながら、視線を関羽兄妹。特に愛紗に向ける華琳。そのいろんな意味で危険な視線に、愛紗は後退り兄の巨体に隠れる。

 

「そこの関羽兄妹を私の……」

「お義兄さん。わしに愛紗さんをください!」

 

 話している華琳を遮り、突然叫ぶ孟徳。

 土下座だった。元譲が現実逃避し、土下座に定評がある日本人な一刀すら思わず見惚れるほど見事な土下座だった。

 

「って、アンタ土下座しちゃ駄目だろ立場的に!?」

「ふっ、この曹孟徳。目的のためならば手段は選ばん!」

「選んでくれ!? 頼むから!?」

 

 一刀のつっこみに対し、土下座したまま冷静に切り返す孟徳。

 実はちょっと曹操に会うのを楽しみにしていた一刀だが、凄まじい勢いで乱世の奸雄のイメージが崩壊している。

 

「孟徳。ぬけがけかしら」

「何を言う華琳。ぬけがけも何も、女であるおぬしは愛紗に求婚などできまい」

「ハッ。貴方の低俗な欲と私の崇高な愛はまったく次元の違うものなのよ」

「オイ、孟徳も華琳も落ち着……」

「ふっ、実りのない愛など確かに毛ほどの価値もあるまい」

 

 痛む頭と胃を押さえながら仲裁に入る元譲。しかし曹操兄妹は止まる所かさらに過熱していく。

 

「……どうやら死にたいようね孟徳」

「丁度良い。そなたに絡め取られた花を奪い返すとしよう」

「……(ブチッ」

 

 ――その時、歴史が壊れた。

 

「迷惑をかけた。コイツらは連れて帰る」

『――お疲れ様です』

 

 主二人を両腕で絞め落としたまま引き摺っていく元譲。その異様な光景を、一刀たちは労い、ただ深々と頭を下げて見送るしかなかった。

 




 落書き

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 さすが双子だけあって並べると似てますね(棒
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