ポケモンSWSH 黎明の瞳   作:彩波風衣

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アスベルの旅は順調ですが、投稿の状況及び投稿中の私のメンタルは不調です。


10~レイジングウェイブ・ルリナ~

 バウスタジアムのジムミッションに、アスベルは今挑んでいる。

 

「こういうナゾトキは、オレの得意分野だったからな」

 

 ヤローのジムミッションは、元々慣れていたウールーの世話。 そして今回のルリナのジムミッションは、水流を変えていくパズルのようなもの。 非常に頭を使う必要のあるジムミッションだったが、アスベルは元々こういうのが好きだったのもあって、難なく突破することができた。

 

「アスベル選手、ジムミッションクリア! さぁ、バトルコートへ!」

「よしっ」

 

 ジムミッションをクリアしたことが認められ、アスベルはジムリーダーへの挑戦権を得ることができた。 その気持ちのままにスタジアムのバトルコートへ向かうと、彼と同じタイミングでジムリーダーも入場する。

 

「よくぞいらっしゃいました。 改めて、私はルリナです。 私のミッションは控えめにいっても難しいのに……よくクリアしたわね」

「ナゾを解いたりするのは、趣味の一環なので……なんとかできましたよ」

「そう……あなたはポケモントレーナーとして、冴えた頭脳の持ち主なのね」

 

 ルリナはアスベルを評価しつつ、挑戦的な目で彼を見つめた。

 

「だけどね、その冴えた頭でどんな作戦を練りだそうとも……私の自慢のパートナーで流し去ってあげるから!」

「耐えて、逆に流し去って見せます…!」

 

 アスベルも負けじと、ルリナにそう返す。 そのアスベルの表情と言葉を受けたルリナはニッコリと笑うと、自分のポジションにたつ。 アスベルも自分のたち位置に着き、それぞれ最初のポケモンを繰り出す。

 

「いくわよ、トサキント!」

「頼む、アオガラス!」

 

 ルリナの一番手はトサキント、対するアスベルはアオガラスだ。 そこでちょうど、実況が始まる。

 

「さぁ始まりました、バウスタジアムのジムバトル! チャレンジャーは隻眼の少年アスベル選手! そして、ジムリーダーはルリナ選手! アスベル選手はルリナ選手に流されてしまうのか、それとも逆に流し返すのか!!」

「アオガラス、つつく攻撃!」

 

 先手をとって動き出したのは、アオガラス。 そのスピードでトサキントに突っ込んでいき、トサキントをつつくことで先手でダメージを与える。

 

「攻撃の手をゆるめるな、みだれづきだ!」

「こちらも、みだれづきよ!」

 

 アスベルは攻撃を続け相手を追いつめるべくみだれづきを指示したが、ルリナもトサキントに同じ技を指示して迎え撃つ。 激しく衝突しあう、アオガラスの嘴とトサキントの角。

 

「アオガラス、飛び上がれ!」

「たきのぼり!」

 

 そこでアスベルはアオガラスの得意な空中戦に誘導するため、アオガラスに上空へ舞い上がる指示を出す。 だがそこでルリナはたきのぼりを使いトサキントにアオガラスの真上をとらせ、アオガラスをたたき落とす。

 

「アオガラス!」

「上空には逃がさないわよ! そのままみだれづき!」

 

 トサキントは追撃でみだれづきを放ち、アオガラスを一気に追いつめる。 それによりアオガラスは大きなダメージを受け、ルリナはさらにアクアテールをトサキントに指示し、アオガラスの体力を一気に奪った。

 

「どう?」

「そこから、しっぺがえし!」

「なんですってっ!?」

 

 だがそこでアスベルは、アオガラスに自分が受けた倍のダメージを相手に与える技である、しっぺがえしを指示した。 アスベルの指示に瞬時にアオガラスは反応し、しっぺがえしを繰り出してトサキントに自分が受けたものよりも大きなダメージを与える。

 

「トサキント!」

「決めるぞ、みだれづき!」

 

 そこから流れるようにして、アオガラスはみだれづきをトサキントに決め、トサキントを戦闘不能にする。

 

「ここでトサキントを戦闘不能に追い込んだぁぁ! アスベル選手のアオガラス、トサキントとの激戦を制しましたぁぁ!」

 

 

 

「トサキント、お疲れさま! 次はあなたよ、サシカマス!」

 

 ルリナはすぐに気持ちを切り替えて、素早くトサキントをボールに戻して2番手としてサシカマスを出す。

 

「さぁ、交代はしますか!?」

「アオガラスを続投させます!」

「了解しました、では試合続行!」

 

 審判にそう告げられると同時に、アスベルはアオガラスに技を指示する。

 

「アオガラス、ついばむ!」

「アクアジェット!」

 

 だが、アオガラスが攻撃するより早くサシカマスが動き、アオガラスにダメージを与える。

 

「スピードスターッ!」

 

 そこでアオガラスはスピードスターを繰り出し、サシカマスを攻撃することに成功した。 スピードスターは相手を追尾して確実に攻撃を当てる技だからだ。 それにより吹っ飛ばされたサシカマスにたいし、アオガラスはさらにつつくでダメージを与えようとする。

 

「こうそくいどうよ!」

「おいかけて、ドリルくちばし!」

「遅いわよ、こおりのキバ!」

 

 サシカマスはまずはこうそくいどうでスピードを上げて、アオガラスより素早くなりつつアオガラスを引き離そうとする。 アスベルはそれを追いかけるようにしてアオガラスに技の指示を出したが、それより早くサシカマスがアオガラスに飛びかかり、こおりのキバを使いアオガラスにダメージを与える。 それにより、アオガラスの翼は凍り付き、動きが鈍ってしまった。

 

「クッ…!」

「そこにとどめよ、アクアジェット!」

 

 そこでルリナはサシカマスにアクアジェットを指示して、それを受けたアオガラスはそのまま戦闘不能になってしまった。

 

「アオガラス!」

「ああっとここで、アオガラス戦闘不能! どうやらトサキントとのバトルが影響していたようです! さぁアスベル選手……次はなにを出す!?」

 

 すぐにアオガラスをボールに戻し、お疲れさまと声をかけた後、2匹目のポケモンをそこに出す。

 

「いけ、イーブイッ!」

「ふふ、かわいいポケモンを持ってるじゃない……でも容赦はしないわ!」

 

 アスベルが2番手に出したのがイーブイと知り、ルリナはそう告げつつサシカマスに技を指示する。

 

「サシカマス! こおりのキバ!」

「かげぶんしん!」

 

 サシカマスがこおりのキバで攻撃しようとしてきたのを、イーブイはかげぶんしんをつかって回避する。 それで動きをとらえたイーブイはたいあたりを繰り出してサシカマスを攻撃する。

 

「アクアジェット!」

「でんこうせっか!」

 

 アクアジェットとでんこうせっかが衝突し、弾け飛ぶ。 サシカマスはこうそくいどうでスピードを上げてから、再びアクアジェットを繰り出してきた。 それによりイーブイはダメージを受けるがそれに持ちこたえて、再びかげぶんしんを使いサシカマスの追撃を回避し、でんこうせっかでダメージを与える。

 

「決めろ、シャドーボール!」

 

 そしてイーブイはかげぶんしんの状態のままシャドーボールを繰り出し、サシカマスの周囲から攻撃した。 それを受けたサシカマスは、戦闘不能となる。

 

「よし、いいぞイーブイ!」

「ブイッ!」

 

 

 

「お疲れさま、サシカマス。 戻って休んでて」

「さぁルリナ選手のポケモンは残り一匹! さてどうなる!?」

「この子は最後の一匹じゃないの……隠し玉のポケモンなのよっ! ゆきなさい、カジリガメ!」

 

 ルリナが最後の一匹として繰り出したのは、ガラルでも凶暴で手放すことが多いとされるポケモン・カジリガメだった。 そのポケモンをみたアスベルは、イーブイを下げる。

 

「戻れ、イーブイ! 次はキミだ、頼むぞ……バチンキー!」

 

 イーブイにかわりアスベルが繰り出したのは、ジムバトルの直前で進化をした、バチンキーだった。 相手がみずに有利なくさタイプのポケモンを出してきてもルリナは動じず、カジリガメをダイマックスさせる準備に入る。

 

「スタジアムを海に変えましょう……カジリガメ、ダイマックスなさい!」

「こちらも、ダイマックスだ!」

 

 それに応じるようにして、アスベルもバチンキーをダイマックスさせる。 そこに巨大なカジリガメとバチンキーが向かい合う。

 

「私達の贈り物、全身で受け止めてよ! ダイストリーム!」

 

 みずのダイマックス技、ダイストリームをバチンキーは受ける。 それによりバチンキーは想像を超える大きなダメージを受けた。

 

「バチンキー!」

「いかがかしら? くさタイプといえども、この一撃はかなりのものだったでしょう?」

「確かに……ッ! だが、こちらも引かない! ダイソウゲンだバチンキー!」

 

 バチンキーは反撃でダイソウゲンを繰り出し、カジリガメを追いつめる。 耐えたカジリガメはダイアタックでバチンキーを攻撃するが、バチンキーはそれを受け止めて再びダイソウゲンを繰り出した。

 

「ここは、ダイマックスが切れるまでに決着をつけるぞ! もう一度、ダイソウゲン!」

「流し去ってみせるわ、ダイストリームッ!」

 

 ダイソウゲンとダイストリームが衝突する。 そのおしあいはスタジアム全体を巻き込む勢いがあったが、やがてダイソウゲンが押し切り、カジリガメが技のエネルギーに飲まれた。

 

「カジリガメ!」

「おおっと、カジリガメ! ダイソウゲンの力に飲み込まれ、そのまま戦闘不能となったぁぁぁ!! これにより、バチンキーの勝ち……すなわち、チャレンジャーであるアスベル選手の勝利が決まったぞぉぉぉっ!!」

「うぉぉぉぉぉおっ!!」

 

 あのダイソウゲンが効いたようであり、カジリガメは戦闘不能となったのだ。 その実況と観客の声でルリナは、自分が負けたのだと悟る。

 

「な、なんてこと……! まさか自慢の最強メンバーのはずなのに、私が逆に流し去られるなんて………!」

「………よくやったぞ、バチンキー。 ありがとう」

 

 ルリナが悔しそうにしている一方で、元に戻ったバチンキーをアスベルが抱きしめていた。 そうして勝敗が決まったところで、ルリナは冷静な態度に戻り彼に声をかける。

 

「ふぅ………あなたの強さがわかりました。 あなた達チームには、ジムチャレンジで勝ち進みチャンピオンに挑むに足る、素晴らしいスピリットがあります」

「ルリナさん……」

「あなた達はジムバッジを受け取るのに相応しいのよ! さぁ、受け取るといいわ……みずバッジを!」

「ありがとうございます」

 

 そう言ってアスベルとルリナは握手を交わし、勝利の証であるみずバッジを受けとる。

 

 

 

「次にあなたが戦うのは、エンジンスタジアムにいる炎のジムリーダーね。 今のあなた達なら、彼も相手をしてくれます」

「はい。 本日は試合をしていただき、ありがとうございました!」

 

 そう言葉をかわし、アスベルはユニフォームから普段着に着替え眼帯を元に戻すと、バウスタジアムを出て行った。

 

「さて、いこうか」

 

 アスベルは自分のポケモンに呼びかけ、まずはポケモンセンターで休みそこからまた旅立とうと、話をしていた。

 

「よ、ルリナ!」

「ああ、ソニア」

 

 アスベルがスタジアムをでた後、ソニアは今日一日のジムリーダーとしての仕事を終えたルリナと合流した。 ソニアとルリナはもとより友人同士であるため、互いに気兼ねなく話ができるのである。

 

「試合、みてたよ」

「そうだったの? 見てたなら教えてくれればよかったのに……」

「うん……今回は、アスベルがでてる試合だったからね………注目してみたかったんだよ。 ホップの試合は見逃しちゃったから、その分ふくめてね……」

「………ふふふ、やっぱ彼の弟だから、気になってたりした?」

「そういう意味じゃないわよっ」

 

 ルリナの意味深な言葉に対し、ソニアはあわてて否定をする。 そんなソニアの様子に対しクスクスと笑っていると、先程相手にしたアスベルについて語る。

 

「彼のことは、チャンピオンから……少し話は聞いていたの。 ワケあって彼の実家で引き取っていたって………。 そして私が実際にあって抱いた印象としては………写真で見るよりも……割と物静か、と言ったところね」

「うん、ホントにダンデくんとホップに挟まれて育ったのか…と思うくらいね」

「なんか、比較対照を間違えてる気がするわ………それ」

 

 ルリナがそう言うと、ソニアは話を続ける。

 

「それを含めても、なんだか不思議な男の子なのよ………アスベルって………」

「不思議?」

「ええ」

 

 ソニアは、アスベルについて以前から思っていたことをそのまま、ルリナに伝えた。 ジムチャレンジが始まってから感じたことも含めて。

 

「普段は優しくて、世話になっている家の人のために、自分から仕事を手伝っているいい子なんだ。 でも、あまり……自分の感情を表に出そうとしないのよ。 口数もホップやダンデくんと比べるとそこまで多くない……あの2人に兄弟のように思われてる割には……とっても大人しい部類の子ね」

「確かに……。 でも、バトルになったときはまるで別人のようだわ。 指示は的確だった。 ポケモン達の一長一短をすべて理解しているような、そして………確実に勝とうとする姿勢が……見て取れた……」

「そうそう、意外性があるのよ。 わたしもそれを知ったのは最近の話……ジムチャレンジを始めたときに知ったんだけど…………」

「………そう………」

「彼があそこまでバトルになると人が変わったように強いなんて、思ってもみなかったわ………案外、天才肌だったのかも………」

「…………」

 

 そうソニアの話を、気付けばルリナは聞き流していた。 彼に負けたことがここまで悔しいなど、予想していなかったからだろうか。

 




次回も生きて投稿したい
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