姫松高校麻雀部監督代行播磨拳児   作:箱女

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40 欲しいモノ

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 褐色の肌をした背の高い一人の少女が、廊下で浅いため息をついた。それは失望と後悔を含んだもので、チームメイトでさえ見たことがないようなものだった。彼女はこのインターハイにおいて臨海女子の優勝とはまた別の目的をひとつ見出しており、それについては誰にも話していない。言い換えれば話す必要のないような個人的なもので、彼女自身が決着をつけるべきだと判断したということであるとも言えるだろう。

 

 ダヴァンの実力をきちんと知る者に前半戦の結果を尋ねれば、おそらく不十分だとの答えが返ってくるだろう。同卓している面子も決して力がないわけではないが、彼女とくらべればどうしたって見劣りしてしまう。そういった評価がまかり通るほどにメガン・ダヴァンは実績も伴った強さを有している。毎年のように強力な留学生がこれでもかと出てくる臨海女子において、三年間連続で団体レギュラーを張ることは並大抵のことではない。そしてその彼女が、ほんのわずかなプラスで前半戦を終えたのだ。そこには先ほどついたため息と関連した理由があった。

 

 その当時の事情であるとか細かいことを省略すれば、ダヴァンはこのインターハイで龍門渕透華と打つことを切望していた。去年のインターハイの、奇しくも今と同じ準決勝の副将戦で対局し、そのときダヴァンは透華を恐れて他家への攻撃を強めた。その結果として龍門渕高校は準決勝で沈み、臨海女子は決勝へと駒を進めることになった。本来ならばそこにおかしなところは何もない。しかしダヴァンはその日のプレイを逃げであると断じた。底知れないものを感じて、それを避けるように打ちまわしたことを恥じさえした。ただひとつ救いがあったとすれば、その当時ダヴァンがまだ二年生であり、龍門渕高校の面々が揃ってまだ一年であったことだった。それはもう一度このインターハイで卓を共にする可能性が残っていることを意味していた。その年のインターハイでは台風の目だの龍門渕旋風だのともてはやされたほどの力量だ、まさか次の年の予選で負けるはずもなかろうとダヴァンは固く信じていた。

 

 しかし蓋を開けてみれば長野予選を突破してきた高校の名はダヴァンの望んだ龍門渕ではなく、清澄というところだった。その事実に対してダヴァンが何を思ったのかは定かではない。そしてこの準決勝に至り、彼女は一方的に清澄高校を観察した。龍門渕を押しのけてくるのに相応しい相手であるのかを確かめるために。姫松を徹底的に叩くというチーム方針をある程度差し置いてまでそれを実行した結果は、浅いため息だった。

 

 ( ……ま、切り替えていきまショウ。これだとネリーが騒ぎかねませンシ )

 

 そのせいと言うべきかそのおかげと言うべきか、ダヴァンの気分は乗り切っていない。気持ちの向きも姫松にピントが完全に合っているわけではなかった。彼女がこの夏に晴らしたかった思いはもう晴らすことはできない。やり切れない思いの向かう先がわずかに清澄にずれたのも仕方のないことと言えよう。ただそれでも本来の卓上の力関係は変わらない。ダヴァンが中心の卓であることは疑いようもないことだった。

 

 

―――――

 

 

 

 納めていた牙を、その程度こそわからないが、剥いたダヴァンが休憩明けの東一局で和了ってみせたことに疑問点などあるわけがなかった。むしろ他家からすれば理由もわからず黙っていた彼女がやっと動き出したことで、ようやく本番が始まるくらいの意識でさえあったかもしれない。その挨拶代わりの一撃が跳満だというのだからなんとも派手なことである。そんなものが自由に和了れたらゲームにならないのだから幸運が手伝ったのだろうことは間違いないが、それでも価値として実に大きな和了だった。

 

 ダヴァンに支払うための点棒を掴む絹恵の手の動きは案外と滑らかで、前半戦の自失状態からは立ち直ったようだった。休憩時間の間にどのような心の整理を行ったのかは彼女自身にしかわからないことであったが、それは効果があったように見受けられる。少なくとも今は手牌すべてが当たり牌に見えているということはなさそうだし、自ら和了りに向かう気持ちも再び点火したようだった。あとは機会が来るのを待つだけだ。

 

 もう一度丁寧に迷彩の色の濃い河をよく見ることは途方もない作業のように思えたが、絹恵は出来る限りにおいて手を抜かないよう気を遣った。それが実を結べば最高の結果に違いないが、現実と卓を囲むプレイヤーは甘くなく、東二局ではうまく仕掛けられた真屋の罠にはまって絹恵は振り込んでしまった。彼女にとって重苦しい時間はまだ続きそうだった。

 

 

 場は進んで東四局。各校の点数を見ればダヴァンだけが点数を伸ばし、他は抑え込まれていた。前半戦まではまるで目立っていなかった彼女が、たったの三局だけで圧倒的な印象を植え付けていた。そしてそれは場所を問題にはせず、同卓している相手であっても観客であってものべつ幕無しにその強靭さを叩きこんだ。とはいえダヴァンもここで全力をアピールしても得るところがない。やはり見据えているのは決勝であって準決勝で躓くことなど考えてはいなかったし、彼女たちにはそれが許されるほどの実力があった。ネリーの望みをある程度叶えたこともあって、彼女は完全に集中が高まった状態からは抜けてしまっていた。ある意味で言えばこのことが準決勝そのものの趨勢を決定したのかもしれない。もちろんそんなことは世界中の誰も気付いていないことだった。

 

 親番でもある絹恵の配牌は決して悪いものではなかったのだが、状況を打開する前提で考えればなんだか煮え切らないものでもあった。一局だけの攻めに転じようにも、それを後押しするだけのもう一歩が足りない。仕方なくこれまでと同じように他家の出方を窺ってから打ち方を決めることにした。とりあえずは使いみちのなさそうな北から捨てれば問題はなかろうと判断して絹恵はその牌を右端に寄せておく。

 

 迷彩の張られた河は絹恵にいつも霧深い森の中を思わせた。森の中にはいくつかの道があって、ひとつとは限らないハズレが口を開けて待っている。もちろん実際的に考えて絹恵だけがそこに挑むわけではないし、それらの迷彩の中にもヒントが隠れていることは少なくない。たしかに彼女が自分に都合の悪いように考え過ぎているきらいはあるにせよ、他校が姫松に狙いを定めている今の状況ではそれほど的を外してはいない考え方だ。注意深く霧の奥に目を凝らすことを徹底して絹恵は歩を進める。

 

 たしかに過去の事実として放銃はしているものの、それは不運が重なった結果であることもまた事実である。もし運よく振り込みを逃れるという消極的な幸運が働いていれば被害は軽減できたということでもあり、幸運と同様に不運がどこまでも続くなどということはあり得ない。実は絹恵はこの東四局を境にその悪循環から脱していたのである。本人の自覚はないにせよ。

 

 ( 清澄がたぶん聴牌かすぐそばやな……。メグさんはコワいけどようわかれへん )

 

 巡目は九巡目であり、絹恵の手は聴牌まではあと二歩ほど足りていなかった。リーチがかけられていないとはいえ聴牌気配の濃い相手とケンカをするような状態ではない。とりあえず和了の道筋を残せて、かつ危険ではなさそうな牌である七索を絹恵は切り出した。霧の森の中での戦いであるために確信を持てない打牌ではあったが、直後に誰かから声がかかることはなく、河はいたって穏やかであった。精神的な疲労から来るのか、調整された室内環境であるはずなのにどこかじっとりとした不快感が体から離れなかった。

 

 勝てば最善で点数をキープすることが次善、最低目標は清澄と一万以上の差をつけた二着で副将戦を終えること。そういった意味ではそろそろギリギリの点差であった。順位こそ二位をキープしているものの、清澄との点差は既に一万二千点にまで接近している。絹恵がどこかで和了るつもりでもなければ、清澄の原村に点棒が入ることさえ阻止しなければならない状況である。恭子の言う一万点キープの意図は今ひとつ理解できてはいないが、彼女は少なくとも麻雀においては無意味なことは言わない。ネガティブな受け取り方をすれば絹恵の結果次第では大将戦につないだところで点差を覆せないとも取れるのだ。最善も次善も失った絹恵に残された矜持を守る方法は最低目標を達成することだけだった。

 

 ( うちらが欲しいのは優勝だけ。負けたときのことを考える必要なんてない )

 

 腰が引けそうになった絹恵を踏みとどまらせたのは、拳児の言葉だった。迷彩を正確に見抜いたわけではなかったが、それでも彼女はやっと自分を信じて牌を捨てることができた。まだこれは逆襲には届かないほんの小さな変化であることには違いない。しかしそれは予想外のところで大きな結果を生んだ。状況、思考の型、それまでの経緯が作用しあった結果だった。

 

 

 巡目が回って十二巡目、未だ誰も和了どころかリーチの発声すらない。状況的にはリーチのかけられない場には違いないのだから不思議なところはないのだが。先ほどから原村とダヴァンは自摸切りを繰り返しており、聴牌していることは疑いようもなかった。つまり誰か、願望としては絹恵だろう、が当たり牌を零すことを望んでいるのだ。しかし彼女たちの望みはこの巡目でも叶わない。

 

 実際のところは絹恵ばかりが厳しい状況を強いられているわけではない。現時点で抜きん出ている臨海女子は別にして、清澄も有珠山も和了らなければ先に進めない状況であった。差を詰めてきているとはいえ、まだ順位で見れば姫松が二位であることに違いはない。そうなると三位四位の二校が採るべき方策は多少のリスクを背負ってでも攻めることだ。大将にかかる負担を少しでも軽減するために果敢に行かなければならない。今の東四局を除けば残る局は最低だとあと四つ。面子を考慮すればその四つで和了りきれる保障などどこにもない。合理性で考えても心情的に考えても、特に聴牌している原村にとってここは退けない一局なのだ。現状として聴牌しているのは原村とダヴァン、真屋と絹恵はそうではないためオリを選択している。原村は十三巡目の自摸で危険な牌を持ってきてしまったが、彼女はそれを迷いなく切り捨てた。彼女があまりにも合理的過ぎたがために。

 

 ( ンー、清澄から当たり牌……。サスガにこの巡目だと山越しは期待できませんヨネ…… )

 

 ダヴァンにはたしかに原村からの和了り牌を見逃す選択肢があった。それは確率こそ低いものの絹恵への直撃を期待するためでもよかったし、自摸を期待してもよかった。あるいは和了そのものを放棄する選択肢さえあっただろう。だがそれでも彼女は気が付けば牌を倒していた。何万と打ってきた経験と、意識にさえ上らないレベルでの清澄への憎悪がそうさせたのだ。よほど特別な事情がない限り、目の前の和了を見逃すことなど無意味どころかマイナスの結果にしか繋がらない。たとえそれが大きな点数でなくてもだ。この和了で、ダヴァンは原村から3900点を受け取った。

 

 

―――――

 

 

 

 「あのー、末原先輩?」

 

 「ん?」

 

 二人掛けのソファに隣同士で座っている恭子に対して、漫が声をかけた。先ほど拳児から説教のようなものをもらってから恭子の隣に陣取って、それからは黙って何かを考えていたようだった。その作業が終わったのか、あるいはそれについて自分に助言を求めるためなのかがわからなかったため、恭子はきちんと話を聞く体勢をとった。

 

 「昨日言うてた “一万点以上のリードが欲しい” ってどういうことなんですか」

 

 先日の作戦会議では知りたければ教えると言っていたが、実際には今日の準決勝に向けて誰もが対策を練っていたこともあって、恭子がそれについて説明する機会は結局なかった。となれば恭子の出番が近づいてきたことと、ちょうど今その点差の瀬戸際であることもあって気になったのだろう。漫が質問をしてきたのも頷けるところだ。

 

 それを説明するために、ということで恭子がカバンから取り出してきたのは牌譜だった。枚数で言えばそれほど多いものではない。もちろんそれは恭子が警戒している清澄の大将である宮永咲のものであったが、漫にはどこに注目すればいいのかがわからなかった。嶺上開花が得意だという話は聞いているが、それはわざわざ牌譜で見る必要のないものだろう。それに嶺上開花が恭子の言う一万点と関連しているとも思えない。漫はすこし媚びるように笑いながら、首を横に振った。

 

 「三万点返しで半荘ひとつずつの点数見てみ?」

 

 「……へ? えーと、あ、なんやこれえらい±0多いですね」

 

 言われた漫の目に映ったのはある意味で何よりも奇妙なデータだった。団体戦の結果も個人戦の結果も、その多くが麻雀として勝っても負けてもいない点数状況で終了している。具体的に言えば宮永咲の得点は29600点から30500点の間で推移していた。三万点返しというのは半荘終了時に三万点を基準としてどれだけ離れているかでプラスとマイナスを決めるルールであり、±0というのは千点にも満たないわずかな得点の間に存在する隙間のような部分である。当然ながら目にする機会はそれほど多くはない。しかし彼女の場合は牌譜を見る限り、どうも意図的にそれを達成しているようなフシが見られた。

 

 「いや末原先輩、これさすがに狙ってやるんは無理やと思いますけど」

 

 「何もそれが全部言うとるわけやない。実際予選では±0無視してド派手に優勝決めてるしな」

 

 恭子の言う通り、それは常に貫かれているわけではなかった。長野での団体予選決勝と、個人予選でも±0を実行していない場面が見受けられる。逆にインターハイ本選では未だそれが崩されていない。その決定的な差を末原恭子が見逃すわけがなかった。

 

 きっかけになったのは二回戦の大将戦、オーラスでのことだった。あのときの状況は清澄だけが先に進むことをほとんど手中にしており、わずかにリードを広げた姫松、永水、宮守と僅差での二位争いが行われていた。しかし黙ってさえいればいいその状況で清澄は、宮永咲は手を出した。誰もがその行動の意味を理解できなかった。あるいは永水か宮守のどちらかを準決勝に連れていきたくなかったのかもしれないが、それでも姫松を残すというのはさすがに疑問の残るアクションだと言わざるを得ない。だからその疑問を解決するために恭子は動くことを決断したのである。

 

 「宮永は半荘ごとに±0にする範囲内であれば無類の強さを発揮する可能性がある」

 

 「要するに半荘一回でにだいたい5000点ずつプラスしてくるっちゅうことですか」

 

 なるほどそれで半荘二回ぶんの一万点のリードを要求したわけだ、と納得しかけたところで漫は頷こうとするのを途中で止めた。綺麗に筋が通っているような気はするが、その論理は実のところ成立していない。というよりはリードをしておく必要がないのだ。警戒こそ必要かもしれないが、宮永が二半荘で一万点を稼ぐというならそれ以上に稼げばいいだけの話だ。まさか自身の尊敬している末原恭子がこんな論理の穴を見過ごしているとも思えないが、漫は不安そうな顔つきになって恭子に視線を送った。

 

 「言いたいことはわかるけどな、漫ちゃん。大将戦の面子相手に私じゃそう稼げへんやろ」

 

 そう口にした恭子の表情に卑屈なものは見られない。だが諦めている顔でもない。いつものようにできる限りのことをするつもりなのだろう。そしてその前日に恭子が提案したことが、おそらく彼女にとってのできる限りなのだ。漫には恭子の頭の中でどんなプランが組み上がっているのか、まるで見当がつかなかった。

 

 

―――――

 

 

 

 ダヴァンが原村から和了ったことがどう捉えられたかについては、それぞれに聞いてみなければわからないことだった。いくらか想像することはできるが、それが正確かどうかなど確かめる術はない。連荘がなければ副将戦に残るはあと四局。臨海女子を除けばどこも喉から手が出るほど点数が欲しいところだ。見据えているのは大将戦で、100点でもいいから稼いでおきたいに違いないだろう。ひょっとしたら姫松以外にも得点目標を設定しているチームがあるかもしれない。きっと清澄も有珠山も大将に回しさえすればと考えているのだろう。絹恵には何とはなしにそれがわかった。

 

 後半戦の南場に入ってからは真屋が攻め方を変えた。ある程度まで姫松の得点が下がったことを考慮したのだろう、絹恵を狙っていくよりはとにかく点を獲ることにシフトした。単純な話だ、この卓で初めてリーチが打たれたのである。他家に聴牌を知らせ、それ以上の手の変更を放棄する代わりに一つの役と裏ドラをめくる権利を手に入れる。見方によって最強の役とも最弱の役とも言われるそれは、この副将戦においては凶悪なものに映っただろう。下手に振り込んでしまえば、という思考が脳裏をかすめるのは雀士としては正しい防衛本能である。

 

 「ツモ。裏ドラはありません。2000・4000です」

 

 リーチをかけることでわずかに出足を鈍らせたことが功を奏したのか、真屋が三巡後にきれいに和了ってみせた。終盤での8000点は非常に大きく、また次は流れそのままに彼女の親番ということもあって、観客席の期待は一気に有珠山へと傾いた。もちろん流れひとつで全てが決まるわけではないし、同卓しているプレイヤーからすれば決めさせるわけにもいかない。どこまでも必死な攻防がそこにはあった。

 

 

 南二局を原村が制して南三局。卓を囲む選手はいざ知らず、観客たちはもはや絹恵をほとんど眼中に入れていなかった。彼女が狙われ続けていたという事実をどれだけの人が知っていたがは定かではないが、結果として見るならば絹恵のそれは惨憺たるものであった。一度も和了れずに中堅が稼いだ得点を吐き出したというのが数字上での結論であり、それは動かしようのないものである。そこから絹恵に期待しようなどという観客がいるわけもなかった。

 

 南一局の真屋の満貫自摸、あるいはダヴァンが原村から和了ったときからそれは始まっていたのかもしれない。彼女たちの意識が愛宕絹恵から少しでも離れ始めたのは。

 

 そもそも愛宕絹恵は決して弱いプレイヤーなどではない。全国に名を馳せる姫松で二年生にしてレギュラー入りを果たしたことももちろんそうだが、あの愛宕洋榎の妹であることで受けるようなやっかみだとかそういったものをねじ伏せて今の立場にいることに着目するべきだろう。今の準決勝も二回戦も結果が振るっていないが、それは特殊な状況を原因としていたと言うしかない。実際に彼女は一回戦では当然のように区間トップを記録している。現在着いているこの卓であっても、三者から囲まれるような構図でさえなければ十分に戦えるどころかダヴァンを除けば優位に立つことすらできただろう。それほどまでに囲まれるという状況は辛いものであり、そしてそれが緩んだということは、やっと絹恵が本来の麻雀を打つことを許されたのと同義であった。

 

 健康的に締まった腕がしなやかに伸びた。姉が尽きない才能の泉だとすれば、絹恵はまだ磨かれ始めて間もない巨大な原石だ。現に彼女は中学まで女子サッカー部に所属しており、本格的に麻雀の腕を鍛え出したのは一年ちょっと前のことだ。愛宕の血は未だ何一つとして底を見せてはいない。言い換えるならば、彼女たちは絹恵から目を離してはいけなかった。たとえそれがほんの一瞬であっても。

 

 抑えつけられてきたことに対するストレスを吹き飛ばすような明るい声で、絹恵から自身の和了宣言がなされた。

 

 

 

 

 

 

 

 




色々気になる方のためのカンタン点数推移


             後半戦開始     副将戦終了

原村 和      →   八二六〇〇 →   八〇二〇〇

真屋 由暉子    →   七六七〇〇 →   七九九〇〇

メガン・ダヴァン →  一三七二〇〇 →  一四九二〇〇

愛宕 絹恵     →  一〇三五〇〇 →   九〇七〇〇

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