どんな卍解でも藍染様なら使いこなせると思うの 作:ブライゼナーガ
「卍解 金沙羅舞踏団」
藍染の周りに踊り回る不気味な人形が現れた
流刃若火以上の炎、氷輪丸以上の氷、厳霊丸以上の雷、断風以上の風、これら全てを藍染は完璧に操っていた。
(馬鹿な!これだけの能力を持つ卍解など存在しないはずだ)
日番谷はそう考えるのも当然である。そしてそれは真実である。
「幻影じゃな」
山本総隊長は一目でそう断じた。
「その通りだ。私の卍解は音を通じて幻覚を操る卍解。しかしただの幻影ではない」
そういうと藍染は日番谷に向けて炎を放った。そうすると日番谷の卍解である大紅蓮氷輪丸はみるみるうちに溶けていった。
「なん……だと……」
「私の幻影は幻影でも受ける者にとっては本物と同じ性質を持つ。意思を持つ斬魄刀も同様だ」
(なら、耳を塞げば)
そう考えた日番谷は自分の耳を氷で塞いだ、しかし……
「無駄だ」
しかし日番谷の前から幻影は消えることは無かった。
「どれだけ上手く耳を塞いでも音は障害物を貫通する。その程度では、私の金沙羅舞踏団から逃れる事はできない。」
炎が日番谷を襲う。それだけでなく、雷が、氷が、風が周りにいる全ての死神を襲った。
しかし藍染の説明からその卍解の弱点を見抜いていた京楽のみにはこの攻撃が効かなかった。
「なるほどねぇ、耳栓つけるのが駄目なら耳を完全に潰してしまえば良いって訳だ。」
そう言う京楽の耳から血が流れていた。それは自らの手で鼓膜を潰した跡だった。
「なるほど。皆、覚悟は良いか?」
山本総隊長はそう尋ねると、全員が驚きの行動に出た。なんとその場にいた死神は全員一斉に鼓膜を潰したのだ。誰一人迷いなく、だ。
これはこの場に来た全ての死神の総意。例えどんな犠牲を払ってもこの場で藍染を倒すという決意の表れであった。
「鼓膜を潰せば使えなくなる。そのような決定的な弱点をわざわざ皆に伝えるとは、ここにいる者たちの覚悟を甘く見たな、藍染」
そう言う総隊長を見ながら藍染は不気味に笑った。
「フ、フハハハハハハ!!」
耳は聞こえなくてもその余裕の態度が気に食わなかった猿柿ひよ里は藍染に尋ねる。
「な、何が可笑しいんや!」
相手が返答してきたとしても聞こえない。そう分かっていながらも藍染の不気味な態度に尋ねずには居られなかった。
しかし、予想外のことが起こる。
『一体何時から、その程度で、私の金沙羅舞踏団を防げると錯覚していた?』
この藍染の発した言葉が全員に聞こえたのだ。鼓膜を破ったはずなのに、である。
この原理がわかったのは松本乱菊であった。
「縛道七十七…………天挺空羅!!」
松本はこれと同じ縛道を使うため即座に答えを出せたのだった。
『その通りだ、松本副隊長。霊圧を網状に張り巡らせ複数人の対象の位置を捜索・捕捉し伝信する。ただそれだけの戦闘能力を持たない縛道だ。しかし私が使えばこの鬼道は圧倒的攻撃力を持つ』
そう言うと、天挺空羅から金沙羅舞踏団の音楽が流れ出す。藍染の周りに炎が、氷が、雷が、風が、再び現れる
『天挺空羅は霊圧知覚に働きかける。今度は霊圧知覚を閉じてみるかい?最も死神にとって霊圧知覚を完全に閉じるというのは目を瞑るのとほぼ同義だ。目も耳も無い状態で、この藍染惣右介に勝てると思うのなら試して見るのも一興だろう』
そう言うと藍染は日番谷を火で攻撃した。
日番谷は火を氷輪丸で消そうと刀を振るう。しかしその中から現れたのは……
「雛森ィィィィィ!!!」
『当然だが私は天挺空羅で伝える相手を選べる。そして伝えない相手には幻影は意味を成さない。幻影であるため、炎の中に誰かを隠す事も可能だ』
失意の中にいる日番谷を幻影が襲う。日番谷だけでなく他の者も、助けに来た味方を攻撃の幻影で覆い隠す、味方を藍染の幻影で覆い隠すなどを行い、仲間との同士討ちを余儀なくされた。
藍染はそんな死神達を見ながら笑いながらこう言った。
『さあ、踊り狂い絶望したまえ死神諸君』
金沙羅舞踏団
耳が聞こえない相手には効かないという弱点があるが、鏡花水月に匹敵する幻影を無条件で見せる事が可能。何も解説しなければ強い卍解。
でもBLEACHでそれは許されないので、相手は鼓膜を潰せばいいだけであり、このままではもはや相手の鼓膜を潰すだけの卍解(あれ?これはこれで強いかも?)。
なので、何とかして鼓膜を破れた相手に音聞かせる方法を考えました。最初は王道で糸から骨伝導で伝えるとか考えたのですが、作中でもっと便利な技があったのでそちらにしました。
書いてて思ったのですが、相手の鼓膜が潰れ、かつ天挺空羅が無くても、斬魄刀の鼓膜潰すとか多分できないので、意思を持っている斬魄刀には幻影が効きそうですし、死神相手を考えるなら鼓膜潰されても斬魄刀無効化の卍解としてそれなりに使えるかもしれませんね。