俺は今、すずかの家にてお茶会に参加している。
すずかが家に来ないかとみんなを誘ったことによりここに集合している。
参加しているメンバーはすずか、アリサ、なのは、衛宮、俺、ユーノである。
すずかの家は一言でいうならば猫屋敷だった。
猫だらけの空間でユーノ(フェレット)という存在は珍しいらしく、ユーノは追いかけられていた。
衛宮とアリサはのんきに紅茶を飲んでいる。
なのはとすずかはユーノとユーノを追いかけている猫を追いかけている。
俺か?
俺は現在、猫に埋もれている。
いや、埋もれたくて埋もれているわけではないのだ。
すずかのいる部屋に入るまでは普通だったのだが、入った瞬間猫の何匹かが俺に駆け寄ってきた。
で、その数匹の相手をしていると段々と数が増えていき気が付いたら背中や肩、挙句の上に頭の上にまで乗られていた。
「見てないで。助けてくれないか」
助けてくれないだろうなと思いつつ、助けを求めてみた。
「いいじゃない、似合ってるわよ」
猫が似合うって何だ?
服じゃねぇんだよ。
「僕は何故か嫌われてるからな」
そう、衛宮は猫に嫌われている。
衛宮が近づくと爪を立て、毛を逆立てて威嚇する猫。
俺の状態でそれをやられると全身痛い目を見る羽目になる。
「あっ!志希君ごめんね」
ユーノを追いかけていた猫を何とかしたすずかによって解放された。
「別にいいさ。猫は嫌いじゃない」
ようやく、落ち着いて紅茶を飲むことができる。
と思っていたら、ジュエルシードが発動する前兆を感じた。
「ユーノ君!!ごめんね、ちょっと追いかけてくる」
「なのは!僕も行くよ」
ユーノが森に入っていったので、それを追いかけるようになのはと衛宮が森に入った。
「アンタは行かないの?」
「心配だから行くさ。でも、一杯ぐらい飲ませてくれ」
紅茶の一杯も飲めないのか、俺は。
紅茶を飲み干し、二人を追いかける。
おかしい。
結界内に入っているのに、いつまでたっても二人に追いつかない。
そうこうしている内に結界の端にたどり着いてしまった。
あれ、おかしいな?
何だか、嫌な予感がする。
その時、轟音がした。しかも、俺が走ってきた方向から。
どうやら、やってしまったらしい。
なにも今でなくともいいだろう。
遠坂の『呪い』であるうっかり。
「はぁ」
ため息を一つ吐き、来た方向に全力で引き返していく。
間に合うかな?
やっぱり、間に合わなかったらしい。
「あ~遅かったか」
なのはは気絶しており、衛宮は心臓への痛みで動けないようだ。
巨大化している猫からジュエルシードを取り出した金髪の少女と橙色のオオカミがこちらを振り向く。
少女のほうは無傷、オオカミは疲労しているようだ。
衛宮が善戦したみたいだな。
「貴方も魔導師ですか」
「答えはその通り」
俺の言葉に構える一人と一匹。
「だが、今戦闘をするつもりはない」
「何故ですか?」
「こっちは気絶しているのが一人、戦闘続行が不可能なのがもう一人、2対1でしかもこの状況では俺に勝ち目はないからな。引いてくれ」
さすがに、二人を庇いながら戦えるほどの余裕はない。
「解りました。目的を果たしたので引きます」
そう言って、去ってく少女たち。
「さて、この状況どうしようか?」
とりあえず、気絶している子猫を抱える。
衛宮の回復を待ってから動くことにするか。
あの後、なのはが起きたのは結局夕方だった。
アリサ達に問い詰められたが、なんとか誤魔化していた。
その帰り道、結界を感じた。結界?なんで今?
俺の記憶はあてにならないがこんなことはなかった気がする。
確認してみるか。
結界内に侵入をすると、銀髪(上條)と昼間の金髪が闘っていた。
いや、正確には銀髪は口説きながら金髪に付きまとっているだけだが。
というか、銀髪が着込んでるのは何だ?
金ぴかの鎧ってどこまでAUOなんだ。
金髪の攻撃はあの鎧が作っている何層にも及ぶ防御陣によって届いていない。
厄介だな、あれは。
しびれを切らした銀髪が直射魔法によって攻撃しようとする。
金髪は攻撃の始点だったため回避は困難。
シオンを起動して、一気に金髪の前に移動。
魔力を込めたシオンで迫っていたスフィアを弾き飛ばす。
「貴方は!?」
「また、てめぇか!!まさか転生者か?」
その通りです。
「意味の解らんことを言うな」
お前に教えてやる義理はない。
「何故?」
「なにがだ?」
「何故、私を助けたの?」
「あれにつきまわれて大変そうだったから」
本心からである。
「我の嫁と馴れ馴れしくするな!!」
ああ、うざい。
「お前は黙ってろ」
「てめぇは許さなねぇ!!」
切れた銀髪は背後に金色の光を展開する。
そこから、出てきたものは……文房具?
他にも箒だったり歯ブラシだったりで日用品ばっかりだった。
なんかやる気が失せる。
しかも本人は気が付いていない。
「とりあえず、後ろ見てみろお前」
「気を逸らそうとしても無駄だ」
「いいから見ろって」
その言葉に後ろを見てみる銀髪。
「なんだこれは!!」
まあ、そういう反応するよね。
「くっ。まあいい、こんなものなくてもてめぇは倒せる」
代わりとばかりに銀色のスフィアを展開する。
「無理だろ」
直死の魔眼を発動。
鎧による防御の『死』を見る。
そこまで、頭痛はしないから単純なものを幾重にも重ねているようだ。
「その防御を殺す」
瞬間的に魔法を使い、加速する。
銀髪は慌ててスフィアを発射するが、遅い。
すべて、掻い潜り懐に入る。
防御陣の『死』をシオンでなぞっていく。
銀髪の知覚が及ばない速度で銀髪の周りを動いていく。
すべての防御を殺し尽くしたところで蹴りをいれ、弾き飛ばす。
同時に、俺も跳躍してシオンの刃に魔力を込める。
魔力を変換資質で電気に変え、シオンの刃を銀髪に叩き込む。
雷撃がその体を駆け巡り、背中から抜けていく。
「非殺傷だ。安心しろ」
聞こえていないだろうが一応言っておく。
「強い」
金髪が呟く。というか…
「こいつが弱すぎるんだ」
防御に過信しすぎである。
「それでも私と同じくらい速い」
当たり前だ。
そうでなくては何のための身体能力だ。
「そうでもないさ。それより、お前の名前を教えてくれ」
「なんで?」
「いつまでもお前とかじゃあ呼びにくいからな」
「わかった。私は『フェイト・テスタロッサ』」
「俺は志希だ。遠坂 志希」
これを聞いたフェイトは帰ろうとする。
「じゃあね、志希」
「また会うことになると思うぞ。じゃあな、フェイト」
俺がここで引き止めることはしない。
彼女には彼女なりのジュエルシードを集める理由があるのだろう。
今、それを聞いても答えないような気がしたからだ。
いつか、聞かせてもらうからなと決めた。
ちなみに、いつもどおり銀髪は放置して帰った。
志希君に無双してもらいました。
今回、使った技はfate/extraでの式の宝具をかなりアレンジしたものです。
更新が厳しくなっていくこの頃です。