咲夜に浴場へと連れられたさくらは服を脱いで、先に風呂に入っていた。
「大きいお風呂・・・・・」
さくらは見たこともないような大きな浴場を見てポツリと呟く。浴場は大理石の床に池みたいに広い湯舟。そしてその湯舟にある獅子の口からお湯が出ていてまるで高級ホテルのような感じの浴場であった
さくらは体を洗って、一人広い湯舟に入る
「・・・・・木の匂いがしない・・・・」
さくらは霊夢の家でよく霊夢と一緒に入っていた檜でできたお風呂を思い出す。桜はあの木でできたお風呂の木の香りが好きだったが、ここではその香りはしない。
「・・・・お母さん」
さくらは母である霊夢を思い出す。きっと自分のことを心配している。そう考えるとさくらは胸が締め付けられるようなつらい思いを感じた。
すると・・・・
「さくらちゃん。お湯加減はどう?」
扉の向こうで咲夜の声が聞こえた
「うん。気持ちいいよ」
そう返事をすると
「そう…ならわたくしも入ろうかしら?」
そう言うと、咲夜が一糸纏わぬ姿で入ってきた。そして咲夜はにっこりと笑うとさくらもにっこり笑みをこぼすと
「咲夜お姉ちゃん。背中流してあげる」
「え?いいの?」
「うん。僕いつもお母さんの背中流してたから」
「そう…じゃあ、おねが・・・・・っ!?」
咲夜がさくらの無邪気な笑顔に微笑みそう言うと、その瞬間、咲夜の時間がピタッと止まった(※能力ではなく、文字通りに)。
そう女の子だと思っていたさくらに女の子にはないものがあったからだ。そしてしばらく固まっていた咲夜だが、
「お、男の子!?」
「?」
咲夜が驚いて絶叫をする中、さくらは首をかしげる
「さ…さくらちゃん?じゃなくてさくら君は男の子なの?」
「うん…そうだよ?どうしたの咲夜お姉ちゃん?もしかして背中流すの嫌だった?」
「え?いいや違うわ。ちょっと驚いただけよ。ごめんね驚かせちゃって」
さくらが男だということに驚いたものの、咲夜は男でも女でもさくらはかわいいからと割り切り、そして咲夜自身も小さい頃は美鈴とよく入っていたいたし、たまには人に背中を流してもらうのも悪くはないと思った咲夜はさくらに背中を流してもらうのだった
「じゃあ、行くよお姉ちゃん」
そう言い、さくらはスポンジに石鹸をつけて泡立てると、咲夜の背中を優しく洗う
「ひゃあ!?」
その手のくすぐったさに小さな悲鳴を上げてしまう咲夜
「お姉ちゃん大丈夫?痛かった?」
「ううん…大丈夫ちょっとくすぐったかっただけだから。そのまま続けて」
「うん♪」
咲夜の言葉にさくらは嬉しそうにそう言うと再び咲夜の背中を洗う。小さな手が必死に自分の背中を洗う感覚を感じる。その感覚はとても暖かい感じであった
「じゃあ流すよー」
そう言いさくらはお湯で咲夜の背中を流す
「お姉ちゃん気持ちよかった?」
鏡越しで無邪気に言うさくらに咲夜は笑顔で
「ええ。とても気持ちよかったわ。お返しに私もさくら君の背中を洗ってあげるわ」
「いいの?」
「ええ・・・さぁ」
「う・・うん」
さくらは恥ずかしそうにそう言うと背中をくるっと向けた。そして咲夜はスポンジに石鹸をつけ泡立てて洗おうとした時
「さ、さくら君!その背中・・・・」
咲夜はさくらの背中を見て目を見開く。彼の背中には酷いやけどの跡があったのだ。まるで誰かが熱した鉄板で押し付けたかのように・・・・
「・・・・・本当のお母さんに僕が悪い子だって言って付けたの・・・・」
「本当のお母さん?」
咲夜の問いにさくらは顔を青くし震え始める
『ええい!なんでこう、字を書くのが下手なのこの子は!』
『痛い!痛いよお母さん!!』
『うるさいわ!あんたなんかこうしてやる!!』
『うわぁぁーーー熱いよ!!!痛いよー!!』
小さいころ実の母親に熱したアイロンを背中に押し付けられたことを思い出したさくらは震え始め今にも気絶しそうになっていた
「さくら君!?大丈夫!?大丈夫だから!!」
咲夜が抱きしめさくらを落ち着かせる。しばらく咲夜がさくらを落ち着かせてさくらは少しだけ落ち着く
「大丈夫?」
「うん・・・・ありがとうお姉ちゃん・・・・」
咲夜の言葉にさくらは悲しげな表情でそういう。それを見た咲夜は
「(それにしても、さくら君にこんな酷い怪我をさせるなんて酷い母親だわ・・・・・もし会ったら、この手で八つ裂きにしてやる・・・・)」
さくらにやけどをさせた母親に対し激しい怒りと殺意を覚える咲夜。だが・・・・
「そう言えばさくら君。さっき本当のお母さんって言っていたけど…じゃあ、今あなたが言っていたお母さんって・・・・?」
「本当のお母さんじゃないよ?でも僕にとっては本当のお母さん。名前がなかった僕にさくらって名前を付けてくれたし、僕が寂しくならないようにいつもそばにいてくれたんだよ」
「そう。いいお母さんね・・・・・」
そう言い、背中を優しく洗う咲夜。
「お母さん・・・今どうしているんだろう・・・・きっと心配してる」
「あ・・・・」
さくらの心配そうな表情に咲夜は再び、ここに連れてきてしまったことを悔やんだ。主の命とは言え、母親と引き離してしまったんだから
「大丈夫よ。明日にはお母さんのところに知らせるから、それまで我慢して・・・・」
「うん・・・」
咲夜の言葉に咲夜は小さくうなずくのであった。そして咲夜はさくらにお湯をかけ、湯船から出すとタオルで体を拭く。
すると、さくらはウトウトし始める
「あら?さくら君。眠いの?」
「だいじょうぶ・・・だよ?」
「無理はダメよ。部屋に案内するわね?」
そいい咲夜はさくらの服を着せて、そして桜の手を繋いで部屋に連れて行きさくらをベッドに寝かせる。
そして、スヤスヤと眠るさくらを見た咲夜は微笑む
「(私にも子供がいたらこんな感じなのかしら?)」
そう思い優しくさくらの頭をなでる
「さくら君・・・・あなたのお母さんが来るまでは。私があなたを守るわ・・・・絶対に」
そう小さくつぶやき、さくらと約束をするのであった。
森の中・・・・
「さくら・・・・・さくら・・・・・」
暗い森の中で霊夢はわが子である、さくらをずっと探していた。その姿はもはや亡霊みたいであり、ただ無心に彼を探していた
「どこに行ったの・・・・さくら」
小さな涙を流し霊夢は夜空を見上げ、愛するこの名を呼ぶのであった
ヒロインは誰が良い?
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フランドール・スカーレット
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十六夜咲夜
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霧雨魔理沙
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博麗霊夢
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幻想郷全員