やは? むぅ。
む?
お客さんには今更いらぬと思ひしなりて、さしているから自己紹介。
しててしてして本日快晴ぽかぽか日和にございましてはお出かけ日和。
なのになぜ故ニコルと留守番任されリゴレーヌ?
いずこと師様は御師様しさま、先日預けし装備を受け取り貰いにお出掛けなりて、置いてかれ。
御師様曰くわくわく稀には離れろ話されて。ノンわくわく。
わくノンわくわく曰くわく。
何故なぜ故ゆえ何故なぜぜ?
それは謎とも呼ばれず何故ならば、吾を拾いし頃よりひとりの時間は少なく慣れろと言いたい恐らくたりや、たぶんそう。いえ絶対。うん。
前の以前のこの前の、御師様帰りが遅くて不安を見せたりぞやそれ原因か。それ原因か。
心配に心配返して心配されるとは、うむむむ見くびられたりたられたり。
りたれらたりたれ、見くびられ。む!
さては帰りに酒場に寄りてのお酒飲み。昨日に話を振ったが間違いか!
不安に駆られたりは向かったその場所恐ろしなりて、近づく即ち危険に近づく故に故ゆえなりとていうに。
あの場あの場所あの現場、思い出すのも恐ろしい。
「帰りは少し遅くなるかもと言ってましたし、それまで何してましょうか」
「なれば! 昨日の再公演となりましょう!」
「昨日の?」
そう!
取り出したりぞは木の劇場。裏路地いた頃作ってそのまま、ついに日の目を見たりの小劇場。
人形ひとつ、人形ふたつ、みっつよっつのいつむっつ。
手作りですよ? 廃材アート!
廃棄の木材、廃棄の布地、汚れし物とて継ぎはぎパッチのパッチパチ!
小物なりぞはごまかしききて。いえいえごまかしあまり褒められ事ではならぬ。
けれど現在変えあらず。お金を貯めて道化の帽子を手に入れるまでの辛抱!
「さーささ始まりなりぞは前編続き、中編いえいえまだもう少し。
覚えておやりの前回それは、石壁の中の少女がおりまし才ありあまし、父に才能嫉妬され!」
演技は台本なぞって喋って動かし簡単なれど、手を抜く事を許さぬは吾のプライド。
客人ひとりと席あれば、全力尽くすが道化なり!
短い公演なられどなれど、手順のひとつに誤り無くし。
短い公演ならればゆえに、記憶に残らう演技を見せよう。
「──続きはまた次御師様共に、進行ペースは合わせて進行」
「本当に、凄いですね……」
んふふふふ! 褒められた!
おひねり以上に喜び上がるはお褒めの挨拶!
注目さるれる声の声! 声掛かりなるは目に見えての形!
声が目に見える? 音見える? そう!
形に残らずしも記憶に残らるは即ち記録、取り出し不可ぞて自身で楽しむ不足なし、記憶笑い!
「ありがとうござい、ましたぁー」
頭を垂れて一礼ひれふし。
感謝の言葉はお客さんあっての事。声掛けらるるは当たり前と思うなかれ。
相手が誰とも関係なしに、公演を見てくれた、聞いてくれた、記憶に残してくれた、そして感動してくれた。
そのものへの感謝
「超小規模な風魔法で動かして……いやそれだと発動の……」
舞台を片付け正面向けば、ニコルは何か細々呟きなりぞや。
ふふふふ、種も仕掛けもござりにますが、そうやすやすとは見破れまいて。
多少の基礎は教えとも、深入り特権教えぬリゴレーヌ。
まま、説明したとて吾以外使えるとも思えぬがな! むっはっはー!
吾の才を過信過剰の自信にあらじも、ただでは習得できぬぞ我が奇術。道化の道は千里なり。
「それにしてもリゴレーヌさんのそのお話、何か元があるのですか?」
「これはなんとまとある少女の話実話。その少女とは? さてさて続きをご待望」
「ははは、楽しみにしてます」
「楽しみさるるばこちらも身が入りよう!」
ようが身もこちらも入りさるるば楽しみご待望!
ふんす!
「……それにしても、マックスさん遅いですね」
装備の受け取りのみなれば往復に時間もかからぬよろうと?
ニコルも御師様に似て少し鈍き。どこにおるのか探すまでも無きき。
「どこかに寄るとか話してました?」
「いえいえなんとなし」
迎えに上がるなればできますが、そっとす時も偶には必要。
でしょう? そっとす。
人と人とは繊細繋がり息抜き偶に、アイーダ姉ねも酒は飲む。絡み酒。すごくよわい。
「心配不必要なられば過剰はなしです。御師様押し押し苦手にゃも」
「にゃも? ……マックスさんが干渉を嫌っているのは確かですけど。お夕飯どうしましょうか」
「それならちょっとま聞いてみましょう。聞いてきて」
「え」
「少し席を外します。なり」
断り入れての席を立ち、席外し。
家の扉を開いてばばん! そこは御師様の居る酒場! からんころーんと扉が開きます。扉を開けます。
公演の数は減りぞてここにはよく来る裏路地の。愛想の良き良きおひねりご飯の客さん。
御師様ちゃんとそこにいました。傍わに、装備を置いて、酒一杯。ゴーシチゴ。
「リゴレーヌか。……どうしてわかった」
「何となくです何となく? 寄るとこここしか心当たりなく。こここここ」
「そんな遅くはしないが、もう迎えか?」
「いえいえ我らニコルとリゴレーヌ、食事はどうと聞きたくて」
「ああ。すまん、決めてなかったな。そしたら悪いが適当に済ませてくれるか。金が足りないなら渡す」
「ふむんふむむむ、その通りに。不具合があらればまたきます。ではではおややすおやすのおやすみなさい!」
踵を返してくるりんぱぱぱ、視線の追っかけあっては移動もできぬ。
しかし吾はどんななりても道化師本業。得意の瞬間移動はそれしきにて止めらるると思うか?
否否否、いなななな。もっと目のある舞台になりても絶対成功リゴレーヌ!
「わん、つー、わぉーん!」
ぱんっと手を叩いで猫だまし。ぴかりぴか。
一瞬視界の逸れた今、消えます消えます吾は消えます。
これこそ得意の瞬間移動、消えて現れここにいる!
「ばあっ」
「──うわぁあ!?」
出た先その場所ニコルの背中。
またまた扉を潜りて出てくると思い? いえいえ後ろの正面やってきました。
それより夕食適当にしろとお言葉賜り承知仕る。
「適当に、ですか。うーん……」
「適当なりとてどうとも言えぬ? 御師様急に物申す。けれどお忘れ仕方あるまし」
「そしたらボクの孤児院に来てみますか? ひとり分の食事が増えた位大丈夫ですよ」
「ほほう! ニコルのお家!」