「それもそうね。アタシは『アリサ・バニングス』」
「『高町 なのは』だよ!」
「私は『月村 すずか』だよ」
とりあえず、予想通りの名前を聞いた。
違っているところがないかと思って尋ねたが、変わりないようだ。
「バニングスに高町に月村か」
「「「名前で呼んで」」」
「了解した。アリサになのはにすずか」
若干、睨まれながら言われたため素直に返事をしてしまった。
自己紹介なのだから俺も名乗るとしよう。
「遠坂 志希だ。志希でいい」
「よろしく、シキ」
「よろしくね」
「よろしくなの」
さて、これで原作組はいいとして。
黒髪の方に意識を向ける。
「お前も名乗ったらどうだ?」
「僕は『衛宮 二代』だ」
「二代?」
それは女の名前ではないのか?
だが、目の前にいるのはどう見ても男だ。
「だから、言いたくなかったんだ!」
ああ、こいつも名前で苦労してるんだな。
なんか他人事に思えない。
「心配するな。俺も漢字で書いたら女っぽいから」
「そうか、お前もか」
何故だか、女っぽい名前同盟が出来てしまった。
「何してるのよ、アンタ達」
アリサにつっこまれてしまった。
「俺は衛宮と呼ぶことにする」
「ありがとう」
「アタシ達は普通に二代と呼ぶわよ」
気を持ち直していた衛宮が崩れ落ちた。
さすがに支えてやる。
ついでに、確認しておこう。
「衛宮、少しだけ聞きたいことがある」
声を潜めて尋ねる。
「なんだ?」
衛宮も俺に合わせて、声を小さくする。
「お前、転生者か?」
「それを聞くということはお前もか」
どうやらビンゴのようだ。
「助かった。夢だと思ってたら転生してたから」
助かった?夢だと思ってたら転生してたから?
ただ単純にあの神に巻き込まれたらしい。
「大変だったな」
心構えもない状態だとそれはキツイ。
「アンタ達は何コソコソしてんのよ」
女子3人組の方での話も済ませたらしい。
「悪いな。いろいろ愚痴をこぼしあってた」
間違ったことは言ってない様に思う。
「なら、いいわ」
「フフ、2人とも大変だね」
ああ、実際に大変だよ。これからな。
思いはしたが言わなかった。
「二代君の悩みを分かる人でよかったの」
なのはは昔から衛宮と知り合いの様だ。
しかも、それなりに深いみたいだ。
「俺の悩みは厳密には違うけどな」
そう俺が言った時、大声が響いた。
「おお~こんなとこにいたか我の嫁達」
出来れば、その時の俺と衛宮の顔を見せたい。
たぶん、同じ顔をしてるから。
走って来たのは、よくいるテンプレートな転生者。
容姿は銀髪でオッドアイのイケメン。
魔力は漏れまくっていることからS以上であることがわかる。
だが、俺と衛宮が驚いたのはそこではない。
本当にさっきの様なことを言う奴がいると思ってなかったからだ。
ちなみに、3人娘は一度それぞれで会ったことがあるのか嫌そうな顔をしている。
まあ、それはそうだろう。
直接、向けられてないのに分かるほどの気持ち悪い視線だ。
正直、悪寒はする。
出来れば、今すぐ排除したいくらいだ。
そして、こういう奴は大抵。
「なんだ!てめぇらは!!」
こっちに絡んでくる。
正直面倒臭い。
「黙ってんじゃあねぇよ!!」
鬱陶しい。
「何の用だ」
若干、不機嫌になってしまうのは仕方ない。
「てめぇら、なのは達狙ってんだろ」
「何の話だ?」
いやまあコイツの言いたいことは予想がつくが。
そういえば、衛宮が黙ったままだ。
一瞬でちらっと見てみると、完璧に敵視していた。
そんな視線に気付かず、銀髪は言う。
「なのは達は我のものだ」
「アンタのじゃないわよ!!」
「照れなくていいんだぞ。アリサ」
そう言って、アリサの頭を撫でようとするがその手を手刀で弾いておく。
「我の邪魔をしたな」
「元々、こっちに話があるんだろ」
さっきから沈黙していた、衛宮が口を開く。
「というより、いい加減名乗れ。」
「我の名は『上條 欽治』だ」
日本人かよ!!
その容姿で日本人はあり得ないだろ。
いや、待て親が生粋の日本ファンならありえるか。
何故か、思考が逸れたな。
「それよりも貴様、さっき我の邪魔をしたな」
「だったらなんだ?」
「ぶっ飛ばしてやる」
突然、殴りかかってくる銀髪(名前で呼ぶ気はない)。
完璧に不意をついたと思っているようだが、そんなものは予測がついてる。
さっきまで体力が尽きていたとはいえ、来るのが分かっている攻撃をいなすぐらい不可能じゃない。
むしろ、投げ飛ばしておこう。
これ以上関わるのは面倒だ。
「がっ!?」
銀髪は叩きつけられた衝撃で気絶したようだ。
「あ~やりすぎたか?」
「あれくらいで丁度いいわよ」
「ありがとう。助かったの」
「もっと派手なのにしてもよかったと思うよ」
3人娘からなんか感謝された。
ついでに衛宮は月村の黒い発言におびえている。
「とりあえずコイツは放置しとくか」
銀髪は放置決定。
この後、特別何もなく帰った。
今回登場した銀髪君はチートとしてはありきたりなものを持っているがこの小説では不遇です。