私の兄者がこんなに強いはずがない   作:ガタガタ震えて立向う

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・戦国無双×戦極姫という無茶ぶりをされたが戦極姫はやったことないでござる
・課金ガチャを回した俺は負け組
・こまけぇこたぁいいんだ。もういいんだよ。



元譲、それドロップやない。目玉や

 

「義弟だと?」

 

 手合わせが終わり休憩をとっている最中、元譲は今は客将となっている愛紗の言葉に思わず聞き返した。

 

「ああ。曹操殿たちの客人として扱われているのだが、元譲殿はまだ会ったことは無かっただろうか?」

「いや、会ったことはあるが……」

 

 義兄たちとは違い、線は細く頼りない風貌の青年だったと記憶している。

 孟徳や華琳相手に鋭い弁舌をふるっていたあたりを見るに頭は回るようだったが、とりたてて元譲の興味をひくような男では無かったはずだ。

 

「私や兄者もそう頻繁に会いにはいけなので心配で、元譲殿に気遣ってもらえれば私も安心できるのだが」

「……ああ」

 

 何故に己がそんなことをと思う前に、愛紗の頼みならと快諾しそうになったのに気付き、元譲はそれを悟られぬようわざと渋面を作り答える。

 絆されている。いつかは敵となる人間に。

 それに気付き、さらに重荷となるであろう頼みを聞いてしまったの何故か。

 

「……俺も孟徳や華琳のことは言えんな」

 

 極論すれば、こんな感情は曹操兄妹のそれと同じ“趣味”だ。

 まあたまには良かろうと一人納得し、元譲が愛紗の義弟である一刀の部屋へと赴くと――

 

「この全身精液男! 本当に頭に味噌がつまってるか疑いたくなる程の学習能力の為さね! アンタなんて便所虫以下の価値しかないんだからわきまえなさいよ!?」

「すいませんすいませんすいませんすいませんすいません!?」

 

 ――そこには平身低頭し謝り続ける一刀と、その一刀の頭を踏みつける猫耳フードな筆頭軍師の姿が。

 

「……」

 

 どうしてそうなった。

 そんなつっこみもできず元譲は胃を押さえて壁に身を預けた。

 

 

 旬イク。字は桂花。

 若くして王佐の才があるとされた程の政治家であり、曹操の覇業を支えた重臣の一人である。

 最近双子の兄が居るとか居ないとか噂されるが、本人が男嫌いなため真相は定かではない。というか定かになったときには作者多忙につき更新停止である。

 

 ……ハハッ☆

 

「何をやっている旬イク!?」

「ひっ!? ……な、何よなまくらじゃない。脅かさないでよ!?」

 

 突然の怒声に一瞬怯んだ桂花だったが、相手が元譲だと分かるとすぐに開き直り文句を言う。

 

 ちなみに「なまくら」とは元譲のことだったりする。

 以前元譲が戦の動きについて悩んでいると

「ハァ? アンタが悩んだって私が片手間に考えた策以上のものすら浮かぶわけ無いじゃない。無駄に頭を使ってないで動きなさいよ。倉から出さない剣なんてなまくら程度の価値も無いわよ」

 と有難い言葉をもらった事に由来する。

 

 そのあまりな言いぐさに当然ぶちギレそうになった元譲だったが「俺は妹とは違う。クールだ。クールになれ」と自己暗示をかけ何とかしのいだ。

 ついでに考えなしに突っ込む彼の妹への罵声を鑑みるに、桂花の言はダブルスタンダートにも程があるのだが、それを言ったら倍返し所か十倍くらいになって返ってきそうなので自重した。

 

「えーと、落ち着いてくれ元譲さん。俺が悪いんだ。桂花が男嫌いだって分かってたのにうっかり躓いて肩を触っちゃって……」

「……」

 

 それは何も悪くない。

 一刀自身も言いながらそう思ったのか、徐々に声が小さくなっていく。

 

「……それにしてもだ、仮にも主の客人相手におまえの暴挙はなんだ!?」

「だ、だって華琳様が!?」

 

 ――一刀? ああ、あの子は誉めても叩いても伸びるみたいだから、桂花は何の遠慮もせずに叩きのめしなさい。誉めるのは稟あたりがやるでしょうし。

 

「って言ってたんだもの!」

「……」

「……」

 

 華琳なら言う。間違いなく言う。

 そう確信した一刀と元譲は、無言で壁に手をつくと胃を押さえながら項垂れた。

 

 未来の蜀の皇帝の義弟と魏の腹心。

 本来敵である二人の間に妙な連帯感が生まれた瞬間であった。

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