突如として現れた謎の二人組・ソッドとシルディ。 歴史の真実と伝説の2匹を否定し祭壇から盾を奪い取った彼らがなにをするつもりなのか、その真意を確かめ盾を取り返すために、アスベルはホップやマリオンと共に二人を捜すために旅立った。
「ヤローさん」
「に、ネズさん!?」
まず訪れたのは、怪しい反応のあったターフタウンのターフスタジアム。 そこにはジムリーダーであるヤローとネズの姿があり、3人は驚く。 ヤローだけならまだわかるが、ネズがなぜいるのかがわからないのだ。
「あれ? アスベルくんにホップくんにマリオンさん」
「なんで、ネズさんまでいるの!?」
「相変わらず騒がしいトリオですね」
騒がしいにアスベルはあまりあてはまらない気がする。 そんなことを考えているマリオンとホップだが口には出さず、ヤローとネズに事情を尋ねる。
「実はこれから、ネズさんと試合を行おうとしていたんですが……勝負の最中にトレーナー不明のダイマックスポケモンが乱入してきましてね」
「えぇ!?」
「たったいま、観客やスタッフを避難させていたんですよ
「でも、なんで試合を?」
「余興ですよ、決勝戦が延期になって皆が退屈しているそうなので……メディアどもにやってくれとせがまれましてね……もっとも、誰が退屈しているのか、証拠も見せてくれないですけど」
そう、メディアに対する不信感をも口に出しつつも試合の理由を伝えるネズ。 それにたいしヤローは苦笑し、3人はこの状況を見過ごせないと感じていた。
「変な赤いのと青いのの2人組も、どこにいっちゃったのか……検討もつかないけど」
「今は暴れているという、ダイマックスポケモンの方が心配だ。 ヤローさんとネズさんはそのポケモンと戦い、しずめるつもりなのでしょう? だったら、オレ達も協力します」
「本当ですか、助かりますよ!」
「勝手に決められたけど、仕方ないですね。 オレも手伝いますよ。 ポケモンに罪はないですが、ステージをジャマされてはちょっと許し難いですよ」
そう声を掛け合い、5人はターフスタジアムのバトルフィールドに向かった。 そこにはダイマックスをしたアマージョが周囲を荒らしている光景が存在していた。
「頼む、マルヤクデ!」
「おねがい、バニっち!」
「いけ、バイウールー!」
「アップリュー、いってくれ!」
「頼むぜ、スカタンクッ!」
そのアマージョにたいし、5人はそれぞれのポケモンを繰り出した。 アマージョは強力な攻撃を繰り出してはこちらを追いつめるが、アスベル達も負けじとアマージョ達に攻撃を繰り返す。
「あとちょっと!」
「静まってくれ……!」
そうして、彼等の奮闘もあって、体力のつきたアマージョは元の姿に戻り、落ち着きを取り戻したのだった。
そうして戦いが終わり元の大きさに戻ったアマージョは、ヤローが与えたげんきのかたまりで回復した。
「これで、大丈夫ですよ」
「よかったぁ」
アマージョは無事に救出できたと知り、マリオン達は安堵した。 そばにいたネズは、重いため息をつく。
「ダイマックス……やはり、好きになれませんね」
「ネズさんのダイマックス嫌いは相変わらずですねぇ」
「スパイクタウンはできないから?」
「…………」
マリオンに言われ、ネズは黙った。 その一方でヤローはさっきの異変に対する違和感を口にした。
「しかし、さっきのダイマックスはなにか奇妙でしたねぇ」
「まず、トレーナーがいなかった! それに、ポケモン自身も力を制御できなくて、戸惑ってる感じだったぞ」
「ああ……」
「ダイマックスは通常、ダイマックスバンドにポケモンが応えることで発動しますが……」
「ポケモンとトレーナーのハーモニーに、ノイズがありましたよ」
「どういう表現だよ」
ネズの表現方法にマリオンがツッコミをいれる横で、ヤローはアスベルに問いかける。
「アスベルくんは、なんか感じましたか?」
「……違和感を感じるとか、そういうレベルじゃない……ざわつくんです。 やめさせろ、とめろ……と……誰かが必死で訴えている……」
「え、そういうのがわかるんですか!?」
「ええ、わずかにですが……!?」
そのとき、アスベルはなにかの気配に気づき、受付の方をにらみつけて叫ぶ。
「そこにいるのはわかっている、出ろ!!」
「おーやおや! 気付きましたか!」
「おーやおや! やはり我々の高貴さは、隠せるものじゃないですね!」
そこから、ソッドとシルディが飛び出てきた。 何者だと驚き戸惑うヤローとネズ、にらみつけるアスベルとマリオン。 ホップは、2人の姿を見て叫ぶ。
「そこにいたのか! おい、くちた盾を返せよ!」
「おーやおやおや、目を覚ましたのですか小僧」
「おーやおやおや、この盾は元々あなたのものでないでしょうに! といっても、返さないですけどね!」
「なんだと!」
返す気のない二人に対しホップは眉を吊り上げ、ネズも訝し気に2人をにらみつける。
「なんなんですか、こいつらは? 観客やスタッフは避難させたはずなんですが」
「世俗のルールなど我々に関係のないこと!」
「そう! それこそがセレブリティ!」
「はぁ?」
「ルールもまともに守れない者が王族など、虫酸が走る」
そうアスベルがにらみつけながら吐き捨てると、ソッドもまたアスベルを憎しみを込めた目でアスベルをにらみつける。
「その顔、その言葉……なぜだか踏みにじりたくなるほどに憎く思えてくる」
「………」
「しかし、実験は成功ですね弟よ!」
「ええ、ええ! 次はもっと強いポケモンをダイマックスさせましょう!」
「そして、ザシアンとザマゼンタの本性を暴いてやるのです!」
ポケモンが無理矢理ダイマックスさせられ、苦しんでいる。 その原因は彼らの自己満足ともいえる横暴さによるものだと気付いたホップは、その身を震わせて叫ぶ。
「おまえ達の仕業かぁ!」
「ホップ!」
「おっと!」
ホップが2人に飛びかかろうとした瞬間、ソッドの方がニダンギルに指示を出して天井の看板を攻撃しホップ達の真上に落とした。
「わぁあ!!!?」
「危ない!」
「ヤローさんっ」
そこにヤローがとびこんでいき、看板を受け止める。 彼に助けられて戸惑う彼等の耳に、2人の声が入ってくる。
「我々はこれからも、ダイマックスを暴れさせます! 止めたければせいぜい、我々のかっれーいなおっしーりを追いかけなさい!」
「では、セレブリティ~~~!」
「まてー! 今すぐそのケツにカンチョウしてやるっ……」
マリオンはそう叫ぶが、すでに彼等の姿はなかった。 悔しそうにしているが、看板から自分達を守ってくれたヤローの安否も気になる。 ヤローは看板を下ろしつつ、3人は無事かどうかを確認してくる。
「おけがはないですか、みなさん」
「オレたちは平気です、ヤローさんは……」
「あははは、あれくらいなら大したことはありませんよ!」
「体格に偽りナシ、だな……」
「うん」
あの看板を軽く受け止めて外傷がないヤローに対し、アスベル達は苦笑する。 そして、3人に対し穏和なほほえみを浮かべつつも、これからのことを口にしていく。
「犯人を逃がしてしまいましたが……今は他に被害がでてないかを確かめたり、いつ同じことが起きてもすぐ対処できるように町全体に目配りをする必要があります。 なによりも」
「なによりも?」
「きみ達の実力、正義感……そして2人を追おうとしていることも……ぼくは知っています。 だから、ここからはきみ達を信じて……ぼくはぼくのできることをします。 こちらのポケモンも、ターフジムが責任を持って保護します」
「おねがいします、あとのことはオレ達に任せてください」
そうして、先ほどのアマージョのことをアスベルはヤローに託すことを決める。 ヤローもそれにたいし頷いた。 ネズも、自分がこれからどうするかを口にする。
「あいつらがポケモンを無理矢理ダイマックスさせた……しかも、これからもやるといっていたことから、ほぼ確定ですね」
「え、ネズさんもくるの?」
「ネズさんもお兄さんだから、なにかとお世話を焼いてますよ……」
「そういうものですね」
そうして、アマージョをヤローに託すことを決めたアスベル達はターフスタジアムをでた。
「アスベル!」
「ソニアさん!?」
スタジアムをでたところで、アスベル達はソニアと遭遇した。 どうしたんですか、とアスベルが問いかけると、ソニアはパワースポット探しマシーンで感知した情報をそのままアスベルに伝えてきた。
「このターフタウンのガラル粒子反応が正常数値に落ち着いたと思ったら……今度はバウスタジアムとエンジンスタジアムで膨大なガラル粒子が観測されたの!」
「なんだって!?」
「……そうか、オレの中に響く声は、そこから聞こえていたのか……」
「え、またなにか感じるのか!?」
「ああ」
「で、なにがあったの」
アスベル達はソニアにこのスタジアムで起こったことをすべて説明した。 そして、この異常な数値の原因は彼等にあるのだと知ったソニアは、眉をつり上げる。
「そんなことがあったなんて……! 許すわけには行かないよ、あのシーソーコンビ!」
「し、シーソー?」
「例の2人組! ソッドとシルディって名前なんでしょ? だから頭をとってシーソー! そんなんで十分でしょ!」
「そっか」
あっさりなっとくした。 ホップ達は心の中ではあるが一斉にアスベルにそうツッコミをいれた。 それはともかくとして、今バウタウンとエンジンシティが危ないとソニアがいっていた。 そのときネズは今スパイクタウンにいる妹を心配したものの、スパイクタウンには元々パワースポットがないので問題はいっさいないというソニアのツッコミを聞いて冷静さを取り戻す。
「というわけで、ここは二手に分かれますよ」
「二手……」
「ホップ、お前はオレときなさい」
「えぇ!?」
アスベルとマリオンはともかく、自分とネズがくむことになったことにたいしホップは、自信がなさそうに彼に告げる。
「おれなんか、ネズさんの足手まといになるんじゃ……」
「ダンデは迷いませんよ、道以外は」
「……」
「それに、キミみたいなノイジーなヤツはほっとけない。 無闇にあの2人を無闇に追いかけるのはトラップにはまりにいくようなもの……不用意に追いかけて危険にさらすより、見張っていた方がいい」
「………」
「ホップ」
戸惑うホップに対し、アスベルはハッキリと告げた。
「お前が自分の行動に責任を感じるというなら、ここはネズさんに従え。 いいな」
「……いや、うん。 わかったよ」
「それでOK。 少しクールにおなりなさい」
そう声をかけられ、ホップはそのままネズとともにバウタウンに向かった。 アスベルは、そんなホップとネズの姿を見てつぶやく。
「ネズさんなら……ホップの力になってくれるよな」
「そうだね。 んじゃあの2人がバウタウンに行ったなら、ボク達はエンジンシティに行ってみよう」
「……ああ!」
今彼は、自分より彼と行動を共にした方がいい。 いまはネズを信じてホップを彼に任せ、自分はマリオンと行動を共にする。
そうしてアスベルとマリオンは、アスベルのアーマーガアの力をかりて、エンジンシティに駆けつけた。
「スタジアのまわり、とんでもないことになってるね」
「クッ」
マリオンの言うとおり、エンジンスタジアムの周囲には人だかりができていた。 これはスタジアムの内部で異変が起こっているという証拠ではあるが、集まっているのは野次馬や報道陣といったところだというのが、アスベルに不快感を与えている。 必死にリーグスタッフや警察、ジムトレーナーがとりおさえている間に、アスベルとマリオンはこっそりとスタジアムに入っていった。
「カブさん!」
その中には、カブが一人でいた。 おそらく、今起こっている異変にどう立ち向かうべきか考えていたところだろう。 自分のところにきた2人のトレーナーに気づき、彼らの名前を口に出す。
「アスベル、マリオン!」
「ボク達のことも覚えていてくれたんだね!」
「もちろんです、ジムチャレンジを見事に突破してみせたきみ達を、忘れるわけがないじゃないですか」
カブに認められたトレーナーは優秀なトレーナーとして認知される、というのはジムチャレンジの間では有名だ。 自分もまた、その一人だと認められてマリオンも喜び、アスベルもその評価を素直に受け止めていた。
「覚えていただき、光栄におもいます。 ですが……今は世間話はしている暇はないようです」
「そう! 幸いにも観客もいなかったからスタッフを避難させたが……今もダイマックスポケモンは暴れている! それをなんとか止めなければ、と難儀していたんだ」
やはりここにも異変が起きていた。 奴らが関わっているからには立ち向かわねば、と感じたアスベルとマリオンは顔を見合わせて頷き、カブに協力を申し出た。
「ボクたち、ちょっと因縁があって……その異変を追ってここにきたんです!」
「なので、オレ達も貴方とともに戦います!」
「きみ達が力になってくれるのなら心強い! やる気も燃え上がるものだ! では、行こうか!」
「はい!」
カブも2人の実力を認め、2人ととともにスタジアムの中へ向かう。 その中にはダイマックスしたコータスが頓挫しており、その体から煙を出している。
「マルヤクデ!」
「シェルっち!」
「マンタイン!」
3人もポケモンを繰り出して、コータスに立ち向かう。 まずは相性のいいパルシェンとマンタインがコータスにみずタイプの技をぶつけ、反撃でコータスがほのおの技を飛ばしてきても、マルヤクデがそれを相殺する。
「とげキャノン!」
「みずのはどう!」
「だいもんじ!」
3人で同時攻撃を仕掛けると、コータスはその体から先ほどまでとはけた違いな量の煙を出し、3人の視界を奪った。
「クッ……!」
「アスベルくんっ」
自分でもこの中で相手を見つけるのは難しい、隻眼であるアスベルはこの状況は特に厳しいのではないか。 そう思ったカブは急いでアスベルを探しだろうとする。
「……このままでは、相手の思うままだ……」
アスベルは煙に包まれたこの空間で、必死に相手を捜そうとした。 そのとき、彼の脳裏に謎の声が響きわたる。
「シズメロ、タオスベキモノハ、ソコニイル」
「!?」
「ナンジハ、タオレテハナラナイ……コノワザワイヲシズメルコモマタ、ナンジノウンメイダ……ココデトマッテハナラヌ……」
「言われなくても!」
そう叫び、アスベルは脳裏に響く声を示すほうに向かって、マンタインにバブルこうせんを指示する。 すると、そのバブルこうせんがヒットしたらしく、コータスは大きな声と音を立てながら倒れた。 同時に、煙も晴れてコータスも徐々に元の大きさにもどっていく。
「ふぅっ……!」
「アスベル?」
「カブさん、急いでこのコータスを……助けてあげてください」
あの中で相手の位置をつかみ倒したアスベルにある主の疑問を抱きつつも、カブはアスベルの言葉に対し頷き、コータスを救出する。
「どうにか、事態の火消しができたようだ。 暴れていたポケモンくんは、エンジンスタジアムでしばらく休ませてあげるよ」
「そうなんですね、よかった」
コータスはとりあえず無事なようだ。 そして、この戦いの中でカブは、これからもアスベルはこのような危険な戦いに身を投じていくのかとおもい、彼の安否を気にして、あとは自分達に任せた方がいいのではと告げようとした。
「……オレは、まだ13の子どもです」
そんなカブの考えを察したアスベルは、自分がまだ年齢的には子供であることは変わらないと認めつつも、この戦いを続けると伝えようとしていた。
「でも、自分の運命と向かい合わねば……この騒動はおさえられない。 逃げたとしても追ってくる……。 であれば、迎え撃ちたいんです! オレ自身の力で!」
「わかった」
アスベルがなぜここまで、今の事件に食いついてくるのか…その理由まではわからない。 だが、彼が退かないのであればそこで止めるわけにはいかないだろう。 そして、そばにいるマリオンも彼と共に戦うことをやめようとはしないだろう。 そう判断したカブは、彼がこの事件に立ち向かうことを許した。 いざとなれば自分を盾にして彼等を守ればいい、と覚悟を決めて。
「これから困ったことがあったらぼくを呼んでくれ、必ず力になるよ!」
「わ、すっごい心強いね!」
「若者よ、ゆけ! 健闘を祈る!」
「はい!」
そう告げて、カブは事後の処理をするため歩き出した。 あとはカブにまかせれば問題はないと判断したアスベルとマリオンは、裏口からこっそり出て行った。 それと同じタイミングで、アスベルのスマホに通信が入る。
「スマホが?」
「アスベル!!」
「わ、ソニアさん!?」
電話の相手はソニアだった。 しかも、非常に焦っている様子だ。
「ポケモン研究所にシーソーコンビが現れたの! ねがいぼしを渡せってネチネチ言ってきてこわいの……おねがい、助けて!! キャッ!」
「ソニアさん!?」
そこで通信がきられてしまった。 今ソニアの元にあの2人がいる…ということは、無事ではすまされない。 彼女の安否に不安を覚えたアスベルは、マリオンの方を向く。
「マリオン!」
「わかってる! すぐにいこ!」
「ああ!」
アスベルは、アーマーガアをボールから出してマリオンと共にブラッシータウンへ向かった。
アスベルとマリオンがエンジンスタジアムでカブとともに戦っている頃、ホップとネズもまた、バウタウンのバウスタジアムに到着した。 ここは、エンジンシティよりは人だかりも出来ていないので、2人はすんなりとスタジアムに入ることができた。
「ルリナさん!」
スタジアムの中には、ジムトレーナーにテキパキと指示を出しているルリナの姿があった。 声をかけられたルリナは振り返り、声の主がホップであることに気付いたルリナは、隣にネズもいることに驚きつつもここがいまは危険地帯であることを伝える。
「あなた達、今ここは危険よ!」
「事情はわかっていますよ。お客やスタッフは無事ですか?」
「ええ。 つい先ほど避難は終わったところだけど……」
2人をまじまじとみたルリナは、思ったことをそのまま口に出した。
「あなた達、なんか不思議な組み合わせよね」
「ほっといてください」
「それよりもルリナさん、まだダイマックスポケモンはここで暴れているのか!?」
「ええ……これから沈静化させようとしていたところよ」
ここでもほかのスタジアムと同じことになっている、と確信を持ったホップとネズは顔を見合わせて頷くと、そのダイマックスポケモンと戦おうとする。
「では、いきますよホップ」
「ああ!」
「……その様子だと、止めても無駄なようね。 けど、あなた達が手を貸してくれるなら解決できるかもしれない……。 事態の収束のため、協力してください!」
「もちろんだぜ!」
そうしてルリナとホップとネズは、バウスタジアムのフィールドへ向かった。 そこには凶悪なポケモンが存在していた。
「ギャラドス!」
もともと強面かつ凶暴さを秘めているポケモン、ギャラドス。 今正気を失っていて攻撃的になっている上、元々体つきも大きいのでよりその迫力が増している。 普通よりいっそう怖くなってるな、とホップは苦笑しつつもバイウールーを出す。 横ではネズがタチフサグマ、ルリナがカジリガメを出している。
「タチフサグマ、ふいうち!」
「カジリガメ、がんせきふうじ!」
まずはタチフサグマがふいうちを繰り出しギャラドルにヒットさせ、反撃で飛んでいたダイストリームに耐える。 そして、カジリガメががんせきふうじで動きを封じ込め、バイウールーがのしかかりで攻撃してくる。 ギャラドスは立て続けにタチフサグマにアクアテールを仕掛けてきたが、タチフサグマはそれをブロッキングで防ぎ、カジリガメはストーンエッジを繰り出してギャラドスに大ダメージを与える。
「ホップ、とどめを!」
「ああ! バイウールー、ワイルドボルトォォォ!」
動きが鈍ったギャラドルに対し繰り出されたその強力なでんき技は、ギャラドスにクリティカルヒットして、倒した。 戦闘不能になったギャラドスは元の大きさに戻る。
「なんとかなった、ということでいいんだよな?」
「ええ。 あなた達のおかげで誰一人けが人を出すことなく騒ぎを納めることができたわ。 ありがとう」
「よかった」
「………まずはひとつ、といったところですね……」
ホップはけが人がいなかったことに喜び、その様子を見て何かを思ったネズはそうつぶやいた。 あのギャラドスもバウタウンで保護した後、機会を見て野生に返すそうだ。 ひとつの山を越えたことで安堵していたホップのスマホに、連絡が入る。
「ホップ!」
「アスベルも終わったのか!?」
「ああ、これからブラッシータウンの研究所へ向かうところだ!」
「え? なんで?」」
「緊急事態が発生した、ホップとネズさんもすぐにその現場にきてくれ! 急がないと、ソニアさんとマグノリア博士の身が心配だ!」
「なんだって!?」
「すぐにくるんだ、頼むぞ!」
それだけを伝えたアスベルは、すぐに通信を切ってしまった。 ホップは、すぐに研究所へ向かおうとネズに告げた後、ルリナに別れを告げて彼と共にスタジアムを出て行ってブラッシータウンへ飛んでいった。
「……ソニア……!」
その電話の内容を横で聞いていたルリナは、親友の安否を気にしていた。
アスベルとシーソーコンビはどういう関係なのか。
これからはそこにも注目してください。