ポケモンSWSH 黎明の瞳   作:彩波風衣

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今回は6番目のジムリーダー・マクワとの戦いをお届けします。
なんか、第一印象と実際に会った時のギャップがすごい人だよね。


25~ハードロッククラッシャー・マクワ~

 

 キルクスタウンにたどり着いたアスベルは早速その日の午後に、スタジアムに挑戦した。 まずジムリーダーに挑む権利を手に入れるための、ジムミッションに挑んだ。

 

「数回は落ちてしまったな……しかし、クリアはできたぞ……」

 

 そのジムミッションというのは、ダウジングマシンで落とし穴を回避しながらゴールを目指すと言うもの。 途中で何回も落下したものの、バトルにはすべて勝利し、アスベルはゴールにたどり着いたことで、ジムリーダーへの挑戦権を獲得したのであった。

 

「改めて。 ジムリーダーのマクワともうします。 あなたがくるのを待っていましたよ」

「………」

「あなたには悪いですが、ぼくのポケモンがスタイリッシュに勝利する姿をお見せするのが目的なので……早急に終わらせますよ」

「……よろしくお願いします……!」

 

 マクワの自信にあふれた宣言にたいし、アスベルは静かにそう返す。 そう言葉を短い時間で交わした2人は所定の位置に着き、試合開始の合図とともに最初のポケモンを繰り出す。

 

「いきますよ、ガメノデス!」

「頼む、ゴリランダー!」

 

 マクワが一番に出したのはガメノデス、対するアスベルはゴリランダーだった。 相性では、ゴリランダーの方が有利だ。

 

「さぁ本日もはじまりました、キルクススタジアムのジムバトル! ジムリーダーは次代のチャンピオン候補と称されるいわポケモン使いの天才マクワ! 対するチャレンジャーは、最近注目を集めるこの男! アスベルだぁ! では……両者のポケモンが場にでたので、試合開始とする!!」

 

「ゴリランダー、はっぱカッター!」

「まもる!」

 

 ゴリランダーが最初に動いて攻撃をしかけようとするが、それをガメノデスはまもるで防いだ。

 

「ガメノデス、シェルブレード!」

 

 直後にマクワはガメノデスにシェルブレードを指示し、すばやくゴリランダーにダメージを与えてきた。 その一撃をまともに受けつつもゴリランダーはすぐに体制を整え、いわくだきで反撃をする。

 

「耐えて、ストーンエッジ!」

 

 いわくだきを受け止めたガメノデスは、反撃でストーンエッジを繰り出す。 それだけでなく、くさタイプに相性のいい技であるシザークロスも決めてきた。

 

「ゴリランダーッ!」

「そこに、シェルブレード!」

 

 その効果抜群のダメージに弱ったところを、マクワは見逃さない。 ガメノデスはマクワの声にあわせてシェルブレードを連続で繰り出し、ゴリランダーを追いつめる。 いくら効果が今一つでも、弱った隙をついた連続攻撃は、耐えるのが精一杯だ。

 

「クッ……!」

「僕のいわポケモンに対し、くさタイプかみずタイプで攻めてくるトレーナーは多い……ゆえに、こちらも対策をしているのですよ! ガメノデス、もう一度シザークロス!」

「ドレインパンチ!」

 

 シザークロスにたいしドレインパンチでむかえうつゴリランダー。 二つの技が激しく衝突し、唾競り合いがはじまる。

 

「押し切れ、ゴリランダー!」

 

 その衝突を、ゴリランダーが押し切り、ガメノデスは地面にたたきつけられた。

 

「ガメノデス!」

「決めろ……はっぱカッター!」

 

 そこでアスベルはとどめといわんばかりに、はっぱカッターを指示してたたきこみ、ガメノデスを戦闘不能にした。

 

「ガメノデスッ……!」

「おっとここで、ジムリーダーのポケモンが倒れたぁぁ!」

「うぉぉぉぉぉっ!!」

「よし!」

 

 最初に白星をあげたのはアスベルだった。 マクワは気持ちを切り替えるためにガメノデスをボールに戻す。

 

「まだ勝負は終わっていませんよ!」

「承知してます!」

 

 

 

「次はこのポケモンです……ゆけ、イシヘンジン!」

 

 マクワが2番目に出したのは、全身が石でできていて、なにかの建造物のような形をしたポケモン…イシヘンジンだった。

 

「イシヘンジン、か……どんな戦い方でくる……!? 戻れ、ゴリランダー!」

 

 まずアスベルは、ゴリランダーを下げる。 そして、次にはみずタイプのタマンタを出した。

 

「頼む、タマンタ!」

「タマンタか……では、イシヘンジン! すなあらし!」

 

 そこにすなあらしが発生し、イシヘンジンはどこかイキイキした顔つきになる。 天候を変えられ自分に優位に立たせたのだと、アスベルは察し、タマンタにバブルこうせんを指示する。

 

「イシヘンジン、いわなだれ!」

 

 そのいわなだれでバブルこうせんは打ち消され、そのままイシヘンジンはタマンタを攻撃しようとする。 それにたいしタマンタはこうそくいどうをつかい、いわなだれを回避していく。

 

「隙をついて、バブルこうせん!」

 

 タマンタは素早い動きで相手の攻撃を回避しながらも別の方向からバブルこうせんを放ち、イシヘンジンに確実なダメージを与えていく。 効果抜群の技のダメージに、イシヘンジンは一気に弱る。

 

「イシヘンジンッ!」

「そこでさらに、れいとうビーム!」

「させるものか、がんせきふうじ!」

 

 そこでマクワはがんせきふうじでタマンタを攻撃しつつ動きを封じる策に出て、それを繰り出す。 それで動きを封じられたタマンタに、イシヘンジンはさらに攻撃を加え、ダメージを与えていく。

 

「とどめをさしなさいイシヘンジン、ストーンエッジ!」

「そこでれいとうビームッ!」

 

 ストーンエッジをれいとうビームで封じ、それは貫通してイシヘンジンの動きを封じる。

 

「クッ!」

「タマンタ、そこにバブルこうせん!」

「ヒートスタンプで、氷を蹴散らすのです!」

 

 イシヘンジンはほのおの技を繰り出して氷をとかして蹴散らし、タマンタにそのままヒートスタンプで攻撃する。

 

「タマンタッ!」

「決めますよ、いわなだれ!」

「みずのはどう!」

 

 いわなだれを受けながらもイシヘンジンにみずのはどうを食らわし、タマンタはイシヘンジンを戦闘不能にする。 そうしてイシヘンジンを倒して優位に立ったと思ったのもつかの間、タマンタは突然倒れて戦闘不能になってしまった。

 

「タマンタッ……」

「ああっとここで、タマンタがすなあらしによってとどめを刺されてしまったぁぁー! これにより、この試合はダブル・ノックアウトです!」

 

 タマンタは、戦いでダメージを蓄積されていたのだ。 それが限界を迎え、戦闘不能になってしまったのだろう。 自分は見誤っていたのだと、アスベルは己自身の未熟さを感じ、気づけなかった後悔を抱えつつ、タマンタをボールに戻した。

 

「タマンタ……気づけなくてすまない。 そのかわり、この勝負に絶対に、勝ってみせる!」

 

 

 

 そこにたつトレーナーがどんな感情を抱いていても、試合は終わりを告げられるまで続く。 それまでは、ノンストップで戦うしかない。

 

「さぁて、ここからジムリーダー、この勝負にどう決着をつけるのか!」

「……まだ、砂となっていない……戦う! ゆけ、セキタンザン!」

「ここはキミだ、アーマーガア!」

 

 マクワが出したのは、ほのおといわを併せ持つポケモンであるセキタンザン、たいするアスベルはアーマーガアだ。 相性はハッキリ言って…アーマーガアが不利である。

 

「セキタンザン、一気に攻めますよ! だいもんじ!」

「そらをとんで回避しろ!」

 

 セキタンザンはいきなり、効果抜群でありしかも大技であるだいもんじで攻撃を仕掛けてきた。 それをアーマーガアはそらをとぶで回避する。 それをみたマクワは、うちおとす攻撃でアーマーガアを攻撃し、アーマーガアを墜落させる。 それにたいしアーマーガアはひるまず、ラスターカノンで反撃し、ダメージを与えた。

 

「山のような岩となれ……ええい、キョダイマックス!」

「いくぞ、アーマーガア…こちらもキョダイマックスだ!」

 

 そう言ってマクワもアスベルも、自分のポケモンをいったんボールに戻し、力を注ぎボールを巨大化させ、それを投げてダイマックスさせたポケモンをそこに出現させる。 そうしてこのスタジアムに歓声が響きわたり、その場にはキョダイセキタンザンとキョダイアーマーガアがあらわれた。

 

「ほう……そちらもキョダイマックスですか……!」

 

 このアーマーガアも、キョダイマックスするポケモンだと知ったマクワは、遠慮はいらないと言わんばかりにダイバーンを指示する。

 

「越えろアーマーガア! キョダイフウジン!」

 

 ダイバーンに耐えたアーマーガアは、キョダイフウジンで反撃する。 そのダメージを受けたセキタンザンはそれを振り払いながら、攻撃の体制に入る。

 

「……でかい体、そのものが強さ! 全身で痛みを味わえ! キョダイフンセキ!」

 

 巨大な岩石が降ってきて押しつぶし、周囲に岩が降り注ぐ。 その技はアーマーガアにヒットしたものの、アーマーガアはそれに持ちこたえる。 だが、直後にまたダメージを受けてしまった。

 

「アーマーガアッ!」

「これが、キョダイフンセキの力です!」

 

 定期的にダメージを受けるのが、相手のキョダイマックス技の効果なのかと悟ったアスベルは、今度はアーマーガアにダイスチルを指示した。 それとダイロックが衝突し、直後にアーマーガアが再びキョダイフウジンを放った。 その技がヒットしセキタンザンが耐え抜いたとき、ダイマックスの時間制限がおとずれる。

 

「時間切れ、か……」

「攻めるのを止めるなセキタンザン! だいもんじ!」

 

 マクワはさらに攻撃の指示を出し、セキタンザンはだいもんじで攻撃を仕掛けてくる。 アーマーガアはそれを回避するが、直後にかえんほうしゃが飛んできてアーマーガアに大ダメージを与えた。

 

「だいもんじは囮かっ……!」

「そのまま、いわなだれ!」

 

 立て続けにマクワはいわなだれを指示して、アーマーガアに攻撃をする。 それをラスターカノンで迎え撃ち相殺をするアーマーガアに、再びだいもんじが襲いかかろうとしていた。 それに気付いたアスベルは、アーマーガアに咄嗟にそらをとぶの技による回避の指示を出す。 それが間に合い、アーマーガアはだいもんじをかわすことに成功した。

 

「今度は見切ったぞ!」

「かわされたっ……!」

「決めろ、はがねのつばさ!」

 

 そして、すばやくセキタンザンに接近し、はがねのつばさをヒットさせた。 それが急所にあたったようであり、セキタンザンは倒れた。

 

「セキタンザンッ!」

「ここでセキタンザンが戦闘不能になったぁぁーっ!! これによりジムリーダーのポケモンは全員戦闘不能! 勝者は、チャレンジャー・アスベル選手!」

「おおぉぉぉぉーーーっ!!」

 

 アスベルの勝利により歓声があがり、その中でマクワはサングラスをなおしつつ、つぶやいた。

 

「穴があったら入りたい……いや、ここは落ちてしまいたい……か……」

 

 

 

 アスベルは、自分の方に羽ばたいてきたアーマーガアを、アスベルは受け止める。

 

「いいぞアーマーガア! キミのおかげだ……ありがとう!」

 

 何度もダメージを受けていたし、効果のある技を何度も受けた。 改めて相棒の強さを感じ取る。 あの苦境で戦ってくれたことを、全身で受けて喜ぶ。

 

「よく、あの攻撃に耐えながら戦ったな……キミはすごいよ……」

「がぁ」

「ふふっ」

 

 アスベルにたいしアーマーガアはそっと頬にすり寄る。 それでアスベルはまた、ほほえんだ。

 

「あの最後の一撃……パワーもスピードも並ではない……僕の完敗ですね」

 

 よほど自信があったのだろう、アスベルの実力を認めながらも悔しげに顔をゆがませていた。 だが、今はまだジムリーダーとしてのつとめが残っているのだと気を持ち直し、中心に歩み寄り笑顔でアスベルと向かい合う。

 

「お見事でした、きまりですのでいわバッジをあなたに渡します」

「……ありがとうございます……!」

 

 アスベルはマクワからいわバッジを受け取り握手を交わす。 そのとき、ふとあることがアスベルの脳裏を横切り、口を開く。

 

「あの」

「ああ、僕のことは気にしないでください。 またトレーニングに励むだけなので」

「いいえ、違います」

「?」

 

 そう返すアスベルに対し、マクワはきょとんとする。 そんなマクワにアスベルは、ある少年の話をした。

 

「……あなたはもう勝負したと思いますが……ホップというトレーナー……。 今はちょっとケガしちゃって……それで治療中ですが、すぐにあなたにリベンジをしようとしています。 それで……また、彼があなたのところにきたときは……彼のリベンジを受けて立ってください!」

 

 アスベルのその願いは、マクワにとって予想外だった。 あの少年と彼は親しく、また彼がその少年を非常に大事に思っているのをその言葉で察したマクワは、彼のその願いを聞き入れることにした。

 

「もちろん、僕はどのトレーナーの挑戦も受けて立ちます。 リベンジも含めて……ね……!」

「はい!」

 

 マクワの言葉をきいたアスベルは、笑みを浮かべてうなずいた。 そんな彼に対し、マクワはある追加情報を伝える。

 

「ちなみに言いますけど」

「?」

「そのホップという少年……現チャンピオンよりも、落とし穴に落ちる回数は圧倒的に少なかったですよ」

「……でしょうね……」

 

 ホップがダンデより優れているポイントをしっかりと言われ、アスベルは苦笑したのであった。 そんな会話をそこそこに、アスベルはここをもう旅立つことを告げる。

 

「……では、オレは失礼します。 まだちゃんと、自分を鍛えねばならないと……このバトルで学んだから。 それに気づけたのは、貴方が相手をしてくれたおかげです。 オレはそのことを、無駄にしません」

「……ふふ、それならば、バトルをしてよかったです」

 

 このバトルに勝利はできたが、同時にまだ勉強をしなければならないところがあると知ったアスベル。 自分の改善点を見つけた彼は、さらに自分を高めるべく、進むのであった。

 

「……僕も、本来ならあなたのように、強くありたいものです………」

 

 そんなアスベルの姿を見て、マクワはそう思ったとか。

 




次回はアスベルとホップとソニアのお話。
剣盾をやった人の心に残るものというのに、挑戦したくてやりました。
どんな内容か、おたのしみに。
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