私の兄者がこんなに強いはずがない   作:ガタガタ震えて立向う

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・分かりやすさを優先するため、原作で姓名呼びのキャラは字呼びに変えています。
 例:諸葛亮と鳳統のお互いの呼び名
・諸葛亮と鳳統も無茶を承知で兄妹設定
・しばらくは蜀ルート。思い付きで書いているので、ネタが出たら他の陣営も書きます
・こまけぇこたぁいいんだよ!!



軍師=ビーム あるいは放火魔

 

「朱里。軍師というものは、時に非道と罵られる策をも実行しなければなりません」

「……はい」

 

 諸葛孔明。臥竜と呼ばれた不世出の天才は、己が半身である妹諸葛朱里に語りかける。

 

「清濁合わせ飲むのが主のあるべき姿。しかし我らが仕える玄徳様と桃香様は仁の道を行くお方。その手が罪に汚れる事はあってはなりません」

 

 例えば曹操ならば、覇道を成すため、必要とあらば自ら汚名をかぶるだろう。

 だが劉備たちは違う。彼らは民の希望であり、理想でなければならない。

 その道に汚れはいらない。ならば軍師がとる道は一つ。

 

「軍師である我らが、お二人に代わって罪汚れを浴びねばなりません。それは仲間に蔑まれ、もしかしたら主にすら疎まれるかもしれない道です。

 ですが私たちは劉備様たちに賭けた。ならば躊躇うことがあってはなりません」

「わかりひた!」

 

 決意の言葉を噛む朱里。

 あんまりな失態に顔を赤くするが、兄である孔明は優しく微笑んだ。

 決意は本物。未熟な所も多いが、これならば大丈夫だろう。

 そう確信し、孔明は己の小さな妹を誇りに思う。

 

 

「……孔明。朱里とうちの雛里のことなんだがね」

「どうしたのです」

「一部の兵士から『はわわ軍師』たの『あわわ軍師』だのと呼ばれているらしくてね。ふぁんくらぶとやらができるくらいの人気だそうだよ」

「……」

「……」

「……士元」

「なにかね?」

「汚れ役は任せました」

「あんたもやるんだよ」

 

 

「兄様。私も兄様のように戦場でたたかいたいでしゅ!」

「……」

 

 突然の妹の発言に、孔明は見た目冷静、内心で脳内緊急会議を行っていた。

 それなりの体格な男の自分ならともかく、発育不良で幼女にしか見えない朱里が戦場に?

 認められない。仮に劉備がそんなことを命じたならば、孔明は反旗を翻すだろう。

 水魚の交わりがどうした。即座に沸騰して魚など茹で殺してくれる。

 

「……良いでしょう。ならば私が軍師の戦いをお教えします」

「本当でしゅか!?」

 

 しかしあっさりと孔明は了承した。

 これには反対されると思っていた朱里も驚く。

 そんな朱里に孔明は自分の予備の扇を渡すと、見晴らしの良い場所へと誘う。

 

「さて……ではまずあの岩にビームを撃ってください」

「無理です」

 

 いきなり無理難題を言い出す孔明に、朱里は珍しく噛まずに即答した。

 それは軍師の戦い方ではない。もっと別の何かだ。

 

「ああ、いきなりチャージ攻撃は難しすぎましたね。では扇から風圧を放って相手が怯んだ所で雷を……」

「無理です」

 

 再び即答。

 ああ、うちのお兄ちゃん非常識人だった。

 そう朱里は判断し教えをこうのは諦める。

 

 しかし後日、魏の高笑い軍師や親戚がビームを撃つのを見て、軍師はビームが撃てて当たり前なのかと悩むことになる。

 

「あの……周瑜さんはビーム撃てますか?」

「……何を言っているのだ君は」

「そ、そうですよね。撃てませんよね」

「扇を装備すれば誰でも撃てるだろう」

「!?」

 

 

「あの……お兄ちゃん」

「おや、どうしたんだい雛里?」

「私も……お兄ちゃんみたいに戦いたい」

(……朱里といい桃香様といい、何でこの子たちは戦いたがるんだろうね)

 

 それはきっとお兄ちゃんと一緒に居たいからです。

 

「……駄目ですか?」

「……いや、教えてあげたいのは山々なんだかね。雛里にこの杖が持てるかい?」

 

 そう言って手にした杖を雛里に渡す。

 雛里はそれをおっかなびっくり受け取ったが、鳳統が手を放した瞬間、支えを失った杖の先がぐるんぐるんと不安定に動き回る。

 

「きゃう!?」

 

 小さな雛里はそれを必死に押さえていたが、とうとう支えきれず、杖に引きずられるように転んでしまった。

 

「うう……重い」

 

 幸い怪我は無かったようだが、杖を支えきれなかったのがショックだったのか、涙目になってしまう雛里。

 

――孔明。

――何ですか士元?

――妹ってのは可愛いねぇ。

――ええ。ですがうちの妹の方がもっと可愛いです。

 

 蜀の軍師は割りとダメダメだった。

 

 

「ちぇっ、兄者も姉者も諸葛亮にばっか構いすぎだぜ」

 

 劉備兄妹の義弟である張翼徳。彼は最近軍師として仲間になった諸葛亮兄妹を嫌っていた。

 己が武に自信を持つが故に、前線で剣を持つわけでもなくただ口先で戦場を動かす軍師が気にくわないというのもある。

 しかしそれ以上に気にくわないのは、劉備――特に玄徳が諸葛亮をいたく気に入り、連日部屋にこもり話ばかりしている事だ。

「仕方あるまい。私にとって諸葛亮を得たのは、魚が水を得たようなものだ」

 

 文句を言った翼徳に玄徳はそう返した。

 俗に言う「水魚の交わり」だが、翼徳にはそんなことは本当にどうでも良かった。

 

「ったく気分がわりぃ。……ん? おめぇは諸葛亮の妹の方じゃねぇか」

「あ……、こ、こんにちは翼徳さん」

 

 翼徳が声をかければ、朱里はその小さな身をさらに萎縮させながら応えた。

 

「まったく、おめぇみたいな嬢ちゃんが軍師ねえ。ガキのうちはもっと遊んどかなきゃ損だぜ」

「わ、私はこれでも成人してまひゅ!」

「なん……だと?」

 翼徳(ロリコン)

 朱里(合法ロリ)

 

 今ここに出会ってはならない二人が……あれ、合法だから問題ないのか?

 ……。

 

 ――その日、運命に出会った。

 

 後日、戦場で翼徳が謎の長距離狙撃ビームを受け敗走するも、犯人は分からず仕舞いだったという。

 

「……やりますね司馬懿」

「シレッと無理矢理過ぎる濡れ衣着せた!?」

 

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