███:長谷川千雨は最後の竜の血脈である。   作:庭師代行

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第28話【晴天の空】

 翌日の早朝、千雨は待ちに待った日を迎えた。この土日は部活や他の予定を全て空けて、家を建てるために費やすと決めていたのだ。

 千雨は汚れても構わない着古した長袖のシャツとチノパンに着替えると、軽やかな足取りで世界樹近くの森林まで向かっていった。

 

「ようやく主役のお出ましか」

「朝っぱらから優雅に紅茶を飲んでるんじゃねーよ。つーか、その机と椅子はどこから引っ張り出してきたんだ」

 

 千雨が建築予定の土地に着くと、いかにも少女向けな白を基調としたレースやフリルがふんだんに使われた服を着たエヴァンジェリンが皮肉な笑みを浮かべながら出迎えた。

 白色の凝った装飾が(ほどこ)されたガーデンチェアに腰掛けているエヴァンジェリンは、同様のデザインのガーデンテーブルに並べられた紅茶や洋菓子に手を付けている。

 

「お邪魔しています、千雨さん。こちらの品はマスターからの新築祝いです」

「ふん、別荘で埃を被っていた年代物を持ってきただけだ。家が完成したらバルコニーにでも置いておけ」

「ケケケ、倉庫カラ探シ出シテ綺麗ニシタノハ俺ト妹ダケドナ」

「わざわざ手間かけさせて悪いな。家が建ったら、ありがたく使わせてもらうよ」

 

 白い日傘を差して朝日を遮っている茶々丸の発言に対して、エヴァンジェリンは普段通りの悪ぶった態度を見せる。

 そんな主人の態度を見かねてか、ガーデンテーブルの上に腰掛けてフィナンシェを頬張っていたチャチャゼロが説明を重ねた。

 

「おはよう、千雨君。少し遅れてしまったようじゃな」

「おはようございます、学園長。私たちが早く来すぎただけですので、お気になさらないでください」

「うむ、それでは約束通り見学させてもらおうかのう」

 

 ガーデンチェアに深々と腰掛けた近右衛門は茶々丸から紅茶を受け取ると、基礎を作る前段階の地縄(じなわ)が引かれた地面に視線を向けた。

 事前に確認した図面では地下室も作るようだが、一切掘り返されていない地面に近右衛門は一抹(いちまつ)の不安を覚えた。

 

 表の世界では新築の家を建てるには最低でも2~3か月はかかるとされている。魔法と『気』を併用して工期を短縮したとしても2週間はかかるだろう。

 千雨の身体能力の高さと手先の器用さは近右衛門も承知の上だが、本当に一人で家を建てられるのか信じきれずにいる。

 

 心配そうにしている近右衛門とは対照的に、エヴァンジェリンは千雨が何を仕出(しで)かすか大まかな予想がついていた。

 近右衛門と違ってエヴァンジェリンは千雨の扱う『過程の省略』を実際に見たことがあるのだ。

 

 以前、エヴァンジェリンがダイオラマ魔法球の内部で千雨に付呪装備を見せられたときは大いに狼狽(うろた)えたが、同じ(てつ)を踏むつもりはない。

 

 プレハブ倉庫から大量の木材と石材に加えてコンクリートの材料となるセメントと砂利、砂を運び出した千雨は、あらかじめ組み立てておいた製図台と作業台の側に積み上げた。

 そして千雨が作業台に両手をついて作業を始めた瞬間、近右衛門はがばっと立ち上がると目を見開いて食い入るように眼前の光景を見つめていた。

 

「まずは基礎から取り掛かるか」

「むぉ!? な、何事じゃ!?」

 

 近右衛門が驚くのも無理はない。千雨は一歩も動いていないにも(かか)わらず、一瞬の内に家の基礎が完成して水道の配管まで終わっていたのだ。

 一瞬で時間が過ぎ去ったかのような光景に理解が追いついていない近右衛門をよそに、千雨は次々と作業を進めていく。

 

 まるでコマ送りのように柱が立ち、屋根の骨組みが組み上がり壁が完成する。

 途中で何度か資材をインベントリに入れるため作業を中断しているが、千雨は疲れた様子も見せずに黙々と作業を進めている。

 

 目まぐるしい速度で家が出来上がるさまを、近右衛門はティーカップを持ち上げたままポカンと口を開けて呆然と眺めていた。

 そんな近右衛門の姿をあざ笑いながら、エヴァンジェリンが千雨の力を語り始めた。

 

「千雨の話を鵜呑(うの)みにするなら、時を司る神(アカトシュ)から物事の過程を省略する加護を授かったそうだ。

 随分と制約が厳しいという話だったが……事前にある程度予想していても頭が痛くなる光景だよ」

「な、なるほど……千雨君があれほどまでに(こだわ)っていた理由(わけ)が、ようやっと理解できたわい」

 

 額から流れる汗をハンカチで拭き取った近右衛門は、ガーデンチェアに深く座ると手に持っていたティーカップに口をつけたのだった。

 

(もっとも……私の見立てでは、まだ何か力を隠していそうだがな。

 現時点でも十分(じゅうぶん)に珍しい能力ではあるが、あの女(師匠)が興味を示すにしては決め手にかける)

 

 考えをまとめようとしている近右衛門をよそに、エヴァンジェリンは心の内で千雨の能力について考察を進めていた。

 つい先日、200年以上顔を合わせていない師匠からエヴァンジェリンのもとに、一通の手紙とともにダイオラマ魔法球に関する教本が届けられた。

 

 エヴァンジェリンの師匠は()()()()()()()()()()を持っているため、手紙と教本は師匠の居城がある【次元の狭間】から直接送られたのだろうとエヴァンジェリンは推測している。

 手紙の内容を要約すると、惚れた男(ナギ)に不意打ちでかけられた登校地獄の呪いを解呪できずに麻帆良に留まっているエヴァンジェリンをおちょくったものだった。

 

 内容に腹を立てたエヴァンジェリンは手紙をその場で破り捨てて燃やしてしまおうとしたが、最後の一文を読んで手を止めた。

 簡潔に「この本を参考にして弟子に教えてやるんだね」とだけ書かれていた一文にエヴァンジェリンは引っかかりを覚えたのだ。

 

 エヴァンジェリンはダイオラマ魔法球の製法を習得しているとはいえ、師匠からは一応の及第点を貰える程度の適性しかなかった。

 膨大な魔力に物を言わせて大雑把に地形ごと切り取って魔法球に加工することはできるが、細かい調整は苦手としている。

 

 エヴァンジェリンが所有している『別荘』に24時間経過しなければ出られない条件があるのは、そうしなければ異界として固定化できなかったからだ。

 (ゆえ)にエヴァンジェリンは理論しか把握していない基礎以降の技術をどうやって教えるか悩んでいたのだが、思わぬ方向から解決策が飛び込んできたというわけだ。

 

(こちらとしては助かるが、そこまで気にかけているのなら自分で鍛えればいいものを。

 年がら年中暇そうにしている師匠が忙しい、なんてことはないだろうが……単に面倒臭がっているだけかもしれんな)

 

 自分の師匠が理不尽の権化だと骨の(ずい)まで身にしみて分かっているエヴァンジェリンは、引っかかっていた思考を断ち切って自分を納得させたのだった。

 

 

 

 千雨が家を初めて建てたのは、彼女がアカトシュの手でスカイリムに連れてこられた日──第四紀201年、収穫の月(ラストシード)(8月)の17日から1年ほど経った【薪木の月(ハースファイア)】(9月)の中頃だった。

 

 スカイリム地方の北側の海沿いにある【ドーンスター】という寂れた港町で、千雨は住人が夜な夜な悪夢を見るという事件を解決した。

 その件が切っ掛けで首長から信頼(従士に任命)されて土地の購入権を得たのが、そもそもの始まりだった。

 

 購入権を得た土地の場所はちょうどスカイリムの中心付近だったため、各地を行き来していた千雨は家があれば便利だと思って即決で土地を購入した。

 その当時は吸血鬼ハンター集団(ドーンガード)と敵対していた【吸血鬼の長(ハルコン卿)】を滅ぼした後で時間に余裕があったため、物は試しにと雇った大工たちに技術を教えてもらいながら家造りを覚えたのだ。

 

 その後も土地を購入する機会に恵まれたため、千雨は合計で3回ほど家を建築している。

 それに加えて、千雨は地球に帰ってきてから土木建築研究会で現代日本の建築技術を(いく)つか学んでいた。

 

 千雨が建築中の家はイギリスやドイツ、フランスなどの北方ヨーロッパ地方に多く見られる半木骨造(ハーフティンバー様式)という建築様式に酷似している。

 地球では主に15~17世紀の(あいだ)に多用されていた建築様式で、柱や筋交(すじか)い(強度を高めるために斜めに通した柱)といった建物の骨組みを隠さずに、その隙間を漆喰(しっくい)煉瓦(れんが)で埋めて壁にする建築方法である。

 

 一時期は廃れていたが1970年代にアメリカとカナダで行われていた過去の技術研究が切っ掛けとなり、木骨造(ティンバーフレーム工法)として再びブームとなった。

 日本ではあまり見られない建築様式だが、西洋の建築様式が多く取り入れられている麻帆良では珍しくないため、土木建築研究会には参考となる資料が多く揃っている。

 

 千雨がスカイリムで家を建てるときは、手始めに玄関として一部屋だけの家を完成させて、その次に2階建てのメインホールを一部屋だけの家と隣接させて増築していた。

 そして完成したメインホールと繋げる形で北と東、西側に別棟を増築していくという地球の建築士が見たら目を疑うような建築方法である。

 

 スカイリム地方は日本と比べると地震が滅多に起きないので、雪の重みにさえ耐えられて寒くなければ他は気にしないという非常に大雑把な文化がまかり通っていたのだ。

 

 今回は上下水道や電気配線を地下室に通す必要があるため、普段は最後に造っていた地下室を基礎と同じタイミングで仕上げている。

 後からゆっくり仕上げられる内装や内部敷設は後回しにして、外壁と屋根を優先して完成させることにしたようだ。

 

「──よし、外壁と屋根はこれで完成だな」

「まさか昼前に外装が出来上がってしまうとは思わなんだのう……」

(なら)した土地が余っているようだが、まだ何か建てるのか?」

「ああ、どうせならプールと露天風呂も造ろうと思ってな。もちろん外から覗かれないように石塀(いしべい)も造るぜ」

「……本当に貴様は凝り性な奴だな」

 

 黄土色の三角屋根と白い漆喰(しっくい)で塗り固められた外壁が特徴的な家をしげしげと眺めていたエヴァンジェリンが千雨に質問を投げかける。

 軽い調子で質問に答えた千雨に対して、エヴァンジェリンは豪邸でも建てるつもりなのかと半目で呆れながら紅茶をすすっていた。

 

 エヴァンジェリンのぼやきを無視して家の敷地より一回りほど小さい範囲を地縄で指定した千雨は、作業に取り掛かる前に空を見上げると不満げに顔をしかめた。

 

「さっさと建てちまいたいところだけど、空模様が怪しくなってきちまったな」

「気象庁の発表によると、午後からの降水確率は70%となっています」

「……学園長、天候の操作は魔法の秘匿に引っかかりますか?」

「台風を消すような大規模な儀式でなければ容認されるじゃろうな。現代でも雨乞いは世界各地で行われておるしのう」

「そうですか。では、お言葉に甘えて──」

 

 肺に空気を取り込んで天を仰ぎ見た千雨は、渾身の力を込めて力ある言葉(スゥーム)を解き放つ。

 

lok(ロク) v2(ヴァー) k7r(コール)

 

 ドラゴンの言葉で『(Lok)』『(Vah)』『(Koor)』を意味する単語が組み合わさり、天候を強制的に操作したことで曇天(どんてん)から陽の光が差し込んできた。

 その後、1分もせずに先程までの曇り空が嘘のように晴れ渡り、麻帆良市一帯を覆っていた雲は綺麗さっぱり消え去っていた。

 

「……見事に快晴になったの」

「私はもうツッコまんぞ。シャウトとはこういう(常識が通用しない)ものだと思うことにしたからな」

 

 魔力も使わずに上位魔法でも難しい範囲の天候を操作してみせた千雨は、近右衛門とエヴァンジェリンの反応を気にも留めずに作業を再開した。

 

 2階部分がバルコニーになっている寝室に隣接する位置に造られた200平方メートルほどの広さのウッドデッキには、面積の半分以上を占めているプールと、その半分ほどの大きさの露天風呂が設けられている。

 

 プールの脇には屋根付きの野外調理場が併設されており、いつの間にか少し離れた位置にガラス張りの温室まで建てられていた。

 そして一般人が勝手に入り込まないように、立派な門を備えた3メートル近い高さの石で築かれた塀が家の周りを囲っている。

 

 作業の手を休めて家の周りの出来栄えをざっと見て回った千雨は満足そうに頷くと、完成した家の外観をデジタルカメラで撮り始めた。

 もちろん建築作業の過程も記録しているので、千雨は矛盾しないように時系列を調整しながら自分のホームページで写真を公開する予定を立てている。

 

「外装はある程度形になったので次は内装に手を付ける予定ですが、学園長はどうしますか?」

「一両日は予定を空けておるから、引き続き作業を見学させてもらおうかの」

「……このペースだと今日中に完成しそうな勢いだな」

 

 口をとがらせてムッとしているエヴェンジェリンは、面白くなさそうに千雨と近右衛門の会話を聞いていた。

 そんなエヴァンジェリンの態度を見ていた茶々丸は、先日の会話を記録(ログ)から引き出して彼女の今の気持ちを推測してみせた。

 

「作業を手伝えなくて残念ですね、マスター」

「だ、誰もそんなこと言っとらんだろーが!」

「ワザワザ大量ノ人形ヲ影ノ中ニ仕込ンデ持ッテキタ癖ニ、ヨク言ウゼ」

「貴様らの辞書には主人を立てるという言葉がないのかッ!」

 

 チャチャゼロの言うとおり、エヴァンジェリンは手が足りなくなったときに備えてメイド人形を持ってきていた。

 出番がなかったので隠しておくつもりだったのだが従者たちに千雨の目の前で暴露されてしまったため、エヴァンジェリンは顔を赤くして怒鳴っている。

 

 人生経験が足りていないので天然ボケをかましている茶々丸はともかく、エヴァンジェリンの最初の従者であるチャチャゼロは素直になれない主人の代わりに本音を言ってやってるんだろうなと千雨は思っている。

 

 指摘したらエヴァンジェリンが()ねるか切れそうなので口には出さないが、主従関係以上の絆で結ばれている彼女たちは見ていて飽きないなと思いながら、千雨は特注の鍵が備え付けられた木製の両開きの扉を開けて家の中に入っていった。

 

 

 

 今回、土木建築研究会の手を借りて図面を引いた家の間取りは、千雨がスカイリムに居た頃に建てた家とあまり変わっていない。

 床には石材を使っており、北側の部屋以外は土足で移動する設計になっている。しかし内装と地下室は大きく構造を変更している。

 

 まず大きな違いとして、以前建てた家では部屋の隅に置いていた付呪(エンチャント)用の作業台──アルケイン付呪器(アルケイン・エンチャンター)と錬金術用の作業台──錬金器具を設置していない。

 魔法関係者ではないクラスメイトが家に来ても大丈夫なように、千雨は魔法関係の設備を地下室に隠しておくつもりでいるのだ。

 

 他にも部分的に現代日本の建築方法を採用しているため、窓や照明器具などの設備は手製の物ではなく既製品で揃えている。

 電気という文明の利器を利用できるというのに、わざわざロウソクやランタンに火を灯して明かりにする必要はないというのが千雨の考えである。

 

 それは他の設備にも当てはまる。例えば玄関からメインホールに移動して右手(東側)にある扉を開けた先の部屋には、かまどではなくシステムキッチンが配置されている。

 パン焼き用の石窯は相変わらず設置しているが、壁の一角に置かれた棚には冷蔵庫や炊飯器、オーブンレンジなどの家電製品が収まっていた。

 

 排水の関係でトイレと風呂もキッチンの隣に部屋を拡張して増設している。露天風呂は千雨が趣味で造っただけで、常用する予定はない。

 

 入り口から見て左手(西側)にあるダブルベッドが置かれた寝室はあまりデザインを変えていない。

 そもそも千雨はやろうと思えば立ったままでも寝られるため、寝室はそこまで重視していないのだ。

 

 あまりこだわっていないためマットレスは既製品を買ってきたが、ベッド本体は千雨が自分で組み上げている。

 吹き抜けになっているメインホールの2階部分に設置している来客用のベッドも、すべて千雨が作った手製のものである。

 

 メインホールの一階部分には、八人が同時に食事しても問題ない大きさの一枚板で作られたダイニングテーブルと石造りの暖炉が設置されている。

 各部屋にエアコンを置いているので暖炉は必要ないのだが、千雨がスカイリムにいた頃は毎日のように利用していたためインテリア代わりに設置したのだ。

 

 暖炉の裏の先(北側)には千雨が私用で使う予定の部屋がある。学生寮の自室と比べると2倍以上の広さがあるため、千雨はパソコンや大型テレビ、プロジェクターなどを置くつもりだ。

 

 部屋に入ってすぐの場所には靴を脱ぐスペースが用意されていて、この部屋だけは床がフローリング張りになっている。

 スカイリムでの暮らしに慣れ親しんだとはいえ、千雨は生粋(きっすい)の日本人のため靴を脱がないと落ち着けないのだ。

 

「内装も仕上がったようだが、思っていたよりは普通の家だな。てっきり動物の剥製を壁に吊り下げるのかと思ったぞ」

「……そんな物騒な趣味がある女子中学生なんているわけねーだろ」

 

 エヴァンジェリンの指摘通り、千雨はスカイリムの家では剥製を飾っているのだが、どんな反応が返ってくるか予想できるため口にはしなかった。

 

「とても一人で建てたようには見えないのう」

「これでも()()()()()()()()()()()()()()()()ので、簡単に建てたように見えて結構苦労していますよ」

 

 内装を眺めているエヴァンジェリンと近右衛門の感想に千雨が補足を入れる。いかに千雨が器用だといえども初挑戦で本職並みの仕事ができるわけではない。

 試行錯誤という言葉をそのままの意味で受け取った二人は、本題である暖炉裏のスペースの角に設置された地下室の入り口に目を向けた。

 

 一見すると何の変哲もない木製の落とし戸だが最高レベル(ベリーハード)の鍵と特殊な魔法がかけられているため、専用の鍵を持っていないと開かない仕組みになっている。

 見た目とは裏腹に落とし戸の内側には千雨が自作したデイドラの金属板が仕込まれているため、物理的に壊すのも不可能である。

 

 落とし戸を開けてはしごを降りていく千雨の後を追って、エヴァンジェリンたちは千雨の工房へと潜っていったのだった。




全盛期のドヴァーキン伝説:グッとガッツポーズしただけで家が建った用語解説

【ハースファイア】
タムリエル大陸における(こよみ)のひとつ。
地球では9月に相当する月であり、日本語に訳すと『薪木』という意味になる。
『Hearthfire』の意味は上記のとおりだが、2012年9月4日にTES5に追加されたダウンロードコンテンツ(DLC)の名前でもある。
スカイリム各地にプレイヤーが建物を建築できる3つの土地と新しい食べ物が追加されるDLCである。
建てられる場所は僻地が多いが、作中で出てきたスカイリムの中心地点(ヘリヤーケン・ホール)は比較的立地が良い場所である。
貴重な錬金素材のひとつである【イクラ】を量産できるので、錬金術師を志す定命の者は【モーサル】から比較的近い場所にある【ウィンドスタッド邸】をオススメする。
千雨が建てたプールや露天風呂、温室、外壁はsa547氏のMOD『Windstad Pool and Hot Bath EX for SSE』による追加設備である。
上記のMODはウィンドスタッド邸専用だが、同作者のMODで【ヘリヤーケン・ホール】と【レイクビュー邸】に同様の設備を追加するものが存在する。
家の周りに強固な壁を設置するdraco1122氏とOthers See Credits氏のMOD『Dracos Hearthfire Homes Exteriors』とも相性がいい。
その他にも描写を省いているが、バルコニーに設置できる物を追加するAkarnan氏のMOD『Heartfire Balconies SSE』や、家の中の光源を増やすScrabbulor氏のMOD『Improved Hearthfire Lighting SE』などの要素も含まれている。
文字数が膨れ上がったので地下室のMOD解説は次回にお預けだな。

【ドーンスター】
スカイリム北部にある寂れた寒村のようなホールド。
首長が熱心な反乱軍(ストームクローク)の信奉者のため、ホールドの兵士を義勇軍として送り込んでいる。
デイドラロード絡みのクエスト()が2つもある上、暗殺ギルド(闇の一党)の隠れ家が移転してきたため色々と不穏なホールドである。

【ハルコン(きょう)
アカトシュが生み出した【アーリエル(アカトシュの別名)の弓】と実の娘(セラーナ)の血を悪用して、天から太陽を消し去り吸血鬼が自由に出歩ける世界を作ろうとした男。
父親に嫌気が差した娘の裏切りにより彼の計画は成就することなく、居城に吸血鬼ハンター(ドーンガード)のメンバーとともに乗り込んだ千雨の手で討たれた。
吸血鬼の王(ヴァンパイア・ロード)の姿に変身したハルコンに「お前も(吸血鬼)にならないか?」と持ちかけられたが、あまりにもキモいデザインだったため千雨は「ならない」と即答した。
文字で説明するのは難しいが、吸血鬼の王は全身の肌の色が灰色になり、頭皮が禿げ上がり、頬がこけて、背中からボロボロの蝙蝠(こうもり)の羽が生えた姿になる。
人間の姿のまま吸血鬼の王に変身できるMODも存在するので、気になる定命の者は入れてみるといいだろう。

晴天(せいてん)(そら)
lok(ロク)(空)』『v2(ヴァー)(春)』『k7r(コール)(夏)』の3語で構成されているシャウト。
1語叫ぶだけで霧や吹雪を晴らし、2語叫べば空を晴天にし、3語叫べばアルドゥインの隕石を落とすシャウトすら無効化できる。
時間操作系のシャウトには劣るが、このシャウトもかなり格が高い部類に入る。
ゲーム的には1語目の『lok(ロク)』を連打しているだけでいいのだが、本作では連打してもあまり意味はない。
このシャウトはゲーム内では怯み判定が存在しており、クールタイムが短い1語目を連打しているだけで敵をハメることができる。
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