学戦都市アスタリスク 凍氷の皇帝、歌姫と魔女の絆   作:夕凪の桜

1 / 34
初めまして、夕凪の桜です。
コロナウィルスの影響でずっと家にいて、はっきり言えば暇です。
やることもいつも同じなので、前に小説を書いたことがありまして、なら、好きなラノベを自分でアレンジしてみようかなと思いました。
投稿ペースは正直遅いです。週一出来たらいいなって感じです。
コロナが落ち着いて色々と再開されたら行方不明になるかもしれません。
でも、精一杯書くつもりなので、立ち寄ってみてください。


序章
序章-1


星導館学園序列1位、『刀雷』と呼ばれるアスタリスク史上最強の星脈世代、鳴神灰(なるかみかい)

雷を操る能力を持つ魔術師であり、鳴神流の正当な後継者であり遠距離だけではなく、近距離においても絶対的な支配力を持っている。

彼は今回の王竜星武祭までは魔術師としての力を使わず、自分の刀一本で全ての相手を打ち負かしてきた。

だが、王竜星武祭には絶対的王者と言われた『孤毒の魔女』オーフェリア・ランドルーフェンが相手だったのである。そこで彼は使わざるをえなかった、魔術師としての力を。力を使った時、観客は大いに困惑した。なぜなら魔術師であることは知っていたが使わないということはうまく使えず、戦闘の邪魔になるためという認識だったのだ。

しかし、実際は違った。雷を自由自在に操り彼女の瘴気を悉く打ち破ったのである。

そのまま勝負は決まり、灰は見事絶対王者を打ち破り、新しい王者として、グランドスラム達成者として世界に名を馳せた。

 

 

 

ここは王竜星武祭の祝賀祭。行政区の超が付くほどの高級ホテルの宴会場。

灰は星導館の生徒会長クローディアに付き添いの元宴会場に来た。来たと言っても皆制服のためただの食事会だ。3回目ともなるとそこまで緊張もしない。最初はここに招待される各校の猛者たちや星武祭の運営委員会の幹部たちも出席しているため若干の緊張を感じていた。ただ、聖ガラードワースの『聖騎士』アーネストやクインヴェールの『戦律の魔女』シルヴィアなどに話しかけてもらい、若干あった緊張もなくなったのも懐かしい思い出だ。まあ、シルヴィアについては今は例外的ではあるが……

今は序列1位として緊張することもなく、自然な立ち振る舞いができていると思っている。

 

さて、ここで一回シルヴィアとの関係について話しておこう。

 

灰が中学一年生の秋頃、つまり、鳳凰星武祭で圧倒的勝利を収め世界に名を知らしめた年の秋のことである。

再開発エリアで謎の爆発事件があり、その現場を興味本位で見にいこうとした時に、そこらへんのゴロツキに絡まれて困っているところにたまたま出くわし、助けたということがあったのだ。

それから彼女の探し物に偶に付き合う間柄の関係になった。それからたまに個人的なやり取りをするようにもなったりもした。

 

話を祝賀祭にもどそう。

 

 

「大分慣れてきましたね、この祝賀祭にも」

 

そう声をかけてきたのは星導館の生徒会長クローディアだ。

 

「まさか、ここに三回も来ることになるとはね」

 

やれやれといった様子で肩をすくめるのは灰だ。

 

灰色の髪をしており、後ろ髪のひと房だけを腰まで伸ばしているのが特徴的だ。

髪色同様目も灰色である。

 

「あら?ご謙遜なさるのですね。鳳凰星武祭を圧倒的な力で制覇をした時から私はあなたがグランドスラムを達成するのではないかと思っていましたよ?」

「買いかぶりですよ、会長。たしかに鳳凰星武祭、獅鷲星武祭は個人の力より連携の力が必要だけど、王竜星武祭は違う。単純な個人の力によって勝ち抜かなきゃいけない。正直この大会の前は優勝できる確信なんてなかったさ」

 

星武祭を二連覇したという重責が灰にのしかかっていたのだ。

 

「それでも、あなたは勝ち抜いた。それは誇っていいことですよ」

 

優しい笑みを浮かべるクローディアは灰に謎の安心感を与えてくれた。

 

「今回の主役もあなたなのですから。さ、行ってくださいな」

 

肩を軽く押されたので仕方なく、祝賀祭の中心にいる三人に近づいていった。

仕方なくといったが、口元には軽い笑みを浮かべていた。どんなことを言っても王竜星武祭を制覇してグランドスラムを達成したことは灰にとっても嬉しいことなのだった。

 

足を進めると三人のうち一人であるマディアス・メサ運営委員長が灰に気づき声をかけてきた。

 

「鳴神君、王竜星武祭優勝並びにグランドスラム達成おめでとう。君の活躍は久しぶりに胸が躍ったよ。これからの活躍も期待するといってももう星武祭に出れないのが悲しいね。また君の活躍が見れることを期待しているよ。改めて、おめでとう!」

 

手を差し出してくるマディアス。それに応えない理由もなく、灰は握手に応じた。

 

「ありがとうございます」

「ここの場に私がいても話しづらいだろう、私はここらで他の参加者に挨拶回りでもしておくよ。君たちはこのまま自由に過ごしてくれたまえ」

 

そう言ってマディアスは他の参加者の方に向かっていった。

 

「メサ委員長に言葉を取られてしまったが、優勝並びに星武祭三連覇おめでとう、鳴神君」

 

金髪のイケメン。聖ガラードワースの生徒会長にして序列1位、『聖騎士』アーネスト。

 

そして、後ろで誰にも気づかれていないことをいいことに小悪魔的な笑みを浮かべながらウインクをしてるのがクインヴェールの生徒会長にして序列1位、『戦律の魔女』シルヴィア。

もちろん灰はシルヴィアとの関係がバレないようにスルーするがアーネストのことだ、薄々は気づいているだろう。

 

「ありがとうございます。フェアクロフさん。これで少しは安心できそうです」

「君がいなければ獅鷲星武祭も優勝できそうだったんだけど、それで優勝したとしても何か物足りない気がするのだよ」

 

その言葉には次は絶対に負けないという絶対なる自信があった。

 

「フェアクロフさんを退屈させないような人物が現れる気がしますよ。なんか、そんな予感がするんです」

 

そう、わからないがそんな予感がしているのだ。再び捲き起こるアスタリスクの盛り上がりを。

 

「面白いことを言うのだね。だが、君が言うとなぜか信憑性が高そうだ。なるほど楽しみにしておこう」

 

普通なら信用すらされないような言葉もアーネストは自分なりの解釈で納得させた。

 

「そろそろミス・リューネハイムに君を譲らないとね。独占するわけにはいかないからね」

 

後ろでずっと話が終わるのを心待ちにしていたシルヴィアが一歩前に来て、代わりにアーネストが一歩後ろに下がった。

そして、やっとおめでとうを言えると思ったがある事が起こる。

 

「獅鷲星武祭優勝とグランドスラム達成おめっ「失礼します」」

 

ものすごーくタイミングが悪い時に給仕の人が来てしまったのだ。

タイミングが悪すぎてシルヴィアがそれはもう頬を膨らませていた。

 

「鳴神様、リューネハイム様にお手紙がございます」

「手紙?」

 

手紙は電子機器が発達してるこのアスタリスクにおいて使われるとしたら相手に顔を見られたくないという意思表示で他ならない。

つまり、相手は自分たちに顔を見られたくないような人物なのである。

 

「失礼ですが、差出人の方は?」

 

この状況にいち早く冷静な分析をしたアーネストが給仕に聞く。

 

「それが、受付のものによりますと、統合企業財体の幹部の方だそうで、お名前を聞くわけにもいかなかったそうでして、我々では判断ができない状況でして、メサ委員長に判断を仰いだところ、お二方の判断に任せるとのことでして」

 

マディアスの言いたいことは二人はアスタリスクトップクラスの実力があるんだからもし何かあってもどうにかなるだろうという事だろう。

 

「わかりました。僕は受け取ります」

 

ちらっと目で確認するとシルヴィアも受け取る事を灰に目で伝える。

 

「私も受け取らせてもらいます」

「ありがとうございます。急な申し出でご迷惑をおかけしました。それでは失礼いたします」

 

一礼して去っていった給仕にアーネストとシルヴィアは疑いの目を向ける。一方灰はというと。

 

(どこまでだ、幹部と名乗る男に今の給仕はほぼ黒だろう。あとは受付もか?いや、そこは末端のものだろう。ただ、あの給仕はおそらく地位がだいぶ上のものだろう。ばれる事を分かった上で接触してきた。厄介な事にならなければいいが……)

 

灰の中ではもう黒が確定していてそこからの事を考えていた。

ただ、この手紙によって面倒ごとという事はほぼ確定していた。

 

「フェアクロフさん。お願いできますか?」

 

何をとはいわない、そんな事を言わなけれはいけないほどアーネストは馬鹿ではない。

 

 

「何かあれば聖ガラードワースの生徒会長としてではなく、アーネスト・フェアクロフ一個人としてい君たち二人に力を貸そう。気をつけてくれたまえ。それでは」

 

そう言ってアーネストは他に来ている聖ガラードワースの人たちの所に行った。

二人は頭を下げるわけにもいかず、心の中でお礼を言った。

 

 

「''シルヴィ''内容を確認しよっか」

「そうだね、せっかくフェアクロフ君が空気を読んでくれたんだし」

 

灰はシルヴィアの事を二人っきりの時にはシルヴィと愛称で呼んでいるのだ。

 

手紙を開封しその中身を読む。白地に活字がびっしりと書かれていたが、大まかな事はオーフェリアの命を助けたければシルヴィアと二人で再開発エリアの沿岸部に来いという事であった。それが丁寧な言葉で長々と書かれていた。

 

「シルヴィ、一旦寮に戻って変装してきて、そしたら僕の家に来て。そこから向かおう」

「わかった。時間差も必要だし、私が先に出て行くね。受付はどうしよっか?」

 

受付、二人の予想では呼び出した連中の仲間であるはずだから、出て行けば連絡が行くだろう。

 

「多分それは気にしなくてもいいと思う。突然襲ってはこないだろうし」

「だよね、なら、また後でね」

 

走らず普通に歩いて会場を去っていくシルヴィア。

 

 

 

 

 

ここで今回なぜオーフェリアが出てきたのかを説明しよう。

 

オーフェリアと灰が直接会ったのは二回、一回目は去年の冬、シルヴィアに頼まれて再開発エリアである事を調査している時に襲われ撃退、その後和解が成立した。この時に色々と1時間ぐらいはなしてたりもした。二回目は今回の決勝戦。

仲がいいというよりかはまあ、軽く話す程度の関係だが、一回目から決勝戦の間にあった事も話した事もなかった。ただ、それで見捨てるほどの無関係ではないし彼女の経歴を軽くでも知っている今はほっておけないのだ。

 

 

まだ、シルヴィアとの時間差が短いため、灰が中央区外縁部に家を持っている理由を話そう。

これは序列1位となった権限及び鳳凰星武祭優勝の権限により外に家を持つ事が可能になった。もちろん学内の寮にも部屋はある。こちらは週に一度掃除してもらったりしている。特別な貴重品は学外の家に全て運んだ。

特例で家を持つ事ができたが、特別豪邸なわけなく、普通の一般的な家である。むしろ、学内の寮の方が広いというのである。

だが、この家も一人で暮らすには十分過ぎる。

 

 

 

シルヴィアが会場からいなくなった後、数人もまた会場から立ち去ったので灰も会場を後にする。

 

 

 

そして、灰たちの怪しいと予想した受付では。

 

『報告です、シルヴィア・リューネハイム、及び鳴神灰、両名がホテルから出て行くのを確認しました』

 

『おおよそ時間通りだな。よし、交代時間になったら目標地点に合流しろ』

 

『了解しました」

 

灰が予想した通りの展開となっていた…………

 

 

 

 

 

 

シルヴィアが寮に到着し、変装している頃ぐらいに灰は自分の家に到着していた。

家に入り、灰は他の部屋と違い厳重に鍵が掛けられている部屋を開け中に入る。明かりをつけた。

そこには二本の純星煌式武装の発動体が台座の上に置かれていた。

片方は『冰青の天界剣(ラヴィータ・イシュラ)』。『凍氷の皇帝(ヨトゥン・シュヴァルツ)』の使っていたとされる最強の純星煌式武装。

もう片方は『雷桜の断罪剣(キュラリー・フリークス)』。誰も知らない純星煌式武装。だが、その力は『冰青の天界剣(ラヴィータ・イシュラ)』に匹敵する。

 

なぜ、灰がこんなにも強力な純星煌式武装を持っているのかというと、彼が『凍氷の皇帝(ヨトゥン・シュヴァルツ)』だからだ。

自らこの二本を作り出し、統合企業財体との戦いが終わった後に自分の家を手に入れた後封印した。しかし、何かあった時のために近くには置いておく事にしたのだ。

 

 

 

「こいつらを持っていくか悩んだが、こいつらも久しぶりに暴れたいのかもな………。この嫌な予感、外れればいいが外れた事がないからな………。もしものときは力を貸してくれ……」

 

そう言い二本を持って行く事にする。

 

 

灰も変装をしシルヴィアが来るのを持つ。

ちなみに灰は髪の毛を灰色から黒に変えて目立たないようにする。

茶色の長ズボンに灰色の薄めのシャツ、青のパーカーを着て安めのコートを着る。流石に薄着すぎると冬なのに目立ちすぎるからだ。とまあ、軽く考えてこんな感じに収まった。

もちろん、少しは考えてはいる。何も考えてない事がバレるとシルヴィアに怒られるのだ。

 

 

ちょうど玄関の呼び鈴がなり、シルヴィアが来た事を告げる。

扉を開けると変装したシルヴィアがいた。髪の毛を栗色に変えていつもみたいに綺麗に髪の毛を整えず、無造作に縛っているだけの状態だ。

服はジーパンにコートを着ておりその中はどんな服を着ているかわからないが、白のブラウスに水色のカーディガンを着てたと後でわかった。

 

「それじゃあシルヴィ、オーフェリアの所に行って手紙の差出人に挨拶しに行こか」

 

そういい扉を閉め二人で並んで軽く走り出す。夜遅いため人もほとんどおらず、誰も二人に気づかない。

 

「そうだね、オーフェリアさんほどの実力者が人質となるってことは相手はそれ以上実力者なのかな……」

「わからない、でも、やれることはやるらないとね。それにシルヴィは絶対に守るから。オーフェリアの事を出しておびき出すっていうことは多分僕のことだろうし、巻き込んでしまったから」

 

 

申し訳なさそうにする灰、だが、シルヴィアは守られるだけ嬉しいと感じる人間ではない。

 

「むうー、怒るよ?たしかに、オーフェリアさんの事に巻き込まれたのは私が灰君と一緒に色々嗅ぎ回っていたからであって、私の責任。だから、そんなこと言わないで。それに君が守ってくれるんでしょう?だったらこの世界に安全な場所はないんだからね」

 

 

 

つくづく灰はシルヴィアには勝てないなと思うのだった。

 

 

「もちろんさ。さて、なら囚われのお姫様でも助けに行きますかっと!」

 

このとき、灰の心の中にあった不安は今消えて無くなったのだった。

 

「………どっちが守られてるんだか………」

 

そう呟いた言葉をシルヴィアが耳にすることはなく、二人は再開発エリアの指定された場所に到達した。

 




改めて、こんにちはこんばんわ、夕凪の桜です。
今作品はアスタリスク本編の進行にそって話を進めていくつもりですが、綾斗をどうするか悩みました。
あまり登場しないと思いますが、一応は存在させるつもりです。
綾斗ファンの方には申し訳ないです。
フリガナはアスタリスク本編で使用されているものはフリガナをしないで、自分のオリジナルはフリガナをきちんとふります。各話一回出てきた振り仮名は2回目に出てきた場合、付けないかもしれません。
主に灰視点で話は進行させますが、視点が変わるときは何かしらの目印を必ずつけておきます。

さて、今作の主人公である鳴神灰。彼の読み方は「なるかみかい」です。本文の一番最初にだけしか書いてなくてすいません。





コロナウィルスで社会が変わっていく中でストレスも多いと思います。その中で自分の作品が皆様のリラックスする方法の1つになるのであれば嬉しいです。

最後に誤字や、ここはこう変えて欲しいなどありましたらお気軽にお願いします。
感想も匿名でも書けるようにしてあるので気楽に書いてもらえればと。
感想やご指摘は皆様が自分の作品をしっかりと読んでくれていると思えて励みになります。
もしよければ評価もしていってもらえたら幸いです。


それでは次の話で。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。