使いにくいチート   作:コンテンダー

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ようやく、敵っぽいものが出せた。


深く、広く

流し込まれた魔力によってアリシアの姿が見えるようになる。

 

「ア、アリシア!?」

 

「え?えっ!?もしかして見えてるの!?どういうこと!?」

 

……いい具合に二人して混乱してるな。まあ、しょうがないことだけど。アースラとの通信の向こう側でも驚愕してる気配が伝わってくるし、事前に説明しといたほうが良かったかもしれないな。

 

「志希!!どういうこと!?」

 

「落ち着けよ。言ってあっただろうが、協力してもらうって」

 

「そうだけど、こうするってのは聞いてないわよ!」

 

「聴かなかった方が悪い」

 

「開き直るな!」

 

事実、聴いていない方に問題があるだろう。

 

「アナタ、アリシアの幻影なんか作り出していい度胸しているわね?」

 

「いや、待て。コイツは本物だぞ?」

 

「そんな嘘には騙されないわ!」

 

「嘘じゃないってのに!」

 

「さあ、覚悟はいいわね?」

 

その言葉と同時にプレシアの魔力が高まり、戦闘態勢に入ろうとする。正直に言えば、かなりまずい。このまま、なし崩し的に戦闘になれば落ち着いて話し合うことなど不可能になるし、戦いの余波でジュエルシードが暴走しかねない!!

 

「おい!アリシア!早く、なんとかしろ!」

 

「なんとかってどうすればいいのよ?」

 

「お前とプレシアしか知らないことを言えばいい!」

 

「なんでもいいの?」

 

「なんでもいいから早く!」

 

「お母さん、妹が欲しいって約束守ってくれてありがとうね」

 

「本当にアリシアなのね?」

 

切り替え早いな、おい。まあ、これでようやくまともに話ができそうで助かった。物理的にも精神的にも。

 

 

 

 

 

 

 

………数分後

 

「それでは、プレシアさんこちらに来てもらえますか?」

 

「わかったわ。シキだったわね。さっきは、悪かったわ」

 

「気にしてないから、別にいい。それよりも、もう1人の方にもちゃんと会って話をしてやれ」

 

「そうね。フェイトにも悪いことをしたわ。ちゃんと謝らないと」

 

「そうしてやってくれ。で、そろそろ元に戻すぞアリシア」

 

「え?もう少しこのままで居たいんだけど?」

 

「お前は人の魔力を一体何だと思っているんだ?結構、消費が激しいんだぞコレ」

 

会話中、ずっと魔力を流していないといけなかったのでそれなりに消耗している。

 

「じゃあ、仕方ないね」

 

了承を得たので、魔力の供給をカット。アリシアの姿はまた俺にしか見えない状態に戻った。

 

『さてと、じゃあアースラに行こうか』

 

「そうするかと言いたいところだが、その前に……」

 

この場所に来てから感じていたものにいい加減、鬱陶しくなってきた。

 

「そこにいる奴、隠れてないで出てこいよ」

 

「何を言ってるのかしら?」

 

『やっぱり、見えちゃいけないものが見えてるんだね』

 

こいつらを纏めて解体してしまいたい。そんな衝動を抑えて、なおも促す。

 

「お前らが親子だと再確認したよ。まあ、それはどうでもいい。さっさと出てこい!」

 

「――いやはや、お見事です。誰も気づいていなかったのに」

 

 

「「「「!?」」」」

 

突如として、現れたように見える黒いスーツを着た男。気配がかなり薄く、俺としても人がいると気づいたのはついさっきだ。

 

「ああ、私にはお気になさらずお戻りになってください。ここには、欲しいものを取りに来ただけですので」

 

こいつは誰にも気づかれないで事を成すつもりだった。つまり、こいつの目的はジュエルシードのように今現在、注目されているものではない。しかし、それなりに利用価値があるものだ。となれば答えは1つ。

 

「それはクローンのデータのことか?」

 

「……これは驚きました。私の目的をこうもあっさりと言い当てるとは」

 

「あなたは一体何者ですか?」

 

リンディさんが名を尋ねる。その間にも、警戒を怠ることはしない。いつでも戦闘を行えるように体の状態を持っていく。

 

「これは失礼。まあ、私のことは影渡とでもお呼びください」

 

「名前なんざどうでもいい。お前にデータを要求したパトロンはどこだ?」

 

「私個人の目的だと思っていないのですか?」

 

「クローンデータなんて代物は個人より組織の方が欲しいに決まってるだろ。それにこれはただの直感だが、お前等だろ?今回、プレシアが引き起こした一連の出来事を唆した黒幕さんは?」

 

優秀な遺伝子さえあればそこからクローンを使い捨てでもいいから量産すれば戦争の道具になり得るだろう。戦争でなくてもいい、ただ組織としては違法実験等、引く手あまただ。

 

「とことん優秀ですね、貴方。いいでしょう、我々はどこにでも深く、広く存在しています。故にほぼ全ての事を知っているのですよ。理解できましたか?両親を交通事故で亡くした、遠坂志希くん?」

 

「……」

 

「それに直感とはいえ、我々が黒幕だと見抜くのですから」

 

「貴方を拘束します。なのはさん、衛宮くん。今すぐ出動してください」

 

「無駄なことをしますね、リンディ・ハラオウン提督。彼女たちがここに来るまでの時間があれば、逃げることなど簡単ですし。さて、遠坂くん。我々の組織にきませんか?貴方の知りたいことはほぼ全て用意できるでしょう。それに、貴方の幽霊を見る力、我々にとっても希少な能力です。十分な待遇をお約束しますよ」

 

「――断る。アンタ等とは反りが合わない。人を平気で犠牲にすような組織とは馴れ合うつもりはないさ」

 

「管理局がやっていることもそんなには違いませんよ。平和のためとあれば、平気で犠牲を出す組織、それが管理局です。我々の方がまだマシですよ?」

 

「誤解させたみたいだな。俺はただ単純に―――」

 

魔力を高めて、駆け出す。

 

「――人の心を弄んだお前等が気に食わないだけだ!」

 

右手に持ったシオンを相手の首に狙いを定めて振るう。

 

 




ちなみに今回でた彼は転生者ではありません。

次回で無印決着するといいなと思っていたりする。


今回のおまけ

その1 遠坂志希勝利セリフ壱

対衛宮 「皮肉だな。正義の味方の武装が『大罪』を模したものだとは」
    「この天然修羅場形成機がこっちを巻き込むな!」

対なのは 「誰彼構わずに砲撃する癖だけは直したほうがいいと思うぞ。いや本当に」

対上條 「話にならん。もっとマシになってから挑め、殺す気も起きん」

その2 衛宮二代 セリフパロディ集

「――うん。初めに言っておくとね、僕は男なんだ」

「……あんな馬鹿に大勢の女子は魅力を感じているのか?」

「本気の志希が相手か。ぶっちゃけ逃げたいなあ、僕」
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