使いにくいチート   作:コンテンダー

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このセリフを本編で言う予定はないです。


生きているのなら神様だって

温泉から帰ってきて数日、非常に困った事態になっている。

 

俺と衛宮が先生から用事を頼まれて、教室からいなくなっている間にアリサとなのはが喧嘩したようだ。収拾をつけようとしても何が原因なのかその場にいなかった俺たちではどうしようもなかった。

 

それに加えて、いつからいたのかは不明だが。

 

「なのはことは我が守るから安心してくれ、アリサ」

 

と事情を何も知らない銀髪(バカ)が場を引っ掻き回したので余計に悪化したようで、喧嘩から一日たった今でも教室内の空気は最悪だ。

 

そして、昨日から俺たちに向けられる視線がすごい。お前たちは彼女たちの友達なんだからどうにかしてくれと訴えかけられている。

というわけで、俺たちはこの空気を打破するために行動を開始することにした。

 

現在、中立的な立場にいて事態を最初から見ていたすずかに大まかな事情を聴くとどうやらなのはが悩みを抱えていることは誰から見ても明らかなのに、アリサが何かあったのかと尋ねても誤魔化し続けたため、アリサが切れたらしい。そこにバカが加わって、余計に面倒なことになったようだ。

 

とりあえずの対策方針を衛宮と共に立てて、昼休みに突入した。それと同時に銀髪がやってきた。

 

「なのは、大丈夫かい?」

 

「あっち、行っててくれないかな」

 

冷やかに言われたために、すごすごと引っ込んでく銀髪。

 

おおう、辛辣だ。そして、機嫌がさらに悪くなったようで衛宮の作戦難易度が遥かにあがった。幸運を祈っておこう。

 

「なのは、話があるから屋上にいこう」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

そう言って、衛宮はなのはの机の上に置いてある弁当をもって教室から出ていく。それに慌てて、なのはも付いていく。

よし、そっちは任せたぞ。と心の中で思い、俺も自らの役目を果たすべく行動する。

 

「アリサ」

 

「解ってるわよ。誰にか言えないことがあるくらい」

 

あれ?俺、やることなくね?作戦立てた意味が開始1秒でなくなったな。なんだろう少しむなしい。

 

「アンタは知ってるの?」

 

「心当たりはある」

 

このアリサの疑問に嘘で返しても無駄だろう。彼女はこういう事に関しては敏感だからだ。

 

「だったら!!」

 

「だが、俺からそれを言ってしまうのは駄目だ」

 

確かに、俺から言ってしまえば楽になる。だけど、それはなのはが行動から示した願いに反することになる。なのはの願いは友達を危険なことに巻き込みたくないということのはずだ。だから、俺から言うつもりはない。

 

「誰にだって言えないことは存在する。それは他人が気軽に人に話していい事じゃない。それは本人が話せるようになった時に話すべきことだ」

 

突如変わった、俺の雰囲気に呑まれて沈黙するアリサ。やれやれ、まったく嫌な役回りだな。まあ、仕方ないことだけど。

 

「だから、その時が来るまで信じてやってくれ」

 

そこまで言って、一気に雰囲気をいつもの状態に戻す。

 

「と言ってみたところで、実は俺の心当たりが合ってるとも限らないんだけどな」

 

「なによ、それは」

 

緊張に包まれていた教室の空気がもとに戻る。とりあえず、これで一段落かな。

 

 

 

あれから、後のことは別に言うまでもなくなのはとアリサは仲直りした。

 

夜になって、ジュエルシードが発動した。どうやら、フェイトたちが魔力をあたりに打ち込み強制発動させたようだ。

 

なのは達はジュエルシードを封印した後にそれの取り合いに発展している。

 

「この前は名前を言えなかったけど。私はなのは、高町なのはだよ」

 

なのはは一つ前に進んだようだな。フェイトは取り合う気がないように見えるが。

それでも、なのははフェイトと同等までとは言わないが善戦していた。

 

「邪魔をするなぁ!」

 

「させないよ」

 

衛宮の方はオオカミをジュエルシードに向かわせないように戦闘している。ちなみに、俺はというと何重にもかけられたバインドによって動きを封じられていた。

 

何でも、フェイトがオオカミに対して俺の戦闘能力の一部を伝えていたらしく、最も厄介な敵として認識されており、俺に気付かれないように接近してバインドを使用。現在でも、衛宮に隙あらば、俺にバインドを飛ばしてくる。どんだけ警戒されているんだ俺は。

 

そのせいで、解除した端から増えるため動けていない。

 

その時、感じたことのない魔力の波動を感じた。俺が縛られていて戦闘に参加していないから感じられた。

戦闘に参加している奴は全員、気づいていないようだ。

 

今のは、一体何だったのか?その答えを思考していく。

この場で、魔力を発しているものはなのは、フェイト、オオカミ、衛宮、ユーノ、俺、それともうひとつ?

おかしい、そんなものがあるはずは……封印したはずのジュエルシードか!!

 

って待て!フェイトとなのはがジュエルシードに向かって飛んでいく。恐らく、先に確保してしまおうという算段らしい。ほぼ、同時にデバイスがジュエルシードに届くだろう。

そんな近くで魔力がぶつかり合ったらまずいことになる。

 

「やめろおおぉぉぉ!!」

 

叫ぶが既に遅い。ジュエルシードが暴走を始め、魔力の奔流が二人を巻き込もうとする。

 

させるか!!そう、思い自らの限界を超えた魔力をひねり出し、バインドを全て力任せに破壊する。もともと高い身体能力をさらに魔力で限界まで引き上げ、跳躍して二人を抱えてその場から退避する。

 

衛宮とユーノ、それにオオカミが集まっている場所まで離れる。それと同時にユーノとオオカミがシールドを張る。抱えていた二人を下ろし、現状の確認を行う。

 

このままではジュエルシードの暴走が止まらないと確認。いつまでも二人の防御魔法が持つわけでもない。ならば、後は元凶を絶つのみ。それしか、活路はない。そして、それを可能にする手段を俺は持っている。そのためには衛宮の協力が必要だが。

 

「衛宮!!ジュエルシードまでの道を作ってくれ!!」

 

瞬時に衛宮は俺が何をするか理解したらしい。頷き、行動で答えてくれる。

 

「大罪武装『悲嘆の怠惰』、超過駆動!」

 

悲嘆の怠惰が仮想砲筒を生み出し、その先から黒の掻き毟りが走る。

周辺の魔力が削られてジュエルシードまでの道が生まれる。

 

「す、凄い」

 

ユーノに驚いてばっかりだなお前とツッコミを入れる間もなく、俺は行動する。

 

「「志希(君)!?」」

 

フェイトとなのはが叫ぶが無視して衛宮の作った道を駆ける。

直死の魔眼を発動、ジュエルシードを『視る』。途端に意識が飛びそうなほどの頭痛が奔る。頭痛を無視して、ジュエルシードの『点』をシオンで突く。

 

瞬間、パキンという音とともにジュエルシードが砕け、魔力の奔流が止まる。

 

「ジュエルシードが……」

 

発動を停止。同時にかかりすぎた負荷により、体の自由が利かなくなる。

 

「アルフ!?」

 

フェイトはオオカミ(アルフというらしい)に連れられて、撤退。衛宮は何故か泣いている。ああ、それが大罪武装の副作用か。

なのはが心配そうな顔をして、駆け寄ってくる光景を最後に俺の意識は暗転した。




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