壊した壁を乗り越えながら、アースラとの通信が開いてるために何か言われる前に先回りして言う。
「悪いね。リンディさん、後で、いろいろ話すのでとりあえずこの場は俺に任せてもらっていいですか?」
「わかりました。後で必ず、説明してもらいます」
「どうも。ついでに衛宮となのは、何時でもこっちに来られるようにしてもらっていいか?」
「解った。準備しとく」
「わかったの」
「ああ、それとフェイト、お前は自分自身の意思で行動したんだろ。なら、お前は人形でもなければ、アリシアでもない、お前はお前だ。それに、お前自身のことが大切な人間は結構いるんだぜ」
「……………………」
「っと、待たせたな。ようやく会えて嬉しいぜ、プレシア・テスタロッサ」
少し、時間は遡る。
声がした方向を見た俺の感想は『何なんだ?アレはいったい?』というものだった。外見はフェイトとよく似ているのだが問題はそこではなく、魔法を使っている様子もないのに宙に浮き、うっすらと向こう側が透けていることである。
さて、俺の知識ではああいった存在を幽霊と呼称していた気がする。恐らく、直死の魔眼によって本来、見えない存在であるはずの幽霊が見えているのだと思う。しかしながら、俺は今まで日常的に魔眼を使用していないので、そういった存在を見るのはこれが初めてである。ただ、その姿に妙な違和感の様なものも感じるのだが。
『わ、随分と派手にやったんだね。これ全部、この子供がやったのかな?』
まあ、それは割とどうでもいいか。今重要なのは、こいつがいったい
『なんかこっちをずっと見てるよ。う~ん、早くどっか行かないかな。しっし、あっち行きなさい』
「どっちにしろ、会話を試みた方が早いか」
『突然、虚空に向かってしゃべり始めた!しかも会話とか言ってる!見えてはいけないものとか見えてるのかな?』
鋼の自制心を以てして『直死』で解体するのを我慢する。
「……いろいろと言いたいことはあるが、全部我慢してやるから少し話を聴け。そこでふよふよ浮いてる金髪少女」
『え?私?もしかして、私のこと見えてるの!?』
「ああ、見えてるし、声も聞こえてるから落ち着け」
『す~は~、よし落ち着いた』
「ならまずは、自己紹介だ。俺は遠坂志希、志希でいい」
『私はアリシア・テスタロッサだよ。よろしくね、志希』
「ああ、よろしく。それで単刀直入に聞くが」
『うんうん』
「お前とフェイトはどんな関係だ?」
『フェイトを知ってるの?』
「まあな、いろいろあってアイツの母親に用があるんだ」
『私とフェイトの関係かー、なら私が死んだときから話さないと』
「ちょっと待て、その話長くなるか?」
『うん』
「なら、プレシアの所に案内しながらにしてくれ」
『いいよ』
アリシアから聞いた話はかなりの衝撃を俺に与えた。フェイトがアリシアのクローンであるということ、プレシアの目的が死んだアリシアの蘇生であること、そのプレシア自身が重い病を患っていること、そして、自らを悪役に仕立て上げることでフェイトを救おうとしていること。
「それが本当なら、プレシアはただの親バカだ」
『そうだね。でも、だからこそお母さんを止めて欲しい』
「解った、それぐらいなら引き受けてやるけど、たぶん俺の言葉には耳を貸さないぞ」
自らを犠牲にする覚悟ある人間には他人の言葉等は届かない。
『最悪、気絶させてでも止めてくれればいいよ』
「いや、それよりもいい方法があるさ。ま、その時は協力してもらうぞ?」
そういう人間に解らせる方法はたった一つだけだ。
『もちろん』
「で、何時になったらたどり着くんだ?」
『もうすぐだよ。あ、ゴメン』
「何がだ?」
『この壁の向こうなんだ。つい、すり抜けちゃうから癖で』
まさか俺の『うっかり』が移ったんじゃないよな?普通なら回り込むしかない。だが俺なら――
「壊してもいいんだよな?」
『大丈夫だけど、どうやって?』
「俺の眼は特別製でね、……こうするのさ!」
壁の『死』を突く。
で、時は戻り、現在。
「誰かしら?」
「アンタに雷を落とされた遠坂志希だよ」
「あら、それは悪かったわね。ここには何時来たのかしら?」
「アンタの雷が防がれた直後、くらいかな」
「それで、何の用なの?」
「最初は叩きのめすつもりだったんだが、アンタの娘に頼まれてアンタを止めに来た」
「フェイト?あの子は私の娘なんかじゃないわ」
ちらりと、横目でアリシアの方を見ると悲しそうな顔をしていた。
「アリシアの方さ」
「ふざけてるわね。死んでるのよ、あなた正気じゃないわ」
「死人を蘇らそうとしている人間の言う事とは思えないな。まあ、それはどうでもいいさ。ただ、アンタが今やってることはいたずらに大切な人間を傷つけるだけだ。守ろうとして却って傷つけてしまう事もあるということに気付くべきだ」
「それでも、私は止まれないのよ!」
やっぱり、俺の言葉には説得されないか。仕方ない、なら
「説得は下手だね、どうも。すまんが、後任せるぞ、
言葉と同時に魔力をアリシアの霊体に流し込み、アリシアの存在を強固にする。ここから先は親子で話し合ってもらうとしよう。
何とか仕上げることができました。正直、いろいろ厳しいです。(おもに展開が)
アリシアの扱いにとても悩む。
おまけ セリフパロディ集
遠坂志希 文化祭にて
「理解したか?それが、モノを売るっていうことだ」
「その看板、極彩色に塗るといい。
毒々しい輝きならば客引きの役割は果たせるだろう」
「ああ、そもそも企画が少ないんじゃないのか?
優劣を競うのならアイデアの一つや二つ、増やす覚悟が必要だろう?」
おまけその2
衛宮二代 格ゲーっぽい勝利セリフ集
対志希 「3倍速でギリギリ、相変わらずとんでもなく強いな。
やっぱり、君は敵に回したくない」
対なのは 「やめて!ストップ!砲撃、ダメ!ゼッタイ!」
対上條 「お前相手に容赦はいらないだろう?
九つの『大罪』しかと味わえ」