翌日、学校に来た俺はなのはが聞きに来るより先に念話で釘を刺しておく。
[なのは、聞きたいことがあるなら念話でな]
[どうして?]
[みんな、魔法を知らないからだ]
[そうだね、知られるわけにはいかないからね]
広域念話にしておいたので、衛宮にも伝わっている。
[二代君もできたの?]
[ああ、そうだよ]
マルチタスクでなのははアリサ達と会話している。
[志希君はなんで魔法が使えるの?]
この質問が来ることは予想済みだったので用意しておいた回答を答える。
[何故か、家にあったデバイスを起動することができて魔法を知ったんだ]
[僕も似たような感じだよ]
ここぞとばかりに、衛宮が俺の作った設定に乗ってきた。
自分で考えておけよと思ってしまうのは仕方ないかもしれない。
[そうなんだ]
なのははこれで納得したらしい。
[それよりもだ。これからどうするんだ?]
[うん、ジュエルシードを集めていこうと思うんだ]
やっぱりそうなるか。
[可能な限りは協力するよ]
[僕もだ]
[ありがとう。二人とも]
こんな会話をしてから、数日後。
俺は何故かサッカー観戦をしていた。
今日は、ジュエルシード探索はお休みだそうだ。
ジュエルシードの回収を行っていく中でいろいろあった。
巨大化している犬を相手取ったり、学校の七不思議化しているもの等様々だった。
「なんで、俺はここにいるんだろうな?」
「応援するために決まってるじゃない」
「そうだよ」
[面白いスポーツだと思うよ]
アリサとすずかに言われて理解する。
ちなみに、最後のはユーノだ。
衛宮は選手として試合に参加中だ。
ユーノを紹介されたとき、思わず「イタチか?」と反応したらなのはに笑われた。
反応が士郎さんと同じだったらしい。
「あっ!」
「大変!」
どうやら、こっちの選手の一人が怪我をしたらしい。
控えの選手はいるから大丈夫だろと思っていると、士郎さんがこっちにやってきた。
「志希君、選手として参加してくれないかい?」
何故、こっちにくる?
「いや、なぜ俺なんですか?」
「ほかの選手を入れようとしたら、みんな君を入れてくれと言われてね」
待て待て、なんで全員が俺を頼りにしてるんだ。
「君の身体能力の高さは私が伝えたからみんな知っているよ」
元凶はこの人だったか。
「俺は正規の選手ではないから無理ですよ」
「君は既に我がチームの一員として登録してあるよ」
本人の了承もなしに何やってんのこの人!
そして、3人娘はこっちを期待した目で見るな。
逃げ場が失われていく、何とかしなければ。
「チームワークとか無理ですから」
「衛宮君を通して協力してくれればいいから」
諦めるしかないか。
「わかりました。引き受けますよ」
ということで、サッカーやります。
なんか衛宮と連携してたら勝ってしまった。
「やるじゃない。アンタ」
「かっこよかったよ」
気づいたら、勝ってたという感じなのであまり嬉しくない。
「……」
さっきから、なのはが静かなんだが何かあったんだろうか?
「どうかした、なのは」
衛宮がなのはに尋ねる。
「ううん、なんでもないの」
なんか、ありそうなんだが。
尋ねても答えは帰ってこないだろうな。
「帰るか」
仕方ないから帰るとしよう。
いきなり、ジュエルシードが発動した感じがする。
結界の発動を確認。
「行くか」
屋根から屋根へと飛んでて行く。
なのは達を発見。合流しようか。
「大丈夫か?」
「志希君」
「衛宮は?」
姿が見えないな。
「ジュエルシードの確認をしに行ってる」
この馬鹿でかい木に対してか?
分からないだろ。
「やっぱ、駄目だったよ。場所が分からない」
案の定、帰ってきた衛宮はそう言った。
「じゃあ、探索魔法を使おう」
そう言って、魔法を教え始めるユーノ。
あれ、この展開って?
「見つけた。レイジンングハート!」
なのはのデバイスが砲撃するための形になる。
「ディバインバスター!!」
魔砲少女の始まりだった。
なのはの砲撃は木を簡単に貫き、ジュエルシードに直撃する。
そして、封印が起こる。
「封印成功だよ」
封印に成功しているのになのはは何だか暗いな。
「私、あの男の子が持っているかもしれないと思ってたのに」
ああ、それで悩んでたのか。
ため込まないようにフォローしとくか。
「失敗したとしてもそれを繰り返さなければいい」
「そうだね。失敗を生かして次に繋げればいいんだから」
「なのははよくやってるよ」
「ありがとう」
ようやく、笑顔が戻ったな。
「やっぱり、なのはは笑顔のほうがいいね」
「ふえぇえ」
衛宮の一言によって、なのはは真っ赤になる。
狙ってやったのか?
いや、こいつは無自覚にこういうことをする奴だったな。
さすがは『衛宮』ということか。
将来、こいつの彼女は苦労しそうだ。
夜、一人の少女がビルの屋上で佇んでいる。
「ここに、ジュエルシードがあるんだね」
そう呟き、あたりを見回す。
「待っててね。母さん」
橙色のオオカミと共にビルの屋上から少女は姿を消した。
その光景を見ていた者がいた。
「いよいよ、我のハーレム計画を実行に移す時が来たか」
そう、呟いたのは銀色の髪をしていて、両方の目の色が違ってい男。
その男は、金色の鎧を纏っていた。
「フフ、待っていろよ」
男の後ろに金色の光が展開される。
ただし、そこにあるのは日用品のみだった。
本人は気づかないままだったが。
「非殺傷がない直死の魔眼じゃこれが限界か」
俺は一人、森の中で鍛錬を行っていた。
内容は直死の魔眼の魔法戦闘における利用だ。
今までは、相手を殺してしまうので相手の攻撃を殺すことによって防御にぐらいしか使えないと踏んでいたが。
「こういう使い方なら、いけるな」
試作技だが、十分に実戦で使えるようになるだろう。
次回は銀髪君がいよいよ戦闘に出てきます。