「キングダム~烈人伝~」最速将軍RTA   作:螺鈿

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 レズちゃんです。独特なヒゲのおじ様に「美味しいものがあるからついておいで」と言われてホイホイ連れていかれてしまいました。一体どうなってしまうんでしょうか?(期待)

 

「よく来てくれた。私は秦国御史大夫昌平君というものだ」

 

 連れていかれた先はとんでもねぇお偉いさんです。常人ならたまげてしまうことでしょう(たまげる)

 

【こんにちは】

 

 しかしレズちゃんは動じません。 ……普通に理解してないだけですねクォレは。

 

「……平たく言えば貴方の最も上の上官です」

 

 控えていた介億がこっそり教えてくれました。出来る男やでホンマ。

 

【ハハッ!】

 

 即座に拝手するレズちゃん。多分〇千人将とか分かりやすいのじゃなかったから知らなかったんでしょうね。教養値が低いとこうなります。皆さんも気を付けましょう(白目)

 

「構わない。これは公的なものではない。腰をかけてくれ、食事でもしながら話そう」

 

 次々と運ばれてくる、明らかにグレードの高い食事。レズちゃんの目が釘付けです。まだよ、羹は駄目よ、相手が食べるまでステイよステイ。

 

「私は蒙恬の軍略の師でもある。君の活躍の話は聞いている」

 

【蒙家のご支援を頂いてのことです】

 

 目が羹に行ってなければ完璧な対応なんだよなぁ……

 

「……折角だから冷める前に頂くとしよう」

 

【頂きます!】

 

 すみませんね。ほら、食べていいってよ。でもお上品に頼むよーレズちゃん(ホモは皆お嬢様)

 

「しかし、この短期間で300人将とは大したものだ」

 

【先程千人将になりました】

 

「なに?」

 

 あ、コイツ裏金使ってんなとバレます(白目2回目)。まぁどうせバレるのでもういいです(やけっぱち)

 

「意外だが、まぁいいだろう。君のこれまでの戦いを教えてくれないか?」

 

【拙いものでよければ】

 

「気にしない」

 

 王翦にした様にギャルホモ感溢れる説明をしましょう。余計なことは言わないのが吉です(真顔)

 時折突っ込まれますがその時は「ちょっと何言ってるか分かりませんね(趣味で人殺してそうなホモ感)」と知らない振りをしましょう。弁舌能力が中途半端に高いとバレますが、低すぎると逆にバレません(自虐)

 

「そうか。感覚的なものが多いが、よく現場で判断している。非難する者もいようが、それは評価に値するものだ」

 

【お褒め頂きありがとうございます】

 

 ここで判定が行われます。何の判定かと言うと昌平君の特殊独立遊軍として採用に値するかというものです。後々の中華統一に向けて今から使える駒を育てようというプランなのですが、このゲームだと一定の功績を序盤内に上げると目についてスカウトを受けます。

 農民出身などの後ろ盾がない状態だと強制的にさせられるのですが、レズちゃんの様に有力な家の支援を受けているとこの様に丁寧に打診を受けます。

 

 なぜかというとこのゲームの政治ルートを通ると分かりやすいですが軍閥ってクッソ面倒です。流石の昌平君も無視する訳にはいかず、動くときはちゃんと根回しをします。基本的にこの苦労性なホモの目に留まる優秀な部隊は派閥に属する士族出身なので、「お、農民出身頑張ってんじゃーん」と思って見た部隊がガッチガチに大王派閥だった飛信隊の時のテンションの落ち込み様は大変なものだったでしょう。

 

「実は今後の戦局の難化に備えて独立遊軍というべき立場の部隊を作ろうと思っている。どの軍の指揮下にも入らない特殊部隊だ。そこの一つに君を選びたい。やってくれるのなら蒙家とは別に相応の支援をするつもりだ」

 

【支援ですか?】

 

「分かりやすいもので言えば、隊の全員を君の直轄に出来るよう資金面の工面。他には軍用品や武具も用意する。騎馬隊の設立なども望むならば行おう」

 

【ほ、本当ですか?】

 

「約束しよう」

 

 独立遊軍は入れば独自の指揮権を得られる他に国からの完全バックアップが得られます。軍資金の増加は元より隊員は全員が直轄、領地も拡大、結果を出せば望むなら軍馬や甲冑の他に人材も派遣してもらえます。受けない理由はありません。

 

 だ が こ と わ る 

 

 理由としては特殊部隊になると「まだお前には早い。もう少しそこで勉強しなさい」と昇格を止められることがあるからです。他にも主人公組と競い合わせる為にある程度階級を合わせたり、5千人将から将軍なんかは絶対と言っていい程止められるのでRTA的には詰みといっていいでしょう。

 スカウトの拒否権は有力者の下に付くしかないので、私が常にパトロンを欲してた理由がここにあります。

 

 しかし下手に「この私が最も好きなことはry」と断ると「軍師紹介して(おねだり)」が出来なくなるのでここは「でも、今日の今日のキャンセルは……」とお茶を濁しましょう。

 

【でも…私はまだお世話になっている蒙家に恩返しが出来ていないので……少し考えさせてください】

 

 レズちゃん難しい事分かんない。そんな感じでいいです(慎重)

 

「分かった。その気になったら蒙恬を介して伝えてくれればいい」

 

 はい、スカウトイベ終了ですね。後は一定期間経つとこの話は流れるので大丈夫です。このイベントは何処かで発生する確率が高いので想定外ではなかったのですが、予想外に早く発生しましたね。下手な受け答えすると軍師派遣イベに影響しかねないので、思わず発狂してオリチャーシートを破いてしまいましたよ(ビークール)

 

「ところで一つ聞きたいのだが」

 

【なんでしょう?】

 

 ん? 終わると思ったら終わらないですね。パパパッとイッてくれませんかねぇ(早漏)

 

「君はどうして軍に?」

 

【はやく将軍になりたいからです】

 

 「はやく」のところで疑問を浮かべるオッサン。……え? ここで運命の選択肢? 何故に??(困惑)

 

『将軍になって何を求める?』

 

 マジで運命の選択肢ですね(動揺)。初めてですが問題はないです。大王派閥ルートとか通ってると下手すると「ホモ王の為に」とか言って敵対しますが今は大丈夫です。大丈夫なはずです。大丈夫……だよね?

 

【特にないです】

 

 そら(RTA的に言えばそれがゴールなんだから)そう(それ以降の目的はなくなる)なるわな。しかしそんなストレートに言わんでも(本日3度目の白目)。ある意味「だが断る」より失礼よ、それは。

 あっ、こら話の途中に羹は駄目よ、羹は!

 

「……そうか」

 

 流石の昌平君も(呆れ)といった様な微妙な顔になります。そらそうなるわな。

 

 でも意外ですね。キャラの個性はそれぞれなので普通だと何かあったりします。メジャー所だと「歴史に名を残したい」だとか、面白いもので「絶世の美男子を嫁にする」とか。レズちゃんだったら世界中の羹を食べ尽くすとかいいそうでしたね。

 

【あ、美味しいものとか食べたいです】

 

 言わなくていいから(本日4度目の白目)

 

「これは以前呂丞相が仰っていたことなのだが……」

 

 特に気を害すこともなく諭す様な口調になる昌平君。大人やな(尊敬)

 

「無欲な人間というのは地位や責任に耐えられないと悟る者。そういった者は一見賢者に見えるが、よく見れば器の小ささが透けて見えるのだそうだ」

 

 頷いてるけど多分レズちゃん丞相分かってないよ。

 

「そういう者が人を率いる立場になれば、率いている者達も軽んじられることがあるだろう。君はもう少し欲や目標を持っていいかもしれないな」

 

【はい、わかりました】

 

 絶対分かってない(確信)

 

「よろしい。では私は先に失礼するが、何か聞いておきたいことはあるか?」

 

 アホを見る目になってますね。完全に先生モードに移行してます。多分コイツ将軍ってなんか凄いもんだと思ってるんだろうなみたいな感じです。奥の介億なんか目が凄い優しくなってますね。

 

 特に用はないのでさっさと帰りたいと思っていたのですが、1つ思い出したのでダメ元で頼んでみましょう(破ったシートの裏を見て)

 

【1つありました。最近領地経営の手が足りないので誰か良い人がいれば紹介して頂きたいのですが……】

 

 若干の無言。「お前、領地経営とか出来んのか?」って顔ですね。そら誰だってそうなる(納得)

 

「……私の食客で、中央から隠居して余生を過ごしたいと考えている者がいる。聞いてみよう」

 

 オファッ!? 成功しました!

 軍師派遣はこの頃は呂不韋派閥でない限り成功しません。ですが他の人材派遣は低確率で成功するとWikiに上がってたのでダメ元で頼んだらOK出ました。

 昌平君もいっそ心配で送ったのやもしれません。一応秦国を憂うものとしてレズちゃんの知力で民が不幸になることに思うことがあるのかもしれませんね(適当)

 

【ありがとうございます!】

 

「礼には及ばない。それでは失礼する。君はゆっくり食べていくといい」

 

【はい!】

 

 これでスネちゃまの依頼はしっかりと達成しましたね。部下の提案をしっかりと聞いて採用する。ホモは出来る経営者なんだなぁ(ホモ特有の脂汗)

 

 ぶっちゃけこのRTAで昌平君と関わることは殆どありません。政治的に対立しない限りこれが最後かもってレベルです。その最後も無難にやり過ごせましたし、他のキャラへの影響も特にないでしょう。えがったえがった(鈍り)

 

 

 

 ホモのオッサン共を見送り、飯を食い終わったらいい加減にさっさと帰ります。やっぱり蒙家領はイベントの地雷原、はっきりわかんだね(確信)

 

 いやーしかし起きるであろうイベントは把握していますが、発生が全体的に巻いていますね。今のところ修正も上手くいってるのでチャートは余裕を持ってこなせているのですが、なぜだか不安になってしょうがありません。これが……最速の走者だけが得る杞憂なのか!?(天狗)

 

 この後は特にイベントが起きなければ超侵攻の始まりです。それまでにしっかりと娼館を軌道に乗せ、金をしっぽり稼いで(イヤらしい)軍編制を行い備えましょう。

 このゲームは蛇甘平原までがチュートリアル、趙侵攻からが本番と言われる位ゲームの密度が変わります。加えて千人将以上になると今までの様な戦いは通用しません。今後の戦いは例えるならAC4からACVへ、ガンダム無双からジオニックフロント位変わることでしょう。分かり辛い? おっ、そうだな(マイペース)

 

 それでは最後に帰ったら出来るであろう娼館の名前を考えて終わります。……『超兄貴』なんてどうですかね? それじゃあ今回はこれでバイバイキン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんともまぁ、可愛らしい御仁でしたな」

 

 介億が言う。私とは正反対の意見だ。

 

『欲を言葉にせん人間程つまらんものはない。敵対してくる人間の方が余程マシだ。遊ぶにしても、引き入れるにしてもな』

 

 人と機を見る目を持って実質一国の頂点に立った男が言う言葉は重い。だが私には分かる。アレは欲のない人間などではないと。

 

 「はやく、はやく」としきりに言う彼女に野心はない。忠義に似たような何か。行わなければならないという義務感のようなものを感じられた。いや、義務というより、まるで自らの意思で役割をこなす演者の様な……

 

 分かるのはそこに善悪はなく、ただ強い思いがあるのみ。中華の業を背負う覚悟がある私だからこそ、その思いの強さが分かる。目的の為なら手段を選ぶことはないと。その証拠があの千人将の証。私に立身の邪魔をするなという意志の表れ。

 

「しかし、彼女に人をやるとは。主の何かに触れましたかな?」

 

「逆だ介億」

 

 この先呂不韋と王室は必ず軍事的に衝突する。今はこちらが強大な力を持っている。李斯もいる現状、万が一はない筈だ。だがその万が一に備えて動くのが文官。だからこそ蒙恬は動き続けている。どちらに転んでも有用性を示せる用にと。

 

 無視しても問題はないが、嫌に気になるような存在。全くもって厄介な人間を引き込んだものだ。

 

「目を離すには危険だと感じた」

 

 同類だからこそ分かる。手を組むことはあっても、誰かの下につくことはない。蒙家への恩返しだと?よく言う。自分にも忠義はなくとも恩義はある。だがその目の奥は呆れる程自分こそが天下の中心と物語っていた。

 

 全ては彼女の信じる「何か」の為に。

 

 従うものは無い筈の人間が従う。それは夢を託す器に出会えた時か、心が折れた時か……それとも別の何かか。いずれにしろ、世にこれ程気味が悪く感じる人間がいようとは思わなんだ。

 

 

 しかし、自分が理解できないならば他の者も同じだという確信がある。それならばどう転ぶかも予測がつくことはなく、今後もその心は権力者の下にはいないだろう。

 

 いずれ成長し、敵対するならそれでいい。潰すだけだ。だがもし秦が割れ、蒙家との関係もどうなるか分からず、天下が荒れるなら。

 

「……もしくは私が秦を離れざるを得なくなるならば」

 

 使える駒になる日も来るかもしれない。

 

 


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