紅魔異変が終わりを告げて数日後、博麗神社で宴会が行なわれていた
宴会に来たのは霊夢と魔理沙。そして紅魔館のメンバー他、妖精や妖怪たちが酒を飲んだり食事をしたりして楽しんでいた
「もっと酒を持って来~い!」
「魔理沙、あんた飲み過ぎじゃない?」
「そんな事ないんだぜ!」
「私も霊夢の言う通りだわ」
「何だよ、レミリア~お前まで、そんな事言うのか~?」
「酒臭いから近づくな!十分酔っ払ってるじゃない!」
「この程度で根を上げる魔理沙さんじゃないぜ!」
魔理沙はレミリアに寄り掛かる。レミリアは魔理沙を押し退けて飲み続ける。クイクイ!不意に誰かが霊夢の服を引っ張った
「霊夢」
「あら、フランじゃない。どうしたの?」
「さっくんは?」
フランはきょろきょろとあたりを見てさくらを探していた。フランにとってさくらは初めてできた友達であり大切な存在であったのだ
「(さくらなら神社の中よ……)」
「どうして外に出してあげないの?」
「まだ時期じゃないのよ」
「?」
霊夢の言葉にフランは首をかしげる。霊夢はさくらに外出を許したのだが、まだ公に息子であるさくらの存在を教える気はまだなかった。それは何か考えがあってのことだろうがその考えは霊夢でしか知らない。
「フランには分からないだろうから、さくらに会いに行きなさい。あの子も会いたがってると思うわ」
「うん、有り難う!」
タタタ!と音を立ててフランは神社の中へと入ったその様子を見たレミリアと霊夢レミリアが最初に口を開いた
「あの子、本当に変わったわ」
「その様ね」
「えぇ、私が500年掛けても出来なかった事を貴方の息子がやってくれた」
「余り大きな声で喋らないで頂戴ね」
「分かっているわ。フランを助けてくれた家族に、無粋な真似はしたくないわ。それにいずれはフランの婿にでも迎えたいと思っているしね」
「何を言っているのレミリア。あの子はあげないわよ」
「あらそう?もしかして私たちが吸血鬼だから神社の巫女としてダメってことかしら?じゃあ、咲夜はどうかしら?人間だしいい奥さんになるわよ」
「あのメイドはダメよ。この前もさくらに会うなり桜の唇にキスしようとしていたじゃない。あのメイドとの結婚なんて私は絶対に許せないわ」
「あの時は霊夢が顔面めり込みパンチをしていたわね。昔ボクシングでもしていたのって言うくらいのすごいパンチだったわ」
「私の息子にいきなりキスしようとしたんだもの。そのくらい当然よ」
そう、実はあの異変後、霊夢が桜とともに神社へ帰る時見送りに来た咲夜が桜に口づけをしようとしたのを見た霊夢は咲夜の顔面にめり込みパンチを食らわし、吹っ飛ばされた咲夜は壁に衝突し大穴をあけたことがあった。それ以来霊夢は咲夜のことを警戒はしているのだが、さくらは咲夜を姉のように慕っているため、少し複雑な感情を抱いてたりもした
「まあ、いいわ。まだあの子は子供。時間はまだ少しだけあるわ」
「どういう意味よそれ・・・・」
とワイングラスをゆっくりと回すレミリアに霊夢は少し呆れた顔をするのであった
部屋の少し奥。
さくらは夕食を食べ終えた後、縁側で夜空を眺めていた。
「奇麗だな・・・・・・」
そうぽつりとつぶやいた。元居た世界ではこんな景色を見ることは決してなかった。いつもは暗い狭い部屋の中窓は戸でふさがれ明かりなんかは一切入ってこない。そしてご飯なんかはもらえないあるとすれば・・・・・
『なんでお前のような奴がここにいるんだよ!!』
『あんたなんて死んじゃえばいいのよ!!』
両親に憂さ晴らしに痛めつけられる地獄のような毎日だった。凍えるような寒さ。極限の空腹・・・そして体の激しい痛みが経常襲っていた。
だがここに来てからそんなことはなかった。そして今まるで宝石をちりばめたようなきれいな夜空を見ることができた。
そう思ってくると少し涙が出てきた。
其処にタイミング良く、フランがやって来た
「さっくん~!」
「フーちゃん!?」
「そうだよ~」
「あ、今日宴会だったね」
「うん、ところでさっ君。泣いてるの?」
「え?」
「だって涙の痕があるよ?」
「何でもないよ?ちょっと夜空を見てたら少し感動したから・・・」
「夜空?・・・・うわぁほんとだ奇麗~」
と、フランはさくらの隣に座り一緒に星空を見た。フランもずっと地下にいたためこのような夜空を見て感動していた
「所でフーちゃんは、どうして此処に来たの?お酒とか美味しいものは向こうにあるでしょ?」
「そういうのは館で食べてるから良いの!今はさっ君と話していたいから」
「ふーちゃん・・・・・」
さくらは嬉しく思った。一人だった自分にフランがやってきてくれたことに。そしてフランもさくらと星を眺めてこう思った
「(ずっと、さっ君とこの夜空を見られたらいいな・・・・・)」
フランはそう思っていた。だが自分は吸血鬼。さくらは人間。人間の寿命は永遠に近い寿命を持つ吸血鬼にとっては短すぎる命。さくらと一緒にいるのも彼女にとってはあっという間の出来事だろう。大事な友達が自分を置いて先に逝ってしまう。それがどれだけ悲しいかフランは想像しただけで悲しくなった
そんな思いをするのなら・・・・・
「どうしたの。ふーちゃん?」
そんな表情を見たさくらが心配そうにフランに訊くとフランは
「ねえ・・・・さっ君」
「うん」
「私は吸血鬼、さっ君は人間じゃない」
「うん。そうだよ。そして僕とふーちゃんは友達じゃない」
「そう・・・・でもそれでいいの?」
「え?」
「私、吸血鬼だし‥‥やっぱりさっ君は私なんかより人間の友達の方が・・・・」
「そんなの関係ないよ」
「え?」
「人間だろうと吸血鬼だろうとふーちゃんはふーちゃんだよ。ふーちゃんが何かなんて関係ないよ。ふーちゃんは僕の大切な友達なんだから」
「さっくん・・・・」
ニコッと笑うさくらにフランは心の底に何か別の感情が生まれた。友達とは違う何か別の温かい物。絶対に壊しちゃいけない感情が彼女の心の中に生まれたのだ
するとさくらは両肩をに身を寄せ震える
「さっ君?寒いの?」
「う、うん…ちょっと風が寒いかな?」
「じゃあ・・・・えい!」
と、フランはさくらに抱き着いた
「え?ふーちゃん?」
「こうすれば暖かいでしょ?・・・・こうして一緒に星空を見よう」
「うん!」
二人の影が一つになり、二人は抱き合いながら奇麗な星空を見るのだった。
「(さっ君と私はいつか別れる時が来るけど・・・・だから、その分いっぱい思い出を作って、さっ君の声を聞きたい。さっ君のことを感じたい・・・・いつまでも私が覚えていられるように・・・・)」
フランはぎゅっと親友であるさくらを抱きしめるのだった
一方、宴会場では・・・
「ところでレミリア。咲夜はどうしたの?」
「ああ…咲夜なら・・・・」
紅魔館
「私も宴会に行きたかったですわ・・・・・・」
「それは私も同じですよ咲夜さん~」
霊夢の怒りが収まるまで留守を任され、ため息をつきながら、『私はショタコンです』という看板を首にぶら下げて紅魔館の清掃をする咲夜と同じくさくらに手を出そうとしたのを霊夢に見つかり制裁を受けた小悪魔の姿があったのだった
皆さんお待たせしました。今回で紅魔郷編は終了です。次回は新章に入りたいと思います
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