「キングダム~烈人伝~」最速将軍RTA   作:螺鈿

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 こんなはずじゃなかったRTAはーじまーるよー↓↓

 

 前回のあらすじですが不意に現れた変態糞親父にガン掘られたクソガキは戦場の現実にビビッてノンケになりました。以上。

 

 はー、つっかえ! 試走じゃ分からなかったですが、どうやらあのクソガキは本陣強襲等で攻められると二度と戦場に出なくなるようですね。責めは良いけど受けは嫌とか、そういうのあんまり好きじゃないです(ホモは守備範囲が広い)

 

 このチャートはスタートダッシュが肝心で、あのクソガキの酷使を前提としていた為に既に崩壊しました。オリチャーは思い付きましたが、はっきり言ってかなり不本意です。この先絶対と言っていい程無駄イベによるロスが発生します。というか現状のリカバリも上手くいくとは限りません。

 しかしクソガキの件を抜きにすれば現状は最速であり、これからがノーミスかつ「純一無雑」の技能がこれからも良い仕事してくれれば十分にタイムにお釣りがくるのは確定的に明らかなので続行します。

 

 さて、オリチャー前に戦後処理をやりましょう。

 前回の戦のあと、宴によりジャイアン達を仲間にしました。正規軍に所属している状態だと軍属の部下にできますが、客将としての今の立場だと食客扱いになります。食客は自前でお給料ならぬお小遣いを支払わなければなりません。お小遣いは食客のステに依存するので今は大したことありませんが、気分的にはミニボンビーです。

 

 それとチャートを乱してくれた前回のあの野郎の武器を確認しておきましょう。いい感じの鉄鞭2本です。このゲームは妙な所で作り込んであり、同じ武器のステでも見た目が違ったものも多いです。狼牙棒の様に見た目がアレすぎるのものを街中で持ち歩いてると警戒されたり衛兵を呼ばれたりします。なので見た目もおとなしめで持ち運びに便利な鉄鞭を手に入れられたのは僥倖でした。ホモは前向きでなければやっていけないですからね。

 それと狼牙棒は今後も戦場で使いたいので、棘付き棍棒と一緒に拠点の宿屋に置いておきましょう。

 

 

 ではでは、のび太どもをいつもの宿屋に放り投げたら本格的にオリチャー発動です。鉄鞭を持って町を出ます。ほれいくどー。

 

 このオリチャーではある街にいるキャラに会い、新たなパトロンになってもらいます。

 ……こいついつも人の力当てにしてんな。まぁ千人将くらいまでは金とコネで成り上がった方が早いんでしょうがないですね(唐突な言い訳)

 

 つったかつったかと4日程かけて目的地へ行きます。この時間もロスだから嫌なんですよねぇ。ちなみにですが近道出来そうだからと街道を離れるのはお勧めしません。ランダムで野盗が出る上に道を迷ったら最悪餓死します。このゲーム現在地を示すマップとかないのでね。

 

 倍速で目的地に着きました。今まで拠点にしていた町よりかなり発展しており、町というより街って感じです。ここでは立派な武術館が在り、そこでは色々な相手と模擬戦が出来ます。一種の闘技場やアリーナみたいなものです。戦程ではありませんが経験値や名声を稼げるのでここを拠点にする走者も多いですね。

 

 一見いい場所に見えますが結構デメリットもありまして、ここはある有力者の領土かつ様々な名ありキャラが出入りするのでイベントが多発します。実況者なら良いですが走者だとロスがキッツイです。なので私も本来なら来たくなかったのですが、背に腹は代えられません。ホモなら覚悟決めろ! ケツの穴締めてほらいくどー!

 

「よく来たね! ここは名立たる武芸者が集まる天下一の武道場さ!!」

 

 嘘だぞ。このゲーム咸陽の武道館とかには武神クラスの奴がゴロゴロいるぞ。

 

「ほぉ! 腕試しか。いいだろう、存分に戦って行くといい!」

 

 謝謝! といっても目的の人物から接触があるまで、ひたすら戦っては食っちゃ寝するだけなので倍速です。

 

 この間に軽く説明しておきますと、この街では一定以上の魅力値を持った女性だとあるキャラから接触を受けます。街での名声が高ければ高い程確率も上がるので、ガンガン戦って経験値と名声を稼ぎましょう。上手くいけばゲーム内時間で1カ月以内には接触を受けますね。

 

 

 

 ……えー2カ月近く経ちますがまるで変化がありません。今までの反動なのか、クズ運を引きましたかね。

 イベント発生には魅力値も大きく関係します。今まで経験値は筋力と生命力に極振りって感じでした。クリアまで必要な最低限の値は最初のステロールで引いたので、今後も魅力値に振るつもりはありませんでしたが仕方ありません。これからの経験値は全て魅力値に振り、接触を受ける確率を高めましょう。

 

 

 …………更に1月程経ちました。最初の豪運はなんだったのかという感じです。レズちゃんも魅力値が高まって誘い受けスキルが更に高まってます。現地の女店主に誘われて、強引にヤられてしまいました。アイテム屋の女店主っていいですよね、僕は……やっぱり王道を行くパメラさんですかね。

 

 

 

 また今日も何もない素晴らしい一日だったと武道館から帰ろうとしたとき「見抜き、いいっすか?」と声をかけられました。

 

「最近、武道館にとっても強くて可愛い女の子が出入りしてるって聞いたんだ。それってもしかして君のこと?」

 

 キタァアアアア! 赤いヒラヒラの服を着た美形が声をかけてきました。皆さんご存じの蒙恬です。実はここは蒙家の領土です。蒙家はかなり官位の高い有力者ですが、コイツは女好きのノンケなので魅力値でホイホイ釣れて交渉次第で良いパトロンになってくれます。

 しかしこの頃の蒙恬はまだ幼さも残っており、服装も相俟って女の子の様ですね。こうやって女の子の警戒を解いて食い漁っているんでしょう。やっぱりノンケってクソだわ(偏見)

 

「俺は恬って言うんだ。折角だし、ちょっとご飯でも食べながらお喋りしようよ。オレまだ食べてなくってお腹が空いててさ、奢るよ?」

 

 うーん、イケメン。でもコイツち〇こついてんだよなぁ……

 奢りという言葉にウキウキでレズちゃんが着いていきます。この子の将来が心配です。

 

 蒙恬に連れられて良い感じにオサレな店に着きました。そこからクッソどうでもいい会話が始まるので倍速します。コイツが走者の天敵と呼ばれる所以です。

 

「それでさ、じいが言ったんだ。『若君が無駄遣いをしなければ、あの豪華な軒車も買えたのですよ』って」

 

 ほーん、それで?

 

「だからこう返してやったよ。『アレは俺の軒車だけど?』……ってね!」

 

 HAHAHAHAHAHAHA!!!! 

 レズちゃんの頭で理解できてるかは甚だ疑問ですが、オサレで美味しい食事と蒙恬の会話スキルによりレズちゃんもご機嫌です。

 

「ところで、聞きたいことがあったんだ。君は100人将なんだってね。戦にも出ているとか。オレには君みたいな女の子が戦場に出る理由が分からないな」

 

 はー、ようやっと本題に入りました。話長すぎて漏れそうですよ。ここでは無難に出世したいからと返しておきましょう。

 

【私は将軍になりたいんです。将軍に、誰よりも早くなりたいんです】

 

「将軍とは大きな話だね。それはどうしてだい?」

 

【ある日天の声が聞こえたんです。私は誰よりも早く将軍になれる、ならならければいけないと】 

 

 会話は知力や教養値によって変わります。キャラの好感度や信頼度の上下はそれぞれですが、蒙恬は意外に教養高めの方が上昇しやすいです。

 教養は武将ならステ優先度最下位といってもよく、初期値から全く振っていないので実はちょっと心配だったりするんですよね。

 

「天、ねぇ……。隠してて悪かったのだけれど、実はオレここら一帯の城主の息子でね。蒙恬って言うんだ」

 

 む、これはそろそろ来ますね。

 

「ウチの蒙家は軍部に強い繋がりがある。君が望むなら、その立身出世を手伝ってあげることも出来るかもしれないね」

 

【本当ですか? 是非お願いします!】

 

「でもその前に、君にどうしても聞いておきたいことがある」

 

【?】

 

 ナンパは緩急が大事(警戒)

 真顔になってシリアスなアトモスフィアです。

 

『君は将軍になったらこの中華に何を望む? 君の本心で答えて欲しい』

 

 えー今の様に効果音と共に背景が変わり、雰囲気変わったな的な問答になることがあります。これは「運命の選択」と呼ばれるもので、レズちゃんの今までのステ、選択肢、全ての行動をAIに判断されて自動的に選択が決定されます。非常に大事な場面でしか現れず、当然レズちゃんの回答次第で蒙恬のスカウト結果が変わります。他のオリチャーが思い付かないので、ここで失敗したらこのRTAは諦めようと思ってます(懇願)

 

 まぁ何度かこのイベントこなしたことありますが、どんだけアホでも魅力値が一定以上あるならまず間違いなく通るので大丈夫でしょう。教養知力は初期のまんまでも、今のレズちゃんはかなり魅力値が高まってますからね(クズ運のせい)

 

 それではレズちゃんにスパッと答えてもらいましょう。

 

【中華? 中華なら羹が好きです】

 

「……うん、オレも好きだよ。羹」

 

 僕はきんぴらがいいかな(白目)

 

 レズちゃん、今まで会話の選択肢は走者のホモらしく謙虚なものばかり選んできたので一見真面目な子なんですが、いかんせん頭が……

 ここに来て完全にメッキが剥がれたような感じです。レズちゃん、コレ実は目の前の料理しか頭に入ってませんでしたね。本当に、悪い子じゃないねん。ちょっとズレてるだけや。絶対損はさせないから、蒙恬様頼む。分かってくれぇい(押し売り)

 

【ここの羹はとっても美味しいです】

 

「喜んでくれてよかったよ」

 

 なんか心なしか目が優しいですね。心が痛い。これはもうダメですね、次のキャラ作成の準備に入りましょうか。

 

「あぁ、そうだ。君のことは、戦場ではしっかりと評価する様、蒙家が保証してあげるよ。はい、次に戦場に出る時はこれを忘れずに持っていってね」

 

 ファー!!?? 流石は蒙恬様や! 神や、仏や! これが真の陽キャや、ノンケの鏡はここにいたんや!!

 

【わぁ、ありがとうございます。蒙恬様】

 

「蒙恬でいいよ。周りからは若とかって呼ばれてるしね」

 

【ありがとうございます若様】

 

   『蒙家の推薦状を手に入れた』

 

 やったぜ!!(歓喜) いやー危うく再走するところでしたよ。

 蒙恬は文官としての側面も持っているので、意外と派閥の重要さや目ぼしい人材の扱いの大切さを理解しています。ちょっとノンケが過ぎますが、基本的に有能な人材とは積極的に繋がろうとするので色んな所でイベントを起こす(RTA的に)厄介要員です。ですが今回はそんな蒙恬の側面に助けられました。アーイキソ。

 

「正規軍として中央に行きたいんだってね。ここだけの話、もうすぐ”大きな戦”があるんだ。そこで活躍したらウチが推薦してあげるから、頑張ってね」

 

【はい、頑張ります】

 

 ここの会話で蒙恬から一定以上の評価を得ると、蒙家や蒙恬の直轄部隊にスカウトされるのですがそこまではないようですね。まぁケツ持ちになってくれただけ奇跡的なんですが。

 

 ちなみにこの頃の蒙恬は自身の勉学と平行して楽華隊の創設や練兵をしています。楽華に入って蒙恬エンディングを目指したり同じく創設期の玉鳳に関わりたいって人はこのチャートお勧めです。

 

 真面目な会話が終わるとまた陽キャらしい会話に戻りました。会話のレベルをレズちゃんに会わせてくれる……ホモは空気が読める、はっきりわかんだね(倍速)

 

 それにしても、先程蒙恬は「大きな戦」と言いました。素人のホモは見逃しがちですが、様々なキャラの会話でこのセリフが出るのは一種の予告演出です。明日からはまた拠点の町に戻り「大きな戦」に備えてのび太達をしばき回します(邪慰安感)

 

 今回は戦場よりよっぽど手に汗握りましたが、なんだかんだでオリチャーによるリカバリも成功しました。それではこの辺で皆さんバイバイキン!

 

 

 

 

 

 

 

 

「知ってるだろ? 女の子に振り回されるのは嫌いじゃないけど、振り回す方が好きなんだよ」

 

 軍師として活躍している弟と戦場で会うことは偶にある。そういう時は家族で酒を飲むのが暗黙の了解だった。

 

「最初に目を付けた時は楽華を立ち上げた時でしょう? 兄上なら誘わない理由が無い筈なのに」

 

「お前、それ容姿の事で言ってるだろ」

 

 いくつもの修羅場を乗り越えた弟は、将軍になった自分にも物怖じせず堂々と言う。共に高みに昇った兄弟同士。その生意気な口が愛おしい。

 

「確かに男だけの楽華隊とか萎えるなぁと思ってたし、あの子はとっても可愛いかったし、見ただけで強いってのも分かったよ」

 

「やっぱりそうじゃないですか」

 

 空いた盃に酒を注ぎなおす。注いだ酒に自分の目が反射して覗いた。祖父からの一番の贈り物。人を瞳から見通す眼。

 

「俺が人を誘うとき、何も考えていないとでも? 元々は土門との雑談からだったが、そこからは時間をかけて自分で調べ上げたよ」

 

 楽華の編制に苦労しているとき、土門に面白い兵がいたと聞いた。食客だから引き抜くのは軋轢が出そうで止めたが、どうも主である客将との仲はよろしくなさそうだったので、唾をかけてみるのはどうだと話された。

 

 手練れは欲しかったがわざわざ出向くまでもない。半分冗談みたいなものだったし、多忙を極めていたのでその場は流した。だがその話を覚えていたのは、やはり見た目が中々良い女兵士ということだったからだろう。

 

「偶々領地に帰ってきてる時に彼女がいたから、会って話もした。それでやっぱりいらないと思ったんだよ」

 

「それはまたなぜ」

 

「ああいう兵士がいるのは色々役に立つ。けれど、オレの流儀じゃない。オレの部下たちには、そういうことはあんまりやらせたくない」

 

 彼女が戦場でどういう活躍をしたのかは土門に聞き直し、兵士から裏付けもとった。そして彼女と話をして、その目を見て思った。

 

「彼女は危いよ。宮廷の連中は彼女を蒙家が取り込んでると思ってるけどそれはとんだ誤解さ」

 

 彼女は戦場の負の側面を決して厭うていない。好んでいる訳ではないが、あるがままに受け入れて利用している。

 

「彼女に忠はない。義もない。思想で動く人間なら理解は出来る。でも彼女は誰にも理解できない考えで動いてる。まさしく誰も聞けない、分からない、天の声だ」

 

「我が蒙家は、とんだ危険物を抱えていると? それならば断れば良かったものを」

 

「他で暴れられるよりはいいかと思ったんだよ」

 

 その後の活躍を見るに、あの時の判断は間違っていなかった。少なくとも現状は。

 

「だから、お前がちゃんと面倒みてくれよ。オレの手には余る」

 

「引き入れるだけ引き入れて押し付けるとは……」

 

「わっはっは。蒙家の長男の命令だー」

 

 弟が肴にしていた干物の切れ端を投げつけてきた。滅多に見せない姿を引き出せたことに満足する。こんな会話が戦場での楽しみだ。

 

 

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