███:長谷川千雨は最後の竜の血脈である。   作:庭師代行

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第4話【鉱石変化】

 近右衛門が大きなため息をついたのと同時刻、学園長室から退出して帰路についている千雨も問題の数々に頭を悩ませていた。

 

(幻惑魔法を使われたのは想定してたが……なんだよ異世界と魔法使いの国家って。ありえねーだろ、ハリーポッターかよ。

 おまけに総人口が12億人超えてて複数の国家があるとか予想できるかっての。

 書かれてる内容が本当なら地球……旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)にはそこまで魔法使いは住んでないみたいだけど、知識も情報も足りてねーし()()()は慎重にしたほうがいいか)

 

 アカトシュの加護を使って瞬く間に読み終えた魔法使いの歴史や社会構造について記されている本の内容を思い返しながら、千雨は思っていた以上に前提条件が厳しそうだと心の中で嘆いていた。

 

 タムリエルにも当然だが統治している国や組織が定めた法律は存在する。しかし地球の先進国ほどは発達していない。

 ホールドの首長に認められれば土地の権利を購入して家を勝手に建てても問題ないし、スカイリムで一番の腕を持つ鍛冶師(エオルンド・グレイ・メーン)の教えを受けたとはいえ、特に免許や資格もなく武器防具を作って売りさばいていた。

 師匠の名がかなり有名だった上、スカイリムでは抜群の知名度を誇る【同胞団】というモンスターや賞金首を狩る組織(ギルド)に入っていた千雨は、本格的に旅を始めた当初からそれなりに信用があったのも大きい。

 

(今までは学びたいことができたら教えを受けられるギルドに所属してたが、中学生をやりながらじゃ難しいだろうな。

 こっちの魔法とタムリエルの魔法の違いも気になるけど……研究者って柄でもねーし計画を優先するべきか)

 

 千雨は多種多様の魔法を習得しており、その腕前はタムリエルの基準では一流と言って差し支えない。

 しかし、それらの技術は戦闘用に学んだだけの実用一辺倒なシロモノである。

 覚えた呪文をそのまま使うのは得意だが応用や改造は苦手で、効率的に魔力を運用できても威力や範囲を大きく変更することはできなかった。

 

 ここで少し詳しく説明するが、千雨が学んだタムリエルの戦闘用魔法は大きく5種類に分けられている。

 

 物理的に相手を殺傷する呪文に特化している【破壊(Destruction)】魔法。

 防御や探知、麻痺などの事象を書き換える非破壊系呪文(あまりもの)が分類されている【変性(Alteration)】魔法。

 傷や体力の回復と死者を祓うための呪文に特化している【回復(Restoration)】魔法。

 精神に干渉する呪文に特化している【幻惑(Illusion)】魔法。

 デイドラロードの領域(オブリビオン)からデイドラを呼び出したり、死者の肉体や魂を操作する呪文に特化している【召喚(Conjuration)】魔法。

 

 一般的な魔法はこの5種類に分類されている。

 そして下から順に素人、見習い、精鋭、熟練者、達人という5段階の難易度でも区分されている。

 

 上記の5種類の魔法のうち、千雨は近右衛門たちに召喚魔法に関連する書物だけ意図的に省いて渡している。

 召喚魔法は何らかの手違いで広まりでもしたら、非常にまずい事態になる可能性があるのだ。

 

 他の魔法と大きく違う点として、召喚魔法だけはオブリビオンと深く結びついている。

 なにせ召喚魔法とは地獄(オブリビオン)住人(デイドラ)を呼び出す魔法なのだ。

 虚無の空間(オルビス)を隔てているので大きな干渉は難しいだろうが、それでも召喚魔法がきっかけで故郷の世界をデイドラロードの遊び場(サンドボックス)にされるリスクは減らしたい。

 

 千雨が帰還用の転移魔法を組み上げる際に頼った知識を司るデイドラロードと、()()()()()()()()()()()()()()()()()狂気に飲まれたデイドラロード以外は地球に興味は無いだろうが、連中の気が変わったらどうなるか分かったものではない。

 

()()の為には土地と建物……あとは(魔法使い)の事情に詳しくて口が堅い協力者も必要か。

 ……今後のことを考えると資金が明らかに足りねーな。5000万ぐらい貸してくれってのはさすがに常識の範囲外だろうし、どうすっかな)

 

 スカイリムには100万ゴールド(セプティム)以上の貯金や多数の持ち家、倉庫に死蔵しているアイテムの数々、スカイリムの首都(ソリチュード)にある珍しい物品(ユニークアイテム)を展示している【博物館(ドラゴンボーン・ギャラリー)】の入館料による定期収入などの資産があるが、地球に帰ってきた時点で()()無意味になっている。

 一応、換金用に上質な宝石や貴金属のインゴット、高品質なアクセサリ類を持ち込んでいるので、全てが理想の金額で売れれば家ぐらいは用意できそうだが安定した収入源にはならない。

 

 最初はアカトシュの加護を()用してギャンブルで金を稼いで隠れ家を調達する予定だったのだが、ここまで魔法に関する社会構造が出来上がっているとなると魔法による不正行為も間違いなく取り締まっているだろう。

 話術や幻惑魔法を駆使して正体を隠して暗躍することも可能だろうが、他に選択肢がある状態で悪事を働くほど千雨は良心を捨てていない。

 

(日本じゃ剣や鎧なんて売れるわけねーし、銃刀法に間違いなく引っかかる。

 裏の関係者に付呪を施したアクセサリや錬金術で作ったポーションを売りつけるのが手っ取り早そうだが……どの程度の品質なら悪目立ちしないか基準がわからねーからなあ)

 

 千雨はスカイリムにいる頃から様々な金策を試していたが、最終的に自分で鍛えた武器防具や錬金術で作ったポーションを売却する方法に落ち着いた。

 付呪も得意としているがスカイリムに住むノルドの多くは回復魔法以外の魔法を嫌っていたため、頼まれた場合以外は訓練か仲間のためにしか付呪は行っていない。

 

 過去には、とあるホールドの衛兵に「剣に付呪をしてはもらえないか。古いなまくらでバターも切れない(バターナイフ程度の役立たずだろうがな)」と皮肉を言われて、腰に下げている付呪を施した【黒檀(エボニー)】の片手剣の切れ味を見せてやろうかと思ったことがあるくらいには嫌われているのだ。

 

(こうなったら【鉱石変化】で鉄鉱石を金鉱石に変化させて……いやいやいや、そこまで切羽詰まってねーし早まり過ぎか。

 ()()()()()()()()ができるのは確認済みだ。また今度、学園長か高畑先生に相談してみるか)

 

 鉱石変化とは山賊の野営地に無造作に転がっていた呪文書に記されていた魔法だ。

 具体的には鉄鉱石を銀鉱石に変化させ、銀鉱石を金鉱石に変化させる精鋭(中級者)レベルの難易度の変性魔法である。

 非常に珍しい魔法でウィンターホールド大学で変性魔法を専攻しているトルフディルという男性教師も知らなかったほどだ。

 ポーション作成しかできない錬金術よりも錬金術している魔法なのだが、大量に金を量産したら地球と違って流通量があまり多くないタムリエルだと相場が崩壊するため、個人的に必要な範囲でしか使っていない魔法でもある。

 

 帰ってきてもままならないものだと思いながら、千雨は足早にザジが待っている学生寮の自室へと向かうのであった。

 

 

 

 ザジと合流した千雨は部屋に足りていなかった細々とした物や、ある程度日持ちのする食料品を買うために軽く商店街を見て回った。

 食料品に関してはインベントリに入れておけば劣化しないのだが、麻帆良の気風を踏まえても異質な力なので裏の関係者以外に見せるつもりはない。

 おそらくザジは裏の関係者だろうが、何も言ってこない以上はこちらも気がついていない(てい)でいたほうがいいだろうという結論に達している。

 

 買い物中もザジは終始無言で無表情だったが、物珍しそうに色々なものを眺めていた。

 誰かと一緒に買い物をして回るという経験は地球にいた頃は両親ぐらいとしかなかったが、意外と悪くないもんだなと思いながら千雨は買い物を終えたのだった。

 

 

 


 

 

 

 その翌日、食堂で朝食を食べ終えた千雨は自室に戻ってジャージに着替えた後、真新しい樹脂製の工具箱と木材を手に持って寮の裏手に来ていた。当然のようにザジは千雨の後ろを歩いている。

 学生寮の裏には芝生と所々に木が植わっている空間が広がっていて、ちょっとした作業をするには十分なスペースになっていた。

 

「ただ組み立てるだけだから見てても面白くないと思うぞ」

「……?」

「そりゃ最低限の手ほどきぐらいは受けてるけどなぁ。

 本格的に弟子入りしてたわけじゃねーから、良くも悪くも()()の物しか作れねーよ」

 

 一緒に買物に出かけていたため何を作るか知っているザジの問いかけに、千雨はぶっきらぼうに答える。

 千雨の言う『普通』とは現代の日本でも十分にその道で食っていけるレベルなのだが、得意分野と比べたら天と地ほどの差があるため控えめな表現になっていた。

 

 ちょうど水平になっている場所を見つけた千雨は工具箱と木材を地面に下ろすと、おもむろに工具箱の止め具を外して木工道具とブルーシートを取り出した。

 

 この工具箱はインベントリを誤魔化すために昨日購入した一般的な物だが、中に入っている道具は千雨が自分で作った物を移し替えている。

 見てくれこそ時代遅れで無骨だが、千雨の特殊な使い方に合わせて作った過剰なまでの耐久力を持つ鋼鉄製の道具である。

 

 とはいえ中に入れている道具はほとんどは木工用の物だけで、今のところ使う予定のない鍛冶や彫金、裁縫用の道具はインベントリに入れたまま取り出していない。

 

「んじゃ、さっさと作っちまうか。ザジは午後から曲芸手品部の下見に行く予定なんだろ?」

「……!」

 

 楽しそうに(無表情だが何となく感情を読めるようになってきた)頷くザジを横目に、千雨はスカイリムにはなかった便利な道具として新しく買い足したブルーシートを広げて、その上に工具箱と木材を移動させた。

 そしてついでに購入したコンベックス(鋼製巻尺)で木板の長さを測りながら、千雨はザジと雑談を続けている。

 

 ザジはサーカスに興味を持っているようで、曲芸手品部が開催しているナイトメア・サーカスの定期公演を見に行く予定を入れていた。

 千雨はザジに付いて行く気はない。道化師(ピエロ)にあまりいい思い出がないのもあるが、そもそも金欠気味なので無駄遣いしたくないのだ。

 そう考えつつブルーシートはともかく、無くても困らないコンベックスを買ってしまったのは純粋に物欲に負けただけである。

 

「サイズはこんなもんでいいか。どうせ大したものを入れる予定もないしな」

 

 手早く採寸を終えた千雨は頭の中に浮かんでいる設計図に沿って、木板を目当ての大きさに切り始めた。

 いつもなら()()()()()()であっという間に目的の物を組み上げてしまうのだが、ザジが見ている以上は普通に作るしかない。

 

 スカイリムでも自分の他には相棒の傭兵しか使えない力だったが、アカトシュの加護だと言ってしまえば納得された。

 神の実在が証明されているので、魔法でも不可能な事象も大抵は加護や奇跡という説明で片がつくのだ。

 実際アカトシュの加護の一部なのは正しいし、ドラゴンボーンとして有名になっていたので意図して隠す経験は少なかった。

 

 しかし別に普通に作れないわけではない。

 本人の意志に関係なく発動されたら技術を学ぶ際に邪魔になるので、切り替え方は真っ先に覚えている。

 

 千雨はスカイリムに連れて行かれる前から手先が器用だと自覚しており、当時は趣味でやっているホームページに掲載するアクセス数稼ぎ用のコスプレ写真の衣装を自作しようかと考えていた。

 戦いの才能も十二分に備えているし新たな技術を覚えるのも好きだが、彼女は今も昔も血なまぐさい殺し合いよりは、何かを作っているほうが好きなのだ。

 

(そういや昨日はホームページの更新してねーな。日記を書くのが癖になっててすっかり忘れてた。

 昔はネトア(ネットアイドル)デビューしてやるぜって意気込んでたけど、今更ネット上で承認欲求満たしても虚しいだけだよな……)

 

 軽く刃を当てて押すだけでどんな木材でも両断できる自作の西洋ノコギリ(伝説的)で板を手早く切断し終えた千雨は、ふとした拍子にホームページの更新を忘れていたことを思い出した。

 

 小学生の頃からインターネットの世界にのめり込んでいた千雨は独学でプログラミングやネットワーク関係の技術を学んでいた。

 人には言えないがハッキングやクラッキングにも手を出しており、自作のツール類まで用意している。

 スカイリムで過去を振り返るまで千雨は自分を一般的な子供だと思っていたが、方向性が違うだけで十分に非常識な存在である。

 

 それはともかく、千雨が自分のサイトを立ち上げて運営しようと思っていたのも、自分の技術を活かして人から注目されるためだった。

 

 多少ひねくれていたとはいえ、過去の千雨には人並みには他人から認められたいという欲求があった。

 今もその手の欲求が完全に消えたわけではないが、少なくとも必要以上に誰かに認められたいという感情は残っていない。

 

(せっかくそれなりに準備して始めたサイトだし、すぐに閉鎖しちまうのはもったいないか。

 つっても今のところ自撮りコスプレ写真をアップする気もねーし、モノ作り関連の写真でも載せるか?)

 

 そんなことを考えながら金槌を片手に鉄製の金具と木の板を釘で固定していると、遠巻きに千雨の作業を見ていた2人の女子生徒がゆっくりと近寄ってきた。

 千雨は一瞬だけ手を止めて女子生徒たちの姿を確認したが、何事もなかったかのように作業を再開する。

 

 しかし2人の歩みは止まらない。

 いかにも作業中で忙しいから構うなという態度を千雨は(かも)し出しているのだが、ブルーシートの隅っこで体育座りをしたまま作業をじっと見つめているザジのせいで効果が半減しているのだ。

 

「千雨ちゃん、なに作ってるの?」

「……上開きの収納箱(チェスト)だよ。既製品を買うと高いからな」

「ほぇー、すごいなあ。日曜大工が趣味なん?」

「まあそんなとこかな」

 

 ついに話しかけてきたオレンジ色の髪をした緑と青の瞳(オッドアイ)の少女──神楽坂明日菜(かぐらざかあすな)と、茶色がかった黒髪ロングの前髪を切りそろえている少女──近衛木乃香(このえこのか)の質問に千雨は簡潔に答える。

 そのまま無視するか邪魔だと言えば引き下がったのだろうが、(ひね)くれているくせに面倒見のいい千雨はクラスメイトに話しかけられたのに無下(むげ)に扱うという選択肢を選べなかった。

 

「えーと、近衛と神楽ざ……オジコンだっけ?」

「そこまで覚えてて、なんで最後に言い直すのよッ!?」

「なんつーか昨日の性癖暴露大会を思い出して、つい口に出ちまった」

「……もしかして、私って相当変なイメージ持たれてる?」

「クラスメイトの中では普通な方だと思うぜ。まだ他の奴らと全然話してないからよく分かんねーけど」

 

 口元を引きつらせながら冷や汗を流している明日菜に対して、千雨は苦笑しながら励ましているように見えて励ませていない言葉を返す。

 ほぼ無言で意思疎通してくるザジと上から目線な吸血鬼のエヴァンジェリンに比べれば、オジコンなだけの明日菜は相対的には普通だろう。

 

 そもそも昨日言い争っていた金髪翠眼(すいがん)のお嬢様──雪広あやかと明日菜が喧嘩するほど仲がいい親友という話は初等部の頃から有名で、千雨も何度か喧嘩している姿を見かけたことがある。

 明日菜が探知魔法を無効化したという点は気になるが、帰ってきて早々に余計な目的(サイドクエスト)を増やしたくないので口には出さなかった。

 

 千雨と明日菜がくだらない会話をしている一方で、木乃香もザジと会話を試みていた。

 

「そっちの子は、たしかザジさんやったっけ?」

「……」

「留学生なんよな。ウチは京都の出身なんやよ。ちょい訛っとるけど通じとる?」

「……」

「よかった、通じとるみたいやね。ザジさんはどこから来たん?」

「……」

「へ? 金星? あはは、冗談がうまいなー」

 

 木乃香の質問に答えるためにザジはカバンから宇宙図鑑を取り出すと、太陽系の図が書かれたページを開き金星を指差した。

 当然だが木乃香は冗談だと思って笑っている。ザジはチラリと千雨のほうを見た後、真面目に木乃香の質問に答えるために世界地図を取り出した。

 そんな二人の様子を見ていた明日菜がポツリと思ったことを呟いた。

 

「ザジちゃんって自己紹介のときも一言しか喋らなかったけど、うなずいたりはしてくれるのね」

「口数が少ないだけで人と話すのが嫌いってわけではなさそうだからな。

 こっちから話しかければ、喋りはしないが普通に受け答えはしてくれるぞ」

「そっかー……って、いつの間にか、もう完成してる!? まだ数分しか経ってないのに!?」

「慣れてりゃ誰でもこれぐらいでできるから気にすんな。それにこれから仕上げにオイルを塗って乾かすから、まだ完成じゃねーよ」

「いや、それにしたって早すぎると思うんだけど……でも案外こんなものなのかしら」

 

 千雨の作業ペースと手先の器用さが常人離れしているだけで、普通の人間はこんなに早く作れるわけがない。

 なので明日菜の反応が正常なのだが、深堀りされると面倒なので千雨は誤魔化すことにした。

 そしてあまり頭の良くない明日菜は千雨の誤魔化しを素直に信じてしまっていた。

 

「オイルが乾くまで丸一日はかかるから今日はここまでだな」

「じゃあね、千雨ちゃん、ザジちゃん」

「ほな、またなー」

「ああ、またな」

「……」

 

 元気に手を振る二人に対して千雨とザジは軽く手を振る。

 やけにフレンドリーな二人だったが、不思議と嫌な気分にはならなかった。

 機会があったら簡単な家具ぐらいなら作ってやってもいいかもなと思いながら、千雨はザジと一緒に後片付けを終わらせるとチェストを担いで自室に戻っていった。




MOD紹介コーナーになってる用語解説

【ドラゴンボーン・ギャラリー】
Icecreamassassin氏のMOD『Legacy of the Dragonborn SSE』による追加要素。
博物館、大量のユニークアイテム、新規クエスト、新規ダンジョンなどの要素を追加する大型MOD。
独自の攻略wikiが存在するぐらいボリュームがある。

話の流れとしては、千雨の度が過ぎる蒐集癖を見るに見かねた相棒の傭兵がソリチュードに新しく博物館が出来るという噂を聞きつけて、千雨を無理やり連れて行ったのが事の発端である。
死蔵されていたユニークアイテムたちが日の目を見ることになったのは良かったが、博物館の館長であるハイエルフの男(オーリエン)と千雨が意気投合したせいで蒐集癖が悪化してしまった。
同じ敷地内に遺跡探索を行う探検家協会も併設しており、千雨はギルドマスターを務めている。
この博物館にはセーフハウスも備え付けられており、最終的なスカイリムでの本拠地になった。
時系列としては中盤の終わりぐらいに位置するが、本格的に蒐集を始めたのはアルドゥインを倒してからである。

同胞団(どうほうだん)
千雨がスカイリムに降り立ってから初めて訪れたホールド──ホワイトランに本拠地を構えている5000年近い歴史がある由緒正しい戦士の集団。
創始者の死後少し後までは傭兵より少しましな雇われ兵士の集団だったが、いかなる戦争や政治的な争いにも関与しないと同胞団をまとめていた相談役(導き手)が宣言したことで地位を向上させ、現在のような立場となった。
千雨は戦闘の基礎こそ相棒の傭兵から学んでいたが、初めてドラゴンと戦った際に自分が力不足であると実感していた。
明らかに体育会系の組織である同胞団に難色を示していたが、背に腹は代えられない千雨は苦渋の決断の末に所属する道を選んだ。
そして色々あった結果、千雨はノルド流(脳筋)のやり方に結構染まってしまった。
時系列としては序盤の初めに位置する。

【セプティム】
帝国が発行している通貨の単位。金貨には現在の帝国を作り上げた皇帝タイバー・セプティムの横顔が描かれている。
人々からはゴールドと呼ばれており、様々な国で広く使われている。
セプティムとは200年前まで帝国を支配していた皇帝の一族の苗字でもある。
ゲーム内の貨幣価値を厳密に考えたら矛盾が生じるため、1ゴールドが日本円でどれぐらいか具体的に決める予定はない。


衛兵(えいへい)
ホールドを守る兵士の集団。共通の鎧と剣、ホールドによって絵柄の異なる盾を身に着けている。
男女問わず噂話好きで千雨が何か大きな出来事を起こしたら、いつの間にか遠く離れたホールドの衛兵まで広まっている。
洞察力にも優れていて、千雨がアーティファクトを持っていることに気がつく人物もいる。
かの有名な「膝に矢を受けてしまってな…」というインターネットミームの元ネタでもある。
衛兵は膝に矢を受けた元冒険者しかなれない職業というわけではないぞ。


黒檀(エボニー)
家具や仏壇によく使われている木材──ではなく、黒曜石のような漆黒の輝きをもつタムリエル独自の鉱物。
よく熱してから打たなければひび割れてしまう扱いの難しい金属のため、並みの鍛冶師では使いこなせない。
卓越した鍛冶技術と戦闘力を持つ千雨にとっては、特定の入手先が()()ので使い勝手のいい金属扱いである。
バニラでは武器を溶かしてインゴットにはできないがArthmoor氏のMOD『Ars Metallica - Smithing Enhancement』により機能を追加している。

鉱石変化(こうせきへんか)
世界の金相場を破壊する可能性を秘めた千雨が扱える魔法の中でも屈指のチート魔法。
この魔法の存在を聞かされたトルフディルは、真顔で死んでもこの魔法の存在を他言しないと覚悟した。
千雨もこの魔法の危うさは理解している上、鍛冶や錬金術が上達してからは金銭的にあまり不自由していなかったので使う機会はあまりなかった。
どこの誰がこんな魔法を生み出したのかは永遠の謎である。
余談だが、それはそれとして収集癖には金銭も含まれるため、千雨は過剰な量の金貨や宝石、貴金属を本拠地に溜め込んでいる。

魔法(まほう)
タムリエルの魔法の区分は年代が進むにつれて減っている。
200年前(Oblivion)には【神秘】魔法という区分があったが、現在は変性魔法に統合されており、1000年前(ESO)は更に区分が多かった。
過去の区分について気になる者は、ガブリエル・ベネレ著【提案:魔法の流派】を読むことをおすすめする。

日曜大工(にちようだいく)
昨今の日本ではDIY(Do it yourself)と言われることが多い。
千雨の場合はやることが多岐に渡るためDIYのほうが近い。
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