███:長谷川千雨は最後の竜の血脈である。   作:庭師代行

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第21話【ウェアウルフ】

 長谷川千雨はドラゴンボーン(ドヴァーキン)であると同時にウェアウルフである。しかしながら生まれたときから人狼の力を宿していたわけではない。

 タムリエルにおける人狼(ウェアウルフ)吸血鬼(ヴァンパイア)と似た性質を持っており、狩猟を司るデイドラロード──【ハーシーン】が作った血を介することで感染する祝福(呪い)の一種である。

 

 千雨は帝国軍と反乱軍(ストームクローク)の内戦を終わらせるために帝国軍に加入するまで、同胞団という戦士たちの集団(ギルド)に所属していた。

 

 同胞団の中核をなすサークルという内部組織に加入する際に、千雨はウェアウルフになる血の儀式を受け入れた。

 その後にウェアウルフの呪いを治療する機会もあったが、千雨は手札を一つでも多く残しておくため治療せずに放置していたのだ。

 

 同胞団には戦争に参加してはならないという掟があるため、千雨は帝国側として内戦に参加する際に脱退したが、完全に縁を切ったわけではない。

 脱退する直前に、同胞団の実質的な指導者である導き手の役目は入団当時から世話になったヴィルカスという男に譲ったが、麻帆良に帰ってくる直前まで同胞団のメンバーとの交流は続いていた。

 

 変身しなければデメリットは少し安眠できなくなる(睡眠ボーナスがなくなる)程度で、夜になったら勝手に変身してしまったり、無性に人肉を食べたくなったりはしない。

 人によっては体毛が濃くなる場合もあるが、千雨はドラゴンボーンの血が影響しているのか、肉体面の変化は特になかった。

 

 ちなみにウェアウルフになった人物が濡れた犬の匂いがするのは、人種や気候、生活習慣などの影響が大きかった。

 ノルド文化に慣れたとはいえ千雨は年頃の少女なので、入浴できない状況でも1日1回は体を拭くか水浴びをしていた。

 もしも衛兵に濡れた犬の匂いがすると言われたら、速攻でアカトシュの加護を使って(時間を巻き戻して)体を洗いに行くだろう。

 

 余談だがスカイリムの首都(ウィンドヘルム)があるイーストマーチ地方の南西部には緑色の温泉が湧き出ていて、千雨は毎月のように併設されている温泉宿に通っていた。

 

 そのような経緯など知らない刹那は、自分の頭の中にある知識で千雨の正体を判断してしまっていた。

 

「……千雨さんは純血の狗族(くぞく)だったのですね。日本の狗族とは少し姿が違うようですが、西洋の狗族でしょうか」

(……クゾクって何だ? つーか、つい流れで変身しちまったけど、この姿じゃ喋れねーじゃねーか!)

 

 喉を低く鳴らしながら首を傾げた千雨は、この姿では喋れないことを思い出して小さく唸り声をあげている。

 刹那の質問に答えようにも、肉体を変化させている関係でウェアウルフの状態だと言葉を発せないのだ。

 

 知能が低下して本能に呑まれたりはしないが、爪が伸びて手が肥大化している影響で物を持ったり筆談も難しい。

 当然、発音がうまくできないのでシャウトや呪文も唱えられない。魔力(マジカ)の流れや質が変わるため、タムリエルで覚えた魔法も使えない。

 

 かろうじて先程唱えた『戦いの歌(カントゥス・ベラークス)』の効果は残っているが、急がなければ効果が切れてしまうだろう。

 

 疑問については後回しにすることにした千雨は、手のひらを上に向けて手首を曲げてボディランゲージで自分の意志を刹那に伝えた。

 千雨がかかってこいという意思を見せたことを理解した刹那は、目を閉じて悩んだ末に自分の本当の姿を見せる決心をした。

 

「千雨さんは一族の掟など、迫害された上に関西呪術協会を裏切って京都を離れた私には関係ない話だと言いたいのでしょう。

 確かに一族の掟で本当の姿を隠しているのは上辺だけの理由です。本当の理由は──この(みにく)い姿をお嬢様……このちゃんに見せたくなかった。ただ、それだけなんです」

 

 前かがみになって両腕を交差させた刹那は、背中に意識を集中させて人とは異なる一族──鳥族(うぞく)の能力で封じていた本当の姿を開放した。

 隠していた一対の巨大な純白の翼を広げた刹那は隠蔽のために使っていた呪具の効果を切って、新雪のような白髪(はくはつ)と鮮やかな紅色(べにいろ)の瞳を(さら)け出しながら自嘲(じちょう)気味に薄い笑みを浮かべていた。

 

「これが……私の本来の姿です」

(どんな姿になるのかと思ったら、翼が生えただけでほとんど人間のままじゃねーか。醜いどころか綺麗だと思うが、価値観の違いってやつか?)

 

 千雨の言う(喋れないので吠えているだけ)とおり、もし木乃香が刹那の本当の姿を見たとしても、驚きはするだろうが醜いとは思わないだろう。

 むしろタムリエルでは町中で見かけたら速攻で通報される化け物(モンスター)として扱われているウェアウルフのほうが、よっぽど醜い存在である。

 

 しかし刹那の外見に関する価値観は、幼少期の経験から歪んでしまっていた。

 

 普段の刹那は人間と変わりない姿をしているが、彼女は鳥族(うぞく)という妖怪(亜人)の一種に分類される種族と人間との間に生まれた過去を持つ。

 烏族(うぞく)の間では白い翼を持つ者は不吉の象徴とされている。それに加えて人間形態では黒髪黒目が多い烏族(うぞく)にとって、白い髪と赤い瞳という特異な外見は非常に珍しい存在だった。

 

 それでも刹那の両親が唯一の味方となって守っていたため、言葉の暴力はあったが物理的に排除されることはなかったものの、それも長くは続かなかった。

 

 物心がついた頃に両親を亡くした刹那は、誰にも庇ってもらえず心無い言葉を投げかけられる日々を送っており、烏族(うぞく)の隠れ里を追放される寸前だった。

 当時の刹那は自分の羽根をむしり取ろうとするほどに追い詰められていたが、(すんで)のところで烏族(うぞく)の隠れ里で迫害されている幼子の話を聞きつけてやってきた詠春(えいしゅん)に救われたのである。

 

 (ゆえ)に刹那は自分の本来の姿を嫌っているが、白い翼はともかく白髪赤目については心配いらないだろう。

 なにせ1年A組には和泉亜子(いずみあこ)という本来の刹那と似たような白に近い紫の髪と赤い瞳を持つ少女が在籍しているが、あっさりとクラスに馴染んでいるのだ。

 

 刹那が自分から真の姿を見せたことで良い方向に事態は進んだだろう。

 正直、ここまできたら戦う必要はあまりないのだが、自分から煽っておいて引くわけにもいかないと思った千雨は未だに戦う意志を見せている。

 

 指を折り曲げたり開いたりして鋭い爪が伸びた両手の感覚を確かめた千雨は、金色に変化した瞳で鋭く刹那を睨みつけながら、口を大きく開き耳をつんざく遠吠えを上げた。

 

「な……影分身だとッ!?」

 

 千雨の咆哮によって陽炎のごとく現れた同胞たるウェアウルフたちが、低く唸りながら刹那に猛烈な敵意を向けている。

 飢えた獣の(ごと)き血走った目で歯を見せながら威嚇してくるウェアウルフの出現に刹那は目を見開いて驚いている。

 

 千雨が召喚した二体の全身が赤い半透明のウェアウルフは、咆哮に宿った【月のトーテム】という力でハーシーンの領域である【ハンティング・グラウンド】から呼び出されている。

 原理としてはデイドラロードの領域(オブリビオン)から悪魔(デイドラ)を呼び出す召喚魔法の【精霊召喚】や【ドレモラ・ロード召喚】と同じである。

 霊体として呼び出すだけなので、同胞のウェアウルフがやられたとしてもハンティング・グラウンドに戻るだけで死ぬわけではない。

 

 牙をむき出しにして獰猛(どうもう)に笑った千雨は手を床に付けて足で力強く地面を蹴り、疾風(しっぷう)のような速度で刹那に(せま)る。

 時間減速を使っている状態と比べると見劣りするが、それでも『戦いの歌(カントゥス・ベラークス)』で強化されたウェアウルフの腕力と脚力を存分に活かした四足歩行は時速100キロ以上の速度が出ていた。

 

 しかしながら速度と力に任せただけの両爪による振り下ろしは、夕凪によって簡単に受け止められてしまった。

 筋力は人間状態より上昇しているが、人から大きくかけ離れた姿になっているので鍛え上げた武術の大半が使えなくなっているのだ。

 

 もっとも千雨の狙いは爪による一撃ではなく、夕凪で防御させて刹那の動きを止めることにあった。

 限界を超えた付呪を施した伝説級の武具と比べると、肉体の延長である爪の鋭さなどバターナイフ以下なので(はな)から当てにしてはいない。

 

 一定以下の相手なら爪を使った強烈な引っかきで吹き飛ばして何もさせずに一方的に戦うこともできるが、『気』で身体能力を強化している刹那に単純な腕力だけで戦うのは無謀である。

 

 だからこそ、千雨は最初に同胞のウェアウルフを呼び出したのだ。

 短く吠えた千雨の合図とともに、左右から距離を詰めていた同胞のウェアウルフたちが刹那へと襲いかかる。

 

 しかし刹那は焦ることなく両翼を羽ばたかせて空中に退避して、同胞のウェアウルフたちの挟撃を回避した。

 そして宙に浮いたまま構えを取ると、急降下しながら神鳴流の奥義を千雨たちに向けて解き放った。

 

「奥義……百烈桜華斬(ひゃくれつおうかざん)!」

「グゥ……ッ!」

 

 桜の花びらのような形の『気』が辺り一面に広がり、無数の斬撃が暴風を巻き起こしながら広範囲を切り裂く。

 素早く姿勢を低くして範囲外に退避した千雨は腕を軽く斬られた程度だが、身体能力が強化されていない同胞のウェアウルフたちは百烈桜華斬が直撃して消滅してしまった。

 

「少々卑怯かもしれませんが、私は絶対に勝たなければならないのです。千雨さん、ご覚悟を!」

(……ヤバい、空を飛んでる相手に攻撃する手段がないぞ)

 

 再び上空に舞い戻った刹那を見上げつつ、千雨は取れる手段がなくなった事実に眉をしかめていた。

 

 ウェアウルフに変身すると衣服が一時的に消えるため、ポケットや服の袖などを介してインベントリから物品を取り出せなくなる。

 それならば武具をあらかじめ出しておけばいいと思うだろうが、そもそもウェアウルフの手では武器を振るったり弓やクロスボウを操作することはできない。

 

 せめて『気』や瞬動術、虚空瞬動などの扱いを覚えていれば、ウェアウルフの姿でももう少し粘れただろうが、説得するためとはいえ考え無しに変身してしまった千雨のミスである。

 

「では参ります! 神鳴流奥義──極大雷鳴剣(きょくだいらいめいけん)!」

 

 唸り声を上げながら今にも噛み殺したそうな表情(どうやって反撃するか悩んでいるだけである)を見せている千雨に目掛けて、雷のような『気』を纏った夕凪を振りかざすべく刹那が急接近する。

 避けようにも、ついさっき『戦いの歌(カントゥス・ベラークス)』の効果が切れてしまったので、刹那の一撃を避けるのは難しいだろう。

 

 直撃したとしても死ぬことはないだろうし、もし死んだとしても()()()()()()()と判断した千雨は無防備に極大雷鳴剣を受けようとしたが──豪雷と共に振り下ろされた夕凪が千雨を傷つけることはなかった。

 

 極大雷鳴剣によって巻き上がった煙が晴れると、そこには太刀筋をズラして地面をえぐった刹那と、変身が解けて制服姿に戻っている千雨の姿があった。

 

 残心を解いて夕凪を鞘に収めた刹那は、狼の顔が彫られた白い指輪──【ハーシーンの指輪】を外してインベントリに格納した千雨と向かい合う。

 柔らかい表情でこちらを見つめてくる刹那の様子に千雨は小さく頷くと、極大雷鳴剣を外した理由を問いかけた。

 

「さっきとは逆の形だな。あえて聞くが、なんで私を斬らなかったんだ」

「千雨さんが抵抗しなかったからです。あ、いえ、もちろん抵抗したとしても、峰打ちで済ますつもりでしたよ」

「私が情けをかけた意趣返しか?」

「いいえ、違います。それに千雨さんは情けをかけたのではなく、叱咤(しった)してくれただけなんでしょう?」

「……つまんねーことで悩んでるのが見てられなかっただけだよ」

 

 後頭部を掻きながらそっぽを向いた千雨は、少し恥ずかしそうに頬を薄っすらと赤く染めている。

 

 千雨も刹那ほど深いトラウマにはなっていないが似たような悩みを抱えていた時期があったので、少しだけ共感を覚えていたのは事実である。

 むしろ力を付けるためにウェアウルフの姿で山賊を虐殺して心臓を喰らっていた時期もあるので、千雨も方向性は違うが相当に重たい過去を抱えている。

 

 刹那と違って千雨はスカイリムでの行いについては完全に割り切っているため、自分の手は血で汚れているから皆とは仲良くなれないと悩んだりすることはない。

 もっとも割り切っている癖に吹っ切れているわけではないというエヴァンジェリンに近い精神状態なので、千雨も化け物としては中途半端である。

 

「情けない話ですが、まだ私は本来の姿をお嬢様に見せるかどうか決心がついていません。

 ですが……まずは千雨さんのように、人間としてお嬢様と仲良くなろうと思います」

「ほとんど人間の姿なんだから気にする必要なんてないと思うけどなぁ。

 そこらへんは急かすつもりはないから気長に頑張ってくれ」

 

 千雨もウェアウルフの姿を友人たちに教えるつもりはないので刹那に強く言うことはできない。

 というか、もし見せたらまず間違いなく失神されるだろうし、同一人物だと認識できないだろうから教えるメリットもない。

 

 千雨は生まれながらの人間でありドラゴンボーン(ドヴァーキン)なので、自己認識は人間とドラゴンが7対3くらいの割合である。

 自由に空を飛べるドラゴンの翼には憧れているが、ウェアウルフの力は使い勝手が悪い変身能力の一種としか考えていない。

 

 もし国民的RPG(ドラゴンクエスト)に出てくるドラゴンに変身する魔法が実在していたら、迷うことなく習得するぐらいには千雨はドラゴンに羨望(せんぼう)していた。

 

「それで勝敗はどうする? とりあえず1勝1敗みたいな状況になってるが」

「……虫のいい話かもしれませんが、決着を付けずに引き分けにしてもらってもいいでしょうか」

「それだと最初の条件を満たせなくなるぞ?」

「構いません。護衛は一人でも多いほうがいいでしょう」

「あー、その件なんだけど……実はな、私は木乃香の護衛じゃねーんだよ」

「…………は???」

 

 言いにくそうに真実を告げた千雨は、青筋を立てながら夕凪を再び抜いた刹那を何とかなだめて場を収めたのだった。

 

 

 

 鯉口(こいぐち)を切りながら翼で背中をバシバシと叩いてくる刹那をなだめた千雨は、自分が木乃香の護衛ではなく異世界からの帰還者であるという真実を告げた。

 概要は事前に詠春も聞かされており、説得できた場合は刹那にも教える予定だった。

 

 最初は半信半疑だったものの、インベントリや常識はずれな装備、常軌を逸した技能の数々を目の当たりにした刹那は信じざるを得なかった。

 特に『気』で身体強化している刹那やタカミチ、詠春の視界からも消えてしまう隠密術には驚きを隠せなかった。

 

 はっきり言って千雨が本気で隠密して木乃香を暗殺しようとした場合、刹那は守りきれる自信がなかった。

 まかり間違って千雨と敵対してしまったら、護衛共々意識の外側から弓で射られて為す術もなく殺されるだろうと刹那はあり得ない想像をしてしまう。

 

 千雨が悪い人ではないということは刹那も分かる。しかし人の心というものは移ろいやすい。

 もし千雨が修羅に堕ちて敵対してしまった場合を考えた刹那は、青ざめた顔で千雨に提案をした。

 

「あの……千雨さん。もしよろしければ、隠密術についてご教授いただけないでしょうか」

「この前みたいに、ひっそりと付いてくるつもりなら教えねーぞ。あとへりくだりすぎだ。

 私は向こうで三年過ごしてるけど年上扱いされても困る。せめて普段通りに接してくれ」

「は、はい。私が隠密術を学びたいのは、お嬢様を付け狙う者を事前に察知したいからなんです」

殊勝(しゅしょう)な心がけだけどな。もうちょっと腹芸も覚えたほうがいいぞ。それじゃ私を警戒してるって言ってるようなもんだからな」

「す、すみません!」

「はぁ……教えてもいいが交換条件がある。隠密術を教える代わりに、私に『気』の扱いを教えてくれるか?」

 

 重たい過去がある癖に変な方向に(ひね)くれることなく純朴(じゅんぼく)で真面目な性格に育った刹那に呆れながらも、千雨は右手を差し出したのだった。




かわいそうはかわいいけど限度がある用語解説

【ウェアウルフ】
狩猟を司るデイドラロード(ハーシーン)が生み出したライカンスロピー(人獣病)を患った者の分類のひとつ。
タムリエルにおいて最も一般的なライカンスロープ(人獣)がウェアウルフである。
タムリエル大陸ではウェアウルフの他に、二足歩行できる熊に変身するウェアベアを始めとした8種類のライカンスロープが発見されている。

ゲーム的には1日1回だけ変身できる(パワー)である。
作中の千雨はハーシーンの指輪という変身回数の制限を撤廃するデイドラの秘宝(デイドラ・アーティファクト)(もち)いて変身していた。
ロールプレイで使われることはあるが、はっきり言ってゲーム内ではかなり扱いが不遇である。
武器防具、アクセサリー、魔法、シャウト、アイテム使用、落ちているアイテムの回収などが封じられるため、事実上の縛りプレイを余儀なくされる。
高難易度で高レベルな相手と戦うとなると厳しいが、低レベルプレイなら問題なく遊べる。
あまりの不遇さを改善するために、ウェアウルフ周りのシステムをオーバーホールするMODが複数存在する。

オリジナル(LE)版では変身が解けた後は装備が解除されて下着姿(MODを入れていると全裸)になっていた。
しかしバグフィックスMODの影響かSE(リマスター)版の仕様かは不明だが、本作の環境で装備は解除されなかったので千雨も全裸になることはなかった。
もし全裸になっていたら、外野の男性陣を【揺るぎなき力(トシコシダー)】で吹き飛ばしていただろう。


【月のトーテム】
血の儀式を行った隠し部屋(アンダーフォージ)にある祭壇で【ウェアウルフ・トーテム】というアーティファクトを捧げて祈ることで得られる特殊能力。
月のトーテムは【兄弟のトーテム】という狼の霊体を召喚する能力を鍛えて会得した咆哮なので、物質的なトーテムが存在するわけではない。
その他にも一定以下の相手を逃亡させる【恐れのトーテム】や生命探知の魔法と似た効果の【狩りのトーテム】という咆哮も存在する。

温泉(おんせん)
スカイリム地方にも風呂は存在するが、こまめに入浴する文化があまりないのか風呂が併設されている宿はあまりない。
博物館(ドラゴンボーン・ギャラリー)セーフハウス(隠れ家)にも風呂は併設されているが、千雨はスカイリム唯一の温泉宿であるティンバー・スプリングスに目をつけて通っていた。

【ハーシーン】
狩猟を司る鹿の頭と人間の体を合わせた男性の姿や鹿の頭蓋骨を頭に被った人間の姿をしたデイドラロード。
人間からは邪悪な存在とされているデイドラロードとしては珍しく、ハーシーンは慈悲深くはないものの非常に高潔な人格をしている。
ハーシーンにとって世界とは狩場であり競技の場でもあるため、不必要な破壊行動は起こさない。
ハーシーンはライカンスロープ(人獣)の守護者であり、ライカンスロピー(人獣病)の創造主としても知られている。
千雨は指輪を貰った程度の関わりしかないが、セロは200年ほど前にハーシーンの力のごく一部を宿した化身と公平な勝負をしたことがある。

厳密には『ヒルシン(Hircine)』という翻訳が正しいのだが、ESOでも修正されていないため本作では従来どおり『ハーシーン』読みを採用している。

【ハンティング・グラウンド】
ハーシーンの信者やライカンスロープ(人獣)たちが死後招かれると信じられているオブリビオンの領域。
果てしなく続くように見える平原には、熊や狼、ライカンスロープ、デイドラなどの凶悪な生物が獲物として住んでいる。
この領域に招かれた者は不滅の存在となるため、永遠に狩りを続けることになる。
千雨の場合は他のデイドラロードやエイドラとも契約があるので、死んだ後は世界を巻き込んだ争奪戦になる可能性が高い。
そもそもアカトシュの加護が残っている間は、そのような心配をする必要はないだろうがな。
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