19世紀のイギリスで孤児院をやっていたらヤバイやつがついてきた 作:サトシ16852
今思えば私は恵まれていたのかもしれない
王族の娘として生まれ自由にやりたいことができなかった。子供であるにもかかわらずピアノの稽古に語学の勉強そしてダンスの練習、毎日のように決められた時間に決められたことを繰り返す日々が嫌になり私は気まぐれで書館に訪れた。
ただ何か書館に用があるわけでもなかったのでとりあえず近くにあった本を適当に取り近くの椅子に座りながらその本を読んだ。
私が外の世界に興味が出てきたのはこの時だろう。私が読んだ本は特別な本ではなかっただろうが私にとってはとても興味深いものだった。内容はただの平民の男性が自由に行きたいところに行きそこで出会った女性と恋に落ちると言う話で今思えば何処にでもあるような本だった。
ただこの時の私の世界はお城の中だけであり外の世界がどんなものであるかなんて事を考えたことすらなかった私はこの本を見て外の世界への憧れを抱いた
そんなある時庭の壁に裂け目があることに気がついた
「そと?」
この時私は迷っていたのだろう。外の世界への憧れはあるものの知らない世界の向こうに飛び出せる勇気がなく、外に出たいけれど外に出れないしばらくどうしようか考えていると、ふと裂け目から影がこちらを覗き込んだ
私はびっくりして尻餅をついてしまい少し外の世界が怖くなってしまったが壁の外からも人の声が聞こえ向こうもびっくりしたようだった。もう一度勇気を出して裂け目をのぞいて見ると私とそっくりな顔をした女の子がこちらを覗いていた。そしてその女の子は裂け目を通って城の中に入ってきた
「へー壁の中はこんな感じなんだ」
女の子は当たりを見渡しそんな感想を呟きこちらを見て話しかけてきた
「ねえ、お城の中も見せて!」
最初は訳もわからずとりあえず彼女を連れてお城の中に入り私の部屋で話す事にした。私の部屋に移動した後お互いに椅子に座り話をしようとしたところで
「これ食べて良い?」
彼女は机の上に置いてあったスコーンを食べていいかと聞いてきた。いつも置いてあるが私はあまり食べないので食べていいと許可をしたら彼女は物凄い勢いで口の中にスコーンを放り込んだ。しばらくすると全て食べてしままい彼女は満足そうにお礼を言ってきた。
ようやく話ができるようになり、まずは自己紹介を始めた
「えっと、私はシャーロットあなたは?」
彼女はお腹いっぱい食べたからか笑顔で答えた
「私アンジェよろしく!それにしても私たち凄い似てるね」
「うん、まるで鏡を見ているみたい」
「鏡?」
「え?鏡を知らないの?」
アンジェが鏡を知らないことに私はとても驚いた。毎日朝髪を整えるのに鏡を使うし、私が知っている物は周りの人が皆知っていたから通じるのが当たり前だと思っていた。
ただ彼女は違った。私の知っている事を知らない外の世界の人間がいる、もしかしたら彼女は私が知らない外の世界を知っているかもしれないと思った。
彼女はただの平民で知っていることは大体城の人間も知っているだろうが子供の頃の私はそこまで考えられず外の世界から来た彼女が特別に思えた。
そしてそこから毎日のようにアンジェは壁の裂け目から城の中に入り私達はお互いに知らない知識を共有しあった。
「王女様、私達お友達になろうよ!」
「、、、私はつまらない子よお友達になっても面白くないと思うわ」
「楽しい」
「え?どうして?」
私にはわからなかった。毎日面白くもないことばかりをやってきた私なんて外の世界を知っている彼女にとってはつまらない人間だと思っていた
「だって私達正反対だから」
この言葉で私は気づいた私は外を知らないが彼女は中を知らないのだ。私が知っている事は彼女が知らないし、彼女が知っていることは私が知らないまさに正反対だった
「よろしく」
「こちらこそ」
そして私達は友達になった
そんなある日
「王女様、日本って国知ってる?」
「知らない、どんなところなの?」
「この国からずっと遠いい国でお魚さんを生で食べたりするらしいよ!先生が言ってた」
「また貴方のいる孤児院の先生の話?でも外には色々あるね、私も外に出てみたいな。そうだ!私たち入れ替わってみない?」
私はついに外に出る決心をした
アンジェに私の代わりをしてもらっている間に私がアンジェになり外に出る
アンジェの服を着て壁の裂け目を通り壁の外に出た
初めての外に心を躍らせた
後ろを振り返ると私を閉じ込めていたあの高い壁が見えるそして私が外に出たことを強く認識させ昂った気持ちで前に進んだ。
壁は二重になっているようで前にも壁があったがそれほど高くなく裏口のような作りがありそこから出れるようだった
一体外の世界へはどんな景色が広がっているのだろうか?綺麗な草原が風に揺られたり綺麗なレンガの家が立ち並ぶような景色だろうか?期待を胸に出口から外に出た
だがそこは自分の想像していた景色とは全く違っていた
薄汚れ所々傷ついたレンガの家が立ち並び道端には人が見たこともない目でこちらを見ながら横たわっている。
あまりにも自分の想像とはかけ離れた景色に唖然とし固まってしまった。せっかく外に出たのだから他の場所にも行ってみようと思い暫く歩いていると見晴らしのいい高台に着き辺りを見渡していたその時いきなり何か大きな音がした。
音がした方向を見るとお城から火が上がっているのが見えた
私はなぜお城が燃えているのかわからず困惑していたらお城の正面に人が集まって大砲で城に攻撃をしながら大声で王族に向かって罵声を浴びせていた。
それを見た私はお城にいるアンジェが危ないと思い急いで壁の裂け目を使ってお城に戻った。
「シャーロット!」
「アンジェ!」
裂け目から場内に入るとアンジェがこっちに名前を呼びながら走ってきた姿を見て私は彼女が無事で安心した。
「怖いよシャーロット、早く逃げよう」
外の世界を見て私がどれくらい恵まれて育ってきたかを知った。美味しいご飯をお腹いっぱいにたべることや暖かいベッドで寝れることが皆当たり前に出来ていることだと思っていたが、それは間違いだった。
恐怖に震えるアンジェを見て私は決心をした
「アンジェ、私女王になる。私気づいたの皆んなを分ける見えない壁があるって事に、私が女王になってその壁を壊してやるの、そうしたら私とアンジェ、貴方がいつも言っている孤児院の人たちとずっと一緒にいられる」
「それは素敵な夢だね」
「夢じゃないわ!私はきっと叶えて見せる。約束するだから、、
ドンと大きな音が近くでなり壁が崩れ始め、壁の崩落に地面が耐えきれず地面も崩れ始める
そして私の足元が崩れて崩落に巻き込まれアンジェの姿で底に落ちた
体が動かなくなり意識が薄れていく中、上から声が聞こえた
『姫様!ご無事ですか!』
『待って!違うの!私プリンセスじゃないの!』
『怖い思いをされたのですね、我らに身分を隠す必要はありません。必ずお守りしますゆえ』
『待って!話を聞いて本物のプリンセスは崖の下にいるの!』
『シャーロット!』
そして私は意識を失った
そして目が覚めたとき周りには誰も居なくどうしたらいいのかもわからずただ町を歩いていた。お腹も空いたし疲れたがお金がないので食べ物も買えないし泊まるところもない。
そして町の人々の話しを聴いていた。
「チッ、王家の人間は全員逃げ出したそうだ、縛り首にでもして吊るしてやりたかったぜ」
こんな話を聞いてもし私が本物のプリンセスだとバレたら殺されてしまうかもしれないととても恐怖した
そんな時一人の女の子が私を見て急に大きな声を上げた
「先生!アンジェがいたよ!」
その声を聞いて一人の男性がこちらに歩み寄ってきた
「アンジェこんなところにいたのですか?友達のところにに行くとは聞いていましたが泊まるなんて聞いていません。報告はしっかりしてください。子供達がみんな探していましたよ」
とても優しい笑顔で話しかけてきた察するにアンジェが暮らしていた孤児院の先生だろう。アンジェからの話を聞く限りとても優しいと聞いているが、彼も王族を恨んでいて私が本当のプリンセスだとバレたら彼は私を殺すかもしれない。
変なことはできない、私がこのままアンジェとして生きていけるか心配だがやるしかない。そう決心した。
意外に私はうまく生きている、と言うよりも意外と難しくはなかった。ピアノやダンスの稽古があるわけでもなかったのだ。
この孤児院の生活はお城のように豪勢なものはないが必要な物は全て揃っていて衣食住が整っていた。
さらにここの生活は暖かい。先生が2日に1度読み書きの勉強や様々な化学実験などを行い、毎日沢山の料理をみんなで作り皆んなで掃除をする。
アンジェが言っていたように先生はとても優しかった。子供達が問題を起こしたら相手に何度も頭を下げ、革命で孤児になってしまった子供や詳しい事情が話せない子も引き取っている。何故か彼は聞いたこともない神様を信じていて毎日朝お祈りをしている。確か黒トカゲ星の神様
子供達は彼に感謝していて、皆んな彼の助けになろうとしている。だんだん私も彼に心を開いていった。
ここで三年ほど暮らしていた私は彼に恩返しがしたいと思っていたそんな時、私より年上の一年前に引き取られた子がスパイ学校から抜け出してきたと言う話を聞き私はその子に話を聞き私はスパイを目指すことにし彼には働き口が見つかったので孤児院を出ると言った。
「そうですか、わかりました。気をつけてください」
意外にもすんなり許可が取れて拍子抜けだったが
「何か辛いことがあったら帰ってきても良いですよ、ここは皆んなの家ですからね」
この言葉を聞いて本当に嬉しかった。私がスパイとして頑張ってアンジェと先生を守ると決めた。
養成所
「君はもう要らない、試験の結果が最低基準が下回っている」
試験監督をしていた男が一人の女の子に冷たい表情でそう告げる
「ま、まって私まだやれます!」
そんな彼女の声を試験官は何事もないように無視をして何処かに歩いて行った。
この養成所はスパイを養成する施設である、公にできないため必要ないと判断された子供は情報漏洩防止のため殺される。
「ねえ、あなた」
「なに?成績優秀のアンジェ様ができの悪い私の最後を笑いに来たの?」
「違うわ、あなたまだ生きていたい?」
「当たり前でしょ!死にたい奴なんてこんなところにいるわけない!」
感情的になり大声で怒鳴るような声だった
「そう、ならあなたをここから逃してあげる。少し遠いいけど孤児院があるわ、そこに行けば匿ってもらえるはず。けれど条件がある」
「条件?」
「あなたがそこの孤児院の先生を守るのよ。今のままではダメね、孤児院に着いたら向こうでも日々精進しなさい」
一年後
スパイとして本格的に活動し始め久しぶりに時間ができたのであの孤児院に戻ってきた。
「おや?アンジェじゃないですか、お久しぶりです」
「お久しぶりです先生」
「3日も休みをもらえたので久々に帰ってきました」
彼に会うのは一年ぶりだと言うのに全く変わっていない
「ご苦労様です。疲れたでしょう、今日は休んでまた明日ゆっくりとお話ししましょう。まだあなたの部屋は残っていますから使ってください」
「ええ、ありがとう先生」
そして私は先生と一旦別れ自室に入る。まるで変わっていないこの部屋を見て安心しながら机に置いてあった紙を見た。
この紙は養成所から匿った子がここで何か起きていないかを伝えるための内容だった。この紙は定期的に私に送られてくるが特に異常なしの一言だけが書いてあるのが送られてくる。今回も異常なし。安心して私はベッドで寝た。
そんな次の日、私は未知の恐怖を味わうこととなった。私が朝起きたら見知らぬ女がいた。長い金髪に整った容姿、そして理想の体型をした彼女は先生に抱きつきダーリンなどと呼んでいる。名前はハーリーン・フランシス・クインゼル
女性からしてみてもとても美しい彼女の見た目とは裏腹に彼女からどす黒い悪を感じた。スパイをやっていると自然と人のなりを読むことができるが私でも測りきれない程の悪は初めて出会った。
空いた時間に彼女に話しかける
「あなた、先生に近づいて何のつもり?」
「私?特になにも企んでないわ、でも私彼を好きみたい。私初めて人を好きになったわ!今まで何人の男と寝てきたけれどなにも感じなかったけれど違ったわ!体の関係は愛とは関係なかった!彼は本当の私を拒まなかった!」
なるほど、彼女は狂ってる。確かに彼は何でも受け入てしまう、それが善であろうが悪であろうが。だが彼女は不味い、直感的にそう思った。
「先生があなたを受け入れるのなら私たちは何も言わないわ、けれど彼に危害を加えたらあなたを殺すわ」
「あら、意外いきなりズドンて撃たれるかと思った」
「先生が決めたことには口を出さないわ」
先生を守らなくは私の手で
なんかだんだんキャラ崩壊してね?