███:長谷川千雨は最後の竜の血脈である。   作:庭師代行

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第8話【パーサーナックス】

「こちらの要件だが……長谷川千雨、貴様を私の弟子にする」

「拒否権はないってか。ここの造り方を教えてくれるのなら願ったり叶ったりだが……アンタ、自分から弟子を取るタイプじゃねえだろ」

「ほう、鋭いじゃないか」

「偏屈な年寄りの知り合いが多くてな。もちろん理由はあるんだろうな?」

 

 出会ってから数回しか会話をしていないが、千雨はエヴァンジェリンが自分の技術を安売りする性格ではないと見抜いていた。

 

 エヴァンジェリンは千雨が近右衛門から受け取った魔法使いの歴史書にも、悪名としてだが名前が出てくるほどの人物である。

 千雨も口調こそ平時のままだが、眼前の相手は本来の実力なら国ひとつ相手取っても対等に戦うことのできる存在だと理解しているのだ。

 

 それはそれとして一貫して扱いが雑なのだが、エヴァンジェリンも口では色々言っているが本気で嫌がってはいないので態度を変えずにいる。

 

「同類相憐(あいあわ)れむ、とは少し違うか。まあいい、単刀直入に言うが千雨。お前は不死者だろう」

「単純に歳を取るのが遅くなってるだけかもしれねーだろ」

「……成長の見込みがないのは自分でもわかっているだろうに、言ってて虚しくならないのか?」

「うぐっ……ゆ、夢を見るのは自由だろーが」

 

 ドラゴンとは永遠、不滅、不変、不屈の存在である。ドラゴンの卵やドラゴンの子なんてものは存在しないし繁殖もしない。

 全てのドラゴンが時を司る竜神(アカトシュ)の手で生み出された存在であり、千雨は最後にして最新の翼と鱗を持たない人の形をしたドラゴンとも言える。

 

 【パーサーナックス(声の道の師匠)】が語ってくれたドラゴンに関する知識が千雨の希望を否定する。

 図星を突かれた千雨はエヴァンジェリンのツッコミに合理的な返答をすることができなかった。

 

「外見に関しては誤魔化す手段はあるから、いずれは教えてやろう……話が脱線したな。

 本題に戻すが、お前の『気』は人間からかけ離れすぎている。

 どうしてそうなったのかは知らんが、身体能力はともかく存在の格としては魔法世界(ムンドゥス・マギクス)にいる最上位の竜種(エインシェントドラゴン)と同等だろう」

「あー、まあ心当たりはあるな。だけど、それだけなら単に寿命が長いだけの生き物だろ」

 

 千雨の心当たりというのは最後の決戦でアルドゥインを滅ぼした後に、アカトシュに回収される予定だったアルドゥインの魂の一部を取り込んでしまった件である。

 アカトシュの権能を部分的に引き継いでいるアルドゥインの魂は強大で、千雨が()()()()を乗り越える切っ掛けとなった。

 

 アカトシュの思惑が斜め上の方向に狂った瞬間であり最大の失態──いや、【西の歪み(並行世界の統合)】やクヴァッチの英雄の一件があるので、割とよくある失態である。

 

「それだけなら、な。しかし貴様の行動には矛盾している点が多すぎる。

 貴様はここに入るとき、床の魔法陣を警戒した割にはあっさりと私の言うことを信用したな?

 未知のものに対する警戒心はあるが、まるで()()()()()()()()()()()と言わんばかりの気軽さで踏み込んでくる。それこそが不死性を持つ連中の共通点だ」

「私がただの単純バカで、なにも考えずに魔法陣に乗っただけかもしれないぜ?」

「あくまでしらを切るつもりか。ならば質問を変えるとするか……貴様、向こうの世界でいったい何人殺した?」

「……そこまでわかるのか」

 

 核心を突くエヴァンジェリンの質問に千雨は平坦な声で答える。

 千雨は人を平然と殺せるようになってしまった切っ掛けを思い返しながら、エヴァンジェリンの真意を探ろうとしていた。

 

 

 

 千雨が初めて人を手に掛けたのはスカイリムに降り立ってすぐのことだ。

 処刑がアルドゥインの襲撃で有耶無耶になった後、その場の流れで帝国軍と共に脱出しようとしていた千雨は【反乱軍(ストームクローク)】に敵の一員とみなされて攻撃された。

 

 当然だが、当時の千雨に戦う力などない。武器の基本的な扱い方だけは()()()()()()()()が、だからといって武器を手にとって戦えるはずがない。

 だから最初は帝国の兵士に紛れてやり過ごそうとしていたのだが、そううまくいくはずもなく()()()千雨は殺された。

 

 泣いても叫んでも謝っても運命は変わることなく、数え切れないほど殺された千雨はついに最後の一線を超えてしまった。

 先導していた帝国軍の兵士(ハドバル)年端(としは)も行かぬ少女に好き好んで人殺しなどさせたくはなかったが、状況がそれを許さなかったのだ。

 

 これは反乱軍(ストームクローク)が残虐だったからというわけではなく、仮に敵と味方が入れ替わったとしても状況は同じだっただろう。

 千雨もそのことを理屈としては理解しているが、感情まで納得させることはできなかった。

 結局、最後まで反乱軍(ストームクローク)のことを好きになれなかった理由のひとつでもある。

 

 その後、吐き気を(こら)えながら川沿いの村(リバーウッド)までハドバルに案内された千雨は、これは悪夢だと思って貸してもらったベッドで泥のように眠った。

 もっとも目が覚めても状況は変わっておらず、千雨は頭を抱えたのだった。

 

 目を覚ました千雨はハドバルに、自分の代わりに一番近いホールド(ホワイトラン)まで行ってドラゴンが処刑が行われた村(ヘルゲン)を襲撃したことを伝えに行ってくれないかとお願いされた。

 彼は今回の事態を帝国軍の将軍(テュリウス将軍)に報告しに行かなければならず、他の目撃者は散り散りになっていて残っていないのだ。

 

 もちろんハドバルは千雨だけでホワイトランまで向かえとは言わなかった。

 年に一度、必ず村の宿に泊まりに来る甲虫の外骨格と樹脂で作られた奇妙な(キチンの)鎧を着込んだ傭兵が()()()()滞在していたので、千雨を護衛してもらうために雇っていたのだ。

 

 これが千雨と相棒の傭兵──テルドリン・セロとの出会いである。

 彼がリバーウッドに滞在していたのは偶然ではないのだが、その話についてはいずれ語るとしよう。

 

 この一件以降、千雨は人を殺めても忌避感を覚えなくなった。

 もちろん千雨は好き好んで人を殺めたりなどしないが、それでも累計で1000人以上の人間を殺している。

 敵対生物やモンスターはその2倍以上殺しているが、それだけ戦いの日々を過ごしてきたということでもある。

 

 

 

 (とが)めるわけではなく、同情するわけでもない。遠い昔を思い返しているような、そんな目でエヴァンジェリンは千雨を見つめている。

 

「そう警戒せずとも貴様を非難したいわけではない。私も人にとやかく言えるような人生を送ってきたわけではないからな。

 しかし……貴様はきっと必要に駆られれば()()()()()()()()だろう。それこそ私と同じようにな」

「エヴァ、アンタ……」

「勘違いするなよ。私は過去を悔いているわけではない。ただ、英雄と魔王は表裏一体だと言いたいだけだ」

 

 エヴァンジェリンは今でも、魔法世界では『寝ない子供には闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)が来るぞ』という脅しに使われるぐらい恐れられている。

 しかし、なぜエヴァンジェリンが()()()()()()を引き連れて大国を襲撃したのか、その理由を知っている人物は少ない。

 

 今から500年ほど前、地球は魔法世界の大国──メガロメセンブリアの魔法使いに侵略されていた。

 当時のメガロメセンブリアでは侵略派の元老議員が権力を握っており、魔法研究があまり進んでいない地球では魔法世界から来たならず者の魔法使いが我が物顔で跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)していた。

 

 その現状を良しとしなかったエヴァンジェリンは数十年の歳月をかけて仲間と共に地球から侵略者を追い払うと、そのままの勢いで魔法世界に乗り込み侵略派の悪徳元老院議員を叩きのめし不可侵条約を締結させた。

 その過程で元老議員の私兵となっていたメガロメセンブリア近衛兵団第3師団や、真祖の吸血鬼(ハイ・デイライトウォーカー)や人類の上位種と呼称される存在──『貴族』との戦いもあったが割愛する。

 

 この事件がきっかけで非侵略派が主流となり、旧世界と魔法世界は100年前まで交流が絶たれることとなる。

 その間に地球では魔法文化の研究が進み、今では緩やかに交流が可能な状態まで関係を深めることができている。

 

 いわばエヴァンジェリンは地球を人知れず守った英雄なのだが、あまりにも彼女の力は強大すぎた。

 仕留め損なった元老議員やエヴァンジェリンの力を恐れる者、地球に残っていた侵略派の魔法使いが彼女を『魔王』に仕立て上げたのだ。

 

 今は麻帆良に封印されているため取り消されているが、エヴァンジェリンに600万ドルもの賞金が掛けられていたのは、その頃の名残である。

 

「……"多大なる努力によって(みずか)らの邪悪な本性を乗りこえるか、善の心を持って生まれてくるか。どちらが良いのだろうな?"」

「性悪説と性善説か。誰の言葉だ?」

「私にシャウトを教えてくれた師匠たちの(おさ)──パーサーナックスというドラゴンの言葉だよ」

「貴様の師か。さぞ強大なドラゴンなんだろうな」

「いや……大昔(竜戦争の頃)はかなり強かったらしいが、今じゃ見る影もないな」

「しかし貴様のいた世界のドラゴンは不変の存在なのだろう?」

 

 エヴァンジェリンの疑問はもっともである。

 ニルンのドラゴンは長い年月を経て力を増すことはあるが、定命(じょうみょう)の者のように加齢で身体能力が落ちたりはしない。

 最初から完成された生命体のため劣化という概念は存在しないはずなのだ。

 

「こっちではどうだか知らねーが、ニルンのドラゴンは力こそ全てって考えを持つ生き物として神に生み出されたんだよ。

 パーサーナックスも魂の奥底から湧き上がる感情に身を任せて人間を虐殺していたんだが、善なる神(キナレス)(さと)されてからは自らの衝動を抑え込んだ。

 だけど自分の在り方を捻じ曲げるのには相応の代償がある。長い年月、雪山の山頂(世界のノド)で瞑想しているパーサーナックスは破壊衝動を封じる代わりに弱っちまったんだ」

「なるほど……そのパーサーナックスという老竜は人格者なのだな」

「ああ、私の知るかぎり一番の人格者だよ」

 

 薄っすらと微笑みながら、千雨は自分を導いてくれたおしゃべり好きな老竜の姿を思い浮かべる。

 

 太古の昔、人間を虐殺していた事実は消えない。当時の出来事を歴史として知る人間が襲いかかってきたとしても、パーサーナックスは一切の反撃をしないだろう。

 だからこそ、千雨はパーサーナックスを尊敬している。彼のように衝動を完全に抑え込むのは難しいだろうが、パーサーナックスの存在を忘れないかぎり千雨が道を踏み外すことはないだろう。

 

「理論上不可能とされる別世界に移動する技術に異世界の魔法技術。更には不死者という要素まで加わった貴様は、今後間違いなく大きな流れを生み出す。

 大人しく麻帆良に閉じこもって普通の人間として生きるのなら話は別だが……お前には無理だろう?」

「まあ無理だろーな。拠点ができたら魔法世界に行ってみたいし、せっかく磨いた技術を腐らせるつもりもないしな」

「まったく……貴様を見ていると、どこかの大馬鹿者(ナギ・スプリングフィールド)を思い出すぞ。どうせ貴様も理性より感情を優先するタイプなのだろうな」

「は? 私は頭脳派なんだが?」

 

 心外だと言わんばかりに反論する千雨だが、エヴァンジェリンの推測は的中している。

 千雨は頭の回転が速く損得勘定も得意だが、同時にかなりのお人好しで困っている人を放ってはおけない。

 口では冷たいことを言うのに結局は助けてしまうというお決まりの流れ(テンプレ)を、千雨はスカイリムで幾度となく繰り返している。

 

「ならいいのだがな……ともかく、だ。私はそれなりにこの街を気に入っている。貴様のような異物に騒ぎを起こされたら困るのだ。

 まずは私のもとで魔法の基礎知識と常識を学んでもらうぞ」

「……もしかして、私のことを心配してくれてんのか?」

「そ、そんなわけなかろうっ! それに私の出す試験に合格しなければ弟子にはせんぞ」

「おいおい、最初と言ってることが違うぞ」

「貴様が見込み違いだった場合は、そもそも騒ぎにすらならん。だったら私が弟子に取る意味もないだろう?」

 

 永く生きているので本心を見せたがらないエヴァンジェリンは絶対に口には出さないだろうが、千雨のことを心配していた。

 

 千雨の境遇はエヴァンジェリンの過去と少し似ている。

 本人の意志と関係なく力を与えられ、生き残るために強大な力を身につけ、多くの人間を殺してきた。

 ならば今後辿るであろう境遇も似たようなものになるのではないかと、密かにエヴァンジェリンは危惧していたのだ。

 

 隠しているが本当はお人好しという部分も似ているので、態度にこそ表さないがエヴァンジェリンは千雨に親近感を覚えていた。

 

(ひね)くれてんなあ、アンタも私も……それで試験ってなにをするんだ?」

「弟子入りの試験といえば、もちろん相場は決まっているだろう。私と戦って実力を見せてみろ!」

「んなッ……バトル漫画じゃねーんだぞ! なんで戦わなきゃいけねーんだよ。差し出すなら金とか知識とか他にも色々あるだろーが」

「なんだ、怖気づいたのか? まあ高々3年程度しか戦闘経験のないひよっこなら、この程度だろうな」

「……言ったな、テメー。クラスメイトと戦うつもりはなかったが、そこまで言うなら相手してやろうじゃねーか」

 

 肩をすくめながらやれやれと呆れたように煽ってくるエヴァンジェリンにプライドを刺激された千雨は立ち上がると戦闘態勢をとった。

 さすがの千雨も、血反吐を吐きながら精神をすり減らして磨き上げてきた技術を見下されては黙っていられなかった。

 

 戦うために室内から塔の屋上部分へと移動した千雨とエヴァンジェリンたちは、各々に戦闘準備を整えると10メートルほど距離を開けて向かい合った。

 インベントリから地球には存在しない金属(黒檀)悪魔(ドレモラ)の心臓を混ぜて作られた禍々しい重装鎧一式(デイドラの鎧)を取り出すと同時に装備した千雨は、日本刀によく似た見た目の片刃の剣──【デイドラのブレイズ・ソード】を鞘から引き抜きエヴァンジェリンに突きつける。

 

 これらの装備は普段使いの物ではなく、万が一の事態に備えて千雨が技術の(すい)を集めて作った現時点で最も強力な装備である。

 全ての部位に最高位の付呪(エンチャント)を施しているため、スカイリムでは過剰すぎて使う機会すら存在しないレベルの装備だ。

 

「やっと戦意を見せたか。まずは小手調べだ。相手になってやれ、チャチャゼロ、茶々丸」

「ケケケケケ、随分ト悪役ミテーナ姿ニナッタナ!」

「お覚悟を、千雨さん」

 

 顔を覆い隠す兜で顔を隠している千雨は、無言で左手にデイドラの盾を装備すると()()()()()()()()で緑髪の小柄な操り人形──チャチャゼロの短剣による二連撃を軽くいなした。

 

 魔力による強化がなされているチャチャゼロの斬撃は決して軽いものではない。

 石柱程度なら軽く両断できるであろう一撃だったが、デイドラの盾には傷一つ付いていない。

 

 連携して殴りかかってきた茶々丸の拳を()()()()()()()()()()()()千雨は、左手でデイドラの盾を構えたまま後ずさりながらエヴァンジェリンたちの動きをうかがっている。

 

「チッ……無駄ニ硬テーナ、アノ盾。ナニデ作ラレテンダカ」

「盾だけではなく防具や武器にもかなりの量の魔力が込められているな。おそらくは、あの装備全てが高度なアーティファクトなのだろう」

「……ッ! マスター、千雨さんが可聴域外の発声を行っています!」

「見せてもらおうか、シャウトの力とやらを。

 リク・ラク・ラ・ラック・ライラック! 『氷盾(レフレクシオー)』!」

 

 万全を期すために、己の魔力と始動キーに加えて魔法薬の入った瓶を叩き割ってブーストをかけた防御用の魔法──氷盾(レフレクシオー)を発動させる準備を整えたエヴァンジェリンは、両腕を組んで千雨の発動させようとしているシャウトを待ち構えている。

 

strun(ストラン) b2(バー) qo(クオ)

 

 千雨の声の力によって、本来なら常に晴天を維持するように設定しているはずの空模様が急激に悪化する。

 ぽつりぽつりと降り出した雨がすぐさま豪雨へと変わると同時に、千雨のシャウトによる攻撃がエヴァンジェリンたちを襲いかかった。




説明回だから内容が多い用語解説

p1rth9nax(パーサーナックス)
p1r(パール)(野心)』『th9(スール)(大君主)』『nax(ナックス)(残酷)』という意味の名を冠している太古の昔から生きているドラゴン。
元々は竜戦争の時代にアルドゥインの副官として活動していたが、キナレス(ノルドにはカイネとして信仰されているエイドラ)に(さと)されて考えを改めた。
数匹のドラゴンと共に人類にシャウトの力をもたらして竜戦争を勝利に導いた後、彼は世界のノドの頂上で瞑想して己の破壊衝動を抑える日々を送っている。
千雨にとっては祖父に近い存在で、アルドゥインを倒した後もそれなりの頻度で赤いドラゴン(オダハヴィーング)の背に乗せてもらって会いに行っている。
「運命より他に動機はないのか? お前はただ……宿命に弄ばれるだけの存在なのか?」

才能の壁(レベル上限)
Kassent氏のMOD『Skyrim Skill Uncapper』による変更要素。
本来スキルレベルの上限は100までとなっているが、千雨はアルドゥインの魂の欠片を取り込んだ影響で上限がなくなっている。
本作最大の改変要素であり、時間さえかければ無限に成長できる可能性を秘めている。
生産系のスキルレベルこそ達人の2倍(200)を超えているが、それ以外のスキルはそこまで逸脱したレベルには達していない。
上限が撤廃されている代わりに、錬金術のバグ(超錬金)はこの世界では修正されている。
成長速度などの要素に関してはバニラから変更されていない。


西(にし)(ゆが)み】
第三期417年(The Elder Scrolls II: Daggerfall)降霜の月(10月)に起きた出来事であり、その当時の出来事をまとめた本のタイトルでもある。
『西方の激変』や『奇跡的な平和』とも呼ばれておりタムリエルを帝国が統一した切っ掛けにもなっている。
実際には不可能な多数の出来事が()()()()()()()()()にされており、アカトシュの手で『ドラゴンの突破(時間改変)』が行われたと言われている。
事の発端はエージェント(TES2の主人公)がアカトシュの加護を利用して、自分の選んだ全ての結果(マルチエンディング)を並行して同じ世界で運用しようとしてしまったため。
複数の並行世界を同一の世界で運用するのは世界の限界(キャパシティ)を超えており、世界の崩壊を防ぐためにアカトシュが無理やり全ての世界を重ね合わせた結果、ドラゴンの突破が発生した。
可能性のひとつにエージェントの死亡も含まれていたため、彼はアカトシュの加護を取り上げられた上、死んでしまった。
以降、アカトシュはアカトシュの加護による効果を()()()()()に変更した。


The Elder Scrolls II(ジ・エルダー・スクロールズ・ツー): Daggerfall(・ダガーフォール)
ベセスダ・ソフトワークスが1996年8月31日に発売したオープンワールドなアクションRPGの2作目。
略してTES2やダガーフォールと表記されることが多い。
シリーズ発売15周年を記念して2009年にフリーウェアになったため、現在は無料で遊ぶことができる。
ダガーフォールはスカイリムの西隣にある土地で、ゲームとしては歴代最大の広さを誇る。
自動生成アルゴリズムによって作成された6万3000平方マイル(日本の約40%)もの面積を持つマップを移動できる。
主人公(プレイヤーキャラ)はシロディール皇帝ユリエル・セプティム7世に、死んだはずの王が帝国への反乱を企てているので魂を開放するように依頼された。


【ストームクローク】
ハイエルフ(アルトマー)との戦争で休戦協定(白金協定)を結んだ帝国は、ノルドの多くが崇めている帝国の建国神(タロス)の崇拝を禁じられた。
それに反発したノルドの男──ウルフリック・ストームクロークが指導者となって反乱軍が結成された。
最終的にストームクロークは帝国軍との内戦に破れ、ウルフリックは千雨に討ち取られることとなる。
時系列としては終盤の終盤に位置する。

【リバーウッド】
スカイリムに数多くある村のひとつで、規模は普通だがそれなりに活気がある。
千雨の相棒であるテルドリン・セロは、スカイリムで住むならこんな村がいいと言っている。

【ホワイトラン】
千雨が一番最初に訪れたスカイリムの中央部に存在するホールド。
立地がいいのかスカイリムの都市としては栄えている。
政治的な立ち位置としては帝国寄りの中立派である。
セロには不評だが、千雨はなんだかんだでこのホールドが一番気に入っている。

【テルドリン・セロ】
顔を隠す兜を常に被っているダークエルフ(ダンマー)の男性。
青黒い肌をしていて外見年齢は20代前半だが、実年齢は200歳を超えている。
特技は現金を使った交渉術。山賊相手だろうが問答無用で黙らせることができる。

世界(せかい)のノド】
タムリエル大陸で最も標高の高い雪山。中腹付近には声の道を極めるための集団──グレイビアードの寺院がある。
標高はおよそ1万メートルほどあるとされており、天候を操作するシャウトを扱える人物以外が山頂にたどり着くのは難しい。

【デイドラのブレイズ・ソード】
lautasantenni氏のMOD『Katana Crafting - SE』による追加武器。
様々な素材の太刀、刀、脇差、短刀を追加する。世界観に合わせるため名称はブレイズ・ソードとしている。
ブレイズ・ソードは日本刀と見た目こそ似ているが、製法や運用方法は別物である。
一番の特徴としては片手で盾を持って使うのが一般的とされている点である。
千雨もこの組み合わせに違和感は覚えているが、片手武器と盾を持つスタイルが一番得意なので見た目は気にしないことにしている。


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