学戦都市アスタリスク 凍氷の皇帝、歌姫と魔女の絆   作:夕凪の桜

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灰が鳳凰星武祭に参加するわけではないので、3巻分ありますがそこまで長くはない予定です。




鳳凰星武祭
最終調整に向けて


鳳凰星武祭まであとに一週間と目前まで迫りくると同時に、夏の暑さが最高潮に達しようとしていた。

 

すでに鳳凰星武祭目前ということもあり、出場する生徒は授業が午前中だけで午後からは訓練に時間を使うことができる。

そのため、今日から一週間、灰は綾斗、ユリス、綺凛、紗夜の四人の訓練の相手をすることになる。

 

そんな一週間の始まりの日の昼休みを灰は彼女であるシルヴィアと通話しながら過ごしていた。

四人との約束は一時半であり、昼ご飯をすでに終えている灰は約1時間ほど時間に余裕があるためである。

 

 

『そっかー、一週間ずっと訓練だなんて大変だね〜』

 

灰は人目につかない場所として星導館の屋上を好んで使っていた。ここは特に中の階段から行き来ができないため、人が来ることなんてまず無い。シルヴィアと通話するならこれ以上の場所は無いだろう。

 

え?どうやって灰がここまで登ってきたかったて?そんなもの『刀雷の魔術王』だからに決まってるじゃ無いか。

 

…………冗談はさておき、普通に一個下の階の部屋の窓から飛んできただけさ。

 

 

 

 

「まあ、ずっと家でダラダラするのも性に合わないし、ちょうどいい運動って感じかな」

 

本当は顔を見て話したいが、シルヴィアは灰との関係がバレたらめんどくさいことになるし、灰も急に誰かが来たら言い訳するのが大変なので、ヘッドホンを使って通話はしている。

 

『ははは、序列二位と五位のペアと元序列二位のペアがいるのちょうどいい運動になっちゃうんだ』

 

通話越しでもシルヴィアが呆れているのが声音で伝わってくる。

 

「まあ、もう星武祭には出れないけど、序列一位を守るために頑張ってますからね」

『君に挑もうとする勇敢な人が可哀想に思えてくるよ……」

 

今の灰は王竜星武祭で優勝した時よりもさらに強くなっており、序列外からの挑戦を変わらず跳ね返している。

この結果に誰もが灰の実力の衰えを感じることはなかった。

 

 

「そんなことより、中国ライブはどう?」

 

そろそろこの話題も尽きそうなので一旦話題を変える。

 

 

『独特な雰囲気があって、いいよ!!チャイナドレス?っていうの買ったから期待しててね!』

「了解、楽しみにしておくよ」

 

シルヴィアのチャイナドレス………想像しただけで凄いことになりそうだ。

おそらく自分の分だけではなくしっかりとオーフェリアの分も買ってくるだろう。

 

 

二人のチャイナドレス、脳内に永久保存確定だろう。

 

 

『でも、見た感じ凄い恥ずかしいんだよね……』

 

足がかなり露出するため、慣れてないとすごく恥ずかしいものになるだろう。

 

 

 

『まあ、でも、いつも紳士な灰君をデレデレにさせられるかもしれないし、頑張るね!』

 

いつも紳士かと言われれば、否定はできないぐらいには灰は紳士ではある。

彼女たちに対する気配りを忘れたことはない。

 

 

「そんなことに努力しないでよろしい」

『えへへ〜、じゃあ、帰ってきたらちゃんと甘えさせてね!』

「了解ですよ、お姫様」

 

 

もしここにシルヴィアがいたら頭を撫でていただろう。

ちなみにだが、灰は二人の頭を撫でるのがものすごい好きである。

本人曰く落ち着くらしい。

 

 

「たしか、鳳凰星武祭の本戦が始まるぐらいに帰ってくるんだっけ?」

『うん!最近はペトラさんが休みをすこし多めにくれるの』

 

おそらくペトラさんの気遣いであろう。シルヴィアがしっかり休めるのならという建前ではあるが、シルヴィアの幸せを誰よりも願っているからである。

 

 

「じゃあ、その日は港に迎えに行こうか?」

『うーん、魅力的だけど生徒会の仕事で処理しなくちゃいけないのがあるらしいから、それをやってからだから、クイヴェールの正門近くに迎えに来てもらってもいい?』

「じゃあ、終わりそうな時に連絡してくれたら、迎えに行く準備をするよ」

 

迎えの約束をしてから30分ほど話してから通話を切った。

 

 

 

 

 

「占いは信じる気はないけど、きな臭くなってきているのは間違いないか……」

 

 

七天大聖の技の中に星辰量を使った占いがある。『識界』と呼ばれている。

灰も詳しい原理はわかっておらず、なおかつ膨大な星辰量の制御が必要なためほとんど使わないものの、月に一度、定期的に使っている。

好きなことを視ることはできず、ランダムで自分に関係のあることを視せられる。

 

 

『識界』を使い未来を見た時の光景が灰は頭から離れないのだ。

『識界』の未来は絶対起こる故に、不安は灰の中で巣食っている。

 

 

 

 

「まあ、そうだとしても、僕はできることをするまでさ」

 

その声は誰の耳に入る訳でもなく消えていった。

だが、いづれ人々は目にすることになる。『刀雷の魔術王』鳴神灰の覚悟というものを。

最強の星脈世代が見せる愛する者を守ろうとする覚悟に人々は震撼する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上から見える景色をすこし眺めて、灰は屋上から地面に飛び降りて四人の待つトレーニングルームへと向かうことにした。

 

トレーニングルームは今回は綾斗のものを使うことになっている。

先にすこし体を動かしているということらしい。

 

 

 

綾斗のトレーニングルーム前に到着して入室の許可が出るのを待つ。

 

はずだったのだが、顔認証機能で事前に灰が登録されておりすぐに開いた。

 

 

「お待たせ、準備運動は……出来ているようだね」

 

すでに中にいた四人は程よく汗をかいており、コンディションがいいことを物語っていた。

 

「なら、僕の準備運動にも付き合ってもらおうかな。6割制限を解除して、8割にしようか」

 

この時、灰の実力をよく知っている綺凛とユリスは特に驚きもしなかったが、未だによくわかっていない綾斗と紗夜は今までが6割ということに信じられなかった。

 

「ああ、それに鳳凰星武祭の練習ならちゃんと僕も二人分の役割を果たさないとね。しっかりと前衛と後衛で別れて、連携もするからいつもよりハードだよ?」

 

灰が浮かべたその笑みに四人はただただ冷や汗をかいていた。

 

6割で戦っていて灰の方が経験の差によって勝利を収めているが、実力差はほとんどなかった。

しかし、さらに上の8割でしかも前衛と後衛に分かれるということは灰が容赦なく魔法を使うということだ。

 

 

四人は今日は全身がボロボロになる覚悟をした。

 

 

ちなみにこの日、トレーニングルームからは悪魔の笑い声と爆発音が無数に響いたという。




学戦都市アスタリスク 凍氷の皇帝、歌姫と魔女の絆をお読みくださりありがとうございます。
全身筋肉痛の夕凪です。

いやーー、本当に痛いんですよ。主に腹筋が………


さてと、何を話そうかというとですね、twitterアカウントを作るか作らないか悩んでいまして、twitterあったほうが便利だったりしますか?自分はよくわからないので、意見があればコメントお願いします。


それでは次回!
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